柔道では相手の技を防ぐための対策がある。
相手に技を掛けられそうになったとき、瞬間的に重心を低くする「抜重(ばつじゅう)」と呼ばれる技術である。



重心を低くする、つまり、身体を沈み込ませるには、意識してしゃがもうとする(荷重)よりも、瞬間的に下半身の力を抜いた(抜重)ほうが早く楽に沈みこませられる(荷重と抜重)。さらにその沈み込む下方向への運動を回転運動に変換したら、力を抜いて、効率よくバックスイングができるのではないか。下の画像のように。

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らくらく味噌ミキサー
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つまり、相手の打球を見て、フォアに来ると判断したら、重心を左足に置きつつ下半身の力を抜くと、下方向への運動が回転運動になり、バックスイングがスムースになる。
次に重心を右足に移しつつ、同じ要領で下半身を上方向に伸ばしながら回転するようにしてスイングすれば、合理的なスイングになりそうだ。

前記事「しっくりくる説明」の「追記」で「下回転打ちのフォーム」という動画を紹介した。



礼武卓球道場で原田隆雅氏が中級者を対象にしてドライブの打ち方を指導している動画である。
バックスイング中のタメのときには重心をに置き(!)、スイングにともなってに移動させるとのこと。
こうすると、バックスイング時に右に傾きにくくなる。これが上で説明した上下運動を回転運動に変換するという理屈にぴったり合う【追記欄参照】。動画の中で原田氏もスイングについて「しゃがみながら」「腰を沈めるように」と解説していた。

前記事「しっくりくる説明」では原田氏とは逆に足で床を踏みしめてタメてから、足に重心移動をしてフォアハンドを振っていた。これはこれで腕の力が抜けて、打ちやすかったのだが、足裏で激しく重心移動すると、身体の一番右から一番左に重心を移動させるのに加えて、右腕も右から左に移動するので、上体が左に流れ、体の軸がブレるように感じられることがあった。

実際のところは重心が「左→右」か、「右→左」か、どちらがいいのか分からない。
止まって打つか、あるいは回りこんで打つ分には原田氏のやり方のほうが効率が良さそうだ。
しかしフォア側に飛びついてフォアを振る場合は「左→右」の重心移動は難しいだろう。

【まとめ】
最近、しばらく練習をしていないので、上の考察は検証を経たものではない。頭で考えてみただけである。したがってうまく正鵠を射ているかどうかは自信がない。

素早いスイングを実現するという目的のためには、腰の回転そのものではなく、右から左への足の重心移動によって腰を回したほうが身体に無駄な力が入らず、効率のいいスイングができるのではないかというのが「しっくりくる説明」での結論だった。本記事では左右の重心移動ではなく、上下の重心移動を利用して回転運動をしてみてはどうかという提案である。左右に身体を回転させるよりも、上下の屈伸運動は人間の最も基本的な動作の一つであるだけに、より力が抜けて素早いスイングができるのではないだろうか。

【追記】140202
改めて原田氏のビデオを見てみたが、上の説明に誤りが含まれていた。
原田氏は「しゃがみながら打つ」「沈みながら打つ」と説明していた。つまり上下運動を回転運動にするという意味ではなく、しゃがんだ状態で腰を回す、腰を沈み込ませながら打つという意味だったと思う。私が主張したいのは、下半身を沈み込ませながらバックスイングし、下半身を伸ばしながらスイングするという、上下運動を回転運動とシンクロさせるということなので、原田氏の指導とはずれてくる(原田氏にかぎらず、一般的に伸び上がって打つのはダメとされている)。指導経験の豊富な原田氏の説明のほうがおそらく当たっているとは思うのだが。