しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




タグ:フットワーク

人の批判というのは諸刃の剣である。

私の学生時代の先生は人に論争をふっかけてばかりいて学界で疎んじられていた人だった。私はナイーブにも「先生はどうしてそんなに批判がお好きなんですか?」と尋ねてみたことがある。するとこんな答えが返ってきた。

日本では間違ったことをきちんと批判せず、『考え方の違い』で済ませてしまう傾向がある。しかし、学問というのは食べ物や異性の好みとは違う。間違っていることは間違っている。そういうことを指摘しないから学問が健全に発展しないのだ。誰も好き好んで批判などしない。批判というのは細心の注意を払わなければ、批判したこちら側が大ケガをする。一手もミスできない。しかし学問を歪めないためにあえて私は批判しているのだ。

今ではこんな先生は珍しいだろう。昔気質の先生であった。

ネットなどで「☓☓のラケットはクソだ!」などと根拠も示さず一方的に不満をぶちまけているのを目にすると、嫌な気分になる。製作者に対する敬意を欠いた発言は、主張の信憑性を失わせるのみならず、発言者の品位の欠如だけが目につく結果となる。批判をするなら評価できる部分はきちんと評価した上で、根拠を示しつつ批判すべきである。

前置きが長かったが、WRMの指導動画「はらたか ワンポイントレッスン フットワーク編」(3000円)を購入したので、その感想などを書いてみようと思うのだが、結論から言うと、このDVDはあまりおすすめできない。この一言に尽きるのだが、卓球指導動画というジャンルの健全な発展のために「大ケガ」の危険も顧みず、あえて詳細に批判してみようと思う。

harataka

本編は50分強で、構成は次のようになっている。

A 身体と足の使い方についての解説(15分ほど)
B 多球練習による実演(残り35分ほど)

Aの解説は明解で、理に適っている。しかし問題はそれがBの実演に結びついていないことである。

Aにおける原田隆雅氏のフットワークに対する考え方を一言で言うと、人間の自然な動きの重視である。
それは、ムダな動きを極力省き、前の動作の反動を利用して次の動作につなげるということである。一般的な動き方はフォア側→バック側へ移動する時に、フォア側からバック側への移動動作の連続が途切れており、2つの別の動きとなっている。しかし原田氏はフォアの一連のアクションの最後を次のアクションの始動とするので、動きが止まらない。流れるように次の動きにつなげることができる。
フットワークについてもう少し言うと、跳ねるのではなく、身体をずらして移動する。あるいはまず体勢を歪めて(股関節を入れる等)、それを立て直す力を利用して移動するというものである。
これらの解説はどれもすばらしく説得力があり、いちいち納得させられる。モデルとしてぐっちぃ氏が登場し、ぐっちぃ氏のぴょんぴょん跳ねるフットワークを矯正しつつAが終わる。

次に

まずは☓☓の切り替えをやってみたいと思います。このときにラケットの先端を早く切り替える意識と、振り遅れないようにラケットを身体から離して…に意識しましょう。

といってBが始まる。フットワークについての説明ではなく、ラケットの扱い方やスイングの簡単な説明のみで唐突に多球練習の実演動画が始まる。まずぐっちぃ氏の実演、次に原田氏の実演。申し訳程度にフットワークが映るアングルからのリプレイも入る。が、これがAの解説のどこに対応するのか分からない。ぐっちぃ氏の実演が悪い例なのか良い例なのかも分からない。原田氏の指導を忠実に守っているようには見えないので、いい例とも言いがたいが、悪い例とも言い切れない。

バック→ミドル→バック→フォアの切り替え
フォア→ミドル→フォア→バックの切り替え
(ミドルをフォアかバックで打つため、フットワークを使うことになる)
フォア→バック→回り込み

とほとんど説明がないまま延々と多球練習の実演が続く。何を示すための実演なのか分からない。

次に前後のフットワーク(低い姿勢を維持しながら)の実演が始まるが、この前後のフットワークはAの解説にはなかった動きである。いわば、授業で習っていないことが期末試験に出題されたような形だ。
このような多球練習の動画がさらに続いた後で最終章「現代卓球に必要な動き」として

フォアワンコース連打(股関節を使った早い戻り)
全面バックハンドフリック(レシーブのコツ?)

と続くが、これはもはやフットワークの指導動画ではないと感じられた。

前回観た動画「礼武研究所 フォアハンド編」が価格以上の価値があっただけに、今回の動画にはがっかりさせられた。重心という目に見えない要素を扱うため、フットワークを解説するのは他の技術に比べて難しいことだろう。しかし、この動画の完成度の低さを考えると、製品として市場に出すレベルには達していないと言わざるをえない。初めの15分余りの部分だけを1000円で売るというのなら分かるが、大半が意味の分からない退屈な映像の羅列で3000円は納得がいかない。

WRMは今までにない形で卓球界を盛り上げている注目すべきメーカーである。しかしこのDVDは拙速の感が否めない。冒頭15分は素晴らしかったのである。どうして後半をもう少し時間をかけて仕上げなかったのだろうか。WRMの企業イメージを損ねないためにも、卓球動画というジャンルの健全な発展のためにももう少し手間をかけて指導動画を作ってほしいものである。

 

以前の記事で、私の卓球は、上半身からまず動かしてしまうクセが全ての元凶なのではないかという結論に達した(前記事「攻めさせてもらえない」)。

そこで、とにかく下半身からまず動かすことにした。
どうして私は下半身が動かないかというと、腕を伸ばせば届いてしまうからなのだ。だから、腕が伸びないようにすればいいのである。私がとった方法は、ヒジを直角に固定し、手首を使わず、腰の回転と肩だけで打球するという最小限のスイングである。イメージ的には下の画像のような感じである。

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前腕を前方に置き、上半身をややかぶせ気味に構える。すると、少しでも身体から離れたボールには、届かないので、まず足から動かさざるをえない。小さくチョコマカと動きながら小さいスイングでピシパシ打ってみる。オォ!なんだか急にフットワークが良くなった気がする。さらに動かせるのは肩だけなので、強く打とうと思ったら腰を使うしかない。

イメージというのはどんな行為においても大切だと思う。勉強などをするときでも、何もイメージせず漫然とやっているのは楽しくないし苦痛である。
そうではなく、薄く切ったオレンジをアイスティーに浮かべて、海に向いた小洒落たカフェのテラスで「今、私は人類が到達した最も価値のある学問を学んでいるのだ!」とか「私は今、先人たちの遺した文化の継承に貢献している!」などと「脱俗的な自分」というのをイメージしながら勉強すると、勉強がとたんに楽しくなってくる。
同様に手首・ヒジ固定でキビキビと動きながら小さなスイングで卓球をしていると、「今、すがすがしい汗をかいている」「自分の身体を使いきっている!」という充実感に満たされてくる。

こうすることによって腰の使い方というのが少し分かってきた。「腰を使う」というのは腰をねじることとは違うらしい。かといって、上体を沈めて、斜めにスイングするのは軸がぶれてしまうので、連続攻撃がしにくくなる。どうすれば効果的に腰の運動と打球を連携させることができるかはまだ試行錯誤の段階だが、なんとなく効率のいい腰の使い方が意識できるようになってきた。

体全体で小さくスイングすれば、振り遅れることがほとんどない。今までは、速いボールが来て、あっ!ととっさに手を伸ばして振っていたために振り遅れてオーバーミスということが多かったのだが、この小さいスイングなら、間に合う。戻りが早い上に、ボールに身体をかぶせるように振れるので、足さえ間に合えば、ボールが安定して入る。

さらに1球ごとに適切な位置まで動くことによって、ボールがずいぶん打ちやすくなった気がする。ほんの10~20センチほど動くだけなのに、打ちやすさがずいぶん変わった気がする。本来、ボールはこのように打たなければならなかったのか。

まとめ
手首とヒジを固定することによって以下のメリットがある。

・足を動かさざるをえない
・振り遅れない(戻りが早い)
・体全体で打てる

今は我流でとにかく動くことを再優先しているが、これからはステップを効率化することにより、さらなるフットワークの向上が期待できるだろう。 

【付記】 
書き忘れていたが、この打ち方をするときは、下腹部に力を入れるとよりスイングが安定するように思う。 

中高年プレーヤーの肉体的な衰えとして「目がついていかない」というのもよく聞くが、「足が動かない」「足が出ない」という人が最も多いのではあるまいか。私もついそんなことをグチってしまうが、中高年になると足が動かなくなるというのは果たして本当だろうか。「もう中年だから足が動かなくてね」なんていう人は、若い頃はキビキビと動いていたのだろうか。私もときどき「足が動かない」と嘆いたりするが、よく考えてみたら、若い頃からそんなにキビキビと動くタイプではなかった。

「足が動く」というのは、バック側に大きく回りこむことを指すのだろうか。そういう大きく早く動くのは中高年には厳しいかもしれないが、小さく早く動くことは十分可能だと思う。
コートの左角に対角線に向かって構えたとき、ちょうど中央のラインのあたりにボールが来たとき、私は腕を伸ばしてボールを打つ。腕が長い私はその程度の距離なら届いてしまうのだ。それで動かずにボールが打てる。しかし、最近それは違うのではないかと思うようになった。横着して腕を伸ばして打つと、体の軸がブレ、そのため次のボールに対応できなくなる。上手な人は、腕を伸ばせば届くような距離でも小さく一歩踏み出して打っているような気がする。

フットワークには大きいフットワークと小さいフットワークがあると思う。そして私たちが「足が動かない」というときは大きいフットワークを指しているように感じる。しかし大きいフットワークは高度なラリーには必要だが、中級者の卓球にはそれほど必要がないような気がする。むしろ、短いボールには小さく前に一歩を踏み出し、深いボールには小さく後ろに一歩踏み出すといった小さいフットワークが決定的に欠けているように感じる。

この小さいフットワークを意識しだしてから、私の足は「動く」ようになってきた。小さくキビキビと動くことによって振り遅れることが少なくなったし、体のバランスが崩れにくくなった。間に合わない時もあるのだが、それでも卓球をしているという充実感を味わうことができる。

思うに、足が動かない人は、まず上半身から動かそうというクセが付いているのではないだろうか。すべて私の個人的な経験を基にしているので、あまり説得力がないが、私はボールが来たと思ったら、まず腕から動いてしまう。そうではなく、まず足から動き、次に上半身を動かすようにしたら、卓球がかなり変わってくると思われる。

小さいフットワーク、この効果は意外に大きいものである。 「ぴょんぴょん」と併用すれば、さらなる効果が見込まれるだろう。

よく「手打ちはいけない」と言われる。では、どうして手だけで打球してはいけないのだろうか?

「ダメなものはダメなんだ!」「手打ちがダメなのは常識だ!」

しかし、どうしてダメなのかをきちんと考えないと、根本的な原理を見誤るような気がする。

手だけでスイングすると、不安定になり、腕に力が入らない。
手だけでスイングすると、ボールがブレる。まっすぐ打てず、狙った場所よりも左だったり、下だったりに飛んでしまう。そしていくら腕力のある人でも、手だけで打った場合、力のこもったボールが打てない。速くスイングできない。なぜなら、土台が安定していないからだ。車に喩えると、500馬力の超強力なエンジンを積んだ車でも、安物のタイヤを履いていたら、ムダに空回りするばかりでエンジンの性能を全く生かせないのと同じだ。

だから腰を使えと言われる。腰を回せば、腰の回転によって安定してスイングでき、ブレが少なくなる。そして腰の安定に支えられてはじめて腕力がうまく生かせるわけである。

では、腕と腰を使えば事足りるのだろうか。スイングは腕と腰だけによって作られるのだろうか。そうではないだろう。腕だけでは無力である。だから腕を使うためには腰を使わなければならない。腰は腰だけで使えるのだろうか?いや、腰は腰単体では無力である。腰は足の支えがあってはじめて機能する。
その理屈で言えば、下方向に向かっては、足は足の指の支えがあって初めて力を腕まで伝えられる。身体は個々の部位が独立して機能するわけではなく、体全体が有機的に連携して力をボールに伝えているはずなのだから。

腰を使うようにアドバイスされることはよくあるが、足の指の使い方を指導されることはない。おおざっぱに「重心」という言葉で済まされる。
私たちは腰を回せと言われるが、その回し方をきちんと教わることは稀だ。指導者には「腰が回っていない」などと簡単に指導されるが、腰の回し方にもいろいろあるだろう。雑巾を絞るように水平にクルッと回すのか、あるいは斜めに傾けて回すのか、前方に押し出すように回すのか…
また、回す範囲はどのぐらいなのか。10センチ程度でいいのか、30センチぐらい回すのか。
ボールによって回し方も異なるのだろうが、目安となるものがほしい。
しかし、それ以前に順番から言うと、まず足の指の使い方を身につけて、次に足の使い方、それらが自分なりにできてはじめて腰の使い方なのではないだろうか。

『卓球レポート』2013年6月号にフットワークの特集があった。これこそ私が求めていた記事である。
松平兄弟がモデルなのだが、健太選手が足の指の使い方に言及していた。バック側に小さく回りこむコツについて次のように述べている。

「打球した後は、左足の親指の付け根辺りで床を強く押すようにして、右斜め後ろに動き、基本姿勢に素早く戻ってください」

細かい…。「左足の親指」だけでも十分細かいのだが、さらにその親指の付け根で床を押すといいらしい。この特集は他にもつま先の向きや膝の開き具合などにも言及されていて、具体的で詳しい。非常に参考になる。

【まとめ】
「手打ちはダメ」な原因を考察することによって腰を使う重要性、さらには足や足の指を有効に使う重要性に思い至った。腰は大切だが、腰を使おうと思って腰だけを意識しても腰は使えない。それよりもまず、膝やつま先の向き、足の指の使い方などをしっかり身につけるのが先決ではなかろうか。膝やつま先の向きが根本的に間違っているのに腰を回そうとしても回らないだろう。腰以前に腰而下(ヨウジカ。「形而下」から私が作った造語。腰を含めない下半身のこと)が効率よく使えるようにならないと、腰がうまく使えない。というより、足の使い方さえしっかりできれば、自然に腰が使えるようになり、腰が使えるようになれば、自然に腕も使えるようになるのかもしれない。そのような技術を身につけるためにも、フットワークの解説はステップの順序どまりではなく、膝の動かし方や、足先のどの部分に力を入れるか、どういうイメージで足を動かすか等をより具体的に細かく説明してもらえるとありがたい。

ラケットに薄く当てるだの、回転の軸を外してドライブをかけるだの、チキータだの、フリックだの、そういうことを追いかけるのはもうやめようと思う。そんな細かい技は、基本がちゃんとできている人にこそ必要な技術であって、私のような基本ができていない人間は、今すぐ身につけなくてもいい技術なのだ。
また、フォロースルーの位置がおかしいとか、シュート気味にドライブをかけるとか、そういう微妙な振り方の問題も後回しだ。

相手のサービスを下回転でしっかりつっつき、相手がドライブを打ってきたら、ブロック、チャンスを見てフォアで決める。

そういう昔ながらのやりかたで強い人は十分強い。フットワークがしっかりしているからだ。最適の位置に移動し、間に合いさえすれば、フォームが多少歪んでいても問題ない。私のような基本ができていない人間はまずフットワークの習得を最優先にしなければならない。



上のビデオを見て、いろいろ発見があった。
卓球のフットワークというのは反復横跳びと同じようなものだと思っていたのだが、全然違う。

A:両足で同時にジャンプ
B:モモの開き具合は常に一定

Aについてもう少し細かくみてみると、

A1:打球時に踏ん張っていない(足の力を打球に伝えていない)
A2:ジャンプしながら、腰を使ってスイングしている
A3:常に小刻みにジャンプしている

Bについてもう少し細かくみてみると、

B1:かなり広めにスタンスをとる
B2:小さく移動するときは膝をあまり使わないで、足首の力でジャンプして移動
B3:大きく移動するときは、一度に大きく動かず、小さなステップを素早く繰り返すことによって移動する

講師の先生は指導経験豊富とおぼしく、ありがちな間違ったフットワークの実演もうまい。あやしげな英語を使うが、聞き取りやすい。途中で質問している人は英語で質問しているのだろうか?私には全く聞き取れず、英語には聞こえなかった。講師の先生も聞き取れなかったらしく、仲間の顔を見合わせてから、”We'll play more" とかなんとか言って、とにかく実演で納得させようという戦略をとっている。



次のビデオはバランスを崩さないことの重要性と、フォアへの飛びつきのコツについて説明している。またヨーロッパ選手と中国選手のフットワークの違いについても触れている。ヨーロッパ選手は回り込んだ後にニュートラルに戻って、バックハンドで打とうとするが、中国選手は回り込んだまま、次のボールをフォアハンドで待つのが一般的らしい。先生の悪い例の実演がまた、上手だ。そしてまた意味不明の質問があって、先生は聞き取れず、苦笑いしている。

ここで学んだことは、次のことである。

C:フォアへの飛びつきでは、大きく足を動かすが、利き足を後ろにして、非利き足と利き足が前後に位置するように動く(アメリカンクラッカーのように左右の足がぶつからない)
D:フォアへの飛びつきでも平行に動く(後ろに下がらない)

Cについてもう少し詳しく言うと、大きく動くとき、足を☓のように交差させないというのが中国式のフットワークだというのは聞いていた。そして「一歩動」などという言い方も聞いたことがあった。
私の以前のイメージでは、右利きの選手が右に飛びつくときは、右足を大きく一歩右に出してフォアを振り、その右足が着地したときに踏ん張って、左に戻るというものだった。
しかしこのビデオを観ていると、一歩だけで間に合う距離ではなく、二歩で大きく動いていた。右利きの選手なら、右に大きく移動するとき、初めに着地するのは左足だった。

つまり、
〈右利きの場合のフォアへの飛びつき〉
右足でふんばり→左足で着地し(この時、左右の足は交差させず、前後に並ぶ感じ)→右足着地+ふんばって→戻る

ということになる(ビデオのモデルは左利きなので反対)。
これは私が無意識にやっていた

左足でふんばり→右足で着地し→また左足でふんばり→右足で着地する

という動きと違う。私が3歩に分けてやっていた動きを、ビデオのモデルは2歩で大きく動いているのだ。

わかりやすく言うと、端から端へ移動するとき、はじめに踏ん張る足は中央寄りの足ということ。
昔、スウェーデンの自動車メーカーでサーブとボルボというメーカーが、凍った道での安定性はFF(前輪駆動)かFR(後輪駆動)のどちらが上かという戦いをしていたが、結局FFのほうに軍配が上がり、ボルボもFFの車ばかり作るようになったという。私はあまり車に詳しくないので、このエピソードはもしかしたら、間違っているかもしれないが、フットワークで踏ん張る足もFFのほうがいいようだ。

次にDについてもう少し詳しく言うと、回りこむ時も、飛びつくときもほとんど平行に移動している。
確かに回りこむ時に微妙に台の縁に沿って移動しているが、基本的には平行だ。つまりあまり「クルッと」回りこんでいない。体を開いて打つ空間を作ることで補っている。逆にフォアへの飛びつきは、ボールの到着の時間をかせぐために、やや斜め後ろに下がりながら移動するかと思ったが、ほぼ平行に移動している。

今度練習するときに上の諸点を頭に入れて動いてみようと思う。

【追記】130906
足を大きく開いて小刻みにフットワークをするためには、上半身の動きとステップを連動させなければならないことがわかった。足だけでは動けないので、上半身のねじる動きとステップを連動させなければならないのだ。つまりフォア側への移動なら、スイングの頂点で右足を出すようにする。足で動くというよりも、上半身の回転の力で右に移動するわけだ。

最近、基礎練習の大切さをしみじみと感じる。
ここでいう基礎練習というのは、体の使い方ということである。

先日出場した地域の親睦卓球大会で、私は格下の選手とばかり当たった。緊張もせず、軽い練習のつもりでやっても勝てるような相手ばかりだった。そのとき感じたのは、フォアハンドがふだんの練習のときよりも軽々と入るということだった。どうしてそんなに軽く入るのかというと、相手のボールのスピードが遅いからなのだ。普段の練習では、深くて速い突っつきを回り込んでドライブといった練習をしているのだが、かなり緊張して、瞬時に回りこまないとうまく入らない。それが今回の試合では、相手のゆるい、回転のかかっていない突っつきを余裕を持って回り込んで、好きなコースに打てたわけだなのだ。

見方を変えてみると、どうしてふだん、なかなか安定してドライブが打てないかが分かる。つまり間に合っていないのだ。間に合いさえすれば、たいていのボールは安定するということが分かった。フットワークがうまく機能すれば、入るボールは5割り増しになると思われる。
よくフットワークの大切さが説かれるが、それは親の「勉強しなくちゃ、将来苦労するよ」的なアドバイスとして軽く流していたのだが、最近はフットワークの大切さが実感を持って感じられるようになってきた。結局自分の胸の高さ、体の正面(フォアなら、斜めを向いて打つので、台に向かって斜め45度ぐらい)にボールが来たときにもっとも強いボールが打てるのだから、そのベストポジションを作るために前後左右に動いて位置を調整しなければならない。そのとき、どのような軌道で回りこむかで、間に合うかどうかが決まってくる。ボールが相手に打球されてからでは間に合わない。相手が次にどこにどのぐらいの深さのボールを打つのかを瞬時に予測して動かなければならない。もちろん考えている暇などない。普段の練習で体に効率のいい動きを覚えさせるほかはない。

この、ゆっくりしたボールなら回り込めるという経験から、私のミスの多さの原因の一つはボールが体の最適の位置で打てていないことだということが分かった。

このような訓練をしっかりすれば、1球は安定したいいボールが打てるはずだ。しかし上手な人とやるときは、その1球で決まらないときも多いので、連続して安定したボールが打てるように動かなければならない。
そのときに体のブレをなくさなければならない。人のプレーを見ていると、ミスするのはたいてい動いたときだというのが分かる。つまり、コースを一定にして、フォアやバックを連続して打つ場合にはそれほどミスしないのだが、左右に振られると、とたんに姿勢が崩れてミスをする。動いて、止まって、打つという一連の動作がきちんとできていない。バック側に動くときは、上述のように間に合わないのが原因だと思う。反対にフォア側に動くときにミスするのはとまれないからだと思う。
素振りをしていてきづいたのだが、バックに回り込む方向と、テイクバックの方向は一致する。つまり、回り込みながらテイクバックを完了し、いつでも打球できる体勢を同時に作りやすい。それに対してフォア側へ動く方向はテイクバックの回転(右利きなら、時計回り)と逆である。つまり動きながらテイクバックができない。そこでフォア側に動いて、ちゃんと止まってからテイクバックをして、打球する姿勢を作らなければならない。

回り込み(バック側) 
・左に動く 
・腕を引く → ・打球
・止まる
【 同時 】

飛びつき(フォア側)
・右に動く → ・止まる → ・腕を引く → ・打球

バック側へ移動しながらの打球は2つのアクションで済むが、フォア側の打球は4つのアクションが必要なわけである。フォアへ動いて、「止まる」と「腕を引く」を同時にできそうな気もするが素振りをしてみたら、安定しない。体がブレる。右に動いて、右足でギュッと止まってからでないと腕を引けない。

この、動いたときの体のブレというのが私のミスの2つめの要因だということが分かった。

打球に最適な位置への移動と、ブレない軸。これが当面の課題となりそうだ。

【追記】
昨日行われた水谷選手と馬龍選手の試合を見た。水谷選手は中国の次世代有力選手である閻安選手を破り、ベスト8。水谷選手はまた一歩中国選手に近づいたと思わせる好試合だが、馬龍選手のフットワークがすごい。
フォアにバックに動きながらの連続強打でも崩れない。

全日本が丹羽選手の衝撃的な優勝で幕を閉じてから2週間。
丹羽選手のプレーも研究しなければと思い、ビデオを見ていたのだが、丹羽選手はレシーブの時に2~3歩歩き出すということが分かった。相手がボールを投げあげた時に身体を起こし、相手のトスの頂点付近でトコトコと歩き出すのだ。これがレシーブの時に有効なのかもしれない。上手な人によると、相手がボールを打ってから動き出すのでは間に合わないのだそうだ。相手のインパクトの前にある程度動いているというのは常識らしい。
次のビデオは水谷選手と丹羽選手との試合だが、水谷選手は相手のサービスのインパクト寸前に少しだけ動く感じだが、丹羽選手はかなり早い段階で動き始めている。これが2球目に厳しいボールを打つのに役に立っているのかもしれない。



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