しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2020年08月

卓球上達のためによくyoutubeで卓球の動画を寝そべって見ることが多い。ためになることが多く、見ているだけで上達した気分になってくる。

「この動画で学んだことを次の練習で試してみよう」

などと言って試してみるのだが、あまり上達したようには思えない。私はうすうす気づいているのだが、結局のところ、卓球が上達するかどうかというのは、足が動くかどうかにかかっているのではないだろうか。相手の打ったボールを、いや、打つ前にボールが来る場所を予測して、ボールが到達するまでに足をつかって適切なポジションに移動できれば、ミスが激減するのは分かっている。打法がどうの、用具がどうの、そんなことは些末なことであって、最も大事なことはフットワークに決まっている。その証拠に強豪校の練習はフットワークや足を使う練習が中心ではないか(前記事「「足で打つ」とは」)。

青森山田練習
青森山田時代の練習」より

フットワーク練習をひたすら続けることが上達への最短距離に違いない。どうしても避けて通るわけにはいかない。
しかし、学生時代に卓球をきちんとやっていない私のような社会人がフットワーク練習というのはなかなかできるものではない。
フットワーク練習は単調でつまらないし、体力を消耗するからできないのではない。純粋に能力的にできないのである。

---------
キソレン

キソレン(6)フォア側1本→バック側1本に動いてフォアハンドドライブ

上は「卓球レポート」の「基礎を固めて強くなる」シリーズの動画だが、フットワーク練習の基本である「1本1本」をオールフォアで打つ練習である。上田仁選手の滑るようなフットワークが美しい。この動画でフットワーク練習のやり方が説明されていると思ったのだが、役に立たなかった。

この練習のポイントとして以下の点が挙げられている。

「床すれすれに足を運ぶイメージで素早く動く」
どうやって「素早く動」けばいいのか…。それが知りたいのだが。

「上体の前傾を保ち頭を上下左右に動かしすぎないよう動く」
上体の適度な前傾が保てないときはどうすればいいのか…。私は回り込みがボールに間に合わず、上体をガクンガクンさせてばかりである。

「「動く→動きを止めて体全体でスイング→動く」を素早く正確に行い打球の精度を高める」
上のプロセスを「素早く正確に行い」たいのだが、どうすればできるのだろうか…。

これを見て参考になるのは、すでにフットワーク練習ができている人に違いない。案の定この動画に対するコメントは以下のようなものだった。

「この練習をやろうとしても難しくて全然続かない」
「相手がちゃんと返してくれないから練習できない」
「6割の力で打っても続かない」

彼らの気持ちがよくわかる。
フットワーク練習は、まずちゃんとブロックしてくれる相手がいないとできない。当てるだけのブロックができず、やけにプッシュしてくる人とか、バックドライブで返球する人とか、台の端から端まで恐ろしく広角に返球する人とか、そういう人が私の周りにもたくさんいる。
そして動き方が分からない。がむしゃらに足を動かして反復横跳びをやってもすぐに間に合わなくなる。ボールのスピードを落として時間的余裕を作るために5割、6割の力で打っても間に合わない。

私のようなレベルの低い愛好家はフットワーク練習ができるようになるために練習しなければならないのである。

もっとフットワーク初心者の役に立つ動画はないものか。

----------

「「足を動かせ」と言われても、どう動かしていいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。」
「足を動かす基本は「動く方向に足を出す」ことです。」
「…右に動くときに右足を出す。左に動くときは左足を出すようにします。」
「足を出すタイミングとしてはインパクトとほぼ同時になります。」

八戸

八戸
https://www.youtube.com/watch?v=8596LAhN2lw
【卓球フットワーク】左右1本1本の足の動かし方(沼田勝卓球チャンネル)より

そうだったのか!
なるほど、移動する側の足を上げることによって、もう一本の足に体重がかかり、しっかり床を蹴ることができる。こうすれば方向転換のスピードが格段に速くなる。

「打つときにジャンプする」と説く下の動画も参考になった。
諏訪
https://www.youtube.com/watch?v=dvvt5X8ySKQ
卓球 〜1本1本と回り込みの動き方〜 TT Labo 諏訪 より

これらの動画を見ていると、私でもフットワーク練習ができるような気がしてきた。
すぐにでも試してみたい!
しかし、週末まで練習はない。

待てよ。よく考えてみたら、フットワーク練習というのは、台がなくても、相手がいなくてもできるんじゃなかろうか?足の動かし方を身につけるだけなら、シャドープレーで十分ではないか?

田端式

「おうちでゴリゴリのフットワーク練習「4分間で1時間分の運動効果?」」(おうち卓球倶楽部【Home table tennis club】)
https://www.youtube.com/watch?v=C0zLHjFkloI

上の動画でシャドープレーでのフットワーク練習のやり方を説明している。
「田端式トレーニング」という有名なトレーニング方法があって、それも取り入れているらしい。

実際に私もアプリを使って似たようなことをやってみた。
tabata timer
Tabata Timer - タバタタイマー 無料

余計な機能が入っていなさそうなので、上のアプリをインストールしてみた。

休憩を含んで約5分、シャドープレーでテーブルの前で1本1本オールフォアのフットワーク練習をしてみた。
疲れた…。
たった5分なのに、肩で息をするぐらい消耗した。
これはいい練習になる!

そういえば最近、こんな興味深い企画がスタートしていたのだった。
卓球ダイエット
卓球フットワーク・ダイエットvol.1 卓球は痩せるのか?
https://www.youtube.com/watch?v=FUuAZA8pguw

この動画のように30分の練習を週2回というのも減量に効果がありそうだが、家で毎日5分のシャドープレーというのも手軽で続けやすいと思う。

毎日5分のシャドープレーでフットワークの足の使い方を身につけ、さらに脂肪も燃焼させられるとしたら、一石二鳥である。

卓球は、足である。
そして足を使う練習は、台がなくてもできる練習である。
これを毎日続けない手はない。





 

打球時に手首を使ってはいけない。そう固く信じてこれまで卓球をしてきた。
しかし、この間の練習で、上手な人がこんなことを言っていた。
「手首を使えるかどうかが卓球上達のカギだ」と。

しかし、打球時に手首を「こねる」と、ラケット面がぶれて、安定性を損ない、ボールがあらぬ方向に飛んで行ってしまうことになる。
最近見た動画でも、田添響選手はバックハンドの時手首を使わないと言っていた。
hibiki
https://www.youtube.com/watch?v=hC8ZElucsjc&t=0s

打球時に手首を使うなんて無謀ではないか?

前記事「スケール・メリット」でテニスの技術動画を取り上げたが、その延長で小澤康祐氏の「ゴルフスイング物理学」というチャンネルにたどりついたのだが、その解説が非常にわかりやすかったので、紹介したい。

テニスの動作と物理学
https://www.youtube.com/watch?v=ODeIc59Mp6g

氏は「プロネーション」という言葉を使ってテニスのスイングを解説していた。プロネーションというのは簡単に言うとバイバイするような手首の動きのことらしい。「回内」とも言うそうだ(このへんの術語の理解が私はあやふやである)。この「回内」というのは、おおざっぱに言うと、指を上に向けて、手の甲を相手に見せた状態から、手のひらを相手に見せるような動きである。

テニスのスイングの過程に、プロネーションの動きを入れることによってスイングスピードが速くなるということらしい。

ただし

「筋力で回外から回内に力をグッとかけてる、んではない。」

手首の力でラケットをひねるというわけではないらしい。

「グリップエンドをやや下から上に引っ張って…」
grip end

grip end

「で、最後グリップエンドの方向を変えてあげているだけなんです。」
grip turn

氏はこの動きを高速走行している車が急にハンドルを切ってスピンする動作に譬えている。車がスピンするようにラケットのヘッドが回転運動をするということらしい。

「手がラケットの回転によって回転させられてる」
「つまり、手が回外から回内に自分でローテーションさせてるんじゃなくて、…グリップエンドを(横方向に)引っ張っていけば、(ラケットが)回転してくれる。その回転に手が回転させられてるが正解の動き…。」

手首を固定して斜め下から斜め上にラケットを移動させるだけでは「何も起こらない」。手首を脱力し、斜め上にラケットを移動させている途中で、グリップを横方向に引っ張ると、ラケットに回転運動が生まれ、「バイバイ」のような動きになり、そのラケットの運動に引っ張られて、手首も自然にひねられるということらしい。

「8の字を描くように運動させると、グリップでグッと握って回外・回内させなくても、勝手にプロネーションていうのは慣性の力で起きてくれるということですね。」

これは高島規郎氏の提唱していた「8の字打法」のことではないか?
手首をどう動かすかなどは意識しないで、ラケットを8の字に動かそうとすれば、自然に「プロネーション」が起こるのだという。

卓球で手首を使うかどうか、という冒頭の疑問に対する答えがなんとなくわかってきた。手首でがんばって何かをしようとするのではなく、ラケットのグリップを後ろから前に引いていく途中で横方向(卓球なら下方向?)に引っ張れば、自然に手首も使われることになるのだ。テニスでフォアハンドのフォロースルーが左肩のあたりまで来ているのをよくみかけるが、卓球でもあのように左肩でラケットを「担ぐ」ような、あるいは「巻きつける」ようなフォロースルーを心がければ、ヘッドがよく回り、スイングスピードが速くなるのかもしれない。

finish
フェデラー選手のフォロースルー

しかし、待てよ。卓球でグリップエンドを前に出すようなスイングは見たことがない。最近見た、吉村真晴選手のフォアハンドのスロー動画を確認してみたところ、グリップエンドが相手のほうに向いていることはないし、手首をひねっているようにもみえない。

https://www.youtube.com/watch?v=sg7f9_RFrg8&t=0s

maharu01

maharu02

maharu03

ラケットの進む方向を急に横方向にしてヘッドを回すという理屈は卓球にも応用できると思うのだが、回内という動きは必ずしも必要ないのではないだろうか?卓球ではプロネーションを使うメリットはあまりないのだろうか?フォアハンドでは手首をひねる動きは効率が悪いのだろうか?ラケット形状が異なるテニスの振り方を卓球にそのまま応用するのは難しいということなのだろうか?

また分からなくなってきた。

 

兄弟のような関係にあるスポーツ、テニスと卓球。両者には多くの共通点があるにも関わらず、比較しようという試みはあまり多くないように思う。実際これまで私はテニスにほとんど関心を払ってこなかった。
----------
大きなスポーツ店に行くと、テニスの専門コーナーが設けられていて、広々としたスペースにラケットやらシューズやらが贅沢にディスプレーされている。専属の店員もいて、用具の相談に乗ってくれたりしている。その一方でフロアの目立たない場所に卓球用具の棚がひっそりと設置してあったりするものだ。

この売り場の扱いからテニス用具と卓球用具の売上の差がよく分かる。

テニスのグランドスラムで優勝したら賞金が3~4億円だそうな。卓球ではグランドファイナル優勝で1000万円強。その差、30倍以上。
https://sportsmania1.com/prize-money-table-tennis-surprisingly-low/

これだけ動くお金が違うと、仕事としてテニスに関わる人の数も卓球とは比べ物にならないだろうし、競技に対する研究にもかなりの差が出てくるものと思われる。

テニスのことはよく知らないが、おそらくテニスは卓球よりも研究や指導方法がずっと進んでいることだろうgoogle scholarで検索してみると、過去5年の「卓球」関連の論文は1280件。テニスは3250件だった。日本語の論文だったからか、思ったほど差は開いていなかった)

学問研究では、新しい流れというのはたいてい欧米で起こり、それを日本の研究者が翻案・転用して、日本で発展させるということが多い。卓球の指導メソッドというのも、元ネタはテニスの指導メソッドというのがけっこうあるのではないだろうか。

Tennis-Serve-Follow-Through-2-scaled-e1591583249371

インターネットでテニスの技術動画を探してみたところ、こんなサイトが見つかった。いわばテニス版『卓球王国WEB』である。

テニスマガジン オンライン
https://tennismagazine.jp/

みんなのテニス研究所(みんラボ)
http://www.min-labo.net/

もちろんテニスの技術がすべて卓球に応用できるというわけではない。ボレーやスマッシュの打ち方というのはあまり参考にならないが、打球時の体の使い方というのは大いに参考になりそうだ。

卓球はボールが軽いので、下半身を使わなくても、手打ちでボールを打ってしまっても、かなり強いボールが打ててしまったりするが、ボールの重いテニスではそういうわけには行かないだろう。下半身や体幹をしっかりと使わなければ、ボールの威力に負けてしまい、いいショットが打てないに違いない。私は腰を使って打つというのはたぶんできると思うのだが、下半身を使って打つというのがよくわからない。足を蹴った力をショットにつなげるのだと思うが、具体的にどうやってやるんだろう?

フォアハンドの手打ちを直す方法
https://www.youtube.com/watch?v=23k2laOwU3w

テニスでは歩くような動作でショットを打つのがいいとされているようだ。

駒田研究員「(歩行の際の)手と足をクロスする動作を使いたいんで、足を前に、体をひねる感じでテイクバックをして打ってもらうと手打ちに、まずなりにくいです。」
tennis takeback

「気をつけてほしいことは、せっかく最初に体をひねっているのに、(左)足を前に着いたときに、ひねってためておいたパワーがなくなってしまうことですね。」

tukene
「体重がここ(右足の付け根)に乗っていなくて、もう先に前の(左)足に乗ってしまって(から)ボールを打つと、これも同じように手打ちになってしまうので…」

ようするに体重が右足から左足に乗る前にインパクトを迎えろということらしい。右足に体重を乗せて、右足の付け根に力を入れてインパクト。そのあと左足に体重を乗せるというのが正解なのだという。

「(右足に体重が)乗っているこの状態をキープして足を前に着くのが重要です。で、蹴り出してから体重が前に移動すると思ってください。」
migiashi keep
下半身を上手に使う練習法。インパクトの瞬間に左足を一瞬上げて軸を意識し、バランスをとる。

この動画のおかげでフォアハンドでの下半身の使い方のイメージができた!今度の練習で試してみよう。この打ち方がそのまま卓球に応用できるかどうか分からないが、少なくとも参考にはなるだろう。

次はドライブの掛け方である。

ドライブ回転をかけるコツ
https://youtu.be/PiNJ5dTCp-I?t=291

「同じ速度でラケットのスイングが行われると、ラケットの先端が速く動かないですね。」

もちろん当たる瞬間にスイングを加速させるのが正解なのだが、具体的にどうやって加速させるのか?卓球ではよく、インパクトの瞬間にグリップをギュッと握ると言われているが。

「テクニックとしては当たるときに…引くような感じです。」

impack01
インパクトの瞬間

impack02
インパクト後

「引く」といっても、真後ろにラケットを戻すわけではない。実際には画像のように左側にスライドして「バイバイ」のような動きになる。

こんな打ち方が卓球に応用できるのだろうか?ちょっと疑問だが、もしかしたらフリックには応用できるかもしれない。
 
以上、テニスの技術指導が卓球に応用できないかどうかを考察してみたわけだが、私は参考になることが多かった。卓球の技術指導とテニスの技術指導を比較していくと、共通点や相違点がいろいろ見つかっておもしろそうだ。

昨日、youtubeでWRMからの「緊急報告」があった。
WRMが倒産する、というのだ。
tousan

「倒産する」と言っているのだが、まだ倒産しないらしい。文脈からすると、このままいくと倒産するということらしい。このまま、どのぐらいいくと倒産するのか、というのはよく分からないが、登場しているメンバーの態度からすると、そんなにすぐに倒産するというわけではないようだ。よくWRMのセールの時に「店長大ピンチ!」とか書いてあるが、その延長なのかもしれない。

WRMがそんなにすぐに倒産するとは思えないが、もし倒産するとしたら、えらいことだ。今までのWRMの卓球界への貢献を考えると看過できない問題である。

今でこそ、youtubeに卓球チャンネルが乱立し、無料でいつでも質の高い動画が見られるようになったが、10年ほど前は卓球の技術動画はWRM一択といっても過言ではなかった。卓球王国や卓球レポート等の技術動画もあったことはあったが、WRMの動画のように視聴者に寄り添って分かりやすく、詳しく毎日解説してくれるチャンネルはなかった。

ぐっちぃ氏は全国を回って卓球の普及に努めてくれたし、xia氏ややっすん氏の技術動画は指導者のいない中高生の強い味方だった。チャパリータ氏のブログは他にはない視点で卓球界を鋭く切りこんでいたし、最近のがね氏のツブ高動画も他にはない独自路線を行っている。このようなタレントに恵まれたWRMを卓球界が失ってしまうのはあまりにも惜しい。

WRMを救う方法としてWRM自身が提示しているのが「メンバーシップ」という月額サービスなのだが、毎月500円あるいは1000円ほど払ってWRMのサービスが受けられるというものらしい。毎月1000円、年間12000円のゴールドメンバーになったら、用具の割引や技術動画が無料で見られてWRMも存続できるということらしい。

今までお世話になってきたWRMがこれで存続できるなら、毎月1000円の出費は社会人にとって大した出費ではない。

が、しかし、このメンバーシップでWRMが救われるだろうか?
メンバーシップの見返りが用具と動画についてのサービスというのが私にはあまり魅力的でないのである。

私はラバーやラケットをすでに使いきれないほど持っている。まだほとんど試していないラケットは10本以上あるし、ラバーのストックも控えめに言って5年分はある。この状況でさらにラケットやラバーを買い足すのは、お金の無駄遣いというだけでなく、エコロジーの理念にも反する。コロナ騒動で消費が冷え込んでいるこの時期、世間では大量消費で経済を回していかなければなどと言われるが、必要のないものを大量に作って、大量に買って、大量に捨てるというのは、文明の負の側面としてこれまで私たちがさんざん批判してきたことではないか。もうこれ以上、新しい用具を購入するのはためらわれる。

WRMが制作した技術動画が無料で見られるサービスというのはどうか?
前記事「卓球情報過多」でも書いたが、質の高いyoutubeチャンネルが乱立している今日、卓球技術情報の価値というのはタダ同然になっている。上は全国的に有名な指導者や元日本代表クラスの選手が技術について解説してくれているのだから、わざわざお金を払ってまで動画を見ようとは思わない。

このように考えるのは、限られた少数の人間だけで、多くの人は用具と動画のサービスを必要としているというのなら問題ないのだが、もし用具と動画のサービスに魅力を感じる人がそれほど多くないということになると、WRMは救われないことになる。

WRMはこれからどうなるのだろうか?WRMには他社にはない独自性があり、日本の卓球界にとって大切な存在だと個人的には思っている。

今後もWRMが卓球界で末永く独自の地位を保ち、卓球界の新しい付加価値を創造してくれることを祈ってやまない。


拙ブログは基本的に卓球に関すること以外は書かないことにしている。なぜなら、このブログは卓球のブログだからである。しかし、卓球のことばかり考えているのも味気ない。たまには別の話題も取り上げてみたい。

去年は「夏休み 横須賀・横浜散歩」という記事を書いたが、今回もこのような旅行記である。先日、天気がよかったので京都の名所でも訪れようと思い、ド定番の清水寺に行ってきた。

何年ぶりだろう?10年以上訪れていないはずだ。「舞台」以外はほとんど記憶がない。自転車では行きにくかったので、市バスを利用。京阪電車でも行けるが、旧五条通にあったため、ちょうど四条駅と五条駅の中間になり、ちょっと余計に歩かなければならない。というわけで市バスの「清水道」というバス停で降りて、清水道を上っていく。かなり坂がきついのは記憶の通りだった。そして10分ほど歩くと、山門が見えてきた。


清水入り口
仁王門の前。広々としている。

ふだんなら観光客がごったがえしているところだが、今の時期は人もまばらで快適だった。拝観料の切符を買う窓口は私以外に客がいない。窓口の女性に聞いてみる。

「ふだんはこの4つの窓口すべてに長い行列ができているぐらい混んでいるんでしょうね?」
「そうですね。最近は見ての通りガラガラですけどね。」

大人400円。二条城が1000円ということを考えると、良心的な拝観料である。

清水寺って私の中ではなんとなくイメージが薄い。今昔物語集か宇治拾遺物語で、舞台から飛び降りて敵から逃げおおせたといった説話を読んだことがある程度である。調べてみると、宗派は法相宗で、平安時代の征夷大将軍、坂上田村麻呂ゆかりの寺院らしい。

本堂入り口
本堂へ続く渡り廊下。風通しがよく、無数の風鈴が心地よい。

地下道を通る「胎内めぐり」というイベントが、コロナのために休業中だった。残念。

「舞台」で有名な本堂に入ると、ヘンテコな大黒様が
大黒

これ、プラスチックでできてるんじゃなかろうか?なんでこんな安っぽい像が入ってすぐのところに置いてあるんだろう?荘厳で重厚な清水寺の雰囲気を台無しにしていると思うのだが…。

今の本堂は1633年に再建されたものだという。大規模な修繕工事が終わりを迎えつつあり、建物のきれいな姿が見られた。「舞台」はまだ工事中だったが、半分だけ開放されていた。

清水舞台
本堂の舞台の奥のほう半分は、まだ工事中だった。(奥の院から撮影)

十一面観音を拝み、奥の院へ。自然が豊かでここちよい。

それから山を下り、音羽の滝のあたりへ。かき氷600円なり。

高低差が激しく、ゆっくりまわって1時間程度だっただろうか。時間がかかりすぎないのがいい。
後で調べてみると寺宝に「算額」というのがあったらしい。確認しておけばよかった。

縁結びで有名な地主神社というのもあったが、行くのを忘れていた。

帰りは参道を通ってみた。この参道は京都情緒を醸していて、ここを通るのも楽しみの一つである。

産寧坂
産寧坂(三年坂)。ここで転ばないように細心の注意を払って降りた。

ようじや
よーじやとか、七味家とか、漬物屋とか、京都の有名店が軒を連ねている。

二年坂
二年坂。スターバックスが京町家の中に入っていて新鮮だった。

そういえば、あちこちのお店でアマビエという妖怪のイラストを見たなぁ。疫病を払うとかで流行っているんだそうだ。

アマビエ
このとぼけた表情が愛されているようだ。

霊山観音
霊山観音。隣の高台寺の夜間拝観を楽しんだ時は、この観音様にドキッとしたものだ。

その後、石塀小路というところを通って俗世に戻ってきた。
ishibe


清水寺のよかったところは以下の点である。
・拝観料が良心的
・小一時間で回れる
・自然が豊かで広い
・参道の情緒がよい

私は京都に住んでいるが、京都らしさを実感することはあまり多くない。京都らしい情緒を手軽に味わえる場所として清水寺周辺は悪くないと思った(ただし、空いている時期に限る)

このページのトップヘ