しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




カテゴリ: 随筆

「あっ!もしかしていけるかも?」
以前プロの指導者に教わったフォアハンドの打ち方のことである。
腰を回してフォアドライブを打つのは昭和の打ち方で、現代では膝で打つのが効率がいいのだという。
そのとき膝で打つ打ち方を試してみたのだが、違和感がひどくて全くものにならなかった。それから2年近くになるだろうか。この間の練習で、ふと膝で打つフォアドライブを試してみたら、今までの打ち方よりも威力が出て、振りも小さく安定するのである。これが現代のフォアハンドの打ち方か。

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最近、「卓球平社員」というチャンネルの動画をよくみる。
https://www.youtube.com/@user-ht5pj9ch9n
hirashain

平社員氏はどうやら日本リーグの選手らしい。フォアハンドはすさまじい威力と安定性だが、バックハンドは(このレベルでは)あまり上手ではないようだ。卓球人脈が豊富で、有名選手を招いて技術動画をよく配信している。今回は加藤美優選手にバックハンド下回転打ちを習うという動画だった。

sekai8i

https://www.youtube.com/watch?v=XSO4whOxuKM

加藤選手は自身のバック下回転打ちのコツを伝授する。
・手は使わず、体重移動で打つ
・体重移動というのは横方向――左から右へ――に体重を移動させるのではない
・体を「絞って」、一度ねじってから、ニュートラルの状態に戻すことが体重移動
・手でバックスイングを引かず、手が体についていくように体の前に置いておくだけ
・下回転打ちは体の前ではなく、やや左で打つ

teuti

平社員氏は加藤選手の指導通り打ち方を試みるのだが、体をひねってバックスイングするのではなく、どうしても手で引いてしまい、振るときも、手が先行してしまうようだ。体と腕が一体化せず、バラバラに動いている感じなのだ。

どうしても指導通りにできない平社員氏を見て、加藤選手はこんなことを言った。

kekkatosite

「(このバックハンドは難しいのはしかたがない。私も)いろいろ考えてやって、今のバックだから、…あれも、これも全部融合してこれだから、…(指導動画が)第三部ぐらいまでないと、分からないよ」

結局平社員氏は、このバックハンドを習得することはできなかった。セミプロの実業団選手でさえ人の技術を我がものとするのは長い試行錯誤が必要なのだろう。

私が膝を使ってフォアハンドを打つというのを教わって、それがストンと肚に落ちて、自分の技術として使えるようになるまで2年近くかかった。加藤選手のバックハンドも、いろいろな指導を受けて、それを自分なりに消化・融合し、さらに発展させて、自分の技術として完成させるまでに数年かかったに違いない。技術を教わって、それを自分のものにするというのは時間のかかるものだと改めて実感した。あるいはいくら時間をかけても身に付かないということもあるかもしれない。

そもそも指導者の指導どおりに人の技術を完全に再現するなどというのは不可能なのかもしれない。指導によってインスピレーション――方向性ぐらいは教わることができるかもしれないが、それを自分の技術として自分のプレーに落とし込むにはどうしても自分なりの工夫や改変を経なければならないのかもしれない。そしてその過程は少なくとも年単位に及ぶのであろう。現役を引退したトップ選手に1回ぐらい個人レッスンを受けたぐらいでは、その技術が身に付くはずがない。それを私は上級者に技術を教えてもらえば、上級者の技術を(質は落ちるにしても)すぐに使えるものだと勘違いしていた。技術というのは結局のところ自分で築き上げるしかないのである。

ツッツキってなんだか捉えどころがない技術だよなぁ。
別にとりたてて難しい技術というわけではないけれど、相手のサービスをツッツキでレシーブするとき、ネットにかけたり、オーバーしたりしやすい。ドライブなら打っていて「これは入る!」という感触のようなものがあり、そう感じた時にはたいてい入るのだが、ツッツキの場合は「これは入る!」と感じたときでもネットにかけてしまったり、オーバーさせてしまうことがよくある。
格下の相手のサービスをレシーブするときは、それほどミスすることはないのだが、格上の相手のサービスをつっつくと、けっこうな確率でボールが思いもかけない方向に飛んでミスをする。

ツッツキをミスしないコツというのはあるんだろうか?
試合でのツッツキの使用頻度を考えると、ツッツキの安定度が試合結果を左右するということも大いにありうる。

ある練習で格上の相手のサーブをひたすら受けていたとき、なんとなく打ちやすそうな瞬間があることに気づいた。ボールが自エンドでバウンドし、「ここだ!」というポイントでつっつくと、サクっとラケットが入り、ボールがすっ飛んでいかずにネットをそこそこの低さで越えて、相手エンドに安定して入りやすいのである(もちろん回転を完全に見誤っていたら、ミスしてしまうが)。なんというか、相手のショットの「ツボ」を突くような感覚である。
aki1
ツボを突くイメージです

そういえば、本当かどうか分からないが、上手な人がこんなことを言っていた。

「下回転のボールがバウンドしたとき、回転が一瞬弱まる。そしてまた回転量が増えていく。この回転が一瞬弱まっている間にドライブをかけると、下回転が簡単に持ち上がるんや」

台とボールが接触した瞬間に回転量が減るというのは理解できるが、その後、再び回転量があがっていくというのは眉唾である。しかし、そのイメージでツッツキをすると、安定して台に収まるのである。

もう少し具体的に言うと、ボールが頂点に達し、少し落ちてくるようなポイントでつっつくのが一番安定するような気がする。

こういうショットの「ツボ」というのはツッツキだけでなく、もしかしたらあらゆる打法にもあるのではないだろうか。そのツボのタイミングでラケットをボールに当てると、回転の影響をあまり受けず、安定して返球できるというタイミングが。

おそらく上手な人はこのツボのタイミングで打っているから、ミスが少ないのではないだろうか。それから私は他の打法――ドライブやミート打ちなどでもツボのタイミングを探してみた。そしてそれらしいものがあると感じた。ドライブやミート打ち、ブロックなどの対上回転の打法では、上体を低くしておいて、むくっと起き上がりながらショットのツボのタイミングでインパクトすると、軽い力でも安定して返球できる。一定のタイミングで打つとよいと言われるが、このようなタイミングを見つけることが最近の私の課題である。

今回は卓球に関係ないお話。
うちにあるノートパソコンが10年以上前のものなので、立ち上がりが遅く、使うのがおっくうになってきた。外部記憶をSSDに変えたり、クロームブック化したりしたら、まだ使えるのかとも思うが、いい加減買い替えようと思った。

ゲームとか動画編集とか、負担のかかる処理は要らない。MS-Officeが使えて、ブラウザでネットが見られれば十分である。もちろん中古でいい。ネットを見ると、パソコンは3月に新製品が出るので、そのあたりに型落ち品を狙うと安く買えるらしい。しかし、中古品だから2月でもいいだろう。

狙い目は企業に貸し出していたリース品を整備して売っている中古品である。アマゾンや楽天でよく2万円ぐらいで売っているやつである。1万ぐらいのやつもあったが、安すぎてもちょっと不安である。4万ぐらいのやつもあるが、そこまでのスペックは必要としていない。

私が求めるスペックは

CPUが core i5
メモリが 8GB
外部記憶が SSD 512GB
1080P(フルHD)の画面
ウェブカメラ
HDMI
wifi内蔵

といったところである。DVDや有線LAN、MS-Officeはなくてもいい。

調べてみると、core i5といっても、古いモデルと、最新のモデルでは処理能力に大きな差があるらしい。第8世代以降はかなり処理速度が上がっているという。うちのデスクトップを確認したところ、i5の6世代だった。これでも日常の処理は十分である。8世代の中古品を探してみると、4万ほどに値段が跳ね上がっている。2万ぐらいの中古品は6世代が多いようだ。しかし探してみると、7世代のcore i5も2万強で売っている。

中古品だから数年で故障するおそれもある。できるだけ信頼できるブランドがいいだろう。
そこで目に留まったのがパナソニックのレッツノートである。
letsnote

高級ノートパソコンとして有名で、私には手が届かないと思われていた機種が、たったの2万強で手に入る。2017年ぐらいのモデルなので、決して新しくはないが、私の求める以上の条件を満たしており、スペックは十分である。頑丈さが売りなので、そうそう故障しないだろう。

迷わず購入し、今、そのレッツノートでこの記事を書いているのだが、非常に快適である。汚れや傷も気になるレベルではなく、処理スピードなどは全く問題ないし、バッテリーも普通に使える。必要はなかったのだが、DVDドライブも、有線LANも内蔵している。おまけにアナログRGB端子やMS-Officeも付いていた。12インチの画面というのも小さすぎず、持ち運びに適した重さである(1キロ弱)。ACアダプタも付いていた。ただ、MS-Officeのライセンスというのがよくわからず、使えなかったので、職場のライセンスを使ってMS-Officeをインストールしなおした。

世間ではこの時期、進学や就職でパソコンを新しく買い替える人が多いと思われるが、新しいモデルを購入すると、安くても10万ぐらいかかると思われる。たしかに処理スピードはずいぶん進化しており、長年使えるのだろうが、仕事や勉強などの日常の作業なら、2万円ぐらいのモデルでも十分である(私は5年は使うつもり)。最近の中古パソコンはコスパが高い。

それに対して卓球の用具のコスパの低さはどうなっているのだろうか。
ラバーは1枚あたり、実売6000円ぐらいが相場だろうか。ラケットは実売2万弱ぐらいが相場で、1万以下のモデルは「初級者向け」みたいな扱いになっているように思う。上手な人が「初級者向け」のラケットを使ってることもよくあるので、1万円以下のラケットが性能的に問題があるとも思えないが、そういう実用性というより、趣味的な需要があるからラケットの値段がどんどん上がっていくんだろうな。腕時計みたいなものか。

新しいアニメもいいが、古い名作アニメを見直すと、いろいろ忘れていることがあって楽しい。
「ハイキュー!!」を見ていて、ハッとさせられることがあった。

kageyama

最近(いや、いつもか)、なんだか卓球で行き詰まっている気がする。いつも微妙に振り遅れてしまいミスしたり、あるいは自分から打てずにボールに合わせるのが精一杯という感じである。上手な人は自分のボールにしてしっかりと打てるのに、私はというと、ボールに振り回されているばかりである。
これまで体幹の動かし方や、打つフォーム(主に腕の動かし方)といった上半身にばかり目が行っていたが、いい加減、下半身にも目を向けなければならないのではないだろうか。

「足を動かせ」「足が止まっている」などと指摘されることが多いが、具体的に足をどうやって動かしたらいいのかを教えてくれる人は稀だ。足を動かすといっても、いったいどのように動かし続ければいいのだろうか。動かし方が分からなければ、動かしようがない。

そこで思い出したのがスプリット・ステップである。

split step

もう、十年も前の記事になるが「テニスで言うスプリットステップとは」の中で私は「相手の打球と同時に軽くジャンプし、上体を沈ませ、その反動を利用して大きく移動する」のように理解していたが、スプリット(split)の意味は「分裂」とか「割る」といった意味である。そうすると、スプリットステップは軽くジャンプして、体重を下半身にかけるということよりも、ジャンプして足を開くというところに意味の重点があるのではないだろうか。

下の動画でバレーボールでのスプリットステップを解説しているが、相手が打つ寸前にジャンプし、軽く足を開いて着地しているのが分かる。

split
https://www.youtube.com/watch?v=xCX3gaHafI8

これを卓球で考えると、ラリー中に常に軽くジャンプしながら、足の開閉を繰り返し、「開」のところで打球し、「閉」のところで移動(ポジショニング)するということにならないだろうか。軽くジャンプしながら、足の開閉を繰り返すというのは分かりやすい足の動かし方だし、それほど難しいことではないように思われる。
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「この程度、エルフなら誰でもできるよ」
「あとは並行して基本訓練だ…」
「それだけでいいの?」
「簡単だろ?」
「ところでこの魔力の制限はどのくらい続ければいいの?あまり長いと疲れるんだけど」

isshouda

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軽くジャンプしながら足を開閉し、それと並行して切り替えや3球目攻撃の練習をする。なんとなく私にもできそうな気がする。しかし、プレー中、移動するときもしないときも、休まずずっとジャンプし続けるというのは実際にはかなり難しくて疲れるのではないだろうか、その状態が「自然になるほどに」。

そして常に足を動かすことが習慣化すれば、ボールに素早く反応でき、振り遅れることも減るような気がする。今度の練習で試してみよう。

【追記】
週末の練習でジャンプしながら、足を開閉するというのを試してみたのだが、プレー中ジャンプし続けるのはなんとかできても、足を開閉するような余裕はなかった。バレーの動画のように、動き出しのときだけしか開閉はできないのかなと思った。

私の裏面バックドライブはいつになっても安定しない。
下回転打ちをすると、ネットに掛けたり、オーバーしたり、ミスばかりである。やっぱり下半身を使わないとダメなんだろうな。股関節を畳んでから打ったほうがいいんだろうか。そんなふうに身体全体を使って力強く下回転を持ち上げようとしてもどうしてもミスしてしまう。成功率はせいぜい50%である。一体どうすればいいんだ?
だからゲーム練習や試合で私はバックドライブは封印することにしている。
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先日、試合に出ていろいろな人のプレーを見て、大いに参考になった。
若い上手な人もいて、いろいろな上手な人のプレーをつぶさに観察してみたところ、驚くべき(私にとって)光景を目の当たりにした。ある中ペンの上手な人が裏面バックドライブをするとき、あまりラケットを動かさず、手先で小さく軽く振っているだけなのに、下回転がしっかりと持ち上がるのである。私は下回転を持ち上げるために体のひねりなどを総動員して大きくラケットを振っているのに、上手い人はそれをあざ笑うかのように小さく振って威力のあるバックドライブを平然と放っているのである。腰とか下半身を使っているようにも見えない(見えないだけで、実際は分からないのだが)。何か私は根本的に間違っていたのではないだろうか。

そんなことが頭の片隅にずっと残っていたのだが、先日の練習で突如ひらめいた。それを言葉で表現するのは難しいが、こういうことである。

バック2本、フォア2本をバックとフォアで打つ単純な練習をしていたときのことである。
ふだんの表面ショートではなく、裏面でバックを打ってみたところ、どうにも打ちにくい。裏面は面が右下を向きがちなので、表面ショートのようにボールに対して真正面にラケット面が当たりにくい。グリップを変えてみたり、身体の向きを変えてみたりして、試行錯誤しているうちに気持ちよく打てるポイントがあることに気づいた。身体とラケットとの位置・距離がそのポイントにあると、力を入れずとも楽に打てるのである。喩えて言うなら、身体に絡みつくツタか何かを引きちぎるような爽快感である。

そういえば、前記事「初心者・初級者の指導について…」でY.Y.LINKの横山氏が初心者の指導で打球ポイントを優先すべきだという趣旨のことを述べていた。もしかしてこの楽に打てるポイントが、横山氏の言う「打球ポイント」なのだろうか?

もしかして冒頭の上手な人は、この、気持ちよく打てるポイントだけに力を込めて、前後の無駄なスイングを削ぎ落としているから、小さなスイングでも安定して威力のあるショットが打てていたのではないか?

私の考察が正しいかどうか保証はないが、自分なりに気持ちよく打てるポイントを把握すれば、がんばって身体全体を使って全力で打たなくても安定したショットが打てるのではないだろうか。裏面バックドライブで早速試してみたところ、いい感じである。ボールの頂点前で優しくボールを撫でるだけなのに下回転がとりあえず入るようになった(威力はないが)。フォアドライブやツッツキ、ブロックでも、この「打球ポイント」があるはずである。それらを見つけ出せば、私の卓球もずいぶん安定するに違いない。

【追記】
加藤美優選手の練習動画
https://www.youtube.com/watch?v=54QwCOUV9cU
バックの振りがとても小さい。

kogoeru


筆者が勤めていたシェフラー社は1945年にシェフラー家の兄弟が創業した会社だが、その兄弟が「戦後の焼け野原のドイツの復興のために起業した」もので復興のための資材の製造や地域の雇用を生み出すことを第一義に掲げていた。

今でもその精神は受け継がれ、適正な利益を生み出すことで永続的に雇用を生み出し、社会貢献することを経営の根幹に置いている。
「ドイツ人が「無料でも」お茶や水の提供を断るなぜ」

ビジネスというのは利益が最も大切で、すべての活動が自らの利益のために行われると思っていた。
しかし、上の記事を読むと、ビジネスには自らの利益よりも大切なものがあるのかもしれないと考えさせられる。一見、金儲けのことしか考えていないように見える企業も、その奥底には「社会貢献」等の理念があって、それがその企業のアイデンティティーになっている場合もあるのだ。儲かるなら何にでも手を出すし、利益を生まないものは無情に切り捨てる、そんなビジネスは、たとえ国際的な競争力を持っていても尊敬に値しない。一方、規模の小さいローカルな企業でも、広く受け入れられる理念を持っていれば、社員も誇りを持って働けるし、その地域の人も応援してくれるだろう。

ひるがえって卓球で同じようなことを考えてみたらどうだろうか。

私が常々考えているのは、卓球では強さが最も大切なのだろうかということである。
強さ、上手さはもちろん大切だと思う。しかし、私の卓球の中で最優先されることなのだろうか。

たとえば毎日何時間も練習して(実際には無理だが)、地元のオジサン連中の間で最も強くなった(それも不可能に近いが)ところで、東山高校とか、関西学生リーグの強豪大学の学生には絶対勝てないし、それらの学生たちも全国に行ったらなかなか勝てない。上を見ればキリがない。強さを目標に練習に励んでも、挫折するのが目に見えている。強さの追求は私の卓球の第一義とはなりえない。

たとえばフォアドライブの威力だけは全国レベルとか、ブロックだけは鉄壁だとか、一点豪華主義で何か絶対の自信がある技術をひたすら磨くというのも自分の卓球の目標になりうるかもしれない。
あるいは、フットワークがよくて、ミスが少ない卓球を目指すというのも個性が出ていていいかもしれない。別に上手じゃなくても、いつも打ちやすいボールを返して練習相手を満足させてあげるというのでもいい。

だが、私には今のところ、自分の卓球の理念というか、個性とでも言うべきものを何も持っていない。没個性で、そのうえ下手である。下手であるのは仕方がないが、何か他の人とは違う、アイデンティティーのようなものが私の卓球に備わればなぁと思う。

若い人が「学生時代の高みには二度と立てないだろう」と嘆くのを聞いたことがある。学生時代の豊富な練習量が望めない現在では、体力の衰えと相まって卓球の強さという観点から言うと、弱くなる一方なのだという。よく若い頃に美しい容姿で一斉を風靡した芸能人が、容姿は衰えたものの、中年になって味わいのある魅力を帯びてきたなどという例もあるように、卓球でも強さ以外の何かを求めたいものである。

ojio
こういう個性的なグリップから個性的な卓球が生まれるんだろうか

「背伸びをしない生き方」という言葉があるが、今年は「手伸びをしない卓球」というのを意識して練習しようと思う。
「手伸びをしない」というのをもっと詳しく説明すると、脇を締めて、ラケットを身体から離さないようにして打球するということである。年末にこのようなことを意識して練習したら、とても感触が良かった。

どういう効果があるかというと、腕を伸ばさないことによってラケットと身体の一体感が高まるのである。「小さい前へならえ」のような感じで打球すると、体幹を回して打たなければ力がこもらないのでどうしても体幹を回して打つことになる。そしてボールを迎えに行かず、身体に引き付けて打つことができる。さらにフットワークにも効果がある。腕を伸ばせば届くようなボールでも、腕を伸ばさず、足を半歩運ぶことによって、自然と足から動こうとする意識が働くようになった。もちろんとっさのボールにはつい、腕を伸ばしてしまうのだが、時間的な余裕のあるときは、足から動こうとする意識が芽生えてきたように思う。

「手伸びをしない」といっても、以前と比べてわずか10数センチの差なのである。しかしこの僅かな差が私の卓球を大きく変えることになるような気がする。フットワーク練習をしていると、それが顕著に分かる。例えば、バック、ミドル、フォアの3点を、バックハンド、フォアハンド、フォアハンドで動きながら打球するとき、脇を締めて、手を伸ばさないようにすると、フォアからバックへの切り替え、またはその逆でも、体幹がグリングリン回るのが意識できる。以前に比べてボールを10数センチ近づけて打つことによって力の入り方が段違いで、打つときにあまり力が要らない。軽く感じる。

最近、「初期設定」という言葉が重く感じられる。
youtubeの動画などで、初期設定を指導するような動画をよく見かけるが、卓球(スポーツ一般でも?)における初期設定というのは非常に大きな意味があるのではなかろうか。

もし、私のように腕を伸ばしたまま何年も練習を続けたら、もちろん上達することはするだろうが、一定のレベルに達すると、伸び悩んでしまうだろう。そして何年も停滞して、試行錯誤しなければならなくなる。腕を伸ばして打つクセがついてしまうと、手の届く範囲なら、体勢を崩して無理して打つようになってしまい、足を運んで微調整をすることができなくなってしまう。何年もその問題で足踏みを余儀なくされるかもしれない。

shoki
フェニックス卓球チャンネル」「初心者(2年生女子)の初期設定(2020.09)」より
https://www.youtube.com/watch?v=NDx4WBI9hMg

一方、初期設定で基本的な部分をしっかりと身につけたら、停滞することなく、効率的に上達していくのではないだろうか。新年を迎えるにあたって、こういう基本的な部分に気をつけていきたいと思う。


相手にブロックしてもらって、自分が動く練習をするのが好きである。
A)フォア側1本、バック側1本
B)フォア側1本、バック側2本
C)フォア側2本、バック側2本
など。
もちろん、オールフォアではない。したがってそんなに忙しく足を使うわけではない。

Aは戻りを早くして、次に備える練習になると思う。Bは余裕があれば、バック側の2本目を回り込んでファルケンベリもできる(あまりやらないが)。Cは時間があるので、2本のうち、1本は強く打つようにしている。
ブロックが上手な人がこちらに合わせて返球してくれるとラリーが続いてたくさん練習できるが、ブロックが上手じゃない人や、ブロックではなく、カウンターをしてくる人が少なくないので、こちらの練習に合わせてブロックしてくれる人は貴重な存在である。

いつものように2本2本をやっていたら、急にストレートが打てなくなってしまった。フォアでストレートに打とうとすると、急に力が抜けてどうしても強く打てない、どころかネットを越えないことさえある。仕方がないのでミートではなく、ドライブでストレートに打とうとするが、あまり安定しない。一体どうしてしまったのか。クロスでフォア打ちをするときはしっかり打てるのに、不思議とストレートには打てないのである。

打ち方をいろいろ変えてようやく原因を突き止めた。台に対して体の向きが正面ぎみになってしまっていたのである。左足を前にして、体の向きを右方向に向けたら、前と同じように力がこもるようになった。いったいなんだったんだろう?
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上の図のAは、体の向きが台に対して正面に近い感じである。これだと力が伝わらず、ミスを連発してしまう。Bのようにもっと右を向いたらしっかり打てるようになった。技術動画か何かで「現代の両ハンド卓球では左足前の構えは古い。平行足のほうがいい」などと聞いたことがあるので、無意識に左足を前に出さず、平行足のように構えるようになっていたのかもしれない。

Aでフォアをストレートに打つときにしっかりと打てないのは、おそらくボールの後ろではなく、右側面をとらえているからだと思う。平行気味の足の位置でも、上半身をかなりひねって、ボールをよく引き付けて打てば、ボールの後ろあたりにラケット面が当たるのでしっかり力が伝わる。
side kara

上の図Cのようにクロスに打たれたボールをストレートに返球しようとしてミスしてしまうのも同じ理屈だと思う。そもそもサイドを切るようなボールはストレートに打ちにくい。ついクロスに返球してしまう。これをCのように無理にストレートに返球しようとすると、ボールの右側にラケットを当ててしまい、ボールをコントロールできなくなってしまう。そうではなく、シュートドライブのようにボールの後ろをとらえないと、安定してストレートに打てない。特に下回転のかかった、フォアサイドを切るボールは、ボールの右側をとらえてしまうと持ち上がらない。

ある程度以上のレベルの人はこんなことは当然知っていることだとは思うが、私にとっては発見だった。初・中級者がストレートに打とうとしてミスする原因の一つは、ボールの側面を捉えてしまうからではないかと思う。





昭和の中学生だった頃、指導者もいなかったし、情報もほとんどなく、私たち田舎の卓球部員たちは毎日同じような練習を繰り返していた。
フォア打ち、バック打ち、フォアドライブ対ブロック、そんな練習を20~30分したら、おもむろにフリー練習に入る。お互いにサーブを出し合って試合と同じ条件で練習するわけである。

こちらがサーブを出して、相手がレシーブし、3球目強打をミス。
次は相手がサーブを出して、こちらが厳しいレシーブをしようとしてミス。
たまに3球目攻撃が決まることもあるが、そこでポイントが決まって終わってしまう。

38ミリの小さいボールで、スピードグルーもなかったというのを差し引いても、ほとんどラリーにならないというのはどういうわけだろう。4球目以降のラリーに発展することは少なかった。

やがて集中力が切れて飽きてしまい、練習に身が入らなくなり、規定の時間が来たら解散。こんな感じで2年半、惰性で部活を続けたけれど、ちっとも上達しなかった。私の場合は中3のころよりも、中1のころのほうが上手だったかもしれない。

令和の時代になり、卓球の情報は消化しきれないほどにあふれ、周りには全国レベルの人もいるし、卓球教室に行けば、プロの指導者に手軽に指導を受けることもできる。練習内容も昭和の時代とは大きく変わり、バリエーションが豊富になった。

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Tさんはストイックに卓球上達を追究している真面目な人である。
前陣からの鋭いフォアドライブは一発で打ち抜く威力を持っている。しかしバックハンドに難を抱えていて、バックドライブを安定させるのが彼の今の課題のようだ。

先日はTさんの課題で練習することになり、私はTさんの3球目バックドライブを受けることになった。
Tさんがサーブを出し、私がバック側にレシーブし、それをTさんがバックドライブでクロスに打ってからオールというメニューである。

Tさんは3球目バックドライブをいろいろな打ち方で試みてみる。しかし、5本に1本ぐらいしか決まらない。決まれば会心の一撃で、一発で抜かれるようなすごい速さのドライブなのだが、惜しいかなほとんどミスなのである。Tさんは理想が高すぎるので、全国レベルでも通用するような質の高いバックドライブを打ちたいらしい。Tさんに「厳しいツッツキを送ってください」と言われたので私はひたすらツッツキマシーンと化して厳しいツッツキを送り続けた。おかげさまでツッツキのコツが少し分かった。右足を踏み込んで、右足で体を引っ張るようにしてツッツキすると速いツッツキが安定するようだ。

ツッツキ、相手のミス、ツッツキ、相手のミス…というのを繰り返していると、昭和の中学生だった頃の記憶が蘇ってくる。

「あ、これはアカン練習や」

私は経験的に知っているが、アカン練習を長年繰り返しても上達は遅い。4球目以上ラリーを続けないとお互いに練習にならないのである。

どうすればいいかは明白で、お互いに妥協して打球の質を下げればいいのである。私がゆるくて打ちやすいツッツキを送り、Tさんはラケットを前方向ではなく、上方向に振って、山なりのゆるいバックドライブを打てば4球以上のラリーになる確率が上がる。4球目、5球目、6球目と続くと私はドライブをブロックする練習ができるし、Tさんはドライブ連打の練習や切り替えの練習ができる。「一粒でニ度美味しい」ではないが、1本のポイントでツッツキの練習も、バックドライブの練習もブロックの練習もドライブ連打の練習もできる。それを2球目で厳しいツッツキを狙ってミス、3球目で鋭いドライブを狙ってミス、では練習効率が悪いのである。

さらには精神的な充足感もある。

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「食べる」ことは、単に経口的に「食物を摂取する」あるいは「栄養を摂る」という意味だけには留まりません。
「食べる」ことは精神的健康感にも大きく影響し、美味しい・楽しいといった充足感、あるいは食事を介しての家族や社会とのつながり等により、自分自身を大切にしたい、自分自身が大切にされている、という自尊感情を得ることもできます。このことは幼児期・学童期等では健全な発育の基本となり、高齢期では活動的な日常生活を支える生きがい感ともなり、活動的な高齢期(アクティブエイジング)を過ごすことが可能となります。

「QOLと食事」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-019.html
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QOL(Quality of Life)、翻訳すれば「生活の質」となろうか。QOLは様々な分野にまたがって使われるようだが、食事に関して言えば栄養摂取だけでなく、食事に関連する精神的な満足感までも含んでいる。栄養だけを摂取すればいいということになると、身体的には問題ないが、精神的には満たされないおそれがある。食事は栄養だけでなく、味や見た目、いっしょに食べる人との歓談などがあれば食事の質が大幅に上がる。

卓球の練習もQOP(Quality of Practice)、つまり練習していて楽しいということをもっと重視すべきだと思う。たとえお互いに質の高いボールを送ったとしても、2球目か3球目までしか続かない練習というのは楽しくない。4球目以降のラリーが続かないと、練習が楽しくならない。質の低いボールでもいいから、ラリーを続ける練習をしないと絶対的な打球数も増えず、打っていて楽しくない。私は常々質の高いボールよりもラリー回数のほうを重視する練習をしたいと思っている…のだが、私の考え方に賛同してくれる練習相手が少ないのが残念なところである。食事だってたとえ栄養価が低くとも、いっしょに食べる仲間と美味しさのほうが大切ではないか。

agenasu
ちなみに私の大好物は揚げナスである。


今回は卓球に関係ない話。

同僚の女性との雑談のなかでこんな話があった。

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同僚「知り合いのお子さんに発達障害があって、言葉にすごくこだわりがあるそうなんです。」

しろの「よく発達障害の人は行間が読めないとか、文字通りに言葉を受け取ってしまうなんて言われますね。そういうこだわりですか?」

同僚「そうじゃなくて、きつい言葉を使うのがどうしてもイヤなんだそうです。例えば、まずいと言うのがイヤで、おいしくないって言うそうなんです。まずいはきつく響くからイヤなんだそうです。」

しろの「なるほど、頭が悪いよりも、頭がよくないって表現したほうが優しいですよね。素晴らしいですね。そういうこだわりなら、全然問題ないですよね。むしろみんながそういうこだわりを持てば、世の中が優しくなるのに。」

同僚「それが困ったこともあるんです。反対に相手の否定的な表現に深く傷ついてしまうんです。相手が何気なくつかった言葉に動揺して会話できなくなってしまったり。」

−−−−−−

これまで私はなにも考えず、「あの人は下手だ」などといってしまったりしていたが、発達障害の有無にかかわらず、その何気ない一言に傷ついてしまう人もいるにちがいない。特に口調の伴わない、ブログのような文章では、こちらが冗談ぽく、「…が悪い」と表現したつもりでも、その言葉を受けとる人は「厳しい口調で批判している」と受け取らないとも限らない。文章でのコミュニケーションは口頭よりもずっと誤解を招きやすい。

この話を聞いて私もこれからはもう少し表現に気をつかわなければならないと気づかされた。










サーブが上手いSさんは、エンドラインギリギリのロングサーブを多用する。軽く下が入った横系のサーブだが、ときにはエンドラインの白線まで来る速くて深いサーブを出すので、来る場所がわかっていても、詰まってバックドライブをミスしてしまう。しかもそれほど回転がかかっていないので、ツッツキよりもバックドライブで返球したいと思わせるサーブなのである。私だって深いサーブを警戒してやや台から距離を取って構えてはいるのだが、自分の想定しているよりももっと深いのである。このサーブをバックドライブで強く返球するなら、台から1メートル以上離れて構えていなければならないだろう。

ここから分かることは、多くの初・中級者はボールの深さにはあまり頓着せずにレシーブを構えているということである。その結果エンドライン近くに来る深い下回転は、バックドライブでは相当返しづらい。切れた浅いサーブよりも、切れていない深いサーブのほうがレシーブミスが多いのではないだろうか。私もそんなサーブが出せたらいいのだが、それよりもツッツキで同じことができないだろうか。
harimoto
張本選手の「遅いツッツキ」というのがプロのレベルでも効果的だと聞いた

先日の練習でバックドライブの得意なOさんと課題練習することになり、Oさんが「バックドライブからの展開を練習したい」というので、こちらがOさんのサーブをバック側へレシーブすることになった。ちょうど深いツッツキを練習する絶好の機会が到来した。

ツッツキと一口に言っても、いろいろなものがある。

・浅い/深い
・速い/遅い
・切れている/切れていない

などが代表的な要素である(他にも打点の早さ、サイドを切る、横回転が入っている等も考えられる)。このうち、私が習得したいのは、

・深い
・速い
・切れていない

である。

私のイメージしているツッツキは、面を斜めに向けてボールの後ろ付近を強く押すようなツッツキである。ペンなので、押すツッツキがやりやすい。切れていて深くて速いツッツキができればそれに越したことはないが、それはコントロールが難しいので、スピードとコントロール優先でナックルのようなあまり切れていないツッツキを練習してみたわけである。冒頭のSさんのサーブもそれほど切れているわけではなく、速くて深いければ相手のミスが誘えるので、ツッツキも、切れ具合より、スピード、コントロール(深さ)を優先したほうがよさそうである。

この練習を通じて気づいたのは、押すツッツキといっても、無意識に切ろうとしてスイングをやや下方向に押してしまっていたということである。スイングを水平にすれば安定するのだが、切るツッツキの癖で、無意識に下方向にラケットを滑らせてしまう。そうではなく、純粋に水平にラケットを移動させれば深くて速いツッツキが安定するように感じた。このツッツキはナックルのようにほとんど下回転が入っていないはずなのに、バックドライブの安定性に定評のあるOさんがバックドライブのネットミスを連発してくれた。相手の練習にならなかったら申し訳ないので、

「ツッツキ、もっとゆっくりのを送りましょうか?」

と申し出てみたのだが、「大丈夫」ということなので、存分に深くて速いツッツキを練習させてもらった。質の高いツッツキと言えば、切れたツッツキをイメージする人が多いので、こういう深いツッツキは効きそうだ(私のレベルなら)。これにストップや逆モーション、コーナーギリギリのツッツキなどをまぜれば、試合でもかなり得点できるのではないだろうか。

【追記】
深いツッツキを安定させるには腕を伸ばさず、前後の移動だけでつっつくのがいいのではないかと練習後に気づいた。


世間ではフォア面に硬いラバー、バック面に柔らかいラバーを使うのが一般的である。私もそれに倣ってフォア面は硬いラバーをずっと使っていた。しかし、最近行き詰まりを感じ、思い切ってフォア面に柔らかいラバーを使ってみることにした。

ラバーのレビューというのをあちこちで見かけるが、私は用具音痴なので、硬い/軟らかい、弾む/弾まない、ひっかかる/ひっかからないぐらいしか区別できない。しかし、世間にはもっと細かい微妙な違いを感じ取れる人がいるらしい。ラバーの性能というのは貼るラケットや、相手のボール、自分のスタイルなどに大きく左右されるので、そういう異なる環境でもラバー単体の性能を判断できるというのは、バリスタやソムリエに匹敵するような鋭敏な感覚を持っているのかもしれない。

私の場合は、いろいろなラケットに貼って長期間試したわけでもないし、いいかげんな感想にすぎない。しかし、硬いラバーから軟らかいラバーに替えたら、どのような変化があったかというのは報告すべき価値があると思い、この記事を書いている次第である。

フォア面を硬い中国粘着ラバー(テンションなし)から、某社の軟らかい初心者用テンションラバー特厚に替えてみた。すると、ラケット全体の重量がやや軽くなったようで、振り抜きやすくなった。そしてフォア打ちをしてみると、案の定、ボールが飛んでくれない。ボールが当たると、スカスカする感じである。が、ミスをするほどでもない。しっかりラケットを当てれば、ある程度は飛んでくれる。そしてブロック(ショート)は悪くない感じだった。相手の回転の影響をあまり受けず、弾みも控えめなので、押すタイミングを間違えなければ、ちゃんと返球できる。粘着ラバーのときより押すタイミングはシビアではない。

だが、サーブとドライブのときは面食らった。今までの感覚で下回転サーブを切ると、ネットに掛けてしまう。引っかかりが弱いのだろう。工夫して、なんとかネットを越せるようになったが、粘着ラバーと比べて回転は半分ほどになってしまったように感じた。そしてドライブもまったく引っかからない。粘着ラバーのときは、しっかり準備して(下半身を踏み込んで、タメをつくって)最適のタイミングで強いインパクトを発生させれば、ゴリっという、スポンジを押しつぶしたような感覚を伴って、回転量のあるショットが打てたのだが、軟らかいラバーでは、強いインパクトで打っても、スカッという感覚で、スピード・回転のあるドライブが打てない、というより、ネットをギリギリ越えるような浅いドライブしか打てない。中陣からスピードのあるドライブを打つのはかなり難しいだろう。

世間でファア面に軟らかいラバーを使うのが流行らないわけである。そんなこんなで試行錯誤しながら、しばらく打っていて、だんだんこのラバーの扱い方が分かってきた。

フォアドライブはしっかり準備して打っても質のいいショットは打てない。だから、あまりタメを作らず、かつ当てを強くして打つ。当然ながら回転はかからない。スピードもイマイチである。「カッコだけドライブ」と命名した。しかし、このカッコだけドライブは、見た目の割に回転量が少ないため、相手がブロックミスをしてくれることが多い。また、軌道が自然に浅くなってしまうので、思い切り打ってもオーバーミスしにくいし、サイドを切るコースもオーバーしにくい。高性能と言われるラバーのボールを受け慣れている人には受けにくいだろうボールが出る。

特筆すべきはスマッシュが打ちやすいことである。硬いラバーでは安定しなかった低いボールに対するスマッシュ(ミート打ち?)が軟らかいラバーではバシバシ入る。ボールが失速しやすく、台に入りやすいからだろうか?スピードはもちろん大したことはない。しかし、それが分かっているので、質より量で勝負である。スマッシュを打ったら、すぐに連打しようという姿勢になっている。2発、3発打てば、いかに遅いスマッシュでも決まるものである。これからはドライブよりも、スマッシュ主体で行こうと思う。

最後に手打ちでも結構ボールが入るという利点もあった。相手にフォアサイドに飛ばされて、ギリギリ手が届くようなボール――しっかり体勢を整える時間のない場合で、手だけで打ったボールがけっこう入るのである。硬いラバーなら、体勢を崩しながら手だけで打ったボールなんてほとんど入らないだろう(どうしても当てるだけになってしまう)。

質の高いショットでないと、相手に全部カウンターされてしまう、あるいは中陣からのラリーを多用するという全国レベルのプレイヤーから見ると、このような軟らかいラバーは全く使い物にならないと思われる。しかし、卓球人口の大部分を占める初・中級者にとっては、軟らかいラバーをフォア面に貼るというのも意外に悪くない選択なのではないかと思った。ほとんどのボールに対してフットワークを使って姿勢を崩さずに強打を打つなんて、一般愛好家には難しい。軟らかいラバーなら、姿勢が多少崩れても、下半身でしっかり踏ん張らなくても、とりあえず台にボールを入れやすい。

普段の生活で使う車なら、280馬力も要らないだろう。公道では100馬力もあれば十分というのと、軟らかいラバーをフォア面で使うというのは同じような考え方かもしれない。全国レベルの上級者と同じ高性能ラバーを使っても、私ではあまり効果的に使える気がしない。それよりもむしろ軟らかいラバーによるゆっくりしたドライブとスマッシュのコントラストで相手のリズムを崩すような卓球をしてみたい。

フォア面に軟らかいラバーを使うメリット
・相手の回転の影響を受けにくい
・弱いインパクトでも入りやすい
・スマッシュが入りやすい
・ドライブやツッツキで回転がかかりにくいため、相手のミスを誘える
・どうせ質の高いショットは打てないので、力みにくい


相手のドライブをブロックし、次のドライブもブロック。相手が打ちあぐねたところを今度はこちらが回り込んでスマッシュ!しかし、決まらずボールはあらぬ方向へと返ってくる。こちらは慌ててボールを追いかけ、中陣からループドライブ。それを相手がブロックで止め、返ってきた緩いボールをサイドを切るカーブドライブで仕留めた!と思ったらギリギリオーバーだった…。

攻守が転換しつつのダイナミックなラリー、これぞ卓球の醍醐味である。

そこでタイマーが鳴り、今度は私の課題の番である。

「じゃあ、こちらのサーブをフォア反面につっついてください。私はクロスにドライブを打つので、そこからフリーでお願いします。」

こんな感じでお互いに課題練習をしたあと、最後はフリー(オールとも言う)の練習になる。

「2本交替でサーブを出して、そこからフリーでお願いします。」

すると、どうだろう。相手はこちらのサーブの回転を見誤り、相手のレシーブはあえなくネットミス。次のサーブは相手のツッツキをつっつき返そうとして、こちらがネットミス。今度はサーバーが相手に替わって、相手のサーブをこちらがバックドライブで持ち上げようとしてオーバーミス…

なんだかお互い3球目までのどちらかのミスで終わってしまう。たまに5球目ぐらいまで続くこともあるのだが、レシーブミスや3球目のミスばかりでちっともラリーにならない。

「おかしいな。さっきは躍動感のあるラリーが続いていたのに。急にラリーが続かなくなってしまった…。」

よくある中級者の練習の光景である。

コースなどを制限した練習では上級者のような派手なラリーが続くのに完全にフリーの練習ではレシーブや3球目のミスが多く、ラリーにならないのである。これを疑問に思わず惰性で今までの練習を続けていると、試合などで初対戦の相手に手も足も出ずに負けてしまう。

おかしい。私はもっと実力があると思っていたのだが。実力の半分も出せていないではないか…。

前記事「卓球の地力」でも述べたが、慣れていない相手でも発揮できる最低限の実力こそが真の地力だと思う。私の場合、実力を発揮できない致命的な何かを看過しているからフリーの練習で思い通りのプレーができないのである。それが何かを私なりに考えてみた。

一つはポジショニングである。いつもコースを限定した練習をしていると、あまり動かず、ポジショニングを疎かにしてしまう。どのコースにどれぐらいの深さのボールが来るかを一球一球吟味しなければならない。そのためには相手に打たれる前に相手にラケットの向きを確認し素早く迎撃体制に入らなければならない。

次に打球点と体の距離を意識することである。横山氏が動画のなかで述べていた(前記事「初心者・初級者の指導について考えたこと」)が、レベルの低いプレーヤーにとってまず優先されるべきは体と打球位置の近さ(打球ポイント)である。打球位置と体の距離がわずか10センチでも遠くなるととたんに力がこもらなくなるからである。スイングの軌道の中で力が入る区間は限られている。それを意識せずに安易に手を伸ばして届くところ――体から離れたところでボールを当ててしまうと回転に負けてしまい下回転が持ち上がらずミスしてしまうのである。

どんな相手のどんなボールに対してもこれらの二つの距離感が合っていればミスは減るはずである。

さらに相手のレシーブを限定できるようなサーブが出せればより有利な展開に持ち込める。相手が速くて厳しいレシーブをしてきたら、コースがわかっていても距離を調整する時間的余裕がない。私はおろかにもこればで多彩なサーブで的を絞らせないような戦術をとってきたが、サーブをコロコロ変えることによって3球目の距離感の調整を自ら困難にしてしまっていた。プロの試合を見ていても、1球ごとに順回転振り子サーブにしてみたり、バックサーブにしてみたりと、コロコロサーブを変えたりしない。サーブは基本的に1つに絞り、回転やコースを変えることによって的を絞らせないようにしたほうが距離の調整がしやすかったのだと最近気づいた。おそらく上級者がミスせず普通にラリーに持ち込めるのは、ある程度相手のレシーブを予測できるサーブだけを使っているからなのだと思う。

以上、ポジショニング、打球ポイントを意識して、それに加えてサーブ権がある場合は、サーブを限定することによって安定してラリーに持ち込めれば、自分の力を十分に発揮できるのではないかと思う。


小さい魔法
「(大魔法ではなく)とにかく小さい魔法を巧く精度良く使うことを覚えるんじゃ」

この大魔法使いの言葉が心に刺さる。

先日、とあるパーティーに出席した。
外国人がけっこう多くて、挨拶やお祝いの言葉なども英語で行われていたものが多かった。

「ここは日本だぜ。なんで英語で挨拶なんてするんだよ。ちっとも分からないじゃないか。」

そんなことを考えながらも大人しくしていたのだが、友人の知人が壇上で英語で挨拶することになった。

「たしかあの人は英語がそんなに得意じゃなかったはず。」

しかし、その人は、原稿があるとはいえ、流暢な英語でスピーチを始めたのだった。感心させられた。そして考えた。もし私がこの場で壇上に立って英語のスピーチをしなければならない状況になったら、私はあの人のように涼しい顔で堂々とスピーチができるだろうかと。

誰しも自分の専門や、長年取り組んでいる分野なら自信を持って振る舞うことができるが、ひとたび自分の専門外の、不案内な分野で、大勢の前で発言を求められたらどうなるだろうか。たとえば医学の学会で数分でいいから挨拶してくれ、などと言われたら…。

お医者さんなんて賢い人が多いだろうから、私なんかがスピーチをしたら、教養の無さや知的レベルの低さが露呈してしまい、軽蔑の眼差しを向けられるのではないだろうか。

そう考えると、このパーティーで専門でもない英語で上手にスピーチができる友人の知人はすごいなと思った。

「地頭がいい」という言い方がある。知識ではなく、その人の持つ本質的な思考力の高さを表す言い方である。全然勉強していないのにテストでそこそこの点数が取れるというのは地頭がいいからだろう。逆に東京大学を卒業しているけれど、社会に出たら「仕事のできないやつ」という烙印を押される人は、地頭が悪いのだろう。大学までは教科書や参考書の内容を理解さえすれば成果を収めることができた。しかし、社会人になったら教科書や参考書はない。どうすれば周りに評価され、成果を上げることができるかは手探りで理解していくしかない。

私の若い友人も、有名大学を卒業して公務員になったが、毎日「仕事がつらい、全然うまく行かない」とぼやいている。文学部を卒業した彼女だが、自分が学んだ専門を活かせる仕事なら、これほど苦労しなかったのだろう。しかし公務員として自分の専門とは全く異なる行政業務をしなければならないため、苦戦しているのである。彼女は地頭がいいと思うので、数年勤めればその仕事を自分のものにできるとは思うが、現在のところ全く見通しが立たない状態でもがいているようだ。

これを卓球に置き換えると、裏裏ドライブマンにはめっぽう強いが、異質やカットマン、左利きには全然勝てないという人がいる。その一方でどんな戦型の選手にも安定して勝てるという人もいる。

倪夏蓮
いくら地力のある選手でもこの人には負けるかもしれない。

どんな戦型にもある程度勝てるというのは地頭ならぬ、地力がある人と言えるのではないだろうか。
ほとんど対戦したことのない戦型と対戦する場合、自分のスタイル、自分の戦術がほとんど通用しないという場合もあるだろう。そんなときにどうすれば勝てるかを手探りで探し、苦しみながらも勝利をおさめることのできる人というのは地力があると言えるのではないだろうか。

卓球の地力をつけるというのはおそらく卓球の基本を身につけるということだろう。それに加えて頭もよく回る人は、どんな戦型にも安定して勝てるのだろう。私は戦術を考えるのは苦手だが、まずはそういう基本を身につけたいと思う。


ペン表に対して低くて速いボールで勝負を挑むのは無謀である。
こちらが速いドライブを打っても、早い打点のショートあるいはプッシュでストレートに返球され、こちらが崩されてしまう。こういう相手にはゆっくりした高いループドライブで相手のバックを狙うのが有効だと感じる。一方、カットマンに対してはドライブよりもスマッシュでミドルを狙うのが良さそうだ。いつも同じスタイルで戦うよりも、相手の戦型に応じてこちらの戦い方を変えられたら、安定して勝てる確率が増すのではないだろうか。

そんなことを考えていろいろな技術に取り組んではいるのだが、あまり効果が上がらない。

基本的な技術でミスが多すぎるのである。

こういうことを年配の上手な人に相談すると、

「俺らが若い頃はサーブを全面ストップしてもらって、それをツッツキしたり、フリックしたりする練習を一日中やってたもんやけどなぁ」

と言われた。

一日の練習で一つの課題をずっと続けるというのは、やったことがない。私の戦術ーー相手に応じてこちらのスタイルを変えるーーのと正反対に一つのスタイルを貫き通すという戦術である。レベルの高い卓球はいざしらず、私のような低いレベルの卓球では、とにかく凡ミスをなくし、決められるボールはミスせず決めるというのが最優先なのかなと考え直した。

横下回転サーブを出せばバック半面に返球される確率が高い。それがツッツキだろうがバックドライブだろうが、とにかくフォアでミスせず返球できるようにひたすら同じ練習を繰り返す。するとどうなるだろうか。おそらく相手に強打させないコース取りというのが見つかるのではないかと思う。たとえば3球目をミドルに返すと決めておく。
「(こちらの)横下サーブ」→「(相手の)ツッツキ/バックドライブ」→「(こちらの)ミドルへの返球」
このようなパターンの練習をひたすら繰り返すことによって自分のパターンというのが見つかるのではないだろうか。上手な人は自分のパターンというのを持っているような気がする。そのパターンに必ずしもはめられるわけではないだろうが、もしそのパターンにはまったら、こちらが圧倒的に有利に試合を進められる。

私はいつも行き当たりばったりで、なんとなく卓球をしている。相手が待っていなさそうなところにボールを送ることばかり考えていたような気がする。視点を変えて、自分のパターンに相手をはめるような卓球をしたいものだと思う。

自分の卓球とは何かと問われたら、私は何も答えられない。今まではとにかく相手のショットを返球することだけを考えてプレーしていたので、確実な得点パターンというのを持っていないのである。これだけ長い間卓球をしているのに自分の卓球がわからないということは、自分の得点パターンの構築というのは、自然にできるようなものではないようだ。意識して構築しない限り、自分の卓球というのはできあがらないものらしい。


RinRin卓球の動画で中国の卓球の考え方は「下半身が7割、上半身が3割」と言っていた。
なるほど、やはり世間で言われている通り、卓球で最も重要なのはフットワークということなんだな。「上半身が3割」という数字にもリアリティーがある。世間には「卓球は足だ!」などという人もいるが、そういうおおざっぱな言い方ではなく、「下半身は7割」と具体的な数字を挙げられると説得力がある。

もちろん私もフットワークが大切だということは知っていたので、フットワーク練習などをよくするのだが、実戦では足が止まってしまうことがよくある。ボールを夢中になって目で追っているうちに気づいたら足が止まっているということが多い。ちゃんとフットワーク練習をしているのにどうして?フットワーク練習をしていれば、無意識に足が動くようになるものではないのか?いったいどうすればいいのだろうか。

そこで思い出したのが、前記事「フォア主体の思想」である。

これはオールフォアで動くというものではなく、できるだけフォア(実際は8割ぐらいフォア)で処理するようにすればおのずから足が動くのではないかという主張だった(ペンホルダーの場合)。いまどきオールフォアなんて時代遅れである。しかしオールフォアにも評価すべきべき点がたくさんあるのではないか。とはいえ足腰の弱い中年にフォアサイドからバックサイドのほとんどをフォアで処理するなんて無理だろう。そこでやや妥協して8割ぐらいをフォアでカバーしようと考えたわけである。フォアを8割カバーするのだって中年には大変だ。

これを実践してみると、足が格段に動くようになる。特に台上は迷いなくボールに近づけるために細かいステップが刻める。今までは台上のボールが迫ってきたら、「どうやって打とうか、フォアで打とうか、バックで打とうか」などとあれこれ考えて足が止まってしまっていたのだが、フォア主体なら、「とりあえずフォアでボールに近づいておこう。フリックか、ツッツキか、はたまた台から出そうならループドライブにしよう」などとボールを左から見て近づきながら考えることができる。

かつて全国レベルだった年配の上手な人に「卓球は結局フォアで回らなければ勝てん!」などと言われたことがあるが、私もだんだんそういう気分になってきた。もちろん今どきの両ハンドで攻めまくるというスタイルができるならそれに越したことはないが、今の私にはフォア主体のスタイルが合っているような気がする。

全日本オールフォア選手権
全日本オールフォア選手権。オールフォアで戦うには足と頭が重要だと分かった。

https://www.youtube.com/watch?v=fkAXEDewCNE



何年やっても上達しない裏面バックドライブ。

ツッツキなどを1本だけ持ち上げるのはできないこともないし、上回転のラリーもなんとかできる。しかし安定性がない。私がいつもミスするパターンは下回転を裏面で持ち上げたあとの上回転のボールを裏面で打ち返そうとしてネットに掛けるというものである。グリップからスイングのしかたまで、いろいろ試行錯誤してきたのだが、いまだに安定性が低いのが私の裏面バックハンドである。

しかし、先日の練習でおかしなことが起こった。下回転を裏面で持ち上げたボールを少しカウンター気味に返球された。そのボールを裏面で打ち返すことができたのである。しかも、その次に返ってきたボールも。下回転を1本、上回転を連続3本裏面で打ち返すことができた。これはどうしたことだろうか?

下の動画のおかげである。

karadazentai

【初級者向け】対下回転バックドライブを解説!
https://www.youtube.com/watch?v=_J0_VGQtolY

この動画は対下回転のバックドライブの指導だが、対上回転に通じる部分も多い。

RinRin卓球の西沢コーチのバックドライブの指導はとても細かくて丁寧に感じた。
ポイントが2つや3つではなくて、7つも8つもあるのである。そのうちのいくつかは私の問題点を解決してくれたわけである。

1つめは前方向に腕でラケットを振るのではなく、体全体で上方向気味に振るというコツである。渡しの場合でいうと、今まで腹の前方あたりでインパクトを迎えていたのだが、それを胸のすぐ前あたりでインパクトを迎えるように変更した。このインパクトの位置が体全体を使って打つこととうまく噛み合ってドライブの安定性が生まれたのである。

2つめはボールの内側を捉えるというコツである。
utigawa

右利きなら、ボールのやや右側をこするようにしてラケットを前方向ではなく、横方向に振るのである。これによってペン裏面ドライブは、ラケットが立ってボールの後ろを捉えやすくなり、安定性が増すのである。

最後に強く打つ場合はやや右足を前に出して体でボールを囲むようにして打つというコツである。

kakomu


他にもたくさんのポイントが紹介されているのだが、実際に動画を見て確認していただきたい。ここまで丁寧に解説してくれれば、たいていの人はバックドライブが安定するのではないだろうか。

RinRin卓球のチャンネル登録者数が最近急激に伸びているように感じる。それだけ有益な動画が多いということだろう。他にも戻りのステップを紹介した下の動画も非常に参考になる。

https://www.youtube.com/watch?v=Gk1gJ44spFA
"初級者必見" のフットワーク「垫步」を解説!

私もこれを心がけるようにしたら、今までとれなかったボールが少し取れるようになった気がする。これからもRinRin卓球チャンネルに注目したい。



まとまった休みが取れたので、Tリーグをプライムビデオでいくつか観てみた感想などを記そうと思う。
今シーズンは個人的に注目の選手が多い。

ペンホルダーの松下大星選手、小西海偉選手、
中国から参戦したヤン・アン選手、周雨選手である。

特に松下選手は静岡ジェードに移籍してから主力となって出場の機会が多いのは喜ばしいことである。
Tleague
以前のピカッと光るアイキャッチから目に優しい光らないものに変更された。

Tリーグを見る上でネックになるのが、その時間の長さである。平均で2時間半ほど。3時間を超える動画も珍しくない。2~3時間もの動画を見続けるのは相当な集中力が必要である。ビデオだから途中で止めて一休みもできるが、会場で生で見る人は大変である。生なりの良さもあるとはいえ。

今シーズンの映像編集の担当者がずいぶん不慣れな人に替わったようだ。以前はリプレイをこまめに挿入してくれて見ごたえがあったが、今シーズンはリプレイが少ない。あってもピントのズレたリプレイだったりする。そこで視聴に際してプレー以外の部分をカットしまくった。入場や選手紹介、ハーフタイムのダンスなどはもちろん、ポイントが決まった瞬間20秒ほど早送りをして次のポイントにつなげる。こんなことをひたすら繰り返し、視聴時間を半分ほどに節約できたように思う。こうやって3時間の動画を1時間半ほどにして見てみると、なんとも味気なく感じてくる。見ていてあまり楽しくない。義務として映像を見させられているような気分になってくる。

私の視聴のやり方は根本的に間違っているのではないだろうか。

そう考えて、今度はスキップを全くせずに最初からちゃんと見てみると、同じ試合でもずいぶん印象が違って楽しめるようになった。Tリーグは選手たちのプレーだけではあまり楽しめないと思う。それはあたかも歌詞のないカラオケを聴いているようなものである。いくら演奏がすばらしくても、歌がなければ楽しさ半減である(私にとっては)。Tリーグも実況と解説とがあって初めて楽しめるものだったのである(私にとっては)

longman
最近、いいなと思った歌 LONGMAN 『spiral』Music Video
https://www.youtube.com/watch?v=fE9trKOuT3Q


Tリーグの解説者はみな上手に解説してくれる人ばかりだった。技術や戦術について詳しく細かいところまで解説してくれる渡辺理貴氏、技術面だけでなく、選手のふだんの素顔なども紹介してくれる坂本竜介氏、おだやかな口調で必要なことだけをしっかり指摘してくれる伊藤誠氏。私が今回見たビデオでこの3名の解説者の話に耳を傾けながら選手たちのプレーを観ると、プレーが生き生きしてくるように感じたのである。実況も卓球経験者とおぼしき、上手な人が多かった。解説の邪魔をせず、それでいて上手に試合を盛り上げていた。

「Tリーグは選手たちのプレーを観るもの」という先入観があったが、私のような中級者がTリーグを楽しむには、Tリーグのプレーを観る解説者を通して観るべきだと再確認した(前記事「あの人は卓球を知らない」「卓球の解説」)。選手入場やタイムアウト、ハーフタイムの余興のときでさえ、解説者の話に耳を傾けていれば、楽しめるのである。「Tリーグは解説者の話を聴くもの」と言っても過言ではない。しかしそうなると、3時間ゆっくりできる時間を確保しなければならないため、社会人にはけっこう負担である。







もし、一つだけ最高の技術を身につけられるなら、どの技術を選ぶだろうか。
強烈なフォアドライブやバックドライブに目が行きがちだが、私ならバックブロックを選ぶ。なぜならブロックの質さえ高ければ、上手な人の相手が務まるからである。上手な人が相手をしてくれるなら、自分の技術もおのずから向上し、上達の早道となる。

そう思って自分が打つ練習よりも、相手に打ってもらう練習をよくするのだが(疲れないし)、どうにもブロックが上達しない。回転のかかったループドライブはオーバーさせてしまうし、速いスピードドライブやミート打ちなどはネットにかけてしまう。

ループドライブはペン粒の落としブロックのように少し斜め下方向にラケットを出せばある程度入るのだが、スピードのあるボールはネットに掛けがちである。バシーンとラバーに当たってボールが落ちるのである。ドライブの威力が強すぎて、ラケットと衝突してしまうからかもしれない。もしかしたら打球の勢いを殺すように自分の体の方へラケットを引きながらブロックするといいのだろうか?試してみたが、ちっとも安定しなかった。ラケットを動かさず当てるだけにするといいと聞いたことがある。全く動かさないで当ててみたが、これも安定しない。

ブロックが上手な人を観察していると、動かさないどころか、ラケットを水平方向にゆっくりと押し出しているように見える。若い人のとんでもないスピードのドライブの威力を殺すのではなく、むしろ前に押し出すことによってブロックが安定するというのはどういうことだろうか。

私もマネして相手のスピードドライブに対抗して水平方向にラケットを押し出すようにブロックしてみた。案の定、ボールが吹っ飛んでいった。そしてあれこれ試行錯誤しているうちにようやく安定してきた。そのコツはボールを吹っ飛ばさないようにできるだけボールを引き付けて、いわばゼロ距離で打球するというものである。

zero
「零距離射撃」という術語があるが、厳密には相手との距離がゼロというわけではないらしい

ボールが十分近づくまでラケットを少し引きながら準備しておき、ボールが当たる瞬間にグッとラケットを水平方向に押し出すのである。こうすると、ラバーがボールを長い時間持ってくれて、ボールを落としにくくなる。大げさにいうと、一瞬、ボールがラバーに貼り付いたような状態になるのである。

ボールを人に擬してイメージすると、ボールはラケットが迫ってくると体をこわばらせ、身構えてしまう。そこで「ラケットをやさしく当てるから大丈夫ですよ」という体でラケットをゆっくり後ろに引き、ボールを油断させておく。そしてインパクトを迎える瞬間、急に態度を豹変させ、グイッとボールを押すと、ボールは無防備のままラバーに体を預けてしまい、こちらの意のままに飛ばすことができるということになろうか。

これはブロックに限らず、ドライブやツッツキなどでもボールを長く持たせる技術として有効であるようだ。

3点フットワークとか、2本2本とか、フットワーク練習を数ヶ月続けているが、なかなかうまくならない。軽いフォア打ち程度のゆるいボールでさえミスせず続けるのに一苦労である。飛んでくるボールに対して優しく合わせることしかできない。できることなら8割ぐらいの力でバシンバシンと強打を打ちながら素早く動き、延々とラリーを続けてみたいものだが、強く打つと姿勢が崩れてラリーが続かなくなる。姿勢が崩れない程度に強いショットを打とうとすると、今度は足が追いつかなくなる。打ちやすいところに数十センチ届かない感じで詰まりながら打つことになってしまう。

どうしていつまで経っても上達しないのかを私なりに考えて出した結論はこうである。

上半身に意識を割きすぎているからである。

下半身でステップを踏みながら、同時に上半身にも気を回すなんて私には不可能である。上半身には最低限の意識のリソースだけを割いて、意識の大半を下半身に集中しなければならない。ピアノで左手は単調なリズムを刻み、右手で感情のこもったメロディーを奏でるような感じで、どちらか一方に重点を置かずに二つの操作を同時にすることは難しい。上半身はなおざりにしなければ動きながら強打を打つなんてできるはずがない(上級者はできるのかもしれないが)

piano

そうすると、できるだけ意識を割かずにどうやって上半身を操作するかが課題になってくる。下半身のフットワークに意識を集中し、上半身は単純な動きだけで操作して打球しなければならない。私が今試しているのはお辞儀の動作である。お辞儀をすることによってバックスイングを引き、そこから起き上がる動作によって打球するというものである。こうすると、腕にほとんど力を入れずに打球することができるし、意識が下半身に集中しているから、床の蹴りとかもしっかりとできる。但し、上半身を操作するのにもっと他にもっと効率のいい動作があるのかもしれない。

また、人によっては私とは逆に下半身にピアノの左手のような役割を持たせ、上半身に意識を集中するということもあるかもしれない。しかし、とりあえず私の場合は下半身がお留守になることが多いので、下半身に意識を集中させたいと思っている。




先日は体が故障しやすくなっているのを思い知らされたのだが、故障に限らず老いを実感することも増えてきた。小さい字が読みにくくなり、耳も悪くなってきた。若い人にマスクをしてつぶやくように話されるとほとんど聞き取れない。物忘れもひどくなった。

若い頃はこんなふうに自分が老いていくなんて想像もできなかったなぁ。

炎天下の中、野球に汗を流す小学生を眺めながら自分の若い頃を思い出す。

若い頃は体の心配なんかしたこともなかった。目も耳もクリアに見えて、聞こえたし、腰や膝を酷使しても翌日にはほぼ快復していた。しかしそんなことは当たり前のことだったから、ことさらありがたみを感じることもなかったし、意識すらしていなかった。

これからは今より悪くなることはあっても、よくなることはないだろう。そう考えると将来が不安になってくる。70代や80代で卓球をしている人も多いが、体をいたわりながら無理しないでプレーしているように見える。年配の人は卓球しながらどんなことを感じているのだろうか。そんなふうに年配の人に思いを馳せてみた。


高齢者か私を見たら、きっと「まだまだ若くて健康だ」と感じるに違いない。しっかりと腰を使ってドライブも打てるし、大きなフットワークもかろうじて使える。目も耳も補助なしで使えている。後期高齢者に比べたら、なんと自由度の大きいことよ。

なんと、私は若かったのだ!

30代の人が「もう若くない」などと言っているのを耳にすると、背中を蹴ってやりたくなる。「全然若くないことないだろ!」と。それと同様に70代80代の人から見たら私なんて十分若いのである。

若い頃は自分の若さを意識なんてしなかった。そして中年になり体力の衰えを感じて初めて若さが失われたと嘆く。年を重ねるごとにその嘆きは深くなり将来を悲観してしまいがちだが、中年なんて実際は若いのである。

そう気づいてから、私は今の自分を肯定的に受け入れられるようになった。人は自分が若いと自覚したとき、若くなるのである。

失われた若さを嘆いているなんてもったいない。私はまだまだいけるぞ!



久しぶりに腰をやってしまった。
日常生活に支障が出るほどではないが、腰を使ってフォアを打つと、痛みが走る。歩くときも猫背になってしまう。こんな状況だが、貴重な練習を休むわけにはいかない。

ドライブはどうしても腰を酷使するので、バックショートを中心に練習してみようか。

そうやってバックを中心に練習していたのだが、強く打てないので、入れるだけのショットになってしまう。ふだんとはちょっと趣向を変えてフットワークを意識してみることにした。

そうすると、今まで見えなかったものが見えてきたように思う。ボールの深さである。浅いボールはそのままの位置で返球できるのだが、深いボールはほんの少し詰まってしまう。今までは詰まっていてもあまり気にせず打球していたのだが、強打が打てないとなると、この微妙な詰まりが気になって、前後のフットワークを意識できるようになった。怪我の功名とはまさにこのことだ。そうやって自分のプレーを見直してみると、自分がいかに前後のフットワークに無頓着だったかを思い知らされた。

そしてバックショートで相手のドライブを受けるときに力の入れ具合をいろいろ試すことができた。上手な人のブロックは、力がインパクトよりも少し遅れて作動するように感じる。つまり、バシンとボールが当たってからグイっと力を入れるような感じである。そのようなバックショートができないかといろいろ試行錯誤をして、自分なりに納得の行くショートができるようになった。

他にも強打以外の技術でアップデートできるものはないだろうか。

ツッツキである。ツッツキは目線をボールの高さまで低くして、ラケットと顔を近づけるのが良いと頭では分かっていたのだが、ふだん実践することはなかった。今回、平身低頭してツッツキをしてみたのだが、思った通り安定した。なんで今までこれをやらなかったのだろう。

腰をいわしてしまうことによって強打の練習を封じられてしまった。フォアドライブやバックドライブで豪快なショットを打つのは無理だとなると、今まで目が向かなかった地味な技術に目が向き、多くの発見があった。

腰を痛めてしまい、どうなることかと思ったが、たまには故障を抱えるのも悪くないと思った。体が万全のときはどうしても派手なフォアドライブやバックドライブの威力を向上させる練習ばかりしてしまう。しかし、故障して、どうせ強打をしてもへなちょこショットしか打てないという一種の諦観が自分のプレーの幅を広げてくれることになったと感じる。


この動画のおしりのストレッチがいい感じだった。
お尻のストレッチ
https://www.youtube.com/watch?v=p6kIUBFCnV0

【追記】
上の動画のせいかどうか分からないが、翌日腰痛が悪化してしまった。
ストレッチをやりすぎるのは逆効果の場合もあるかもしれない。


前回「足を動かせ」と言われたのに反発して足を動かさない卓球を模索し、失敗したわけだが、そもそもどうして「足を動かせ」という助言に反発したかというと、足を動かすのは、あくまでも手段であり、目的ではないからである。それなのに「足を動かせ、動かせ」とあたかも足を動かすことが目的であるかのようにしつこく言われるのでうんざりして足を動かしたくなくなったのである。

目的が明確でなければ、そのための努力も的外れとなってしまう。やみくもに足を動かしたところで、それが空回りしてしまい、良いプレーに繋がらないということも十分ありうるだろう。人にアドバイスするなら、せめて「◯◯するためには、足を動かさなければならない」のように目的を具体的に明示してほしいものである。

足を動かすことは卓球で最優先されるべきだというのは頭では分かっている。では具体的にどんな目的のために足を動かせばいいのか。こういうことを最近ずっと考えていたのだが、私の出した結論は「自分から攻めるため」というものである。

攻撃型の選手の攻撃と守備を比較した場合、守備でももちろん足を使わないことはないが、攻撃で必要とされる足は、守備のそれを大きく上回っている。極端な話、守備は足を使わなくてもなんとかなる場合もあるが、攻撃は足を使わなければまず無理だろう。自分の攻撃のターンは、積極的に足を使わない限りなかなかやってこない。練習のときのように打ちごろのツッツキをバック半面に送ってくれる親切な相手などいない。相手は打たれないようにサイドを切ったり、速くて深いツッツキを送ってきたり、ストップをしたりするのだから、足を使って打ちにくいボールを打ちやすいボールに変えなければ攻撃などできるはずがないのである。

今までの私はレシーブや3球目の時、「フォア側に来たら、ドライブをかけてやろう。バック側に来たら、とりあえずつっつこう」という考え方だった。バックドライブ?そういう派手な技は試合では安定しないので封印している。しかしこれだとなかなか先手を取らせてもらえない。そこで「甘いボールは回り込んで強打」と考え方を変えてから、私はけっこう良いプレーができるようになった。回り込むためには足が必要なのは言うまでもない。

しかし、常に足をアイドル状態にしておいて、とっさに回り込んだり、飛びついたり、はたまた後ろに飛び退いたりするのは本当にシンドい。今まで私がやっていた、足をあまり使わない卓球と比べると疲労が倍近い感じがする。年甲斐もなくこんな方向性で卓球を追究したら、体がぶっ壊れてしまう。どこかで折り合いをつけないとなぁ。

また素早く移動するためには膝を曲げ、つま先に体重をかけておく必要があると思われる。
散髪屋でなんとなく読んだ『忘却バッテリー』という野球漫画でキャッチャーのしゃがみ方についての言及があった。

boukyaku

キャッチャーは太ももを地面と水平にしてしゃがむのだという。こういう姿勢を維持することによってキャッチャーはとっさの送球などがコンマ数秒短縮できる。たとえば卓球で足の動き出しが0.3秒早くなったら、かなりミスが減るのではないだろうか。そう考えると、卓球でも太ももが水平に近い姿勢を維持しなければならないのではないだろうか。う~ん…想像するだけで疲れてくる。

卓球というのは、私が思っていたよりもずっとシンドいスポーツだということが分かってきた。






よく上手な人に「足が止まってる」だの、「もっとフットワークを使え」だのと言われるので、天邪鬼な私は「フットワークなんか使ってやるもんか!」と開き直ることにした。

学生じゃあるまいし、人生の白秋真っ只中の私がプレー中、チョコマカとフットワークを使って動き続けることなんてできない。これから老年にさしかかっていけばなおさらである。年配の上手な人はあまり動かず、回り込みなんかほとんどしないではないか。フォアに来たボールはフォアで、バックに来たボールはバックで、ミドルはボディーワークでなんとかできるはずである。「卓球は足だ!」などと言う人もいるが、きっと足を使わずに勝つ方法だってあるはずである。フットワークを使って動き回る若者を動かずに振り回す卓球なんて小気味いいではないか。仲間内で「不動のしろの」なんて異名がつくかもしれない。

そうやって数週間、できるだけ動かずに卓球をしてみたのだが、やっぱり卓球は足を使わないと無理だということが分かった…。こういう経験もフットワークの重要性を再認識する上で有益な経験だった。

卓球は、ほんの10センチポジションがずれるだけで力が入りにくくなる。フォアハンドは前後の位置が多少ズレてもなんとかなるが、バックハンドは位置がシビアである。バックハンドはおへその前でボールを打つなどと言われるが、それが大きくズレて脇腹を越えて打球するとミスが極端に増える。バックハンドでミスを減らすためにはフットワークでポジションの微調整を正確に行わなければならない(といっても、腕の曲げのばしで上手に打球ポイントを調整できる人もいるのかもしれないが)。フォアハンドだってミスしない程度に入れるだけならポジションがずれていても大丈夫だが、体を使った強打を打とうと思ったら、やっぱり足でポジションを微調整しなければならないだろう。

先日、上手な人と練習した時、相手が私のサーブをバックドライブで返球しようとしてミスをした。
私は

「今のはあまりにも面を寝かせ過ぎだったんじゃないですか?」

とコメントしたのだが、その人は「いや、足が一歩出なかった」と原因を考察した。

「いやいや、今のはどうみても面の角度の問題でしょ?」

と聞き返したのだが、その人は「足の問題です」と譲らなかった。


そういえば、前記事「ガバッ、キキー」でも上手な人が「とにかく足を使ってボールにできるだけ早く近づくっていうのはツッツキに限らず、卓球の基本ですよ。」とコメントしていた。もしかしたら下手な人間ほど、ミスの原因をラケット面の角度やスイングの形に帰してしまい、上手な人はほとんどのミスの原因は足にあると認識しているのではないか。そんなことを考えた。

大会などで上手な人のプレーを観察してみると、中年でも上手な人はちゃんと足を使っている。大きく動くことは少ないのであまりフットワークを使っている印象はないが、それでも常に足を動かしている。若者にいたっては、台の端から端まで激しく動き回っている。足を使わないで強い人なんていない。卓球はプレー中、絶えず1メートル未満のダッシュをしつづけなければならない競技なのだろう(想像するとしんどい…)

sprint

台上の短い返球をダッシュしてつっついたかと思ったら、すぐに次の強打に備えて後ろに下がったり、相手の甘い返球を察してダッシュで回り込んで強打するといったように。私が今までやっていた、あまり動かない卓球というのは勝てない卓球の典型だったのかと思う。


【付記】
前記事「舞はる舞はる」で卓球の姿勢の低さのメリットを考察したのを思い出した。低い姿勢で足を使うというのは卓球では避けて通れないことなのかもしれない。

以前、水谷選手のボールタッチはすばらしいと劉国梁氏が褒めていたという記事を読んだ記憶がある。
ボールタッチが良いというのは、なんとなく分かる気がするけれど、人によってそのイメージは違うかもしれない。

表ソフトではボールをできるだけ持たず、軽く弾くようなボールタッチが良いとされる。

しかし、多くの人にとって「ボールタッチが良い」からイメージするのは、表ソフトの弾くタッチではなく、裏ソフトのボールがラバーに吸い付いているかのようなしなやかなタッチではなかろうか。力が抜けていて、楽そうに振っているにもかかわらず、とんでもなく速いドライブを打つようなイメージ。

私もこういうタッチを操る人を知っている。安定感が抜群で、ちょっとやそっとのことではミスしないような人である。

よく「天性のボールタッチ」などと言われるが、ボールタッチというのは学習や試行錯誤によって後天的に身につかないものだろうか?いや、そんなはずはない。仕組みさえ理解すれば、練習によって優れたボールタッチは身につけることができるはずである。

私もゆったりと余裕のあるタッチでググッと伸びるドライブを打ってみたい。
kara
ボールタッチといえばこの人。

そんなことを考えて、タッチを向上させる糸口がないものかと長い間考えていたように思う。ラバーのスポンジのつぶし具合だとか、スイングスピードだとか、ボールの後ろや上を触るなど、あれこれ試してみたのだが、なにも見つからない。ただ最近、ちょっと気になったのは、飛んでくるボールの勢いを利用することである。

飛んでくるボールはバウンドして頂点に達し、威力を落としつつ落下していく。それをずっと観察していると、ボールが勢いよく加速している瞬間がある。特にドライブ回転のボールである。あまり加速しないボールもあるし、よく回転のかかったボールもある。上回転の少ないボールならボールの勢いが落ちないうちに、上回転の強いボールなら、加速した直後にインパクトを迎えると、軽い力でもボールの勢いを利用して速いショットが打てる気がする…。

脱力して楽そうに打っているのにショットが速い人というのは、このボールの勢いをうまく利用できる人なのではないか?

そんなことを考えながら今もしなやかなボールタッチの追究は続いている。



ゲーム練習をして負けたゲームを振り返って驚くべきことに気づいた(当たり前といえば当たり前のことだが)

私はだいたい毎ゲーム2回ほどツッツキのミスをしている。特別返球しにくいボールというわけではなく、なんてことないボールをネットに掛けてしまっているのである。もし、このツッツキのミスをなくす、あるいは減らすことができれば、負けた試合も勝っていたかもしれない。私は毎ゲーム2回ほどこのような凡ミスをするのだから、2点のハンデを負って試合をしているようなものである。これをなんとかしなければ、勝てる試合も勝てなくなってしまう。

いろいろ試行錯誤した結果、ツッツキの振り遅れが大きな問題だと気付かされた。
相手がサーブを出して、ボールがネットを越える前にこちらが右半身を引いて待ち構えており、こちらのコートにバウンドしたと同時にラケットを前に出してつっつく、というこれだけでツッツキがかなり安定した。しかし、それでもツッツキミスが解消したわけではない。まだ1ゲームに1回ぐらいはなんてことのないボールをミスしてしまう。何かツッツキミスをなくすいい方法はないものだろうか。


youtubeの動画で馬琳が陳夢にストップを指導している動画があった。
何を言っているのか分からないのだが、おそらくこういうことを言っているような気がする。

gaba1
「ツッコミが足らん!遅い!」

https://youtu.be/Tx2_GvkRnW8?t=56

gaba2
「このくらい、ガバッっと行け!」

この指導を受けた陳夢選手は積極的にボールに近づき、きれいなストップを繰り出していた。
chenmeng

私はツッツキをする際、ボールが近づいてくるのを待っていたのだが、上の動画ではボールを待つのではなく、自分から近づいていかなければならないということなのである(ストップの場合だが)。

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大学までガッツリ卓球をやってきた人は、やはり基礎が違う。何年もブランクがあっても基本ができているので私なんかよりずっと上手である。そういう上手な人にツッツキのコツについて聞いてみた。

しろの「ツッツキってボールにガバッと近づいていくもんなんですか?」

上級者「まぁ、そうでしょうね。できるだけ早くボールのそばに行ったら、準備する時間が少しできますし。落ち着いて打球できるから、台の深い位置も狙えますよね。」

し「それにボールのバウンド位置に向かってダッシュしたら、体重が前に乗るので、右足で床を蹴って、後ろに下がりやすいですよね。」

上「あんまり意識したことはないですが、そういうメリットもあるかもしれませんね。とにかく足を使ってボールにできるだけ早く近づくっていうのはツッツキに限らず、卓球の基本ですよ。」

そうだったのか!
ということは、下回転をドライブするときも、相手の強打をブロックするときも、できるだけ早くバウンド位置に近づいておけば、安定してミスが少ないということになるのだろうか。

良いことを聞いた。これからは、ボールが近づいてくるのを待つのではなく、自分の方から歩み寄っていこうと思う。




「切り返し」という卓球用語がある。
「フォア・バックの切り返し」のように、フォアとバックを交互に打つ動作を指すのだが、私が卓球を再開したばかりのときは「フォア・バックの切り替え」という言葉が一般的だった。

とにかく「切り返し」ということばの意味を調べてみると、会話などで「相手の攻撃的な文言に対して、反論をする」といった意味や、「すもうの技の一つ」といった意味もあるようだが、私の感覚では「ハンドルを目一杯切っても曲がりきれない場合に、一度バックしてもう一度曲がり直す」という運転技術をイメージする。その場合、「切り」はハンドルを切って進むこと、「返し」はハンドルを反対に切りながら戻ることを意味するだろう。

剣道でも「切り返し」という練習法があるが、それは前進しながら竹刀で相手を打つことと、後退しながら竹刀で相手を打つことの連続を指すようだ。

切り返し

https://www.youtube.com/watch?v=Nj0hoj9u54o

つまり、上の二つの場合「切り」は進むこと、「返し」は戻ることを意味している。

卓球で言えば、「切り」は前方にラケットを振るフォーワードスイング、「返し」はラケットを戻すバックスイングということになるだろうか。こんな術語を使わずに「打ち」と「戻り」と呼んでもいいのだが、なんとなく風情がないので以下、「切り」と「返し」と呼ぶことにする。

「切り」を速くしないと、威力のあるショットが打てない。だから「切り」は当然速くする。その一方で「返し」のほうはあまり気にかけなかったので、私は「戻りが遅い」とよく言われる。私も戻りを早くしたいとは思うものの、なかなか難しい。「切り」を全力で振るから、姿勢が崩れてしまい、「返し」が遅くなるわけなのである。「切り」を30%とか40%ぐらいの力でそこそこに打ち、むしろ「返し」の方に重点を置いてみたらどうだろう?「切り」をしている最中に「返し」の準備をしておき、「切り」を全力では行わないようにするのである。

そうすると戻りが早くなり、振り遅れにくくなるはずである。ときどき早く戻れたとき、相手が打球する瞬間が見える。そんなときはタイミングバッチリのいいショットが打て、こちらから攻撃するチャンスが増えてくる。

そして「返し」は単にラケットを戻すだけでなく、移動とも連動していると思われる。足を動かすのは、打つときではなく、戻すときである。したがって「返し」に重点を置けば、こまめなポジショニングもできるはずなのである。

ということを頭で考えて、先日の練習で実行に移してみたのだが…なかなかうまくいかない。実際にボールを打っていると、頭で考える余裕がなく、ついつい「切り」のほうに注力してしまうのである。おそらく脱力して無理のないショットを打つようにすれば自然に「返し」のほうに意識が向くようになるのだろうが、そういう瞬間は非常に少なかった。ただ、僅かな時間だが、「返し」のほうが優位に立ったときがあり、そういうときにはいいプレーができた。「返し」優位のプレーに慣れてきたら、「切り」の威力もおのずから増すのではないだろうか。

今後は、いかに「返し」の割合を増やすかが私の課題である。

うららかな陽気の続くGW。各地でイベントが開かれていた。
とある郊外の運動場で野球関係者がピッチングマシーンを持ち出して、野球未経験者にバッティング体験というのをやってもらっていた。

pitching

中学生ぐらいの女の子が、ずいぶんスピードを緩めたボールにバットをかろうじて当てて、喜んでいるのを見た。こういうイベントを開くことで、野球人口の減少を防ぎ、あわよくば女性の参入をも目論んでいるのだろうか。しかし、こんな人気のない郊外では通りがかった人がバットを握るなんてめったにないだろう。これを見て思った。卓球ならまちなかでみちゆく人にラケットを握ってもらうのは容易いことだろうと。

卓球人口は多いとは言うものの、20~30代の女性の人口は極端に少ない(前記事「女性卓球人口を増やすには」)。なんとなく卓球はイケていないイメージがあるので、女性は無意識に敬遠してしまうのだろうと思う。そしてバドミントンやテニスに流れてしまうのである。もし、まちなかで、イベントなどの若い人が集まる場所に卓球台と、卓球経験者(さわやかイケメン)が常駐していたらどうだろう?多くの女性が引き寄せられるのではないか。

event
四条大宮の駅前駐車場で何かのイベントをやっていた。

野球と違い、卓球なら広いスペースも必要ないし、イベント会場にさりげなく卓球台が置いてあっても違和感はない。そうしてラケットを握り、ボールを打ってみたら「案外簡単なのね」となるはずである。もちろん相手をする卓球経験者はどんな荒れたボールでも笑顔で打ちやすい場所に返球するわけである。

そして一度ラケットを握り、ボールを打つという経験をすれば、将来、どこかで卓球に再開したときに「あれなら私にもできるかも」となり、若者の卓球人口が増えるというわけである。フリーマーケットなどのイベント会場に卓球台を搬入するのは難しいことではないと思う。ぜひとも卓球メーカーがこういう活動を後押ししてもらいたいものである。

ただ、問題は野外イベントの場合、風がネックになるということである。風に強いボールの開発が急務だと思われる。昔、ITTFの動画でビーチで卓球をするというのがあった(たしかWTTという名前だと思ったが)。卓球王国の過去の記事でもビーチで卓球をしているものがあった。

beach
https://world-tt.com/ps_info/ps_report.php?bn=1&pg=HEAD&page=BACK&rpcdno=1813#1813

案外、風が吹いていても卓球はできるものなのかもしれない。

最近、JR加古川駅のストリート・ピアノが撤去されたという悲しいニュースに接した。
https://www.bbc.com/japanese/65453156

やはり置きっぱなしではいろいろ問題が起こるので、イベント開催の際に台を搬入するのがいいと思う。


卓球情報があふれる今日、フットワーク練習なんて若い人はみんな経験していて珍しくもなんともないかもしれないが、私にとっては非常に新鮮な練習だった。中学生の頃、指導者も上級者もいない部活では、フォア打ち、バック打ち、ワンコースのドライブ対ブロック、ツッツキなどのウォームアップをしたあと、オール(下回転やスマッシュなど、なんでもアリの実戦的な練習)をするだけだった。フットワーク練習なんてやる人は誰もいなかった。もちろんちっとも上達しなかった。

前記事「かすみんチャンネル解読」で石川佳純選手が「フットワーク練習は(毎日の練習メニューに)必ず入れます」と言っていたので、私も最近フットワーク練習を毎回少しずつ取り入れるようにしていた。すると、驚くべき効果があったのである。

フットワーク練習をすれば、足が素早く動くようになる…かと思ったのだが、あまり変わらなかった。これから速くなるのかもしれないが、足の動きが敏捷になったという実感はない。最も効果を感じたのは、インパクト後のフォロースルーの時間の削減である。自分では気づいていなかったのだが、私は打球後のフォロースルーにかかる時間が長かった。がんばって良いショットを打とうと思い、打った後、達成感に浸って、のんびりしていたのである。フォア2本、バック2本という単純な練習をしていると、かなりゆっくりしたペースでも、打球後、のんびりしている時間はない。すぐに次のボールが返ってくる。私は自分のフォロースルーが長いことに気づかされ、打球後の次の準備を急がざるをえなかったのである。2本2本(フォア・バックの切り替え)なんて、簡単すぎて意味がないと思っていたが、私にとってはかなり難しかった。

別に全国レベルの若者がやっているような、全力?でフォア・バックを連打しているわけではない。軽いフォア打ち程度のスピードで打っているだけなのである。それでも初めのうちはなかなか続かなかった。フォア・バックと大きく体を動かさなければならないので、フォームが崩れやすい。

「なんでバックを打った後のフォアでしょっちゅうミスするんだろう?」

いろいろ考えた結果、私は打球する前の準備時間がとても短いという結論に至った。朝寝坊して慌ててうちを出ると、予定の電車には間に合ったものの、家に忘れ物をしたり、鍵をかけ忘れたり、電気を消し忘れたりするものだ。朝は時間的余裕を持って家を出たい。それと同様、卓球も打球前にある程度の時間の余裕がないと、打球のタイミングには間に合うものの、面の角度が崩れたり、腰や下半身を使えず、手打ちになったりするものだ。

打球前に時間的な余裕を持たせるためには、その前の打球後の時間をできるだけ短くしなければならない。短時間で正確に次の打球につなげるためには、体幹だけでバックスイングを取り、フォーワードスイングも体幹だけで打たなければならない。腕を使ったら時間がかかりすぎるし、正確に打つことが難しい。

また何でもないボールでミスをするというのは他にも原因があるはずである。私の場合は面の角度、ボールの後ろ近くではなく、上とか横のほうを触って打っていたために安定しなかったのだ。また、バックハンドもちゃんと体の正面でとっていなかったので、ちゃんと足で位置の微調整もしなければならなかった。

そうやってなんとか2本・2本をフォア打ち程度のスピードで打って数周続くようになると、今度はもう少し強く打ってみたいという気になってくる。軽く打っていたときには、4周とか5周とかできたのに7割、8割の力で打とうとすると、ミスを連発して1~2周しかできなくなる。姿勢が崩れてしまい、次の打球に間に合わないのである。強打で2本・2本を続けるというのは今後の課題である。

2本・2本(フォア・バック切り替え)が強打で続けられるようになったら、今度は回り込みを入れてファルケンベリのようなことに発展させてもよさそうだ。そうすると、またミスを連発し、自分の弱点が浮き彫りになることだろう。この練習を極めるのに1年ぐらいかかるかもしれない。

『卓球王国』に「練習事典」という連載があり、様々なフットワーク練習やシステム練習を紹介している。

練習事典

ここに紹介されている練習のいくつかをちょっと試してみて、どうしても続かない、強く打てないという練習があれば、そこに自分が進化するヒントが隠れているに違いない。

フットワーク練習というのは、足を速く動かすための練習だと思っていたが、それだけではなく、自分の弱点を教えてくれるという効果があった。卓球は、指導者がいないと上達するのが難しいスポーツだが案ずることはない。フットワーク練習が指導者の代わりになってくれる。アドバイス好きなうざい先輩のいい加減な指導よりも、フットワーク練習でミスの原因を自分で考えたほうがずっと役に立つだろう。ただ、問題は、ミスせずにブロックしてくれるパートナーの存在である。レベルの低い部活などでちゃんとブロックできる生徒は稀である。ブロックがうまい練習相手の育成がチームにとって焦眉の急だと思われる。


kasumin
今年から始まった「かすみんチャンネル」。あっという間に登録者数が10万人を超えている。卓球チャンネルとしては驚異的な登録者数の伸びである。ふだんの石川選手の素顔や、大会前の移動の様子なども見られて興味深いが、それよりも私は石川選手の卓球に対する考え方などが分かる動画のほうがおもしろかった。

footwork

「石川佳純の卓球を世界一近くからご覧ください!」
https://www.youtube.com/watch?v=MzXxvnb1GZU&t=230s

フォアハンド・バックハンドっていうのは、卓球を始めた時に基本的にフォームは「かたちづいている」と思うので、みんなそれぞれ違うんですよ、打ち方が。だからその覚えた振りで、多少微調整はしてくるんですけど、最初(=始めたばかりの時)と基本、ほとんど変わらない。それをひたすら打ち込んで型にしていくっていうか…。中学生の時は振りが分かんなかったりしてたんですよね、覚えてなくて。でもコレ何十年と続けると、やっぱりもう型は決まっているので…。その中で自分自身のリズムの調整だとか、タイミングの調整とか、回転の調整とか、そういうのを意識しながらやったりとか。回転はけっこういろんな回転が来るんで、それに合わせてやったりとか、そういう感じですかね。
かなり難解な日本語である。国語の入試問題が作れそう。
石川選手の伝えたいこととは、一体なんだろうか?

おそらく

「フォームは人によってそれぞれで、それは卓球を始めたばかりの時にだいたい決まってしまう。」
「ひたすらボールを打つことによって自分のフォームのブレをなくし、自分のフォームを意識できるようになれば、様々な回転やタイミングのボールが来ても、意識的に合わせられるようになる。」

ということだろうか。もう少し踏み込んでみると、「打ち方に正解はないのだから、無理に他人の打ち方をマネする必要はない」「自分のフォームを意識できないうちは些細な変化にミスが出るので、自分のフォームを固めてそれを意識できるようにすべきだ」ということだろう。

ミスというのはつまるところ、大半が振り遅れではないかと思う。いくらきれいなフォームで打ったところで、打球タイミングが遅れていたらミスをする。逆に独特のフォームでも、準備が早く、待ち構えるようにして打てる人は安定していてミスが少ない。自分自身のフォームを確固たるものにし、無理に他の人の真似をするなということか。

――毎日絶対やる練習は?

フットワーク。いろんなフットワークがあるんですけど、さっきやってたみたいなフォアハンド・バックハンドの切り返しもあるし、フォアハンドだけで動いて打つフットワークもあるし、ミドルを入れたフットワークもあるし、いろんなパターンがあるんですけど、どんなパターンにしろ、フットワークは必ず入れます。
やっぱりしっかり足を動かしてステップを踏んでこそいい動き・いい試合ができるので、…練習やっててフットワークやらない日はあんまりないんですね。
「足を動かし、踏み込んで打ってこそいいプレーができるので、フットワーク練習はほぼ毎日している。」

上半身の動きや打球フォームが固まったとしても、足が自然に動き出さなければ、良いプレーはできない。上半身は毎日練習しなくても良い仕事をしてくれるが、足は毎日練習しなければ、キレが悪くなる。
…多球練習っていって、ボールをてんこ盛り詰まったのを休憩無しでフットワークをするんですよ、フォアハンドで1本1本とか。それを中学生の時とか毎日やってて、それが今となって身になるというか、基礎練習はやっぱり大事だなと思うので、今でも基礎練習はやっぱり必ずします。

「フットワーク練習を学生の頃に毎日していた効果が今になって出ている。フットワーク練習は大切である。」

私なりに解釈するなら、足は一朝一夕で動くようにはならない。長年、フットワーク練習をしてはじめて無意識に足が動くようになるということである。

今回のかすみんチャンネルでは、自分なりのフォームを固めて、それを意識することの大切さや、足を動かすことの大切さを伝えていたのだと思われる。

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