しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




表ソフト

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ラージボールの秘密

ラージボールは、どうにもままならない。強く打ったかと思うと、ネットに突き刺さり、軽く当てたかと思うとフワッと飛んでオーバーしてしまう。ネットにかからないように必死で擦り上げて打つと、ネットすれすれでようやく入る。

何かがズレている。

入れなくてもいい力を入れて、入れなくてはいけない力を抜いている。

先日のラージの練習の時、バックのブロックをナックルで打つ人がいて、よくミスしている。そこでアドバイスをしてあげた。
「ブロックの時、ラケットを上から下に当ててますよ。真後ろから当てないと安定しませんよ」

ちょっと実演してみた。

「こんなふうにナックル気味に打つと、安定しな…え?」
フワ~~~~~
「ナックルで打つと…」
フワ
ナックルの角度で軽く当てると、ボールが飛ぶ!
具体的に言うと、ブレードを90°よりももう少し後ろに傾けて、その角度のまま押す。するとほとんど力を入れずに
フワ
これは、粒高の打ち方と同じだ。硬式球と同じようにかぶせて打つと、相当引っ掛けて打たないと落ちる。粒高のようにバウンド直後に面を少し上に向けて軽く押すと落ちないでそのまままっすぐ飛んでいく。
以前、「表ソフトの打ち方再認識」で面を上にむけて低い打球点で強打すると安定すると書いたが、面を上に向けて打てば落ちない!これがラージボールの秘密だったのだ!

表ソフトの打ち方再認識

今日、ラージをやっていて、私の打ち方が根本的に間違っていたことがわかった。
ラージは表ソフトだから滑る。したがってできるだけ早い打点で打たなければボールが落ちてネットにかかる、これが今までの認識だった。
しかしそうではないことが今日わかった。
私はできるだけボールをスポンジに食い込ませて引っ掛けようとしていた。それはずいぶんと力を入れなければならない打ち方だった。しかも、不安定でスピードも出ない。
しかし、今日、全く違う打ち方を試してみたら、僅かな力で軽快に打てることが分かった。
それはZ軸に向かってボールを真後ろから弾くような打ち方だった。

縦がY軸、横がX軸だとすると、奥行きがZ軸。
そのZ軸の方向に普通よりもわずかにブレードを上向けにして、速いスイングで打つと、びっくりするぐらい軽々と速い球が打て、しかも減速しない。まっすぐに突き刺さるようにコートに入るのだ。
それだけではない。ボールが頂点を過ぎたあたりで、ネット上端よりもわずかに下がったところからでさえもまっすぐ入るのだ。詳細をまとめると以下のようになる。

・使用ラケット:JUICサインラケット(500円ほどのおもちゃのラケット)+クリッター(ラージ用ではない)特厚
・打点:ネット上端前後
・相手の回転:順回転、あるいは軽い下回転
・スイング方向:Z軸
・スイングスピード:ある程度速く振り切る
・ブレードの角度:100°ぐらい(わずかに上向き)
・グリップ:浅め

ラージボールはバウンドして、頂点に達すると、静止してるような状態になる時間が、硬式球よりも長い。その静止している間にほぼ真後ろから力を抜いて速く振り切る。全く擦らないで打つ。

その後、硬式でも同じ打ち方を試してみたところ、硬式でも気持ちいいぐらいに入る。
使用したラケットはマリン・エキストラスペシャル。ラバーはハイフのドルフィン。
マリンESは硬くて重くて弾む(私には弾みすぎるぐらい)ラケットなので、前陣ではスピードを持て余してしまう。そこで中・後陣から同じ打ち方、打点をやや落として、やや斜め上に思いっきり振り切ってみると、入る入る。ネットギリギリの真っ直ぐで速いボールが気持ちいいほど入るのだ。今まで前陣で打っていたときは、その重さから素早く振りきれず、球速を持て余していたが、中後陣だと、少し打点を落としたぐらいがちょうどよかった。

ラージがますますおもしろくなってきた。最近、表ソフトを使っていたが、コントロール系の引っ掛かりの悪い裏ソフトとあまり違いが分からず、メリットが感じられずにいたのだが、この打ち方に気づいたことで、表ソフトを使うメリットが出てきた。硬式でもしばらくフォア表を試してみようと思う。


要素構成主義を超えて―「表ソフトの教科書」(卓球王国)を見て―

世の中の上級者がみんな両面裏裏なので、ヘタクソなりに個性を出してみようと表ソフトを使うことにした。
「表とか粒高を使っているヤツは邪道だ、初・中級者には勝てても上級者には絶対に勝てない」とか、「相手の感覚を惑わすだけの姑息な戦型だ」とか、そんなことを言う人もいるが、別に私はそんなにレベルの高い卓球を目指しているわけではないので、裏裏の王道を歩むつもりはない。表ソフトという未知のラバーのおもしろさを知りたいと思うだけだ。
昔は江加良のような表ソフトでパシパシ打っていく戦型が隆盛を極めたが、近年そんなタイプは絶滅寸前である。本やビデオでも表ソフトの使い方はあまり取り上げられない。そんな風潮の中で「表ソフトの教科書」(卓球王国)は異彩を放っている。表ソフトに特化したビデオである。サンリツの女子選手(F面表、B面表、ペン表)をモデルにして表ソフトの使い方を解説しているのである。早速購入してみた。しかし結果から言うと、あまり参考にならなかった。



全体の構成は

A:表ソフト個々の打法(フォアロング、ドライブ、フリック、ブロック等)をとりあげ、それに一言コメントがある
B:具体的な戦術の例(どうやって表の特性を生かして攻めるかをラリーで実演)

という構成になっているのだが、Aが全体の9割ほどを占めており、Bは5分程度しかない。
このビデオの思想はこうである。

Aで個々の技術をしっかり習得し、それをBのように使えば、表が上手に使える

しかしこれでいいのだろうか。
私たちは英語の勉強にかなりの時間を費やしている。最近では小学3年生ぐらいから始め、少なくとも大学2年生ぐらいまで続ける。約10年である。『試験に出る英単語』のような本などで数千語の語彙を暗記し、さらに熟語集のような問題集で同じように熟語を暗記する。それで受験には対応できるかもしれないが、英語を運用するのには程遠い。簡単な日常会話でさえ満足に話せない人がほとんどである。
基本的な英文法を学び、それにしたがって語彙や熟語を組み合わせれば英語が話せるというわけではない。言葉というのは単語の集合によって表現されるというのはその通りだが、どんな場面でどんな単語を選ぶか、自分の言いたいことをどんな側面から描けばいいかというのは文法や単語の暗記では対応できない。実際にそれを使わなければならない場面を何度も経験しないと言葉は使えるようにはならない。個々の表現を覚えても、それをどうやって使うかは分からない。無理に使おうとすれば、それは機械翻訳のようなめちゃくちゃな言葉になってしまう。

「表ソフトの教科書」に感じる不満はこの英語教育に対する不満と同じものだ。フリックやドライブという個々の技術がいくら上達しても、試合ではうまく使えないことが多い。つまり、A→Bという順番ではなく、B→Aの順番で学んだほうが効果があると思うのである。まず全体Bを示し、どんな場面でこのA「打法」が必要で、どうやって試合を有利に進めるかの説明をしてほしいのだ。文脈を切り捨てて、A単体を学ぶというのは実践的ではない。しかしこのビデオではBの「戦術」はほとんどオマケで、Aの「打法」との関係も薄い。

たとえば、

「自分のストップのあと、深く切れたツッツキがきたら、対応できないことが多いので、ストップの後はすぐに下がってループドライブの準備をしましょう(文脈)。表ソフトのループドライブは難しいです。以下の動画でループドライブのコツ(技術)を身につけましょう」

のように解説してあったら、技術(A)をどのような場面(B)で生かせばいいか分かるのではないだろうか。

「文脈と切り離された個々の技術・知識の積み上げによって上達する」という考え方を「要素構成主義」と名付けよう。要素構成主義はさまざまな分野で見られるが、これらはうまくいかないことのほうが多い。卓球の指導はこのような要素構成主義を超えなければならないのではないだろうか。

「表ソフトの教科書」には多くの問題があるが、表ソフトの技術をもっぱら扱ったビデオとして唯一のものなので、表ソフトを使っている人には見る価値があると思われる。願わくはさらに効果的に表ソフトが使えるような工夫のあるビデオが発売されんことを。

【追記】『卓球王国』2011年5月号から始まった「超効くコツ!!」という連載を読んだのだが、非常に詳細な説明があった。「超効くコツ!!」のDVDのほうは見ていないが、『表ソフトの教科書』にも同様の連載があったようだ。もしかしてその連載を読んでから上のDVDを見たら、評価が変わっていたのかもしれない。

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