私の悪い癖は、手を先に出してしまうことだと思う。
ちゃんと上半身をすくめて、力のこもった打球をしたいのに、速いボールが来ると、 取るもとりあえず手を出してしまう。そうすると、ボールにはなんとか手が届きはするものの、もう何もかもが崩れてしまう。

tedake


打球のプロセスを反省してみると、

まず、上半身をすくめるとともにバックスイングに入り、
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十分に左肩を前に出す

そこからやや上半身を起こしつつスイングに入って打球
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最近の波動拳はすごい…

ということになるのだが、手が先に動いてしまうと身体を沈み込ませるいとまがなく、バックスイングなども十分とれず、腕だけで打たなければならなくなる。当然力の入らないストロークになってしまう。

※以下の画像はgifアニメなので、PCでないと正しく再現されないおそれがある。
波動拳3f
取ってつけたようなうすっぺらい波動拳。

そうではなく、下の動画のようにボールが迫ってくる前に身体を沈めたり、バックスイングをとったりといった打球前準備を十分にしておいた上で打球しなければならない。
波動拳6f
しっかりと打球前準備が終わっている波動拳。腰が入っている。

どうして私は打球前準備が間に合わず、腕だけで打ってしまうことが多いのか、考えてみた。
おそらく自分が打ったボールに対して、相手がどのぐらいのスピードのボールを返球してくるかが予測できていないのだろう(前記事「予測以前の問題」)。上級者はこちらのボールにかかわらず、意表をつくような速い返球をしてくるのだろうが、初中級者なら、こちらが「中」の力で打ったら、「中」のスピードで返ってくるし、「強」の力で打ったら、「強」のスピードで返球されるのではないだろうか。だから、もし打ちごろのチャンスボールが来たら、打つ前に心の準備をしておかなければならない。

「このボールを『強』打してやろう。となると、返球されたとしたら、こちらへの到達時間が相当早いので、急いで打球前準備に入らなければ」

逆にこちらがストップなどの「弱」のボールを打った場合は

「次はそんなに速いボールは来ないので、ゆるゆると打球前準備に入るとするか」

バックスイングからインパクトまでの一連の動作を一瞬で行うことはできない。ということは、振り遅れず、次の打球に間に合っている人は、自分が打つ時点で次のボールの到達時間を予測し、打球直後に早くも次の打球準備に入っているということになる。逆に自分が打球した後、何もしない状態で待っており、相手が打球して初めてこちらへの到達時間を計算し、打球準備に入っているようでは手だけが出てしまう結果となる。

次のこちらからの打球のための行動は、自分の打球後すぐに始めなければならない。

ただ、上級者が1球1球几帳面に到達時間を計算しながら打っているとは思えない。おそらく自分なりのリズムを持っているのではないだろうか。システム練習などでそのようなリズム感を体に染み付くまで繰り返しているのかもしれない。

私たちは無意識のうちに自分の持つリズムに従ってプレーしていると思われる。そのリズムと打球がうまく調和しているときは、流れるようなプレーができるが、噛み合っていない時は手が先に出てしまったり、逆にエンストを起こした時のような違和感を感じるのだと思う。前者は上手な相手がふだん打っている人よりもずっと速いボールを打ち返してきて、手も足もでないような場面。後者は、たとえば、上手な人が我流の卓球をするおじさんに苦戦させられたりする例を思い出す。私はいままでこのリズムを意識したことがなかった。しかし、きっと自分のデフォルトのリズムがあり、そのリズムに合うボールを打つ相手なら実力を発揮できるが、合わない相手だと、不完全燃焼になってしまうのだろう。相手のリズムに合わせてこちらのリズムも変えなければならないのだ。そのためにはまず自分のリズムの存在を意識しなければならない。それができないのが私の卓球がぎこちなくなる原因ではないかと思っている。