しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




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「する」ショットと、「なる」ショット

多球練習などを体力の限界まで続けたとき、腕が痛くなってくるときがある。
よく言われるのだが、これは腕に力が入っている証拠である。腕だけに力を入れて打つのは間違っている。身体全体を効率よく使わなければならない。

そうだ!腰だ!腰を使って打たなければ。

池上嘉彦『「する」と「なる」の言語学』はすでに古典だが、示唆に富む書物である。そこには言語のみならず、文化の違いをも説明しうる興味深い考察やエピソードが紹介されている。

「春めいてきた」
「春が来た」

という近い内容の2つの表現があるが、前者は言語的にぼんやりしたとらえどころのない表現である。「何が」「どうしたか」がぼんやりしているのだ。つまり個別的に言えば、「気温が暖かくなる」「氷が溶ける」「花が咲く」「小鳥が楽しそうにさえずる」…これらを総合的に感じて「春めいてきた」というわけである。一方「春が来た」というのは言語的には明確である。現在の状況から一つの主体「春」を選び出し、「春が」「来た」という主体の移動として表現するのである。英語でSpring has come.と言った場合、もちろん後者の言語的に明確な表現になる(おそらく日本語の「春が来た」は漢詩などの翻訳的な表現に由来するのだろう)

日本語が全体を未分化のまま、総合的に表現しがちなのに対して、英語では全体の中から一つの主体を切り取り、その単独の行為として表現することが多いというのが池上氏の主張である。(だから日本語は主語や目的語の省略が頻繁に起こり、英語は名詞の単複にうるさい、といった議論にまで発展するのだが、本筋とは関係ないので割愛する。)

また、オイゲン・ヘリゲルEugen Herrigelが弓の師匠に「無我」の境地を尋ねる次のような問答も興味深い。

そこである日、私は師匠に尋ねた。
「もし矢を射るのが『私』でないというならば、一体どのようにして矢は放たれることができるのでしょうか。」
「『それ』が射るのです。」
「そのお答えならもう既に何度か承っています。だから改めて言葉を変えて質問させていただきますが、『私』というものがすぐそばに控えていてはいけないというのに、どうして私が無我の境地で矢の放たれるのを待つことができるのでしょうか。」
「『それ』が張りつめた状態で満を持しているのです。」
「でも、この『それ』とおっしゃるのは一体誰なのでしょうか、何なのでしょうか」

矢を射るとは、いったい何なのだろうか。「我」を空しくすれば、「それ」が矢を射るのだという。あるいは別の部分では「熟れた果実が枝から落ちるさま」だという。池上氏は自らの同じようなエピソードも紹介している。

アメリカに留学していた頃、始めて日本の映画を見たアメリカ人の学生が刀を構えた二人の武士がにらみ合ったままいつまでも切り合いを始めないのが実に奇妙だと語っていたのを思い出す。二人の武士は「何もしていない」(not doing)と映るのである。(しかし、勝負はその間に決まっている。そして何かが起こったと思う時は、の一瞬の閃きと徐々に体勢を崩して行く一方の武士の姿によってすでに決まった結果が顕在化されるだけのことなのである。)

つまり、「結果」というものは、表面化した「結果」だけを表しているのではなく、それ以前の様々な個別の行為や思索の極まりまでを含み、それが極まった時にはもう「なるようにしかならない」ような自然さで現れる。

これを読んで私にも思い当たることがある。日本語では自分の近況を報告するとき、

「結婚することにしました

よりも

「結婚することになりました

という言い方を好む。これを聞いた外国人に「あんたら、本当に結婚する気あるのか!」と呆れられた覚えがある。しかし後者の表現は結婚の意志がないというのではなく、結婚という結果に至るまでにいろいろな経緯があり、自分一人の意志だけではなく、相手の意向やその他もろもろものドラマを経て「おのずから」結婚が決まったということを表しているのだろう。

卓球に引き換えてみると、腕を振ろうとして振るのではなく、腕を振らざるをえないように全身を「持っていく」ことが確実なショットを放つコツなのだと思われる。

ここで冒頭の「腕が疲れる」というところに戻ってみる。
卓球のショットは指、手首、腕、肩、腰、脚などを総合的に使った運動である。しかし私たちは英語的な表現のように、全体の中から一つの主体(主に腕)を選び、そこに意識を集中させて、それを単独で働かせようとがんばってしまう。そうなると腕に力が入ってしまい、腕だけを「振る」ことになり、腕以外の部分に意識が行かなくなってしまう。

上手なショットは、むしろ腕の力を抜き、「腕を振る」という結果に至るまでには身体のさまざまな部分が動いて、結果として身体全体が腕を押しやることなのである。

そのためには腕ではなく、腰を使って打たなければならないと言われているが、そうやって腰の一点に意識を集中し、腰を回そう、回そうとすると、かえってうまく打てないような気がする。それは腕を腰に置き換えただけなのだから。

それよりも上半身と下半身の複数の部分に同時に力を入れたほうが自然に腕が「振れ」、腰が「回る」のではないだろうか。

たとえば、上半身に関してはフリーハンドと肩を使うのがもっとも有効だと思われる。

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仮面ライダーが「変身」するとき、フリーハンドは鋭く後ろに引っ張られる。これによって反対側のラケットハンドがおのずから「押し出」される。その力を利用してラケットハンドの肩を回すのである。
他にも、よく指導書などに書かれているのは、「フリーハンドで向かってくるボールをキャッチするようにして、フリーハンドを前に出す」ということである。私は水泳のクロールのイメージも近いのではないかと思う。

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水面下で片腕をフンっと掻けば、もう片方の腕がズバっと出てくる。

下半身ではどうだろうか。私はいろいろ試してみたが、右脚をズバっと伸ばしてみるのが有効だと感じた。

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この写真は伸ばしている脚が逆

上の写真では左足を伸ばしているが、そうではなく、フォアハンド時に右足をズバッと斜め後ろに伸ばすと、上半身と下半身が反対方向にねじれ、自然に右腕が前に伸びる(野球拳の振り付けが近いのだが、適当な画像が見つからない)。ただ、こんなに豪快にフリーハンドや脚を使うと、連続攻撃に間に合わないので、ある程度時間的な余裕がある場合に限られるだろう。

【まとめ】
身体の一点だけを使う「する」ショットよりも、身体全体を使う「なる」ショットのほうが望ましい。
「腕を振る」のではなく、「腕が振れる(可能ではなく、自発の意)」ようにフリーハンドや肩を使い、「腰を回す」のではなく、「腰が回る」ように上半身と下半身の複数の部位に力を入れて、反対方向にねじってみる。むしろ、腕や腰の力を抜いたほうが、それらを素早く回せる。特に後者について、多くの人が腰を使おうと腰に意識を集中して努力しているが、私はそうやってあまりうまく腰を回せたことがない。腰に力を入れて「回す」のではなく、上半身と下半身の連合によって上から下から身体をねじることによって腰が「そうならなければならない」自然さで「回る」のだと思う。

大薙刀のイメージ――矛盾する2つのイメージ

それは角速度について考えたのがきっかけだった。

角速度というのは、下の図の円周を黒い点が一定時間(例えば1秒)でどのくらいの角度を移動するかを表したものである(ここで早速間違っていたのだが、黒い点のスピードは周速度というらしい。軸がどのくらい回転するかが角速度らしい)

周速度/半径=角速度
周速度=角速度×半径
 
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私が物理学などに詳しければ、噛んで含めるように分かりやすく、詳しく説明するのだが、あいにく数字に関することは大の苦手なので、これ以上は説明できない。中高でまじめに勉強しておかなかったことが悔やまれる。

そこでもっと身近な例で考えてみたい。

木刀を横に振って切るのと、大薙刀を同様に横に振って切るのではどんな違いがあるだろうか。
木刀はそこそこ長いが、片手で持って腕だけで90°ぐらい振れないことはない。しかし、3メートルほどの大薙刀を片手で持って腕だけで振れるかというと、自信がない。片手で振るなら、こちら側の先端を脇に挟んででないと振れないような気がする。

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どうして腕だけではうまく振れず、脇に抱えれば振れるかというと、腕の発生するトルクは身体の軸から発生するトルクに及ばないからだ(「それ以前に手首が重さに耐えられないから」のようにあまり厳密に考えないでほしい)
では、それを振ったときの先端のスピードはどうか。短い木刀よりも長い薙刀のほうが速いはずだ。
木刀は相対的に小さな力で振ることができるが、先端のスピードは遅い。薙刀を振るには非常に大きな力を必要とするが、その結果先端のスピードははるかに速くなる。

卓球で考えると、腕を曲げて小さく振れば腕だけの小さな力でも振りきれる。しかし、腕を伸ばして大きく振るためには大きなトルクが必要になる。したがって腕だけでは力が足りない。どうしても腰を使うことになる。丹田のあたりにフンっと力を込めて腰で振れれば大きなトルクが発生し、腕を伸ばして半径を長くしたスイングでも素早く振りきれるはずである。よく指導者が独楽の軸を持って独楽をクルクル回したり、あるいはでんでん太鼓の軸をもってクルクル回して、この身体の中心軸から生まれるトルクを説明したりする。

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前記事「常住卓球」のコメント欄でロコさんが以下のように述べていた。

スイングをするのも、フットワークをするのも、体の端→つまり腕や手首や膝や足先に意識を置きすぎず、まずは体幹だと、常々感じています。

すべての体の部位を動かす動力源は体幹

これは上の大薙刀のイメージにも合致する。私もこの意見になるほどと思わされた。

しかし一方で私にはスイングに別のイメージもあった。それは身体は力を伝達する道であり、足先の踏ん張りによって生まれた力が膝→腰→肩と「流れ」ていき、最終的に手まで到達するというイメージである。

この2つのイメージが私の中でうまく噛み合わない。どちらも正しいと思われる。

問題は出発点である。体幹(背骨?)から生じた力が身体の先端に伝わるのか、はたまた先端(足先)から生まれた力が体幹で増幅され先端に流れていくのか。

体幹→先端(足先・指先)
先端(足先)→体幹→先端(指先)

「そんなのどっちでもいいではないか、細かいことを気にしすぎだ」

という読者の声が聞こえてきそうだが、私は卓球でイメージを重視しているので、この2つのイメージのどちらがより的を射ているのか気になって仕方がない。

今後、折を見て検証していきたい。

常住卓球――ウォーキングを中心に 《本題》

本記事は前記事「常住卓球――離台練習のすすめ 《前口上》」の続き、実践例である。

どうやって卓球台もない、普段の生活の中で卓球の練習ができるのか。
私が今実践しているのは以下のような「練習」である。

この練習法がどの程度有効なのかまったく分からない。手探り状態で私なりに編み出した練習法である。もしかしたら何の意味もない練習かもしれないが、私はこれによってプレー中に足が動き、腰が回るようになってきた気がする。ご参考までに以下に紹介したい。

この練習は、ともするとバラバラに動かしがちの身体全体をシンクロさせる――足先から手先まで効率よく力を伝達させるための練習である。

卓球で「手打ち」をしている人が多いように、歩くときには「足歩き」をしている人が多いと思う。「足歩き」というのは「足だけで歩く」ことである。つまり、骨盤を旋回させずに歩くことである。私は自分が「足歩き」をしていることに気づいてからは、極力身体全体を使って歩くことを心がけている。身体全体を使って歩くというのは、以下のようなことである。

レベル☆
まず、足裏の感覚である。地面に足が接地するとき、かかとに重心を置き、その重心を少しずつ前に移動させ、最後に足指でしっかり地面をグリップして地面を蹴って身体を前に進ませる。これは前記事「感覚を味わう」で述べたように足裏の感覚を研ぎ澄ますことにより、身体の動きを対象化し、集中力を高めるという効果もあるのだが、それとともに重心移動を明確に意識しようという意図からである。移動中に身体のバランスが崩れるのは足先でしっかりふんばれないからだと思われる。足先で重心移動を明確に意識し、しっかりと踏ん張ることで最も基礎の土台がしっかりすることになる。
私は今までは最初から最後までかかとに重心を置いたまま、足を蹴っていた。もちろんつま先も地面に接地することはするのだが、重心は最後までかかとだった。しかし足裏の重心移動を意識するようになってから、歩きのキレがよくなった(気がする)

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二宮町サイトより。拇指球で蹴りだすのが一般的なようである。

注意すべきは重心移動によってつま先でしっかり地面を蹴って身体全体を前に進ませるように留意することである。「足歩き」になってはいけない。

レベル☆☆
次に腰をしっかり左右に動かしながら左右の重心移動と、足裏の重心移動を意識する。
骨盤というのはしょっちゅう動かさないと錆びついて回りにくくなる(たぶん)。そこで普段から骨盤を旋回させることで骨盤を普段から「ゆるい」状態にしておき、軽い刺激ですぐ回ってしまうようにしようという意図である。

骨盤が滑らかに動くようになると、足を出すのと腰を旋回させるのがシンクロしてくる。自分は腰を動かしているのか、足を動かしているのか分からなくなってくる。喩えて言えばボートを漕いでいるような感覚である。

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次第に足が自動的に動くようになり、腰だけで歩いているような錯覚に襲われる。この時も重心移動に留意し、キレのある動きを心がけなければならない。

レベル☆☆☆
次のステップが難しいのだが、しっかり腕を振りながら(やや肘を曲げる)、足裏の重心移動、骨盤の旋回とシンクロさせる。右足を前に出したら、左手を前にしっかり出すと、その反動で上半身と下半身がほどよくねじれて骨盤がさらに旋回しやすくなる。
前の2つのステップ「足裏重心移動」「骨盤旋回」と、この「腕の振り」の3つを同時にやってみると、初めは腕が遅れがちになると思う。そこで腕が遅れないようにしっかり振るためには手から出さず、肩から前に出すといい。
さらに余裕があれば利き腕を前に差し出した時に手を握ってみる。卓球では打球時にグリップを強く握るといいと言われているからである。ついでに呼吸を整えるのもいいだろう。規則正しい呼吸と足裏、腰、腕、指の動きがすべてシンクロした時、ウォーキングが得も言われず楽しくなってくる。

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腰を使いすぎると、競歩になってしまう

この歩き方を普段からやっていると、腰を使ってしっかりと上半身がねじれる感覚が養われ、さらに腰と腕の同期のタイミングが身につくのではないか(たぶん)。足先から指先までの連動というのは難しい。力をつま先から腰を通って指先までダイレクトにスムースに伝えるには修練が必要だ。たいていどこかで力の流れが中断してしまう。時には脚が振り遅れたり、時には腕が先行してしまい、下半身の力が十分腕に伝わらなかったりしてしまいがちだ。

レベル☆☆☆☆
フォア側(右)に移動してフォアハンドを打つときを想定して、右足と右手を同時に出す歩き方を試したり、より卓球の動きに近づけて、腕を振る時には肩甲骨を寄せては開き、をしてみると、さらに全身が使えて練習になる。


レベル☆☆☆☆☆
ここまでくると、はたから見て立派な不審者なので、もう何もためらうことはない。毒を食らわば皿までである。私はまだ試したことはないのだが、実際にラケットを握って素振りをしながら歩いてみるといいだろう。ダンベルでもいいかもしれない(前記事「ダンベル・トレーニング」)。そして歩くときは膝の屈伸もとりいれたい。「足裏」「腰」「腕」「指」「呼吸」「肩甲骨」をすべてシンクロさせるのは少し練習すれば達成できると思うが、これらにさらに「膝」をシンクロさせるのは至難の業だ。しかし、ここまで極めた人ならそこまでやってみてほしい。このレベルともなると、もはや前に歩く必要さえないのかもしれない。横歩きになってラケットを振りながら完全に卓球のフットワークをすればいいのである。ただし、近所の人に本人と特定されないよう、サングラスやマスクの着用を勧めたい。

【まとめ】
私の提案する離台練習は以上である。
ふだんの移動――たとえば最寄り駅までの移動等を利用して、つま先から指先、果ては呼吸や膝までを有機的に統合し、融通無碍な力の伝達を目指すというものである。
球撞きや筋トレなどの独り練習も有効だと思うが、それらを仕事中にやってみるのはなかなか難しい。それにくらべてウォーキングを利用した腰の旋回、手足の同期等の鍛錬は普段の生活の中で取り組みやすく、効果があると信じている。

しかしくれぐれもやり過ぎは慎まねばならない。白昼堂々とやるならレベル☆☆☆までに止めたい。


逆上がりのコツ―腰を使うイメージ

逆上がりができるかどうかはいくつかのポイントがあるようだ(「さかあがりはだれでもできる」)。

1.鉄棒とお腹をくっつける
2.蹴りあげる方向が上
3.途中で腕を伸ばし、上体を伸ばして下げる

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よくある失敗例として、足の勢いだけで回ろうとし、反対側の上半身が下がらない場合を挙げることができる(「体が後ろにたおれないタイプ)。上の写真でいいうと、左の矢印の方向にばかり注意が行っていて、右の矢印の方向はお留守というタイプだ。逆上がりは下半身の力だけで回ろうとするより、下半身の力+上半身の反動を利用したほうが効率が良さそうだ。

足だけで回ろうとするというのは、卓球で言えば、手だけで打とうとする「手打ち」に通じるものがあるかもしれない。そうすると、卓球でもフリーハンドをラケットハンドと連動するように動かしたらいいのかもしれない。いや、手を回すよりも、左肩や左腰を回したほうがいいのかもしれない。

「押してダメなら引いてみな」という言葉があるが、ラケットハンドを振ろうとがんばるよりもその対角線上の左腰を回して右半身を押してみたほうがいいのかもしれない。私はどうしてもラケットハンドに力が入ってしまうのだが、左腰で右半身を回そうと意識して素振りをしてみたら、ラケットハンドには力を入れずに素振りをすることができた。つまり、ラケットハンドで引っ張るのではなく、左腰でラケットハンドを押し出してやるイメージである。これが一番楽に腰を使って打てるかもしれない。

指パッチンというのは、親指と中指をこすって音を出すのではなく、中指を親指の付け根(下の写真の赤丸の部分)にぶつけて音を出すのである。

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子供の頃、中指と親指を一所懸命こすりあわせて音を出そうとしていたのだが、力の入れどころが根本的に間違っていたのだ。腰を使って打つというのも右腰に力を入れて打とうとしていたのだが、反対側の左腰に力を入れるべきだったのではないだろうか。

相も変わらず腰の使い方をあれこれと考えている。前記事「重心移動を回転運動に」で考えたやり方をこの間試してみたら、バックスイング時は有効だったが、伸び上がりながらスイングという部分はあまりうまく行かなかった。次はこの左腰で押し出すイメージを試してみたい。

【追記】140223
スポーツバイオメカニクス」で紹介した反作用を参照。
 

しっくりくる説明―腰を使ったスイング

子供「お父さん!『果たして』と『一体』の違いって何?同じ意味?」
父親「え~と、辞書(デジタル大辞泉)によると…

果たして
(下に疑問を表す語を伴って)いったい。「―誰が栄冠を手にするか」
一体
強い疑問や、とがめる意を表す。そもそも。「―君は何者だ」

だから、『果たして』はただの疑問の意味。『一体』は強い疑問の意味だそうだ。『一体』のほうが「分からない」という気持ちが強いんだよ。あと、疑問詞を使うのが『果たして』で、『一体』は『そんなことするな!』って言いたいときにも使うんだよ。それから「果たして」のほうが書き言葉っぽいかな。」

子供「ふ~ん。強いかどうかと、疑問詞があるかどうかと、『やっちゃだめ』って言いたいときに使うかどうか、それから『果たして』は書き言葉か…」

-------------

初級者「コーチ!腰を使って打つってどうすればいいんですか?」

コーチ「右の太ももの付け根のところが奥まるようにして折り曲げ、右足を動かないようにしっかり固定して、バックスイングし、ねじった反動で右腰を回転させながら打てばいいんですよ。そのとき腕に力を入れないで、腰にしたがって腕が自然に回るようにしなければなりません。」

初級者
「なるほど!こうですね、フン!フン!」

------------------

果たしてこの初級者は腰を使って打つことができるようになっただろうか…。

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上で「果たして」と「一体」の違いについて、いろいろな違いが説明されているが、なんだかピンとこない。枝葉末節の詳しい情報を加えれば加えるほど聞き手は混乱する。「群盲象を評す」とか「衆盲象を摸す」といったことわざがあるが、ある概念の外延をどれだけ積み重ねても、その概念の本質には迫れないのではないか。最近はコンピューターによるビッグデータの解析で多くのことが分かるようになってきているようだが、私たち人間にとっては多すぎる情報はかえって毒になる、本質を見失わせる。

「果たして」も「一体」も疑問の気持ちを強調しているのは同じだが、「果たして」は疑問の気持ちが自分のうちに収まっているのに対して、「一体」は疑問の気持ちが自分のうちに収まりきらず、あふれ出ている
だから「果たして」は相手に訴えるような場面では使いにくい。辞書の説明に「とがめる意を表す」とあるのはそういうことだと思われる。

×「果たして君は何者だ!」
〇「一体君は何者だ!」

×「果たしていつまでやってるの?」
〇「一体いつまでやってるの?」

〇「果たして誰が優勝するかな?」(独り言っぽい?)
〇「一体誰が優勝するかな?」(独り言としても、相手への間接的な質問ともとれる)

△「(番狂わせが起こり)果たして誰が優勝するんだよ!」
〇「(番狂わせが起こり)一体誰が優勝するんだよ!」

これは「は」と「って」の違いにも通じるものがあると思われる。

〇「水谷選手の強さは圧倒的じゃない?」
〇「水谷選手の強さって圧倒的じゃない?」(こちらのほうが自然?)
〇「丹羽選手は学生です。」
×「丹羽選手って学生です。」→〇「丹羽選手って学生なんです。」

同様に「腰を使って打つ」について私はいろいろな説明を受けたが、いまいちピンとこなかった。その中で最もしっくりきた説明は重心移動である。

腰を回そう、回そうと思っても、あまり腰は回らない。そうではなくて、フォアハンドを振るとき、重心を左足から右足、右足から左足に移すことを意識してスイングすると、腰が回りやすい。腕を素早く回すには腰を回さねばならず、腰を回すには足の重心移動をしなければならない。つまり力は下から上に順番に入れなければならず、中間の腰だけに力を入れようとしても入らないのだ(前記事「ロケット理論」)。また、バックスイングの際、重心を右足に預け、腰を右にひねりきったときには右のおしりに力を込めるようにするのがいいようだ(前記事「右尻に力を込めて」)。

さらに戻りも同様に腕や腰を戻すのではなく、重心を素早く左から右に移せば自然に腰が戻り、つられて上半身および腕も戻る。前記事「新卓球サイト「シェークハンズ」」のコメント欄でぷにさんが藤井氏の言葉として「戻りを早くしたいならまず脚を戻せ、腕を戻すのはその後でいいよ」というのを紹介してくれたが、これですべてが符合する。

腰を使ったスイングは足の重心移動が基礎となってなされるのだ。

【まとめ】
説明が詳細になればなるほど理解が進むというものではない。核心的な部分の説明がなく、枝葉末節の説明をいくら詳しくしても意味がない。腰を使ったスイングの核心的な部分は足の重心移動だった。逆に言うと、ここさえ押さえておけば、細かい説明は必要ないのではないかとさえ思える。

しっくりくる説明というのは人によって違うと思われる。だから私の説明が多くの人に共感してもらえるか分からないし、上のコーチの説明の方が分かりやすいという人もいるかもしれない。あるいは重心移動を使うというのは当たり前すぎて言わずもがなのことなのかもしれないが、私にとっては上の事実は大きな発見だった。腰ばかりを使おうとがんばっていた私の頭からは重心移動のことがすっぽりと抜け落ちており、文字通り空回りしていたのだった。

【付記】
本文中の画像には特に意味がない。イラスト等が何もないとさびしいと思って貼り付けたに過ぎない。
画像は山田美妙の小説「胡蝶」1889の挿絵。小説の挿絵としては初めて女性の胸があらわになった絵を使ったとして雑誌が発禁処分になったりして、当時ずいぶん騒がれたらしい。
しかし、考えてみれば、当時は、売春はOKなくせに、こんな艶かしさのかけらもないような絵1枚に目くじらを立てていたというのがおもしろい。時代が変われば価値観も変わるという実例として興味深い。

【追記】140128
腰の動かし方は以下の動画が分かりやすかったので記しておく。

「下回転打ちのフォーム」

フォアハンドドライブのフォーム―「股関節を入れる」とは

WRM卓球知恵袋に「対下回転のフォアハンドドライブの基礎~基本のフォーム~」という動画が上がっていた。


【卓球知恵袋】ドライブの基礎を覚える!フォームを綺麗にしよう!!

下回転をドライブで上げられない初心者を対象とした動画とのことだが、初心者に限らず、初中級者にとってもこのトピックは非常に大きな需要があると思われる。

「自分のフォームは美しくないのではないか」
「基本ができていないのかもしれない」
「効率の悪い振り方をしているのではないだろうか」

といった不安を抱かない初中級者はほとんどいないだろう。このトピックを取り上げてくれたやっすん氏には感謝したい。

早速動画を見てみたのだが、簡単に言うと3つのポイントがある。

1.スタンスを肩幅よりもやや広く
2.股関節を入れ込んでバックスイングをとり、ラケットは膝の高さぐらいまで
3.股関節を元に戻すと同時にオデコあたりまでスイング

というものだ。
これをみて2の「股関節(あるいは腰)を入れ込む」という言葉が気になった。「股関節を入れる」というのは野球やゴルフ等、いろいろなスポーツで使われる言葉だが、一体股関節をどこに入れるのだろうか?
そもそも腰の使い方の説明は理解するのが難しい。だいたいのところは理解できたとは思うのだが(前記事「腰の使い方をめぐって」「ロケット理論」)、細かい部分の厳密な理解はまだまだだと思う。

本稿もまた私の積年の疑問「腰を使う」をめぐる考察になってしまった。

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動画を観ると、「股関節を入れる」というのは下の写真に近い動きだと思われる。

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ヤフー知恵袋にも同様の質問(ゴルフにおける)があった。
「アドレス時に「股関節を入れる」って言いますが、いまいち意味がわかりません。」

言葉でその状態を説明すると、次のようになるらしい。
「ジャンプするでしょ 軽く足開いて着地・・ズン・・・・すとっぷ~」
「骨盤に背骨をより深く挿入した状態」
「相撲のシコを踏む動作」
「誰かをおんぶして軽く足踏み、はーいストップ」
「猪木の『なんだコノヤロー』の時の感じ」


私はスポーツ用語に疎いので、「股関節を入れる」に対する私の理解が本当に正しいかどうか、おぼつかなく感じる。スポーツの種目によって同じ術語を微妙に違った意味で使っている場合もあるからである。

とりあえず、「股関節を深く(陥没するように)折り曲げる」という理解で考えてみよう。

自分で実際に「股関節を入れて」バックスイングしてみると、困ったことが起こる。上半身を右にねじると、右膝もいっしょに右を向いてしまうのだ。これはおそらく私がしっかり腰を使って打つフォームが身についていないので、腰まわりが硬く、回転させにくいのだと思われる。
「股関節を入れる」場合、右膝もいっしょに右を向いてしまっていいのだろうか?やっすん氏の動画では右膝は右を向いていない。膝が右を向くのも許容範囲だろうか?膝の動きがあろうがなかろうが、「股関節を入れる」ことには変わりない、そんな可能性も考えられる。

しかし、もし、膝が右を向いてしまったら、そのスイングは、もはや「股関節を入れる」と呼べないとしたら?
私は体が硬いので、上半身が右に旋回しているときに右膝を動かさないようにするためには、同時に下半身を左に旋回させなければならなくなる。つまり腰を使ったスイングをするには上半身と下半身をそれぞれ逆方向に回転させなければならないということなのだ。

本当にこのやり方でいいのだろうか。しかし私には正解はこれしかないような気がする。

【追記】140401
「腰を入れる」についてのわかりやすい説明を発見した。
 http://youtu.be/dbJw98-aB60

ロケット理論―手打ちと腰を使った打法の違い

手打ちはいけない、腰を使って打て!と誰もが口をそろえて言うが、腰を使って打つというのが自分ではまだよく分からない。腰を使って打つということをめぐっていろいろ考えてきた(「腰の使い方をめぐって」「手打ちじゃダメ―腰而下の鍛錬」)が、いまさらながら、最近、また少し手打ちと腰打ちの違いが分かってきた。

「いいかげん、理解したら?」「どうして分からないの?」

という向きもあるだろうが、私は「分かっているつもり」というのが一番キライなのである。場合によっては「分からないことは分からない」という態度を貫きたいので、腰の使い方について納得するまでトコトン考えてみたい。

以下の動画で松下浩二氏が手打ちの例を実演している(0:25)が、たしかにこういう打ち方をする人がいる。



上の動画の1:07ぐらいから始まる模範プレーをみてみると、腰を使った模範的な打ち方というのは、思ったほど腰が回っているようには見えない。「腰の回転を利用する」というぐらいだから、腰がグルングルン回転するというのをイメージしていたのだが、そういうわけではないようだ。腕の動きの速さ(と戻りの早さ)が際立ち、腰の方はほとんど回っていないように見える。たしかにかすかに腰が動いているのは分かるのだが、スイングにおいて腰は大活躍しているというほどではない。いわば縁の下の力持ち的な位置づけなのかもしれない。むしろ腰はほとんど回さない方が正解なのかもしれない。

腰というのはいわば、空母のカタパルト、あるいは多段式のロケットの1段目のようなものなのだろう。
Apollo_11_first_stage_separation

腰はスイングのあるところまでは上半身に随行し、そこからは肩あるいは腕にスイングを託す。そうすることにより、スイングの失速を防げるのではないか。

野球のピッチングには「ロケット理論」というものがあるらしい。このサイトに「ロケット理論」について分かりやすく書いてある。ふんだんに画像やGIFアニメを利用しているだけでなく、物理学まで援用し、これでもかというぐらい丁寧に説明されており、その努力には頭がさがる。

軸足(右足)で強く体全体を前に急発進させ、次に左脚を伸ばして下半身に急ブレーキをかける。

なるほど、これは「まったく新しいボクシングの教科書を読んで」で考察したことに似ている。「ボクシング」のほうでは、上半身にブレーキをかけるのがよいとされていたが、ピッチングでは下半身にブレーキをかけるのがいいようだ。ピッチングでは1発の威力が重視されており、連続攻撃が必要な卓球とは重点が異なるので、卓球にそのまま応用できるかどうか分からないが、卓球で考えれば、打球時に左足でブレーキをかけるということだろうか。上半身にブレーキをかけるよりも下半身にブレーキをかけたほうが腰の回転をより利用できそうな気がする。

さらに腰を効率よく回転させるために振りかぶる(卓球でいえばバックスイング)時に内股になり、投球(卓球の打球)時にはガニ股にするのがいいとある。また振りかぶる際に背中を打者の方に向ける等、腰の回転を最大限に利用するためのあらゆる工夫が紹介されている。

「ロケット理論」については以下のように簡潔にまとめてある。

腕だけで投げないで、体全体で投げるのが投球の基本ですが、この際気をつけなくてはいけないのが、体の各部分(1)脚、(2)腰、(3)肩、(4)腕、(5)手、を同時に動かしてはいけないのです。5段ロケットのように(1)から(5)へと順に動かしていかないといけない(ロケット理論)
中略
 ロケットは効率的に推進力を得るために多段式になっており、下から順番に仕事をして行き、用が済んだら切り離されて行きますが、投球も効率よくするためには5段ロケットのように順番に仕事をしなければいけないのです。

つまり、下から上に順番に力が伝わらなければならず、順番を無視して手足と腰を同時に動かしたり、あまつさえ、手足のほうを先に動かし、腰がそれに引きずられていったりするのは厳禁だということである。そのためには腰の回転が肩や腕の回転よりも速くなければならない。腰の回転が遅かったら、肩や腕がなかなかスタートできず、ストレスがたまり、「交通渋滞」が発生することになるのだから。

 前足を地面に着く前に腕が振り出されたり、腰と肩を同時に回したりとかはよく見られます。腰の回転は前足が地面に着く直前にもう回転し始めますが、腕は振り出されてはいけません。

なるほど、卓球に置き換えてみれば、左足が踏ん張る前にスイングをスタートさせてはいけないということになる。左足のふんばりと腰のスタートは同時でもいいが、踏ん張る前に腕を振ってはいけないわけである。よく卓球で「もっと引きつけて打て」などと言われるのは、腰の回転を差し置いて、肩や腕が先にしゃしゃり出てくる下克上を戒めたものかと思われる。
逆に腰の回転がいつまでも続き、肩や腕にスイングをなかなか引き継がないとしたら、肩や腕の出番が遅れてしまう。したがって腰がグルングルン回転しすぎるのも効率的なスイングとはいえず、上の動画のように地味に少しだけ動かし、すばやく肩、腕にスイングを手渡すのが正解のようである。

【まとめ】
卓球と野球のピッチングは要求されるものがちがうので、野球の考え方をそのまま卓球に適用できるとは限らない。しかし、適用できることもあると思われる。下半身にブレーキを掛けて腰の回転を促すことや、腰の回転がまず先に始まり、肩、腕と順番通りに始動させる「ロケット理論」は、卓球の打法にも応用できそうな気がする。
手打ちとはつまり、下半身の始動をまたず、肩・腕が先走ってしまう状態のことを指すのではないだろうか。
 

腰の使い方をめぐって

私は腰の使い方というのがよく分からない。
腰を使って打つのはいいことだとされており、指導者はよく「腰を使って打て」と指導する。この「腰を使う」というのは卓球だけでなくあらゆる球技に普通の技術だと思われる。にもかかわらず、それほど大切な技術に対する解説があまりにも少なすぎると感じる。

腰を使うとはどういうことなのだろうか?その動きがイメージできない。背筋をまっすぐ上にしてヘリコプターのように回転させる―上半身を水平にくるりと回すのか、あるいは斜め前方向への移動―鼠径部を折り目にして体を傾けてから、それをバネにして戻す力を利用するのか。おそらく後者だと思うが、前者と後者は連続している。つまり水平からどのぐらいの角度で傾けるのかがはっきりわからない。かなり水平寄りでも間違いとはいえないのではないか。
腰を動かす範囲も分からない。5センチほどでいいのか、20センチぐらい回すのか。どこに力を入れて腰を使ったらいいのか、腰と腕は同時に動かすのか、あるいは時間差をつけて、まず腰を先に動かしてから、それに連動するように腕を振るのか(前記事「手打じゃダメ」)。

そのようなことを上級者に聞いても「ボールによって角度や可動範囲は違うので、答えられない」という答えが返ってくるだろう。しかし、おおよその目安のようなものを知りたい。正解はただ一つではないだろう。その上、人によって「正しい」角度や範囲が異なるということも考えられる。そうだとすると、正解というのは示しにくいが、間違いというのは、上級者の共通認識としてあるのだろう。

以前、『卓球レポート』の岩崎清信氏が腰の回転について「でんでんだいこのイメージだ」と説明していた。そう考えると、腰をまず回して、それについていくように上半身が回る―タイムラグがあるということなのかもしれない。

私が以前通っていた教室の先生は、私の全力のドライブを見て、「腰が初めに回り、上半身が後からついていくが、腕のスイングが上半身の回転を追い抜いていくのがいい」といったコメントをしてくれた。しかしそういう、腕を伸ばしきった豪快なドライブは安定性が低いので、小さな安定したドライブを正しく打ちたい。プロの選手の動画を見ても、私には一流の指導者のように「透視の利く目」(前記事「眼光紙背に徹する」)がないので、腰が回っているかどうかよく分からない。

指導者が分かりやすく腰の回転に言及している動画はないだろうか。
下のWRMのやっすん氏のビデオで具体的な映像が紹介されていた。1:45あたりでやっすん氏が腰の回転を実演している。グイグイ回っている。これは威力が出そうだ。そして注目すべき発言があった。腰を回すのと上半身をねじるのは違うのだという。なるほど、グルグル派手に回っているように見えても、腰は回っておらず、上半身だけがねじれていることもあるのか。しかし、5:00ぐらいからの腰を使ったドライブの実演をみると、1:45あたりの回し方とは違い、腰の回転がほとんど見えない。グイグイ回っていない。黒い服を着ているからだろうか、あまり腰が回っているようには見えない。1:45の腰の回転はとても分かりやすく、説得力がある。しかし5:00の腰の回転は、はっきりと確認できない。上半身が回るのは傍目にもはっきり分かるが、腰の回転はそれほどわかりやすいものではないのかもしれない。




また、やっすん氏は重心について、フォアハンドでは右から左に移動させると説明されているが、私が習ったのはむしろフォアハンドでは左から右に重心移動するのがいいという。

フォアハンド(重心:右→左)

だと、勢いがつきすぎて上半身がすっとんでいってしまい、体がブレる。その結果、戻りが遅くなる。例の「ブレーキ」の原理(「『まったく新しいボクシングの教科書』を読んで」)と同じである。またボールを前に押してしまうので不安定になりやすいのだという。そこで常識とは逆の

フォアハンド(重心:左→右)

がいいのだという。
う~ん、どちらが正しいのか悩ましい。

同じくWRMのxia氏の以下の動画でも腰の使い方についての言及がある。



xia氏は上半身の使い方と腰の回し方の二つについて言及している。
上半身については、胸の筋肉(というか裏側の肩甲骨?)を使って、上半身を開き、上半身を閉じる力を利用してドライブをかけるといいとある。xia氏の説明によると、右から左に上半身が流れてしまうと、威力のでないので、

フォアハンド(上半身:右→左)

ではなくて、胸(裏返せば肩甲骨)の開閉運動を利用して

フォアハンド(上半身:開→閉)

がいいのだという。
そして腰の回し方については、後ろから前に「右腰を押し出す」ように回すのがいいのだという。
なるほど、この運動なら、重心も流れず、力もよく伝わりそうだ。
ただ、後ろから前に「押し出す」ように打つと、ボールを前に押してしまうので不安定にならないだろうか。
後半で実演されている間違った打ち方と正しい打ち方の比較動画は、同じ条件(同じ力加減)で打っているようには見えないので、あまり参考にならない。正しい打ち方のほうはすごいスピードのボールだが、かなり力を入れて打っている。一方間違った打ち方の場合はちょっと力を抜いて打っているように見える。また、腰を後ろから前に押し出すように打つというのも、素人目にはあまりよく分からない。

【まとめ】
腰の使い方についていくつかのケースを材料に考えてみた。
腰を回すことの重要性は誰もが口をそろえて言っているので、大切なことなのだろう。しかし、具体的な回し方は正解がいくつもあるようだ。しかも、素人目には分からないほど微妙な動きらしいので、動画を見ても、みるからに回っているという感じではない。
いろいろ考えてみたが、結局、腑に落ちなかった。
特に以下の点がはっきり分からない。

・腰の回転は普通の回転でいいのか、もっとZ軸を意識して後ろから前なのか。
・腰と上半身は常に連動していなければならないのか、腰が先行してもいいのか。
・フォアの重心移動は右から左なのか、左から右なのか。
・腰の可動範囲は傍目にははっきり意識できないが、一体何センチぐらいなのか。

また、腰を使うことによるデメリットはないのだろうか。特にバックハンドでは腰を使わないほうが速くて効率的なスイングができるような気がするのだが、「バックハンドでは腰を使ってはダメ」といった意見も聞いたことはない。どんな場合でも腰を使わなければならないのだろうか。その点も気になる。

【追記】2013/7/22
「腰を回して打つ」と「手打ち」というのを全くの別物だと考えていたが、そうではなく、連続したものだと考えたほうが合理的かもしれない。つまり「腰の回転ゼロ」が手打ちのプロトタイプで、「腰の回転1~10」ぐらいの打ち方はほとんどの人に「手打ち」と判断される。一方、「腰の回転80~90」ぐらいなら誰もが「腰が回っている」と認めてくれる。「腰の回転70」ぐらいでも大丈夫だ。しかし「腰の回転40~50」は微妙で、人によっては「腰が回っていない」と判断するのではないだろうか。
「私は手打ちだ、どうしよう」「私の打ち方は根本的に間違っている」と考えると、伸び伸びと卓球ができなくなる。そうではなくて、「腰が回っていない」と言われたら「ちょっと足りないか。もう少し回さなきゃ」と自分のスイングを否定するのではなく、相対的に考えたほうがいいのかもしれない。

【追記】2013/8/31
 WRMの過去の動画により詳しく腰を使って打つ動画があったので、記しておく。

 
【卓球知恵袋】全身でドライブを打つための2つのポイント

腰を痛めた話

数年前、職場で急に腰が抜けた。
歩いてる時に突然プチっという感覚があり、腰に力が入らなくなったのだ。 激しい運動をしたわけでもない。ただ歩いていただけだ。

「なんなんだ?今の感覚は」

激しい痛みがあったわけではなく、なんとなく腰に違和感を感じただけだった。しかし、その結果、座れなくなった。いや、座れないことはないのだが、腰を曲げようとすると激痛が走る。真っ直ぐ直立して座れば大丈夫だ。そして横になるときにも、起き上がるときにも腰に激痛が走る。寝返りをうつのも一苦労だ。

整形外科に行ってみたところ、ギックリ腰だろうとのこと。詳しい説明を聞いて驚いた。私が想像していたものと全く違ったからだ。

ギックリ腰というのはマンガなどで老人が重いものを持ち上げようとしてグキっとなって動けなくなってしまうという程度の認識しかなかった。たぶん関節のかみ合わせがずれてしまい、腰を叩いたりしたら、元に戻るものかと思っていた。整形外科で聞いた説明に驚愕した。

完全に以前と同じ状態には戻りません

背筋が寒くなった。

「卓球ができなくなるどころか、日常生活にも支障が出るのか?」 

ギックリ腰というのは、背骨の関節のギザギザの間にある「肉の座布団」が破れてしまうことらしい。そしてその破れはしばらくすると治るらしいが、元と同じ形には治らないのだという。

「どうやら卓球ができなくなることはないらしい」

少し安堵した。
その後、痛みは引いて、だんだん腰の状態も以前のようになったのだが、たしかに、ほんのわずかな違和感が現在に至るまで残っている。 運動の前のストレッチの大切さを思い知らされた。

それで終わったらよかったのだが、最近また腰を痛めてしまった。
ツッツキを回りこんでドライブしたら、フォアのキツイ場所にブロックされた。それを夢中で追いかけたら、腰に違和感が走った。前と同じ場所だった。

今回はおそらく首の皮一枚で助かったのだと思う。それほど痛みを感じない。しかし、前と同じ箇所が痛むのがおそろしい。どうやら、腰の故障はクセになるようだ。この違和感はこれから一生続くのかもしれない。
フットワークを使って大きく移動するのは中年には負担が大きすぎる。小さく素早く動くのはいいと思うが、大きく急激に動くのは控えたほうがいいだろう。さもなくば卓球どころではなくなくなってしまう。
腰の他にも、プロの選手が膝を故障したということをよく聞く。膝の故障がどんなものか分からないが、「膝の故障が再発」という話も聞くので、こちらも完治はむずかしいのだろう。こちらにも気をつけたい。

身体の故障に悩まされている人には言わずもがなだが、私のように長年故障とは縁のなかった人たち、とりわけ若い人たちに伝えたい。
「身体をあんまり粗末に扱うと、中高年になってから卓球ができなくなるよ」

 
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