今年から始まった「かすみんチャンネル」。あっという間に登録者数が10万人を超えている。卓球チャンネルとしては驚異的な登録者数の伸びである。ふだんの石川選手の素顔や、大会前の移動の様子なども見られて興味深いが、それよりも私は石川選手の卓球に対する考え方などが分かる動画のほうがおもしろかった。
「石川佳純の卓球を世界一近くからご覧ください!」
https://www.youtube.com/watch?v=MzXxvnb1GZU&t=230s
フォアハンド・バックハンドっていうのは、卓球を始めた時に基本的にフォームは「かたちづいている」と思うので、みんなそれぞれ違うんですよ、打ち方が。だからその覚えた振りで、多少微調整はしてくるんですけど、最初(=始めたばかりの時)と基本、ほとんど変わらない。それをひたすら打ち込んで型にしていくっていうか…。中学生の時は振りが分かんなかったりしてたんですよね、覚えてなくて。でもコレ何十年と続けると、やっぱりもう型は決まっているので…。その中で自分自身のリズムの調整だとか、タイミングの調整とか、回転の調整とか、そういうのを意識しながらやったりとか。回転はけっこういろんな回転が来るんで、それに合わせてやったりとか、そういう感じですかね。かなり難解な日本語である。国語の入試問題が作れそう。
石川選手の伝えたいこととは、一体なんだろうか?
おそらく
「フォームは人によってそれぞれで、それは卓球を始めたばかりの時にだいたい決まってしまう。」
「ひたすらボールを打つことによって自分のフォームのブレをなくし、自分のフォームを意識できるようになれば、様々な回転やタイミングのボールが来ても、意識的に合わせられるようになる。」
ということだろうか。もう少し踏み込んでみると、「打ち方に正解はないのだから、無理に他人の打ち方をマネする必要はない」「自分のフォームを意識できないうちは些細な変化にミスが出るので、自分のフォームを固めてそれを意識できるようにすべきだ」ということだろう。
ミスというのはつまるところ、大半が振り遅れではないかと思う。いくらきれいなフォームで打ったところで、打球タイミングが遅れていたらミスをする。逆に独特のフォームでも、準備が早く、待ち構えるようにして打てる人は安定していてミスが少ない。自分自身のフォームを確固たるものにし、無理に他の人の真似をするなということか。
――毎日絶対やる練習は?
フットワーク。いろんなフットワークがあるんですけど、さっきやってたみたいなフォアハンド・バックハンドの切り返しもあるし、フォアハンドだけで動いて打つフットワークもあるし、ミドルを入れたフットワークもあるし、いろんなパターンがあるんですけど、どんなパターンにしろ、フットワークは必ず入れます。「足を動かし、踏み込んで打ってこそいいプレーができるので、フットワーク練習はほぼ毎日している。」
やっぱりしっかり足を動かしてステップを踏んでこそいい動き・いい試合ができるので、…練習やっててフットワークやらない日はあんまりないんですね。
上半身の動きや打球フォームが固まったとしても、足が自然に動き出さなければ、良いプレーはできない。上半身は毎日練習しなくても良い仕事をしてくれるが、足は毎日練習しなければ、キレが悪くなる。
…多球練習っていって、ボールをてんこ盛り詰まったのを休憩無しでフットワークをするんですよ、フォアハンドで1本1本とか。それを中学生の時とか毎日やってて、それが今となって身になるというか、基礎練習はやっぱり大事だなと思うので、今でも基礎練習はやっぱり必ずします。
「フットワーク練習を学生の頃に毎日していた効果が今になって出ている。フットワーク練習は大切である。」
私なりに解釈するなら、足は一朝一夕で動くようにはならない。長年、フットワーク練習をしてはじめて無意識に足が動くようになるということである。
今回のかすみんチャンネルでは、自分なりのフォームを固めて、それを意識することの大切さや、足を動かすことの大切さを伝えていたのだと思われる。