若い人と練習をすると、そのドライブの威力に圧倒されてしまう。低く高速で飛んでくるドライブや、高い弧線で強烈に回転がかかっているドライブは、なかなか止められない。

今回のトピックはこのような強烈なドライブを上手にブロックするコツである。ブロックのような基本技術が安定していないと、ラリーが続かず、卓球が楽しくないし、上手な人はブロックが下手な人の相手をしてくれないので、上達の妨げにもなる。ブロックの安定性は脱初中級者への第一歩だと思われる。

私はブロックも苦手なのだが、中高年の遅いボールならなんとか安定して止められる。しかし、若い人の生きのいいドライブはうまくブロックできない。特にフォアハンドでのブロックが安定しない。若い人に今どきの高性能な用具でガツンと回転をかけられると、ボールがすっ飛んで行き、オーバー。ラリーにならない。
それなら、ボールがオーバーしないように面を寝かせたり、ラケットを動かさず、じっと止めたりしてみると、今度は逆にネットにかかってしまう。ブロックって難しい。



上の動画のオフチャロフ選手は強打者として有名だが、張継科選手はオフチャロフ選手の、すさまじい回転のバックハンドドライブを苦もなく返球しているように見える。どうやっているかというと、派手に上方向にこすり上げてブロックしているのだ。
しかし、考えてみると、不思議である。インパクト後に上に飛んで行くドライブのボールに対して上にラケットを振る?強烈なドライブに対して上方向にボールをこすり上げるなんて自殺行為ではないだろうか?

実際に若い人の猛烈な回転のドライブをほぼ真上に擦り上げてブロックすると…果たして安定した!どういうことなんだろう?もちろん、斜め45度ぐらいの方向にラケットを動かすと、ボールはすっ飛んで行ってしまうが、垂直に近い方向なら、軽々と入る。

ブロックのコツ

逆に下方向に軽く落としてブロックしても、わりと安定した。しかし、上方向への擦り上げが私には最も安定する。

【まとめ】
強烈なドライブに対してブレードを寝かせて返球するのは難しい。そうではなく、回転の強いドライブを垂直方向に擦り上げれば、返球スピードは遅いが、安定する。
上手な人にとってはこんなことは言わずもがななのだが、私のレベルだと、こういう技術でさえも知らなかったりするのだ。私と同じようなレベルの人で、若い人のドライブが止められないという人はこの「すりあげブロック」を試してみてほしい。それにつけてもボールの挙動は不思議である。

【追記】
強烈なドライブに対しては、やっぱり上方向に擦り上げるよりも、台から距離をとってブロックするほうが安定すると後で思い直した。