しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




ラージボール

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ニッタク ラージボール44プラ インプレッション

先日、ラージボール卓球用のニッタクのプラスティックボールを打つ機会があったので、打った印象を簡単に報告したい。
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・硬い打球感
ふだん打っている、ニッタクの練習球トップラージボールよりも肉厚で硬く感じた。打つと、カリンカリンという音がトップラージボールよりも派手に鳴る気がする。これはスリースターで高級なものだったからかもしれない。プラスティックの練習球が発売されたら、もっと柔らかい打球感になるかもしれない。 

・飛ばない
相手コート深くドライブを打ったつもりでも、ネット際に落ちる。
オーバーしたと思ったボールが入る。
急激に減速するためか、初めのうちは空振りが多かった。

・回転がかかりにくい?
これははっきりと意識できたわけではないが、ドライブを打っても回転がかからないように感じた。

耐久性については、よく分からないが、新品のボールが1時間ほどで割れてしまった。これはたまたま相手のラケットのB面にラージ用のラバーではなく、一枚ラバーが貼ってあり、それで何度も強打したためだと思うので、はっきり評価できない。おそらく耐久性は従来品と比べてあまり変わらないのではないか。

プラスティック硬式球の40+ボールは回転がかかりにくく、スピードが出ない傾向にあるらしい。つまりラージボールに近づいているわけである。そのためだろうか、新しいラージボールは、従来のものよりもよりスピードと回転を抑えているように感じられた。ラージの硬式化が進んでいたので、その縮まった距離を改めて広げるべく、ラージの当初の理念――スピン・スピード控えめ――に立ち返ったように感じられ、歓迎すべき変化だと思う。

ラージボール用ラバー「TSPスピンマジック」インプレッション

先日、地方のラージボールオープン大会に出場してみた。ラージボールの試合に出るのは今回が初めてである。

地方の小さな大会なので、出場者は年配の人だけ、半分は部活での硬式卓球経験者、半分は未経験者といったところだろう。もちろんレベルの高い人もいるだろうが、大半は健康増進と親睦のために出場しているはずだから、私のような下手な人間でも1/3ぐらいは勝てるのではないか…

という思惑は全く外れ、1勝もできなかった。
想定していたレベルが全く違っていた。

「たくさん動いて、楽しみましょう!」という雰囲気ではない。「殺るか…殺られるか…」という雰囲気だったのだ。

若い人(20代、30代)がいないというのはそのとおりだったのだが、出場者はみな相当やりこんでいて、おそらくほとんど全員が硬式卓球を部活で経験していた(人によっては硬式でもかなりの成績を残したのではないか)ように感じた。

一般の部のダブルスのみの出場だったのだが、驚いたことに2球目攻撃がデフォルトである。2球目はツッツキとか、つなぐということはなく、2球目からいきなり決定打を狙ってくる。硬式で言えば、ほぼすべてのサービスを台上バックドライブで抜きに来るようなものだ。

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ソフトボールの体感速度は野球のピッチングのそれにも匹敵するという。ラージと硬式の関係に似ている。

他府県から参加している人も少なくなく、話を聞くと、だいたいこの辺で大会があると、「上位進出者の顔ぶれはいつも同じ」らしい。いつも同じメンツと対戦するのに飽きてしまい、関西だけでなく、わざわざ東海地方まで遠征に行く人も少なくないのだという。つまり、この辺でラージボールの大会に出場するのは、競技志向の人がほとんどだということである(たぶん)。

そんなことも知らず、レクリエーション感覚で出場してしまった私たちは、リーグ内で完全に浮いていた。次はもう少しマシな結果にしたい。では、どうすれば勝てるのか。用具を替えてみたらどうだろう?もしかしたら、用具で下手さがある程度補えるかもしれない。

そう思ってTSPのスピンマジックという高級ラージボールラバーを買ってみた。

私が使っていたラバーは入門者用のコントロール系ラージボールラバーだった。硬式卓球で言えば、マークVやスレイバーのようなものだろう。それをテナジーやファスタークといったテンション系ラバー相当に替えれば、もっと威力のあるボールが打てるかもしれない。増税前だし、ちょっと試してみよう!と勢いで買ってしまった。

ラージボールといえば、ニッタクだ。本当はニッタクのロイヤルラージ(実売5000円弱)やジュエルラージ(実売6000円弱)といった最高級ラバーを試してみたかったのだが、あまりにも高すぎる。テナジーと同価格帯である。買ってはみたものの、もしかしたら高級ラバーも入門者ラバーもそれほど変わらないかもしれないし…と逡巡し、やや安いスピンマジック(実売4000円強)を買ってみた。

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果たして入門者用ラバーと高級ラバーのスピード・スピン性能はどのぐらい違うのだろうか。約1.5倍の価格差に見合う性能差があるのだろうか。

まず、気づいたのはスポンジの厚さである。超特厚を選んだのだが、通常のラージ用ラバーのスポンジと比べて、厚い。その分、シートが薄くなっているようだ。ツブは一般的な小さめのもの。

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赤いスポンジがスピンマジック。一般的なスポンジよりも厚い。

スポンジが厚い分だけフカフカで、打球時の衝撃が板まで届きにくい。よくひっかかり、低い打点からドライブをかけても安定して入る。

…とここまで書いて、やはり私には用具の性能などについて語る資格がないと思い直した。十分な時間をかけてきちんと検証する練習時間も相手もいないのだ。下手なことを書いて読者に偏見を抱かせるよりも、軽く印象を述べるにとどめたい。

【ちょっと打ってみた感想】
スピンマジックは入門者用のコントロール系ラージボール用ラバーよりも、扱いやすく、小さな力でドライブがよくかかる。スペクトル等の硬式用ラバーとラージ用ラバーほどの差はないが、バタフライのラージ44DXやニッタクのスーパーラージといった実売2500円前後のラバーよりドライブがかけやすい。入門用ラバーよりも1000円ほど高いが、それに見合う価値はあったと思う。

相対化するということ―ラージボール卓球のすすめ

英語が小学校から正式な「科目」となるらしい。
英語は長期間勉強すれば――勉強時間が長ければ長いほど上達するものだろうか。
小学校から英語の授業を増やすことになれば、絶対数でみれば英語が上手になる子供の数が増えるかもしれない。しかしそれほど英語に興味がない子供―英語がきらいな子供には負担を強いるだけでしかない。また英語を科目にすることによって他の科目の学習時間が削られ、より「薄っぺらい」日本人が生みだされることになるかもしれない。しかも小学生に対する英語教育なんて初めの10年ぐらいは模索期だろうから、わざわざ時間を作っても学習効果はほとんどないだろう。ネイティブを呼んで、歌って踊ってお遊戯するために他の授業時間を削っていいものだろうか。一部の英語好きの子供のために大多数の子供が余計な「学習」を強いられることになるのではないか。

外国語なんてダラダラ長期間勉強するよりも、短期集中で勉強したほうが効果があるに決っている。10年以上英語を勉強しているはずの大部分の日本人が日常会話もままならない一方で、日本に2~3年留学している外国人――それまで日本語をまったく勉強したことがない――の多くが日常会話程度なら全く問題ないレベルまで上達し、一部は大学での専門的な勉強にも対応できているのをみると、小学生に英語「学習」を強いるよりも、大学生に対して1年ぐらいの留学を必修化したほうがよほど効果があり、経済的だと個人的には思う。

そもそもどうしてこんなに世間は英語、英語と騒いでいるのだろう。どうやら「国際交流」「国際化」というのがその理由らしい。しかし「国際化」というのは本当に必要なことなのだろうか。

ヨーロッパで「国際化」というのを進めた結果、貧しい国から裕福な国に、着の身着のままで労働者が殺到した。その結果、その国の社会保障に負担がかかり、多くの摩擦が起こっている。ドイツでも、スウェーデンでも外国人排斥運動が盛んらしい。フランスでもアフリカ系移民との間の深刻な摩擦に悩まされている。こんな憎しみを生むぐらいなら、われわれはむしろ「国際化」をできるだけ「防ぐ」べきなのではないだろうか。

「国際化」というのはいったい何なのだろうか。道を歩いていたら外国人とすれ違ったり、道案内することが「国際化」なのか。職場や学校に外国人がふつうにいることが「国際化」なのか。そんなことのためにたくさんの憎しみの連鎖が生まれるのなら、なんのために「国際化」とやらをしなければならないのか。

世間では「国際化」という言葉を膾炙しているが、私は現在の形の「国際化」には多くのデメリットがあると思っている。しかしそれでも1点メリットがあることは認めざるを得ない。自らを相対化できることである。

もし外国人の存在がなかったら、私たちは自分たちが「すみません」的な言葉を多用しているということにも気づかないし、政府を批判できることが当たり前でないということにも気づかない(例えば、サムソノフの母国、ベラルーシでは大学の教室の隅に警官がいると聞いたし、ミャンマーでは院政期のカムロのような者が街なかに放たれ、政府の批判をしている人がいないかどうかチェックしているらしい)。それどころか「日本文化」や「日本的」といったことが何かも分からない。空気のように身の回りにあること、あるいは自分の持つ所与の性質が何かを気づかせてくれるのが外国人の存在なのである。

卓球の話に当てはめてみると、たとえば、まったく用具を替えない人は自分の用具がどういう長所と短所――特質をもっているか意識できない。だからといってかつての私のように用具をコロコロ替えるのでは、わけが分からなくなってしまう。性質のかなり違う二つの用具を使い分けることによってメイン用具の特徴が逆照射されるに違いない。よく弾む用具を使っている人が守備用ラケットを使ってみることによってはじめて「弾み」を意識できるようになる。

また、硬式卓球しかしていない人は硬式卓球がどのようなスポーツなのか分からない。じゃあ柔道をやってみようというのは飛躍しすぎだ。あまりにも性質が違いすぎるので細かい違いに気づきにくいだろう。そこでラージボールである。ラージと硬式卓球は多くの共通点をもっているが、多くの差異も内包している。硬式卓球とラージは「適度な距離」なのである。

ラージボールを敬遠する人は「勘が狂うから」と判で押したように答える。しかし、この「適度な距離」こそが硬式卓球をより深く理解させてくれるよすがにはならないか。たとえば、最新のひっかかりのいい高性能ラバーなら、ブレードをかなり寝かせても、軽くひっかけるだけで入ってしまう。しかしそれが当たり前なのではなくて下回転のかかったボールというのは、ブレードを立て気味にして打つ、あるいは上方向にこすらないと落ちてしまうものだということをラージは教えてくれる。逆に言えば硬式卓球でボールが「落ちない」ということを意識するためにはラージをしてみるのが一番の近道だということだ。ラージでドライブを安定させようとすることを通じて、どのような打ち方が落ちにくいかが分かる。
さらにラージはボールの減速が激しいので、打球する前に考える余裕が生まれる。どのような打ち方がボールの「摂理」に適うのか、よく考えながら打てる。それらは程度の違いはあれ、硬式のボールにも応用できる感覚だ。ラージをすることは「勘が狂う」のではない、ボールに対する勘を対象化し、より深く鋭いものにしてくれるのだ。

ラージボールは硬式卓球に対する理解を妨げるのではなく、逆に理解を深めるものだと信じている。逆もまたしかりである。

ラージボール卓球の効能

ラージボール卓球のボールは不思議だ。
ラージボールは直径44ミリで、硬式の40ミリよりわずかに大きい。つまり空気抵抗が大きい。それだけでなく、硬式よりも軽いので、独特の軌道を描く。譬えて言うなら風船を叩いたような感じだ。風船をバレーボールのように叩くと、叩いた瞬間は速く飛ぶが、すぐに減速して落ちる。ラージボールを硬式のつもりで打つと、同じようにポトッと落ちる。単に弾まないだけかと思うと、ときどきほとんど力を入れていないのにボールが台から出てしまう時がある。かなり力を入れてプッシュをしたら、ネットにかかってしまうと思ったら、ラケットを動かさず、ブロックしただけでポ~ンと飛んで行ったりする。ラージボールの弾み方は硬式球とは少し違うらしい。
そんなわけで硬式が上手な人はラージを敬遠する。「勘が狂う」というわけだ。
ラージをすることは硬式にとってマイナスにしかならないのだろうか。

私はラージは硬式にも益するところが大きいと思う。その最大の利点は打点の早さが身につくことである。
ラージボールが飛んでくる勢いを真正面から受け止めると、落下率が高い。その一方でボールの勢いの軸を外して、言い換えればボールの勢いを利用して掬うように返球すると、さほど力を入れずともボールが気持ちよく飛んでいく。それが如実に現れるのは、バウンド直後のボールを返球した場合である。ラージボールで気持ちよくラリーするにはかなり早い打点で打ち返すのが有効である。ラージのラリーはこのような早い打点での打ち合いになる。このタイミングが身につくと、硬式でも現代的な早い打点の卓球ができるようになるのではないかと考える次第である。

また、ラージのボールの遅さも美点の一つである。ボールが遅いことによってフットワークの練習にもなる。ラージのボールは遅いので、台の前後左右に大胆に動いても間に合う。硬式だったら、ボールが速すぎて動く前から諦めてしまうところをラージなら一所懸命動こうという気になるボールの遅さなのだ。これによってフットワークの足使いが身につけば、それを速めることで硬式にも対応できると思う。私のようなヘタッピは硬式のラリーでは速すぎてきちんとしたフットワークが練習できない。また、ラージボールは遅いので、自分のフォームを確認するのにも役に立つと思う。テイクバックが大き過ぎないか、戻りが素早くできているかなどを確認する時間的な余裕がある。

ラージはこのように硬式にも役立つ要素がある。ラージ人口がもっと増えてほしいものである。

今、ラージボールは中高年向けの特殊な卓球という位置づけだが、20年後はラージボールが一般的な卓球になり、硬式のほうが特殊で専門的なスポーツになっているかもしれない。

昔、日本にスノーボードが紹介されたばかりの頃は、スキーが一般的なスポーツでスノーボードは物好きな人のスポーツだったが、最近の統計によると、スキー人口は減少の一途をたどり、スノーボード人口とほぼ同じになっているらしい。しかし、今の若い人にとってはスノーボードのほうが親しみやすいスポーツなのではないだろうか。

ラージは卓球未経験者を取り込めるポテンシャルを持っている。若い男女がデートの一環として硬式卓球をするのは想像しにくいが、ラージなら想像できる。ラージのスター選手が生まれて、メディアが盛り上げでもすれば、ラージがボーリングのような若者のメジャーな娯楽になるのも夢ではないと思う。ただ、そのためにはラージで遊ぶ工夫が必要だろう。経験者と未経験者がプレイをすると、硬式ほどではないにしても、やはり能力的にかけ離れているので、長時間楽しむことは難しい。経験者と未経験者が楽しめるようにハンデを付けられるような工夫があればいいのだが。たとえば、未経験者側の台の上にタオルを広げて、そこに落ちたボールは失点扱いにするとか。
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