しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




カテゴリ: 用具

自身のプレーを動画に収めて研究するというのは上達の早道だと思われる。
毎日のように練習できる学生と違って、社会人は週に2回ほどしか練習できないため、前週の感覚や発見したことを忘れてしまい、翌週の練習が終わる間際に「そういえば、先週の練習でこんなことを考えてたなぁ」などと思い出すことも珍しくない。これでは3歩進んで2歩下がる的な、ゆっくりした上達しか望めない。もし練習動画を撮っておいて、次の練習までスキマ時間に繰り返し見直していれば、練習中の発見を忘れることもないし、自分の新たな課題にも気づくことができる。卓球ノート代わりになる。自撮り練習動画には利点がたくさんある。

自撮りにはビデオカメラが必要である。最近のケータイはビデオカメラ顔負けの素晴らしい画質で動画が撮れるらしい。1080PのFHD動画は言うまでもなく、4K動画や、8K動画まで撮れる機種もあるらしい。しかし、2時間の練習時間を4Kや8Kで撮影したら、どれほどのデータ量になるのだろうか?バッテリーは持つのだろうか?ケータイよりもGoProに代表されるアクションカメラのほうが長時間の練習動画の撮影には適していると思われる。

gopro

ただし、Goproは安くても4万円はするので、アマゾンで5000円ほどで買える模倣品のほうが手を出しやすいだろう。

私も以前APEMANというブランドの1万円ほどのGoPro模倣アクションカメラを購入したことがあるのだが、そこには4K、120fpsというすごいスペックが記されており、「こんな高画質のビデオカメラがたったの1万円で買えるのか!?」とびっくりした覚えがある。しかし、実際に使ってみると、音声はほとんど入らないわ、室内の撮影では画面が暗すぎるわで、全く使えなかった。Go Proの模倣品はスペックは立派だが、内容は酷いものもあると知った。しかしせっかく買ったので、4K動画を撮ってみたのだが、データ量が多すぎて実用的ではなかった。ネットで調べると、フレームレートやビットレート等の条件によってデータ量は変わるものの、4K動画を1時間撮影したら30~50GBぐらいメモリを消費するらしい(私が学生時代のPCのHDD容量なんて30MBだったのに!)。こんな高画質の動画ではSDカードがすぐにいっぱいになってしまう。高画質動画は自撮り動画には無用の長物である。

練習撮影にはできるだけ低画質の動画が撮れるカメラが望ましい。個人的には4Kに対応していないほうがいいと思う。低画質に対応していないからである。1280×720以下の動画が撮れるカメラがよいだろう。720Pで30fpsなら、1時間撮影しても3~4GBほどで済む。だが最近の1万円以下のビデオカメラを探してみると、最低画質が720Pで60fpsや1080Pで30fpsというものばかりである。私の求めるより低画質(720Pで30fps、480Pで30fps)のビデオカメラは消えつつある。ちなみに480Pで30fpsというのはDVDぐらいの画質である。

安価なビデオカメラは発色や音声に難のある場合もある。上に挙げたAPEMANのカメラ以外にもMUSONというブランドのカメラを買ってみたところ、発色が微妙だった。黄色味が強すぎるのである。Crosstourというブランドのカメラは概ね満足の行く性能だったが、倒産してしまったのか、現在amazonでは取り扱いがないようだ。

5000円ほどで手に入る安価なビデオカメラを購入する際には実際のサンプル動画(室内での撮影)などを確認することが必須である。

【追記】
私が実際に室内での撮影をしてみた3機種についてコメントしたい。CT-7000とC1は実用性が十分ある。ただ、どれも現在は中古でしか入手できない。

crosstour CT-7000 
良い点:低画質が充実。480Pの撮影もでき、音声入力も良好。発色も問題ない。10分以上の連続撮影も可能。オンラインミーティング用のカメラとしても使える。
悪い点:なし

crosstour CT-8500
良い点:オンラインミーティング用のカメラとしても使える。撮影モードが選べる(「蛍光灯」など)。
悪い点:最低画質が720Pの120fpsか、1080Pの30fpsで、データ量が大きくなりがち。画面が暗く、発色が悪い。全体的にぼんやりしている。室内での画質はCT-7000にはるかに及ばない。音がほとんど入らない。外部マイクもあるが、通常のサイズではなく、イヤホンジャック2.5mmという特殊なサイズなので、使いにくい。

MUSON C1
良い点:音が大きく入る。画面も明るい。
悪い点:室内では発色がやや悪い(黄色っぽくなる)。最低画質が720Pの60fpsなので、データ量が大きくなりがち。約10分でファイルが切れる。11分の動画を撮ろうと思ったら、10分+1分の動画に分割される。



前にも同じようなことを書いたかもしれないが、過去の記事を探すのがめんどくさいので、重複を承知で改めて用具について述べてみたい。

私はファア面にもっぱら安い中国ラバーを使っているのだが、初めてキョウヒョウを使ったときは、弾まなすぎてびっくりした。これはダメだと思った。しかし、数年使い続けていると、硬い中国ラバーが今ではしっくりくるようになってしまった。逆にテンションラバーは弾みすぎてダメだと思うようになった。非力な女性や子供は各社の代表的なテンションラバーよりも、さらに柔らかいラバー(ライガンとか、ファスタークSとか)が扱いやすいと感じるかもしれない。女性や子供にとっては代表的なテンションラバーは硬くてダメだと感じるかもしれないし、中国ラバーはもっとダメだと感じることだろう。一般的に上級者は硬いラバーと言われているが、私のような下手くそが中国ラバーを使っているし、ラクザXソフトとかヴェガヨーロッパをフォア面で愛用している上手な人も知っている。「住めば都」と言われるが、ラバーも「使えば高性能」と言えるのではないか。

そもそも「高性能」の意味が曖昧である。おそらく世間では全力でドライブを打った時、回転とスピードのレベルが高いラバーを「高性能」というのだと思うが、ストップが短く収まりやすいとか、ブロックが止まりやすいとか、相手の回転の影響を受けにくいというのも、ある意味、高性能だと思う。しかしそれらの特性――ラバーの食い込みにくさや弾まなさはドライブの回転・スピードのレベルの高さと矛盾するのではないだろうか。となると、スピードの出るラバーは或る人にとっては「高性能」だが、或る人にとっては「高性能」じゃないと言えるだろう。私はあまりスピードの出ないラバーのほうが好みである。というのは中陣に下がってプレーすることは少ないし、もし速いドライブを打って相手に厳しくブロックされたら返球のスピードも速くなってしまい、全く手が出ないからである。ドライブはほどほどのスピードで、ミスなく連打できるというのが私の目指すスタイルである。そのほうがラリーが続きやすくて楽しい。したがってギュンギュンすごいスピードのドライブが出るラバーは私にとっては「高性能」とは言いがたい。

また、技術的なレベルによっても「高性能」ラバーは変わってくるように思う。プロや、それに準ずる実業団選手にとっての「高性能」ラバーは、私たち一般愛好家にとっても高性能であると言えるのだろうか。
yougu
「フラグシップラバーを語り尽くす」
https://www.youtube.com/watch?v=9JgjI49iaUk

私にとっては各メーカーの主力ラバーはどれもほとんど同じに感じるが、上級者はそれらの個性や性能の上限のようなものまで感じ取ることができるのだろう。しかし私がそれらの高級ラバーを使っても猫に小判で、性能の上限よりかなり低いレベルまでしか使いこなせないのだから、どれでもさほど変わらない。打球感が多少違うという程度しか違いが分からない。毎年各社から新製品が出てくるが、私からすれば値段の安いラクザやロゼナ、ヴェンタス・エクストラで十分である。それはあたかも家電メーカーが、スマホで操作とか、自動○○とか、ほとんど使わない機能を付けて毎年新製品を出すのと似ている。基本性能は旧製品とほとんど変わらないのに、ごく一部の人しか使わない機能を付けて「進化した」とアピールしているのである。テナジー・シリーズもいろいろ出ているが、基本の05だけでいいんじゃないかと個人的には思う。もちろん「いや、19じゃないと実力が発揮できない」という人もいるかもしれないが、そんなのは一部の上級者だけで、初中級者は他に選択肢がないと諦めて、慣れてしまえば案外イケるものである。私の裏面も、間違って買った厚さ「中」のラバーの弾まなさに最初は戸惑ったが、慣れてしまったら、特に問題なくなった。

個人的な意見だが、長年使って慣れてしまえば大抵のラバーは自分の良き相棒となるはずである。


今週から始まった全日本の結果を見ようとネットのニュースを見てみると…なんと!棄権が138件(人数はおそらくその1/3ほどだろう)。上位入賞が期待される曽根翔選手や大藤沙月選手、横井咲桜選手、木造勇人選手、田中佑汰選手、吉村和弘選手、岡田峻選手も!なんと残念な。

他のニュースも見てみると、中国のどでかい不動産屋が大赤字で10兆円もの負債があるのだという(この額が正確かどうか分からない)。なんともスケールの大きな話である。金額が大きすぎて私にはピンとこない。日本の国家予算って100兆円ぐらいじゃなかっただろうか。10兆円といわず、100万円でいいからほしいものである。

そうだ、もし今私が卓球用具を好きなだけ買っていいと言われたら、総額は一体どのぐらいになるか確かめてみよう(もちろん買うつもりはない)

今回のトピックは、そういうしょうもない私の妄想である。

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品揃えの多そうな国際卓球のサイトで、欲しい物を選んでみた。といっても私はシューズやアパレルには興味がないので、ラケットとラバーだけを選んでみた。といってもラバーには、実はあまりこだわりがない。ディグニクスをちょっと使ってみたいな、といった程度である。

まず、ラケットから選んでみよう。

ラケット全部

やっぱり王道のインナーフォースZLCから買ってみようかな。21000円か。安いもんだ。オフェンシブクラシックカーボンは、あまりカーボンらしくないと聞いたことがある。これもポチっと。私は木材とかインナーカーボンばかり使っているので、たまにはアウターも試してみよう。アルネイドをポチ。アゼリアはレンズが黒いオフェンシブがかっこいいな。ポチ。そうそう、剛力ってどんな感触なんだろう。29000円?安い安い。ポチ。スティガの高級中ペンのダイナスティーカーボンも買ってみるかな。ポチ。そういえば六角形のラケットはどうなんだ?…あ、品切れだ。次、閻安ってたしかブレードサイズが最高にでかかったよな、ちょっと興味があるな。あれ?そういえばキョウヒョウの高いラケットは…あ、シェークだけしか扱っていないのか。残念。あとは、バタフライの張本智和の一番高いやつ、ポチ…合計は193,623円か。たった20万弱で今、私がほしいラケットが全部買えるのか。案外安くついたな。

次はラバーである。

ラバー全部

ラバーはやっぱりヤサカだよな。王道のラクザXを5枚ほど買っとくか。それからテナジー05ハードも5枚、ディグニクスは、あれ?いろいろあるんだなぁ。どう違うのか分からないが、無難そうな05を10枚買って、ラクザZエクストラハードも試してみたい。ディグニクス09Cって、たしか粘着ラバーでいろいろ話題になっているな。ポチ。テナジー19って05とどう違うんだろう?ポチ。ラケットの重量を考えると、バック面にはGTT45だよな。ポチ。ミズノのQクオリティーってどんな感じだろう?2枚だけ買っとくかな。考えてみたら硬いラバーばかり買っているから、テナジー64も買っておくかな。そうそう、王道のテナジー05を忘れてた。ポチ。これで合計は418,890円。なんと、ラケットの倍以上になってしまった。必要以上に買いすぎたか。

以上、私が現時点でほしいラケットとラバーの合計が612,513円ということが分かった。仮に買い忘れていたものを追加したとしても100万円でお釣りが来る。

自分のほしい用具をすべて買ったつもりになると、不思議なことに物欲が満たされていくのを感じる(同時にそこはかとない虚しさも感じるが)。なんだか新しい用具はしばらく買わなくてもいいという気分になる。

現実に用具を買うと、ラバーを貼ったり、打球感が合わなくて剥がしたり、使いまわしたりするのが面倒だが、妄想なら全く手間がかからない。なかなか楽しい遊びなので、読者諸兄も試してみてはいかがだろうか。

ダーカーから発売されている「ニューエイジEGグリップ」を多くの方はご存じだろう。

EGグリップ
ブレード形状:丸1型(たぶん日ペンの角丸型)
合板構成:桐と檜の5枚合板
重量:80g
価格:5000円+税
https://miraijyu.shop-pro.jp/

まだ改善途上のため価格が抑えられている。グリップ部分の作りこみが甘いとは、公式ツイッターでの製作者の弁である。たしかにグリップ部分の曲線が足りない。だが作りこんで1万円になるよりも、今のままの方が個人的にはうれしい。

EGグリップ02

EGグリップ03


日本式角丸ペンのグリップ部分を途中で切り落としたようなユニークな形状である。
私は以前、中ペンで同じような握り方を試してみて、だいたいの感覚は想像できた。

「あぁ、これは王子サーブのグリップと同じだな」

王子サーブグリップ

王子サーブグリップ02

つまり、上の図のように人差し指と中指でブレードを挟むという握り方である。
通常のペンホールドグリップに比べて裏面の角度が格段に出しやすい。シェークと遜色ない自由度がある。さらに裏面のままでフォアも打ててしまう。ツッツキの角度も問題ない。ただ、ペンのショートとフォアのミート打ちにはやや難があるかなと想像していた。

世間でのEGグリップの評判はだいたい「裏面はやりやすいけど、フォアは難しい」「異質に合う」のようなものだったと思う。実際にEGグリップを使ってみる機会があったので、軽くレビューしてみたい。一度使ってみただけの印象なので、使い込んでみたら、また別の評価になるだろうと思う。

EGグリップはさまざまな可能性を秘めたグリップだと思われるが、私は基本的にペンホールドグリップとして握ってみた。

【特筆すべき点】
(1)フォア面が思い切り開く

面が開く
デフォルトでこの開き具合

偉関晴光氏の握り方のように、裏面で「グー」を作ったら、中ペンでも面をかなり開くことができるが、中ペンで限界まで面を開いた状態が、EGのデフォルトの状態である。これによってフォアを打つときにボールの内側寄り(こちらから見て左側)を触ることができる。ボールの内側を触ってドライブを掛けられれば、下回転が簡単に持ち上がり、安定性が高まる。また、対下回転のミート打ちにも適している。中ペンでここまで面を開くには、握り方の工夫が必要だが、EGではその工夫が必要ない。

海外ではVグリップとも呼ばれているらしい。
Vグリップ


(2)ヘッドがグリングリン回る
裏側を中指で固定していないため、軽く振ってもヘッドが最大限に回る。このヘッドの回転がスイングスピードを上げ、軽い力で回転量の多いドライブがかけられる。中ペンでも裏側をグーにしたら、同様の効果があるが、中ペンの場合は裏側を指で支えないと不安定になってしまう。EGはラケット裏側に「握り」がついているので、これをしっかり握れば安定性は十分である。

(3)王子グリップに瞬時に変えられる
可変グリップ
上の図の矢印に沿って手を滑らすことによってペンホールドから王子グリップに瞬時に変えることができる。

これがこのグリップの最大の特長ではないだろうか。EGはペンホールドグリップと王子グリップのハイブリッドなのである。通常のペンホールドグリップとしても問題なく使える、プラス、王子グリップの優れた点も利用できる。
王子グリップの優れた点といえば、裏面の自由度の高さである。これによってしゃがみ込みサーブが出しやすくなり、カットも引きやすくなる。王子グリップはフォアの角度が出しにくい(ストレート方向へ打つ場合)が、その場合はペンに持ち替えればよい。この二つのグリップを行ったり来たりすれば、フォアの表面・裏面+バックの表面・裏面の、合計4面を使った卓球が可能になる。

未来型ペン粒
「未来型のペン粒」神戸の松島由佳選手
https://www.youtube.com/watch?v=ZiFwFe1BSJc

私は一度打っただけなので、グリップ変更に慣れておらず、そんな器用な真似はできないが、フォア面にツブ高を貼り、フォアの表面でブロックしながら、フォアの裏面でドライブというスタイルも可能である。

EGグリップは、裏側に指を伸ばせば通常のペンホールドグリップとして使える。それにプラスして王子グリップへのシフトによって裏面の角度を楽に出せるようになる。プレー中の頻繁なグリップシフトができなくても、サーブのときだけ、あるいはレシーブでバックドライブを打ちたいときだけ王子グリップで準備しておくということもできる。

私はこのラケットをペンホールドグリップとして使ってみたが、フォア面が開きすぎていることもあって、裏面の角度が出しにくかった(相手のバック側を向きやすい)。しかし、人差し指を外して裏側にもっていけば(下図のように)、フォアの打ちやすさはそのままに裏面の角度も出しやすくなる。

直角に曲がる
人差し指を下に回して、ピストルのような持ち方。

他にもいろいろな握り方ができるかもしれない。このグリップは未知の可能性に満ちている。

以上、私なりにこのグリップについて考察してみたが、欠点らしい欠点が見当たらない。強いてあげれば、従来のラケットケースには収まらないということぐらいである。

EGグリップは将来的にはペンホルダーの標準となってもおかしくないグリップだと思う。



年齢とともに食べ物の好みが変わってくるように、私のラケットの好みも数年前とはずいぶん変わったように思う。

昔は細いグリップのほうが好きだった。
人差し指を直角に折り曲げて、比較的深いグリップで握っていた。裏面の角度優先で、裏面ができるだけ立つように握っていた。

しかし、最近私は太いグリップが好みである。いわゆる「わしづかみ」グリップで、人差し指を深く入れないで握る。そのほうがフォアの面が開きやすいからである。

以前はラケットは打球感さえ好みなら満足だったが、最近はグリップのことばかり考えてしまう。ラケットを買い換えたいと思った時、実際に店舗に足を運んで握りを確かめられればいいのだが、たくさんのラケットをあれこれ手に取れるような店舗が近所にない。しかたなく、ネットで情報を探してみるのだが、中国式ペンホルダー、つまり中ペンのグリップの情報は、ネット上でそれほど多くないように感じる。「グリップが太い」とか「グリップが細い」といった意見を散見するのだが、そもそも細い、太いという表現はあいまいである。横幅は長いが、厚みがなく、平べったいグリップと、横幅はそれほどないが、厚みがある、丸太っぽいグリップと、どちらが「太い」グリップと言えるのだろうか?

こんな情報にも需要があるかと思い、私の手持ちのラケットのいくつかを比較してブランドによる中ペングリップのおおまかな違いについて考察したいと思う。
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同じバタフライでも、SK7とインナーフォースではグリップの厚みがやや異なる。

カタログスペックでは、両者は同じである。
https://www.butterfly.co.jp/products/blade/pen/chinese_pen/

グリップサイズ(長さ×厚×エンド幅)
SK7クラシック - CS インナーフォース レイヤー ALC.S - CS

82×24×32mm

82×24×32mm


ちなみに張本智和シリーズやインナーフォースレイヤーZLC-CSも同じサイズである。

buttue


buttushi


buttyoko
上がインナーフォースALCSーCS

実際は、インナーフォースのほうがやや平べったく、SK7のほうがほんの少し厚みがある。わずか1ミリほどの違いだと思うが、持ってみた感じは意外に違う。これは板厚の違いから来るようだ。つまり、着色されたグリップのパーツのサイズは同じだが、SK7は板厚が厚いので、その分グリップも厚くなっているわけである(たぶん)

SKcarbon
左はSKカーボン、右はSK7

SKカーボンも板厚が比較的薄いため、SK7よりも平べったいグリップになっている。


以下、インナーフォースALCSーCSを基準にして、他のラケットと比較してみようと思う。

VS アコースティック・カーボン・インナー
acoustic innner
上から見ると、アコースティック・インナーのグリップは末広がりが弱く、ストレートに近い感じである。

accoustic inner ush

おしりから見ると、アコースティック・インナーのほうが横幅が狭く、厚みがあり、丸太っぽい。
ニッタクのグリップはカタログには長さと厚みだけが表示されており、中ペンのグリップの厚みは21~24ミリといろいろある。アコースティック・インナーは23ミリとなっている。カタログスペック上はインナーフォースの24ミリよりも薄いことになっている。実物を比べてみたが、グリップエンドの厚みはほぼ同じに感じた。しかし、握った印象はかなり違う。

VS ノスタルジック
nostalgic off

nostalgic ush

ノスタルジックのグリップは幅広で平べったい。インナーフォースをより平べったくしたようなグリップである。スティガの普通のグリップはかなり横幅が広く感じる。長さがやや短いため、幅がより強調されている。オールラウンド・エボリューションやエバンホルツも同じサイズだと思うが、オルエボやエバンのほうが少し肉厚な感じがする。ノスタルジックの方が新しいラケットなので、少しだけ「シュッとしている」(関西弁)のかもしれない。ちなみに今の私は昔のグリップのほうが好みである。スティガのグリップのカタログスペックには長さと幅が記してあり、厚みはない。幅は33ミリで統一されている。

VS デュラングル・スーパーインナー
durangle

durangle ush

デュラングル・スーパーインナーは今は廃番だが、ヤサカのグリップを知る材料にしてほしい。馬琳エキストラ・オフェンシブと比べると、デュラングルのほうがほんの少し平べったいように感じた(気のせいかも)。デュラングルはスティガのグリップに似て、非常に平べったいが、スティガよりも角が取れており、楕円形に近い。アディダスの中ペン、ファイバーテックもこんな感じで楕円形だった。ヤサカの中ペンのグリップは、厚さが23.5~24ミリとなっている。

マリエキ
右は馬琳エキストラオフェンシブ。写真では小さく見えるが、サイズはほぼ同じ。デュラングルの方が少し平べったく感じる。


VS ティンバー7オフ
timber7
この写真を見ると、ティンバー7のグリップは大きく見えるが、実際は薄く、細長く、華奢である。

timber7off ush

おしりから見ると、デュラングルと同じような角が取れた楕円形である。デュラングルほど横幅もなく、細いグリップである。

中ペンのグリップをおしりの形から分類すると、4つの類型が認められる。「トラック型」というのは、車のtruckではなく、運動場のtrackのことである。

・標準型:バタフライのインナーフォースなど。
・丸太型:幅が狭く、厚みがある。ニッタクのアコースティック・カーボンや、ヴィクタスのカルテット・ホールドとか、ミズノのフォルティウスとか。
・トラック型:標準型より幅が広く、平べったい。ずんぐりしている感じ。スティガの太いほうのグリップ。
・楕円型:トラック型のように平べったいが、トラック型よりも肉が薄い感じ。ヤサカやアンドロのラケットなど。

このようにグリップの形状を考えてみたが、あまりすっきりしない。スペックに表れない太さというのもあるように感じる。ほとんどの中ペンのグリップはコニックである。グリップのおしりの大きさから、ブレードのほうに向かって細くなっていくものである。しかしグリップによっては、おしりから先端まであまり太さが変わらないものもあれば、急激に細くなるものもある。感覚的にはスティガのオルエボはエンタシスじゃないかというぐらい、グリップの中ほどが太いイメージがあるが、実際にはノスタルジックとほとんど変わらなかった。カタログスペックでおおまかな太さは分かるけれど、やはり実際に握った感じとはズレが生じる場合もあるだろう。




majorue


majorush


なんとはなしに、部屋にあった卓球メーカーのカタログの、ラバーの性能表を眺めてみる。
裏面のラバーを替えてみようかな、と思ったのである。

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メーカーによってラバーの性能表の項目はちがっていて、例えば、バタフライとニッタクのカタログには「スピード」「スピン」「スポンジ硬度」の3つの項目のデータが載せられている(ニッタクには「変化」という謎項目もあるが…)

一方、ヤサカのカタログには「スピード」「スピン」「硬度」のほかに「コントロール」という項目がある(粒高の場合は「変化」に置き換えられている)。この「コントロール」というのは何を意味する数値なのだろうか。一見すると、狙ったところにボールが打てる精度のようなものを表す数値なのかなと思う。

「コントロール」性能が高いラバーは、たとえば次のラバーである。
オリジナル(裏ソフト):12
オリジナル・エクストラ:12
ウォーリー:12
クレスター:11+

これらは「コントロール系ラバー」と呼ばれているので、コントロール性能が高そうである。しかし、本当だろうか?上で仮定したように「コントロール」が「狙い通りに打てる精度」のようなものを表すとすると、長年ラクザを使い慣れている人が、オリジナルを使ったら、どう考えても弾みが弱く、狙ったところへボールを打ち込むことが難しくなるだろう。「狙い通りに打てる精度」というのは使用者が使い慣れているラバーが何かによって変わってくるはずである。

テンション系のラバーに目を向けると、

ラクザXソフト:10+

が比較的「コントロール」値が高い。
ノーマルのラクザXが10ということを考えると、柔らかいラバーはコントロール性能が高いということになるだろうか。

しかし、いかにも硬そうなラクザZ・EHは、ノーマルZと同じ9で、翔龍も9である。どうやらシートやスポンジの硬さに単純に反比例するわけではないようだ。

さらに謎なのは、トリックアンチとか、一枚ラバーのA-1・2のコントロール性能が11になっていることである。ボールをコントロールするためには、引っ掛かりや球持ちがよくなければならないと思うのだが、アンチは引っ掛かりが弱いし、一枚ラバーは球をちっとも持たない。

この「コントロール」というのは一体何を表しているのだろうか。
昔からこの項目が気になっていたのだが、ヤサカのカタログには何の説明もない。

ヴィクタスのカタログは、もっと細かい項目が設けられていて、「弧線の高さ」「スピード」「ドライブの精度」「シートの強さ」「反発」「スポンジ硬度」の6つの項目がある。これは裏ソフトの話で、表ソフトの場合は「弧線の高さ」「スピード」「コントロール」「変化」「反発」「スポンジ硬度」の6つの項目である。
victasラバー性能表
なんだかゴチャゴチャしていてよく分からない。「ドライブの精度」ってなんだろう。
謎の項目についての説明は以下のとおりである。

ドライブの精度:自らドライブを打ち込んだ際の操作性(裏ソフトのみの項目)
コントロール:回転させたボールに対する指定場所への返球精度(表ソフトのみの項目)
シートの強さ:回転させたボールに対する滑りにくさ
変化:回転させたボールに対する回転方向・量の変化(表ソフトのみの項目)

「ドライブの精度」「コントロール」は、ようするに「ドライブ、あるいはミートうちで狙った場所に打ち込める値」とでも言ったらいいだろうか。しかし、ヤサカの「コントロール」と同様、使い慣れているラバーが狙った場所に打ち込める値が高くなると思うので、この数値は人によって全く評価が変わってくる。
「ドライブの精度」の値が最も高いVS>402DE(7.9)と、最も低いVENTUS Regular(6.7)は、人によっては評価が逆転するだろう。ヴェンタス・レギュラーというのは、昔はヴェンタス・ベーシックという名前でコントロール系ラバーに分類されていたのに、ドライブの精度が低いというのは不審である。

「スピード」「反発」の違いもよく分からないが、「スピード」は「回転させたボールに対する衝突前後の速度変化率」で「反発」は「一定の高さからボールを落下させたときの弾んだ高さ。粘着の影響をなくすためにラバー表面には片栗粉を散布」ということらしい。簡単に言うと、「スピード」は加速の良さで、「反発」は絶対的な弾みということだろうか。

「弧線の高さ」というのは「スピン」に比例するのではないだろうか?「スピン」が強ければ、マグヌス効果でボールが急激に落ちるだろうからである。

「変化」の説明が「回転させたボールに対する回転方向・量の変化」とあるが、この説明もあいまいである。おそらく上回転(ドライブ)のボールを返球すると、相手にとって下回転に変わるというのが「変化」だと思うのだが、この現象は、見方を変えれば、ボールの回転方向を変えずに、そのまま返球しているということもできる。その場合、「量の変化」が大きいというのは、回転量の「減少の幅」が大きいという意味だろうか。表ソフトや粒高でドライブを受けた場合、回転量が増加するとは考えられない。回転量は減少する一方である。そうだとすると、「量の変化」が多い(減少幅が大きい)というのは、ナックルに近いという意味だろうか。
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「ラバー性能表」のカタログ・スペックを解読して、ラバーの性能を把握するのは、通常の卓球愛好家にはハードルが高い。用具マニアとか、ラバーの専門家でない限り、これらの数値からラバーの細かい性能の違いをイメージするのは不可能なのではないだろうか。

【追記】
個人的には、裏ソフトラバーは4つに分類し、
「新型(テナジー/ファスターク/ラクザ等)」
「従来型(マークV、スレイバー等)」
「粘着新型(ディグニクス09C/ラクザZ等)」
「粘着従来型(キョウヒョウ等)」

その上で「弾み(シートとスポンジのそれぞれの硬さ)」「シートの引っ掛かり」を高・中・低で表してくれればそれだけで十分である(ラバー性能表についての話)。テナジーだろうが、ヴェンタス・エクストラだろうが、ラザンターだろうが慣れてしまえば初中級者にとっては大差ないと(私は)思うのだが、世間では細分化が進みすぎていて、用具に詳しくない人間は、どれを買ったらいいか全く分からない、「用具迷子」になってしまっている。

【追記2】
上の「追記」のようなことを書くと「マークVとスレイバーは全然違う!」とか「ラクザZとディグニクス09Cが同じとか、ありえない!」とか言って苦情のコメントを送ってくる人が出てくることが予想される。違いはあるとは思うが、言いたいことは単に私にとっては大差ないということである。めんどくさいので、この手の用具のコメントは公開しないつもりなので、ご了承いただきたい。

以前買ってあったラケットを新しく下し、ラバーも貼ってみた。
ダーカーのスピード20である。
speed20

ドライブ向けのスピード15ではなく、あえてスマッシュ向けの20を選んだのは、これからはミート打ちを主体にしたいからという理由と、本番用ではなく、趣味のラケットなので、ドライブ型とはちょっと違うものを使ってみたかったからである。板厚10ミリがよかったのだが、残念ながら9ミリしかなかった。

実売1万3000円ぐらいする高価なラケットなので、大切に使いたい。側面にできるだけ傷をつけたくないのでサイドテープを買おうと思っていた。ふつうのビニールの安いテープではなく、植毛してあるテープがいいかな。あるいはクッションテープなんていう、分厚くて、より衝撃から守ってくれる製品も最近発売されているから、そっちにしてもいいかな。

結局アマゾンで植毛タイプのものを注文してみた。

スピード20は打ってみると、びっくりするほど球離れが早い。軽い力でターンと飛んでいく。さすがスマッシュ向けである。もしかしてこれは表ソフト向けだったのか?球持ちが悪く、ドライブがかけにくい。こういうラケットに慣れている人には最高に心地よいのかもしれないが、私はミート打ちでもボールを少し持ちたいので、使いこなすのに時間がかかりそうである。まぁ趣味のラケットなのでよしとしよう。

数日後、アマゾンからサイドテープの在庫がなく、注文をキャンセルするという連絡が届いた。

サイドテープをどうするか決まらないまま、私はロフトで買い物をしていた。そのとき、マスキングテープというものの存在を知った。

マスキングテープというのは、プラモなどで塗装がはみ出ないように使うものだと思っていたが、どうやら最近はそのような用途だけではないらしい。
masking

小中学生の女の子が文房具などに貼って「デコる」ためにもっぱら使われているようだ。そのため、さまざまなデザインのマスキングテープが発売されている。子供向けかと思いきや、大人の鑑賞にも堪えるデザインのものも少なくない。
morris
ウィリアム・モリスの唐草模様のテープ(カモ井加工紙)4mで180円ほど。

幅が15ミリもあるので、2~3ミリほどオーバーしてしまうが、細く切って使えばスピード20の側面を上品に変身させられる。

ただ、マスキングテープは紙製なので、薄く、耐衝撃性は期待できないし、汗がついたりしたら、耐久性は低いだろう。

remake tape
と思ったら、耐水仕様の製品もあるようだ(リメイクシート)。
270mm×900mmで500円~


mi casa
床補修用の耐衝撃性の高い製品もあるらしい(MT CASA)
460mm×460mmで400円~。

また、手できれいに縦に裂ける養生テープ(yojotape)もデザイン性の高いものが増えているようだ。
yojotape
う~ん。こういうのを見ると、卓球用のやぼったいサイドテープを買う意味があるか分からなくなってくる。値段も卓球用のテープより安いし、卓球用のサイドテープを買うのはやめておこう。

卓球の練習時間が減って、手持ち無沙汰なので、なんとなくお蔵入りの用具の手入れでもしてみようと思い、ラケットを出してきた。

う~ん、なんだか乾燥して白い線が入っているように見える。グリップもひび割れっぽい感じになっているなぁ。
kansou

そういえばギターの手入れにオイルを使うというのを聞いたことがある。銃などでもオイルで手入れするということがあるようだ。

rifle

gun
この光沢!美しい。

卓球のラケットにもオイルが使えないだろうか。ラケットのグリップがこんなテカテカ、ツヤツヤになれば、ラケットへの愛着も深まろうというものだ。練習後、自宅で就寝前にオイルやらワックスやらでキュッキュとラケットの手入れをするのは楽しそうだ。革製品のように使えば使うほど味が出るということになればなおよい。

ネットで調べた情報によると、オイルには乾性油、半乾性油、不乾性油の3つの種類があり、木材の手触りなどを良くするのは、亜麻仁油、クルミ油などの乾性油で、これは酸化して固まる性質を持つという。逆にオリーブオイルやツバキ油などは不乾性油で凝固しにくい性質を持つのだという。要するに乾性油は空気に触れさせておくと、乾いてサラサラになるが、不乾性油はいつまでもベタベタということである。

ニスが木材の表面をコートするのに対して、オイルは木材に浸透して固まるので、表面は木材の味わいを残しているのだという。というと、テカテカ、ツヤツヤにするにはさらなる加工が必要なのだろうか?

よく分からないが、おもしろそうだ。とりあえずオイルを買ってみよう。

木材の仕上げには、このWATCOというオイルが定番のようだ。私はまったくのDIY初心者なので、以下の情報の信頼性は低いと考えてほしい。色がいくつかあるが、私の選んだのは暗色系の「エボニー」である。



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用意するもの:
・オイル(ラケットの塗装なら100mlもあれば十分。ネットで200mlが千円強~。)
・使い捨てポリエチレン手袋(100均で買える120枚ぐらい入ったやつ)
・メラミンスポンジ(100均で大量に買える)
・ダンボール(作業台として)
・ペットボトルの下半分(オイル容器として)
・耐水ペーパー/紙ヤスリ(目の細かいやつ)
・筆(100均で買える)

「正しいオイルの塗り方」(カッコ内は私が実際にやったやり方)

1.紙やすり等で木材の表面をならす(メラミンスポンジでこする)
2.刷毛でオイルを塗る(メラミンスポンジでオイルを塗る)
3.15~30分浸透させる
4.吸いきれなかった 油をウエスで拭き取る(メラミンスポンジでオイルを拭き取る)

*お好みで二度塗り
*乾かないうちにすぐに耐水ヤスリをかける
*ウエスで拭き取り、1時間ほど自然乾燥
*表面に染み出したオイルをもう一度拭き取る

5.24時間以上、自然乾燥させる
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「作業を終えて」
・「ワトコのオイルは臭う」などとネットで言われていたが、私は気にならなかった。なんというか、ニッキ飴のような匂いがしたが、不快な匂いではなかった。
・はじめにペットボトル容器に小分けするときに少しこぼしてしまった。注ぎ口の構造上、非常にこぼれやすい。
・オイルといっても、粘度は高くない。サラサラしていて、塗るときは水彩絵の具と何も変わらない感じだった。素人でも簡単である。つい、べっとりと塗りすぎてしまうが、ほどほどにしておいたほうがよかったかもしれない。
・筆はほとんど使わず、私の場合、メラミンスポンジ(激落ちくんとか)を使ってみたが、特に問題なかった。スポンジのほうが塗りやすいと思う。

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mini racket
ジュウイックのミニラケット。未加工。

実験前 - コピー
もう使うことのなくなったふつうのラケット。ラケットコート済。

オイルフィニッシュをして24時間後…
mini finished

元の、安っぽいブレードの色合いから、渋い色合いになったと思うが、グリップは単に油汚れが着いただけのように見える。


racket finished
こちらのラケットはラケットコートをしてあったからか、あるいは木材の材質でこうなるのか、なんだか土砂災害で埋もれたような、汚らしい色合いになってしまった。もう少し明るい色(あるいは薄い色)を選んだほうがよかったのかもしれない。

いや、ブレードのほうは汚らしいが、グリップだけなら深みが増して渋い色合いになっている。
grip finished
ちなみにレンズは外さず、そのまま塗っても大丈夫だった。

触るとわずかに、しっとり感があるが、油が他に移るようなことはない。手触りも大きく変わっていない。
しかし、イメージしていたものとはずいぶん違う仕上がりになった。エバンホルツのような感じをイメージしていたのだが。あの銃のツヤはどうやったら生まれるのだろう?

とりあえずの結論:ブレードにはオイルを塗らないほうがいい。

また機会があれば、後日の経過などをレポートしたい。

※この手のオイルは自然発火しやすいそうなので、ウエス等を捨てるときは水に浸して捨てなければならない。

【追記】200328
「エボニー」は白い部分に塗らないほうがいいと思う。手垢にまみれた感じになるからである。グリップに白い部分があったら、「エボニー」は塗らないほうがいいだろう。逆にグリップが茶色なら、「エボニー」を塗ることで色が濃くなり、高級感が出てくる。

ワトコオイルよりももっと手軽で効果のある仕上げは、蜜蝋仕上げだと思う。

みつろうクリーム

髪の毛用のワックスみたいな感じで、少量をグリップに塗ると、美しい艶が出てくる。おすすめである。



最近、紅双喜のキョウヒョウ3を使っている人をよく見かける。2~3年前までは私の周りで中国ラバーを使っている人は珍しかったように思うが、最近は、ある程度以上のレベルの裏ソフトの人は5人に1人ぐらいの割合でキョウヒョウ3を使っている印象である。ネオなのか、省狂なのか、はたまたニッタク発売のPROなのかよく分からないが、とにかくキョウヒョウを使っている人をよく見かける。

4月にはラクザやディグニクスでも粘着が発売されるらしいし、翔龍も評判がいい。粘着ラバーっていいのだろうか。

以前、ブレークPROという粘着テンションを貼って、2~3回使ってみたが、通常のテンションラバーとはかなり感触が違うので、すぐに剥がしてしまったことがある。

「私も当時よりは進歩していると思うので、今、粘着ラバーを使ってみたら、案外使いやすいのではないだろうか…。」

そんなことを考えて、粘着ラバーを探してみたところ、キョウヒョウ3ネオの通常版は3500円ほどだった。高くはない。しかし、省狂と呼ばれる上位バージョンもあり、こちらは9000円ぐらいする。まぁ、私のレベルなら、通常版で十分だろう。気に入らず、すぐに剥がしてしまうかもしれないし。

粘着ラバーをネットで探してみると、PF4というラバーがY卓球店という店でなんと税込み990円!

PF4 DHS

PF4といえば、昔、学生時代に先輩がチョコレート色のラバーを使っていた記憶がある。それとは別もののようだが、同じ紅双喜の製品だし、キョウヒョウ3のエントリーモデルのようなものだろうか。

「たった1000円だし、試しに買ってみよう」

と注文してみた。「中厚」と「MAX」というのがあったが、粘着初心者なので「中厚」を買ってみた。届いたものをみると、特厚かと思うほどスポンジが厚い。

「そういえば、裏面に貼っていたライガンも、そろそろ替えどきかな」と思い、ファクティブに替えてみた。

両面、新品のラバーである。ちょっと気分がいい。早く打ってみたいが、とりあえず部屋で球突きでもやってみよう。まずはファクティブから。

「コーン、コーン」

柔らかく、適度な弾みで、悪くない。弾みすぎないのがいい。次はPF4である。

「コンッ!」

あれ?球突きができない…。硬い+弾まない+強粘着で、軽く突いただけではバウンドせずに、ラバーにボールが貼り付いてしまうのだ。

嫌な予感がする…もしかしてとんでもないラバーを買ってしまったのかもしれない。週末の練習でフォア面に貼ったPF4で軽くフォア打ちをしてみると、飛ばなすぎて早速ネットミス。なんなんだこれは?弾まないといっても限度があるだろう。こんなラバー使い物になるか!

ラクザを貼ったスペアのラケットに替えての練習。

「あぁ、やっぱりこういうラバーは安心感があるなぁ。思い通りにボールが飛んでくれる。」

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そんなことを言っていた私も、今やフォア面はPF4以外には考えられないほどPF4に夢中である。よく「粘着はしっかりインパクトできればいいボールが行くが、詰まったりすると棒球になってしまう」などというが、私のレベルでは全く問題ない。詰まって打ったボールがオーバーしないで台に収まってくれるというのはすばらしいことである。これがテナジー的なラバーだったら、不十分な体勢で打ったボールをオーバーさせてしまうことが多かっただろう。私のレベルではとにかく入ってくれることが最優先なのである。

弾まないのでサーブは切れて、短くなりやすく、レシーブも安定性が増した気がする。ブロックも止まりやすい。

フォアドライブのスピードに難があるのでは?などと心配する向きもあろうが、今は「ボールが遅い」と言われるどころか、逆に「前よりボールが走っている」と言われるぐらいである。十分な姿勢でしっかりと打ったボールならテンションラバーを使っていたころと遜色ないようだ。それよりもしっかりと掴む感触があり、回転量が上がっているのを感じる。相手に「今のボール、エグかったですね」などとよく言われる。たしかに使い始めた頃はびっくりするぐらいショットのスピードが遅くなったが、使用回数を重ねるごとにラバーが柔らかく(感じられるように)なり、弾みも上がっていった。この手のラバーは使い始めは弾まないが、使っていくうちに弾むようになってくるらしい。といってもテンションラバーよりは弾まない。

PF4を使って以前よりも強いインパクトを意識するようになった。強いインパクトでも飛ばしすぎない安心感があるのである。同じ理由でカウンターに対する恐怖も軽減された。相手が打ってきたドライブに対してドライブをかけ返しても、ボールがぶっ飛んでいかない。

PF4の良さを一言で言うなら、「しっくりくる」である。速いボールも出そうと思えば出せるし、守備的な技術では安定性が高まる。こんな良いラバーが送料込みで千円強というのはお得である。

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これを卓球メーカーや卓球ショップの視点から見れば、脅威だろう。現在、売れ筋のラバー(ロゼナ、スーパーヴェンタス、ファスターク、ラクザ等)は1枚4~5000円ぐらいが平均的な価格だと思われるが、1000円強のPF4のほうがいいという人が増えてきたら、果たして現在の売れ筋ラバーを扱っている業者は生き残っていけるだろうか?

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今日は東日本大震災の記念日。
あの悲劇をいつまでも忘れず、語り継いでいきたいと思う。

「卓球用具代用考」という連載は拙ブログで初期のころから書いている記事である。
日用品を卓球用具として代用できないかを探った記事である。
以前も「保護シート」の代用品を取り上げたことがあったが、今回も同様のテーマである。

ラバーを保護する粘着シートがほしい。
私は普段使っているメインラケットには保護シート等をつけないのだが、お蔵入りしてしまったラケットにはほとんど使わなかったラバーが貼ってあったりする。これを1年以上放置しておくと、表面のゴムシートが硬くなったり、サラサラになったりするので、粘着シートを買おうと思うのだが、10枚ぐらいは欲しい。しかし送料などを含めると1枚100円近くになってしまい、食指が動かない。何か用具を買うついでにとも思うのだが、今のところラケットもラバーも足りているので、これ以上用具を増やしたくない。

前記事では100均で売っているラミネートコーティングフィルムというのを使ってみたのだが、粘着が強すぎるのと、硬くて厚いのが不満だった。
ラミネート

これに代わるものはないだろうか。
まず思いついたのは食品ラップのたぐいである。

調べてみると、食品ラップフィルムは大きく3種類に分けられるらしい。

A ポリ塩化ビニリデン(「サランラップ」、「クレラップ」など)
においや湿気、酸素を通しにくい。乾燥を防いで、みずみずしさを保つこともできる。

B ポリエチレン(「ポリラップ」、「ハイラップ」など)
安価だが、酸素を通しやすい。

C 塩化ビニル樹脂(「ファミラップ」、「ダイアラップ」など)
酸素や水分を透過しやすいので保存には向いていない。

そういえば、最近、新製品のラップを買っておいたのがあったなぁ。

カシニーナ

調べてみると、原材料がポリエチレンとポリプロピレンとあるから、Bのラップのようだ。早速ラケットに巻いてみる。なんだか薄っぺらくてしわになりやすく、空気が入りやすい。これは保護シートとしてはイマイチ。Aのクレラップを試してみると、Bよりは厚くしっかりしていてまあまあな感じだったが、粘着がないので、ピタッと密着することはない。少しだけ空気が入ってしまう。

仕事帰りにキャンドゥという100円ショップを見回っていたとき、こんなものを見つけた。
弱粘着

幅16センチ、掃除に使うコロコロの粘着テープである。「弱粘着」と書いてあるので、これは使えるかもしれない。
sk7

貼ってみたところ、いい感じである。粘着の強さはTSPの粘着シートぐらいに感じた。粘着成分があるので、空気との接触をほぼ防ぐことができる。数か月たってもゴムシートがうまく保存されているかどうか分からないが、これを保管用の粘着フィルムとして使ってみようと思う。

吸着シートというのも使ってみたいが、卓球用は1枚500円ぐらいするので、とても買う気にならない。こちらの代用品もないかと探してみたのだが、東洋アルミのキッチン用吸着シート「きれいに貼れる吸着シート」はもしかしたら代用品になるかもしれない。
2802_img1

「ミクロの吸盤」で接着剤を不使用ということなので、卓球用の吸着シートに近い。75×45センチで650円ほどである。100円ショップでも同じようなものを見たが、実際にどうなのか分からない。

お風呂に貼る吸着シートでもいいかもしれない。

おふろでスタディ

試しに100円ショップで買ってきたものを切って使ってみたが、反るし、剥がれやすいので、イマイチだった。しかし、1000円ぐらいのものなら使い物になるかもしれない。

こちらのサイン用の吸着シートはプリンタで好きな柄を印刷できA4サイズ3枚で1200円ほど。

A-ONE

機会があれば、試してみたいものだ。

【追記】190429
2週間ほどして、粘着テープを剥がしてみたところ、粘着層がラバーの方に残ってしまった。
ただ、この粘着層は軽くこすれば簡単にとれるので、問題はない(たぶん)。その後、実際に使用したが、性能的に特に問題はなかった。

練習できず、悶々としているとき、『卓球グッズ2018』という本を読んだ。
goods

私は用具音痴(新製品とかには詳しいのだが…前記事「用具についての断想」)で、新しい用具を試そうなどとあまり思わないのだが、最近行き詰まりを感じているし、練習もできないので、なんとなく手に取って読んでみたのだった。

あまり用具に興味のない私でも、引き込まれてしまうのはどういうわけだろう。こういう本を毎年読んでいて、毎年魅力的な新製品が紹介されるのだが、購入してはみたものの、ろくに試さず、もとの用具に戻してしまうということの繰り返しである。

そうなることは分かっているのだが、こういう記事を読むと、また新しい用具を買いたくなってくるからタチが悪い。

おすすめのラバーを特集した記事の中で、フェニックス卓球クラブのコーチがこんなことを書いている。

うちでは初心者にまず「730」と「マークV」を貼らせて自分でボールを飛ばす感覚を磨かせます。

「へぇ…TSPの730かぁ。中国ラバーみたいな硬い粘着ラバーだったよなぁ。マークVを初心者に使わせるというのはよく聞くが、730を初心者に使わせるなんて聞いたことがないなぁ。」

しかし今を時めく指導者が勧めるのだから、きっと何かしら理由があるのだろう。730ってどんなラバーなんだろう…。

次の記事は作馬六郎氏の指導理念の特集である。

ラケットは重いほうが打球も重くなります。スマッシュも相手の威力に押されずに打つことができます。ラケット重量は使っていくうちに慣れるので、気にせず使い続ける。すぐに戻してしまうのは決心が弱い選手です。
確かに重いラケットはラリーが長く続くと不利になるでしょう。しかし、フルスイングで打つチャンスをどうやって作るのか、スマッシュをいつ打つかなど、決め球へつなげるために頭を使うようになります。

作馬氏は女子の指導で定評のある指導者である。「ラケットの重量は使っていくうちに慣れる」というのは若い男子選手ではなく、非力な女子選手を念頭に置いての発言であるはずである。200グラム近いラケットをブンブン振り回すのは何も男子高校生や男子大学生だけの特権ではないということである。「決め球へつなげるために頭を使う」かぁ…。そういう頭を使ったことがないなぁ。「振ろうと思えばいつでも全力で振れる」という油断があるんだろうなぁ。重い用具を使って、全力で振れるのは「1ポイントに一度だけ」という制約があれば、私もラリーの組み立てに意識が向くのかもしれないなぁ。

そんなことを考えながらページをめくっていくと、「中国ラバーを探る」という特集。

そういえば、私の周りでも中国ラバーに変えたという人がチラホラ見受けられる。しかもけっこう上手な人である。中国ラバーってどうなんだろう?飛ばないから台上ではミスが減りそうだ。

翔龍を使用している岩崎栄光選手は次のようにコメントしている。

テンション系は少々適当に打っても入りますが、粘着性だと1球1球良いフォームで打たないと良いボールが入らない。

これは粘着ラバーを批判しているのではなく、粘着ラバーのメリットとしてのコメントである。時間がないとき、つい手を伸ばして手打ちで打ってしまう癖のある私が中国ラバーを使えば、どんなときでもしっかり体幹を使って打つクセが身につくのかもしれない。

偉関晴光氏は次のように述べる。

日本は伝統的に、上回転のラリーを重視する傾向があります。しかし中国卓球では、「下回転」をより重視しています。卓球ではラリーになる前の段階、つまりサービス・レシーブからドライブに至るまでの段階で、様々な回転に対応する必要があり、中でも「下回転に対していかに攻撃するか」が重要。その点で、中国ラバーは大きな武器になります。

言われてみれば、私もラバーを選ぶときは上回転でのラリーを基準において、上回転のラリーで良いショットが打てるラバーがいいラバーと無意識に考えていた。しかし初中級者の実戦では上回転のラリーよりも台上の下回転でのやりとりのほうが重要なのは言を俟たない。対下回転の強さというのがラバーを選ぶときに初中級者が最も重視することなのではないだろうか。

新井卓将氏は自らの指導経験からこう述べている。

私が指導している選手にも、”修行”の意味で1カ月ほど中国ラバーを使わせたことがあります。最初は威力が出ないし、練習でも疲れるのですが、それがトレーニングになり、また台上技術などで新たな感覚をつかむことができました。

旧製品に比べて「スピードが出る」とか「回転量が増した」といった特徴は私の琴線には触れない。新製品は次々と出るが、当社比〇%アップ!と言われながら、試してみたら、旧製品とほとんど変わらなかったということを何度も経験してきたからだ。実際には微妙に性能が上がっているのかもしれないが、用具音痴の私には誤差の範囲内で、その恩恵が体感できないのである。
それに対して「良い打ち方が身につく」とか「訓練になる」とか、そういう言葉には弱いのである。私も中国ラバー(あるいは硬質の粘着ラバー)を使うようになれば、しっかりと全身を使ったいいフォームで打てるようになるのではないだろうか。しかも目下の課題である台上のミスが減り、重い中国ラバーを貼れば「決め球へつなげるために頭を使う」ようになるかもしれない。

ちょっと試してみようかな。新井氏も「誰もが一度は試してみる価値あり」と言っているし。

そういえば、うちに昔使っていたラバーがあったような…。あった、あった。古いキョウヒョウ。中年になって卓球を再開したばかりのときにもらったやつだ。これを使っていないラケットに貼ってみよう。

先週の練習でキョウヒョウを貼ったラケットをワクワクしながら使ってみた。ワンコースで相手にブロックしてもらってこちらはフォアドライブを全力で打ってみる…あれ?なんだか想像していたのと違う。打っていて気持ちよくない。なんだかモアっとした打球感で、力がボールに伝わらず、力を入れてもその大半がラバーに吸い取られるような気がする。喩えて言えば、硬い牛筋を噛んでいるような、噛んでも噛んでも噛みきれないような、そんな気持ちの悪い打球感だった。すぐにいつものテンションラバーに戻した。

これが中国ラバーが敬遠される理由か。世間で言われる通り「1球1球良いフォームで打たないと良いボールが入らない」というのが分かる気がする。しかし私が打ったときはワンコースの単純な練習だから、体勢が崩れていたり、時間がなかったりということもなく、私なりに万全の体勢で打っていたはずなのに、それでもまだ「良いフォーム」ではなかったということだろうか。これ以上、良い体勢で打つなんてできるのだろうか。これじゃまさに”修行”だよ。あ、台上を試してみるのを忘れた。

ある程度の期間、いろいろなボールを試してみたら中国ラバーの良さが分かってくるのだろうか。しかし週に1回ほどしか練習できないのにこんな”修行”をやっていたら、中国ラバーの良さが分かるのに1年ぐらいかかるんじゃないだろうか。現実は厳しい。このまま使い続けるべきかどうか迷うところである。


中国の方に中国ラバーについていろいろ教えていただいたので、紹介したい。

まず、このラバー。一般的に「国狂」と言われているナショナルチーム向けのラバーである。

国套

というか、そもそも「狂飈」という字を中国語でどう読むか知らなかった。「キョウヒョウ」と言っても、中国人には通じないに決まっている。中国語の発音を知りたいと思い、聞いてみた。

kuang biao

2声と1声である。「クァンビャオ」。カンピョウにちょっと近い発音である。「キョウヒョウ」のほうが私にはかっこよく響く。変に通ぶって中国語の発音をするよりも、「キョウヒョウ」と発音するほうがかっこいいという結論に達した。

次に上の「国套」という文字についてである。「国」はもちろん国家代表チーム用という意味である。では「套」とは何か。これは、ラバーという意味なのだが、漢字の意味としては「重ね」という意味である。なぜ「重ね」がラバーの意味になったかというと、いにしえはラバーのシートとスポンジが別々に売られていて、それを自分で貼り合わせなければならなかったのだという(このへんの情報は中国の方の話を正確に伝えられているか自信がない)。そして「套」というのは、スポンジとシートを予め貼り付けて売られてるものという意味なのだそうだ。たしかに現在のラバーはスポンジとシートが予め重ねてある。それで「套」が「ラバー」の意味になったのだという。

「重ね」が「ラバー」の意味になるなんて、そんな無茶な!

と思われる方もいるかも知れないが、日本語でも「表ソフト」や「裏ソフト」のように「ソフト」がスポンジとシートを合わせたラバーの意味になっているので、人のことをとやかくいえた義理ではない。

ちなみに「国套」の発音は

guo tao

2声と4声である。日本語で読むなら「コクトウ」。やはり日本語よみのほうがかっこいい(私には)



私はよくセール品のラバーを買うのだが、中には数年前に廃盤になった商品もある。

たとえば2013年に廃盤になったラバーが半額で売られていたとすると、少なくとも5年前に製造されたラバーということになる。もしかしたら製造されたのはさらに前ということもありうる。こんなに長い期間が経つと、ラバーは劣化しないのだろうか。

おそらく製造後5年は経っているであろう新品ラバーを買って使ってみたことがあるが、性能的に特に気になることはなかった。作り立てのラバーと比較したわけではないので、経年劣化が全くないとは言い切れないが、製造後かなり経っていても違和感なく使えるようだ(耐久性はどうなのだろう?)。そういえば、うちに10年近く前に使っていたキョウヒョウ3があるが、ひっかかりがしっかりあって、今でも使えそうである。

気になってネットで調べてみたところ、ゴムは主に空気に触れることによって酸化が進むらしい。通常のラバーはパッケージのビニールにパンチで小さな穴が開けてあるから、開封しなくてもわずかに劣化が進んでいるはずである。

劣化するとどうなるのか。たとえば硬化である。しなやかで柔らかいラバーが硬くなる?ということはテナジー64を5年寝かせたら、テナジー05みたいになるということだろうか(粒形状とかは置いといて)?新しいラバーに手を出してみたものの、柔らかすぎて気に入らなかった場合には、数年寝かせるといい?のかもしれない。
緑雨のあと
画像がないとさびしいので。

また、劣化の一つにシートがとろけたような状態になることがある。自転車のハンドルのゴム部分がベタベタしたりするのがそうだ。中学時代の先輩がスレイバーを1年以上使っていたのだが、表面がサラサラになるどころか、粘着ラバーのようになっていたのを思い出した。表面がやけにテカテカしていて、ベタベタしていた。それを打たせてもらったのだが、いい塩梅でひっかかりがあって、使いやすかった記憶がある。自分でも試したことがある。ラバークリーナーが乾いていないベチャベチャの状態でラバー保護シートを密着しておくのである。そうすると、ときどきラバーが「腐って」ベタベタしてくる。どういう化学変化でこのようなことが起こるのかよく分からない。

ネットで調べてみると、こういう現象は「ブリード」というらしい。ラバーの内部にある油が表面に浮き出してとろけたような状態になり、べたべたしてくる。意図的にこういうことをやってみたいと思うのだが、うまく行くかどうかは運次第である。
さらに調べてみると、溶解パラメータ(SP値)というものがあって、その値が近いものを塗り込んでおくと、「ブリード」が起こりやすいらしい。ここまでくると、素人には理解不能である。

あまりあれこれ気にすると、頭が痛くなってくる。セール品ではなく、商品の回転の早そうな店で通常価格で買うのが無難かなと思う。ラバーも食品のように製造年月日を記載してくれたらいいのに。

ヤサカの新製品「ライガン 」(RIGAN)というラバーを購入した。

rub_rigan

たまには用具のインプレッションなどをしてみようと思うのだが、どういうことを書いたらいいか分からない。「よく弾む」とか「柔らかい」ぐらいしか書くことがない。考えてみたら、世間には食レポなどというものがたくさんあり、名店の味を豊かに表現している。私だったら「柔らかくてうまい肉だ」ぐらいしか言えないところを「とろりとしていて、まろやかさの中にもキレがあり…」とか「上品な味付けで、幅のある味わいだ」とか、なんだか分からないが、「柔らかくてうまい肉だ」よりはずっとおいしそうな料理に感じられる。きっと何とかしてこのおいしさを表現したいという感動がそうさせるんだろうなぁ。

世間には用具レビューというものもたくさんある。どんなことを書いているのか調べてみたところ、非常に細かいところまでしっかり説明されているのに驚いた。食レポ並みの豊かな表現である。

たとえば、「卓球ラバーレビュー」というサイトでくろかみ氏のマントラMのレビューをみてみると、次のような項目が挙げられていた。

・レビューする商品名
・使用環境
・はじめに
・攻撃技術全般
・守備技術全般
・サーブ・レシーブ・台上技術
・おすすめな方
・まとめ

非常に詳しい。同様にゲンマ氏のマントラMのレビューを見てみると…あれ?項目が同じだ。
どうやらこのサイトに投稿するには上記の項目がテンプレートとして事前に用意されており、それに従って記入するようになっているようだ。私もこれに倣って書いてみたら、一般的なレビューになるのだろうか。しかし、こんな詳細な項目をしっかり埋めるとなると、2~3時間の試打では足りない。週に1回2時間の練習があるとして、きちんとしたレビューを書こうと思ったら、少なくとも1か月ぐらいはかかりそうだ。新製品だから、みんなどんな感じかできるだけ早く知りたいことだろう。巧遅より拙速が求められているはずだ。というわけで、2時間程度しか打っていないが、簡単にインプレッションを記すことにしよう。

・レビューする商品名
ライガン(厚さ:マックス)

・使用環境
和の極み 蒼
F:ファクティブ マックス
B:ライガン マックス

・はじめに
実売価格が3000円を割っており、手を出しやすい。昔からラバーはヤサカが好きだったので、もし無難な性能なら、バック面の定番にしようと思い、購入した。
押したり、触ったりしてみた感触は、ファクティブやファスタークS1に比べて柔らかく感じた。同じカテゴリーのラバーよりも低反発に感じられた。つまり押したときにグイグイ押し返される力が弱い(あるいは復元が遅い)ように感じた。
シートはヴェガヨーロッパほどモチモチしていない。ふつう(?)のシートである。
スポンジはザラザラしていて気泡が大きい。このスポンジはどこかで見たことがある…ヨーラのリズム425に似ている。リズムは私の大のお気に入りなので、期待大である。
接着はファインジップで行った。気泡が大きいので、接着剤がスポンジ内に塗り込まれる。もし、接着シートで接着した場合は気泡が空気で満たされているだけだが、液体の接着剤なら気泡内に接着剤が入り込むことになる。ファインジップのようなドロドロしたものよりも、フリーチャックなどのシャバシャバした接着剤のほうが、より気泡に入り込むと思われる。そうすると、気泡の中に空気だけが入っている場合と、接着剤が浸透している場合では打球感に変化があるのではないだろうか。比較していないのでよく分からない。
ちなみに「ライガン」という語の意味を調べてみたのだが、意味がよく分からない。検索したところ、柔術家の名前でヒットするだけである。

・攻撃技術全般
ドライブ:ファクティブとの比較だが、特にこれといった印象はなかった。ファクティブよりしっかり引っかかるように感じたが、それはライガンが新品だからかもしれない。あと、ファクティブよりもカチッとした打球感に感じた。ファクティブよりも柔らかく、食い込みがいいのかもしれない。
ミート:特にこれといった印象はない。使いやすい。


・守備技術全般
ブロックは…違和感がなかった。

・サーブ・レシーブ・台上技術
ツッツキとかストップも特に印象はない。ファクティブと大差ない。

・おすすめな方
裏面に柔らかめのラバーが欲しい人。
節約したい人。

・まとめ
突出した性能というのはないが、ファクティブよりもカチッとした打球感に感じた。
といっても大差ないと思う。
ライガンの特徴は何かと聞かれると、よく分からない。
打球感も引っかかりも弾みも問題ない。

2時間の練習ではこれ以上書くことがない。申し訳ない。
もう少し打ってみて、改めてレビューをしたいと思う。

レビューを書くのは難しい。

【追記】180319
「カチッとした打球感」というわけの分からない表現を使ったが、よく考えてみたら、これは「球持ちがいい」ということかもしれない。

【追記】180321
今日、もう一度ライガンを打ってみたが…やっぱり特徴と言えるほどのものは分からなかった。
フォア面でドライブを打ってみたが、十分使える。ラクザ7と比べると全力で打ったときの威力は劣るが、ぜんぜんボールが走らないというわけでもない。バック面で、裏面ドライブやブロック、ツッツキ、フリックなどを試してみたが、問題なく使える。このカテゴリーのラバーはマントラとか、フライアットスピンとか、ヴェガヨーロッパとか、ファクティブになるかと思うが、私が今、手元に持っていて比較できるラバーがファクティブだけなので、ファクティブと比べてみると、ライガンはファクティブよりやや柔らかい感じがする。他にも多少の違いはあるかと思うが、私にとっては誤差の範囲内である。用具に詳しい人はいろいろな細かい違いが分かるのかもしれないが、私はどうやらラバー音痴らしい。違いがほとんど分からない。

結論として
価格を考えれば、現時点で裏面のラバーとして理想的な選択肢の一つと言えるだろう。

【追記】180401
久しぶりにライガンを打ってみたら、打ちやすさは変わらないものの、ファクティブよりも少し硬く感じた。自分の感覚がますます信用できなくなった。





子供の頃、近所においしい焼きそば屋さんがあった。あの味が忘れられない。

親には「あそこのやきそばはラードをたっぷり使っているから体に悪いし、不衛生だ」とか言われてあまり食べさせてもらえなかったのだが、今でも絶品だったと思っている。

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こんな感じの焼きそばだった。

今、食べるやきそばはどれも麺が細く、淡白な味わいだが、子供の頃に食べた焼きそばはもっと麺が太く柔らかくてテカテカしていて、ソースもドロッとしていた。肉入りと肉なしと、大と小の4つのバリエーションしかなかったが、飽きが来なかった。

「不衛生だ」というのは、持ち帰りのときは新聞紙に包まれていたからなのかもしれない。

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ふつうはプラスチックのパックのようなものに入っているものだろうが、その店では紙だけだった。新聞紙で直接くるんでいるのではなく、「下着」のような紙でまず包まれているのだ。

下着

その上から新聞紙でくるむのである。

しかし、どうして新聞紙だったのだろうか。単に経費削減のためだろうか。
そういえば、野菜が新聞紙にくるんであるのをよく見る。あれはどういう意味があるのだろうか。

ネットで調べたところ、新聞紙は適度に湿気を取ってくれるらしい。やきそばを新聞紙に包むのは、冷めたあとにつく結露を防ぐためなのだろう。それならラケットも新聞紙でくるんだらいいのではないだろうか。

卓球王国のゆう氏のブログでTSPの新製品「活性炭シート」というのを見たのだが、ラバーは湿気が多すぎても、少なすぎてもいけないらしい。

練習した後、グリップが汗でじっとり湿っていることがよくある。新聞紙でくるんでおけば、シリカゲルなどを入れておくよりもずっと効率が良さそうだし、頻繁に替えることもできる。上の活性炭シートとの合わせ技もよさそうだ。



変だなぁ。なんだかドライブを打っても、打っている感じがしない。ボールとの距離、タイミングも悪くないのに、力がうまく伝わっていないような、力が抜けていくような…。もっとボールをひきつけてコンパクトな振りでギュッと打ったほうがいいのだろうか。いろいろ打ち方を工夫してみたが、どうにもボールに力がこもらない。

その体育館はそれほど古い体育館ではなかったのだが、あまりそうじがなされておらず、床が埃っぽいため、しっかりシューズがグリップしない。おそらくこれが原因だったのだろう。ドライブを打つときに踏ん張って力を入れようとしても、足元から力が逃げてしまい、打球に力が乗らないのである。

上級者(でなくとも、上手い人)は下半身でドライブを打つと言われる。

江藤真伍

腰や膝ではなく、「くるぶしから放たれるパワードライブ」である。
そのためには足元の安定性がどうしても重要になる道理である。

私はずっと卓球のシューズというのはなんでもいいと思っていた。だから最も安い入門者向けモデルをずっと愛用していた。

アスリート レピト


若い人が派手で高いシューズを買っているのは、おそらくファッションのためだろう。カッコイイシューズを履いて異性の印象をよくしようと思っているにちがいない(すごい僻み根性…)と思っていた。それに対してオジサンは、見た目など気にせず、安くて長持ちすればいいという考え方の人が多いと思われる。というのは、私の周りの上手なオジサンでも、入門者向けモデルを何年も履き続けている人がチラホラいるからだ。足元は入門者、でも卓球はえげつない…こういうギャップもかっこいい。

ミズノから出ている1万円以上もするシューズを買う人の気が知れなかった。

ウェーブメダル

ミズノ ウェーブメダルZ 定価13000円

足にフィットして、超軽量で、グリップ力も高く、おまけに通気性もいいからといってそれが卓球のプレーにどれほど影響するというのか。全国レベルの若者ならそこで差がつくのかもしれないが、オジサン卓球ならどのシューズを履いてもさして変わらないだろうと思っていた。しかし、上の体育館での経験から、もしかしたらオジサン卓球でもグッと踏ん張って打球するにはアウトソールのグリップ力が必要で、アウトソールのゴムが死んでいたら、元々少ない実力が発揮できなくなる――シューズの良し悪しがプレーに少なからず影響するかもしれないと感じるようになった。

帰宅して自分の2年ぐらい履いた入門者向けシューズを確認してみると、靴底がカチカチだった。アンチラバー、いや、ラバー貼りラケットを5年ぐらい放置していたようなカチカチ感だった。これではグリップしないのも無理はない。

高級なシューズは軽量で、すばやく動くのに適していると思われる(履いたことがないので想像だが)。しかし、オジサン卓球ではそんなに動き回ることは少ないから、高級シューズは必要ないというのが私の考え方だったのだが、高級シューズのアウトソールのグリップ力(履いたことがないので想像だが)というのはオジサン卓球にも有益なのではないかと考えを改めた。きっと柔らかく、よく床をグリップし、それでいて長持ちするようなゴムが靴底に貼られているにちがいない(でも、あまりグリップしすぎると、転んでしまうか)

卓球王国のウエーブドライブZとウエーブメダルZの紹介記事
メダルのほうが安定性・クッション性を追求しているということなので、ヒザに優しいかもしれない。こちらのほうが中年向きか。

入門者向けではなく、ちょっといいシューズを買ってみようかな。しかし、シューズに実売1万強はちょっと…。次に買うのは奮発して型落ちの実売7000円ぐらいのやつにしよう。

オリンピック日本代表元監督の村上恭和氏が代表理事を務める卓球ジュニアサポートジャパンが保育園・幼稚園に卓球台の寄付をしているという記事を読んだ(「打倒中国」次は育成)。

世界で戦える有為な人材を育てるためには早期教育が有効なのだという。

世界で戦える人材云々には興味はないが、この「こども卓球台」はとても魅力的だ。

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魅力その1「小さい」
私は昔、自宅に卓球台を所有していたことがある。もちろん試合で使える大きさの卓球台である。だが、あの大きさの台を部屋に入れると、8畳ぐらいの部屋でも狭かった記憶がある。前後にほとんど動けなかったし、ラケットを振り回して家具を傷つけるという心配もあった。
前後にほぼ動けないが、フルサイズの卓球台で練習するのと、2/3サイズの台で少しだけ前後に動ける余地があるのだったら、私は動ける方を選びたい。
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上の図はイグニオというメーカーの「家庭用サイズ卓球台」の説明から。

魅力その2「けがをしにくい」
卓球台の角に腕をぶつけてケガをしたり、台の下に落ちたボールを拾って起き上がったところにネットのサポートがあって頭から流血したりといった経験は卓球人ならきっとあるはずだ。卓球は他のスポーツと比べて大けがをするおそれはほとんどないが、それでも台に体をぶつけてケガをするといった事故はしばしば起こる。卓球用具がこれだけ進化しているのに、どうして卓球台の角は直角のままで、ネットのサポートは金属製でとがった部分があるのだろうか。もっと安全性に配慮してほしいものである。


T2での張本智和選手のケガは記憶に新しい。

村上氏の卓球台は角が丸くてネットのサポートはプラスチック製のようだ。これならケガをする心配はない。

魅力その3「真剣な練習をする気にならない」
もし、国際規格サイズの卓球台が自宅にあったら、私は真剣にサーブ練習とかをしてしまいそうである。そして自然の流れとして卓球マシーンを買ってしまうだろう。そして気がついたら、毎日そればかりしていて、日常生活に支障が出る気がする。いくら好きなものでも、いや、好きなものだからこそ、多少距離を置いた方がいいこともある。さらに自宅に卓球台があって、もし適当な練習相手がすぐ近くに住んでいたら、私は卓球のために仕事を辞めてしまうかもしれない。自宅に本物の卓球台があるというのはハニートラップのようで危険すぎるが、「こども卓球台」にはそういう危険なにおいがない。物理的な意味でも、精神的な意味でも安全である。「こども卓球台」が自宅にあったら、軽く打球感やフォームを確かめる程度で満足するような気がする。台上に下回転をかけたボールをポトンと落として、「チキータ!」ぐらいのことはやるかもしれないが、真剣に練習する気を起こさせないところがこの台のすばらしいところである(ちなみにこの台は高さも低い)。

以上、小さめの卓球台を自宅に置いたら…と想像してみた。小さな卓球台はとにかくいろいろな意味で安全だ。それに尽きる。

海外に行って靴を買おうとしたとき、サイズが分からなくてあきらめたことがある。
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ちなみにこの靴をアマゾンで買ってみたが、2000円強で、安くて満足のいくものだった。

日本ではセンチメートル、アメリカではインチ、イギリスもインチ…でもアメリカのインチとイギリスのインチは少し長さが違うらしい。ヨーロッパではセンチメートルを使っているはずなのに、靴のサイズはパリポイントとかいう理解不能な単位で表される。
私の靴のサイズは26.5ぐらいなのだが、アメリカではそれが8.5、イギリスでは8、ヨーロッパでは43ということになるらしい。しかし、女性用の靴なら、アメリカの8.5は日本の25.5になるのだという。数字が苦手な私はこういうことを考えると頭が痛くなってくる。

どうしてこういうことになっているのだろうか。製靴業界に始皇帝みたいな人が現れて、度量衡を統一してくれないものだろうか。

同じことがラバーにも言える。
ラバーを選ぶときにスピードとかスピンとかの数値は8とか10とか表示してある。10だからいちばん弾むのかと思ったら、12とか13もある。テナジー05はスピードが13で、ファスタークG1はスピードが12.3だから、05のほうが弾むのかというと、そういうわけでもあるまい。各社で基準が微妙に異なるからである。同じ製品でも打ち方によってスピードが変わってくるし、「スピード」の厳密な値に関しては表示が難しいのかもしれないが、それでもスピードが11~13だったら、十分な弾みがありそうだと見当がつく。

しかし、ラバーの硬度は国によって大きく異なるので、非常に困る。
テナジー、ファスターク、ラクザ、GF等、各社の代表的なラバーなら、弾みや引っ掛かりは十分だと思うが、硬度が分からない。45度とか、50度と言われても、それがどのぐらい固いのか分からない。ロングセラーのラバーなら周りの人に打たせてもらったりしたこともあるので、なんとなくイメージできるのだが、新製品とか、海外のメーカーのラバーとなると、固いのか柔らかいのかさっぱり分からない。上述の「スピード」のように各社の数値が微妙に異なっても構わないと思うのだが、硬度の場合はキョウヒョウ・ネオ3が42.5度で、ヤサカの新製品ヴァルモが45-50度となると、ヴァルモの固さが全くイメージできない。

そこで提案したい。
硬度を数値で表すとともに、分かりやすい言葉でも併記してみたらどうだろうか。

特柔・柔・微柔・中・微硬・硬・特硬

のように。
シートが硬いラバーとスポンジが硬いラバーがあって、一概には言えないというのは承知で、ザックリとこのような表示があれば、便利だと思うのである。各社によって基準が異なるだろうから、だいたい同じぐらいの硬さのラバー、テナジー05が硬で、ファスタークG1が微硬でも構わない。このような表示になっていれば、硬めのラバーを求めている人が間違ってちょっとマイナーなザルトやヴェガ・エリートを買ってしまうという事故も起こりようがない。このブログを読んでいる人は、おそらくどのラバーがどの程度の硬さかというのはよくご存じだろうが、ふつうのちょっと卓球が好き程度の人は、ザルトと言われても硬いか柔らかいか想像できない人が多いと思われる。表ソフトならなおさらである。そういう人に対して「特柔・柔・微柔・中・微硬・硬・特硬」の表記は親切だと思うのである。

卓球メーカーのみなさん、ご検討よろしくおねがいします。

公園の砂場にて
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小学校の女の子がお父さんといっしょに砂場にやってきた。
「さぁ、何を作ろう?」
とりあえず砂を盛り上げて、山を作り始める。
「もう3年生なのに、砂場で山なんか作って楽しい?」
近くのお父さんがうんざりしたような口調で言う。どうやらいやいや公園に付き合わされているらしい。
「う~ん…つまんないけど、楽しい。」

そんなやり取りを傍で聞いて、「ちょっと深いなぁ」と思ってしまった。

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絶好球を最適な打点とスイングスピードでフォアドライブしたときの感覚というのはいわく言い難い。人によって異なる感覚であろうが、私が表現するとしたら、ラバーでボールを捉えるじっとりとした感覚を伴った爽快な振り抜きとでも表現するかもしれない。

そしてまれにボールがラバーに食い込み、それをラバーが反発で押し返している感覚を感じることもある。私はそれがラバーどまりなのだが、感覚の鋭い人は、打球時に、まずラケットの反発を感じ、それからラバーの反発を感じるという。その0.1秒?ほどの微妙な感覚を感じ分けられるのだと聞いて、驚いた。しかし、こういう微妙な感覚を感じられない私のような鈍感な人間のほうが少数派なのかもしれない。

こういう観点で打球感を楽しむ卓球というのを飽きるほどやってみたい。

最も取り組みやすいのがフォア打ちである。
同じ強さで同じリズムでミスなく打ち続ける。ふつうならこんな練習を30分も続けたら飽きてしまうだろうが、神経を研ぎすませてラケットの反発とラバーの反発の感覚に耳を澄ませてみる。そうすると、自分がスイングしている感覚がなくなって、打球感を感じやすくなってくる。そういう状態に入ってから、微妙に打球の強さを変えてみたり、当てとこすりの割合を変えてみたりすると、用具の反発が感じられるかもしれない。あるいは身体の向きや姿勢の高さ、打球ポイントを微妙に変えてみると、自分にとってもっとも気持ちいい打ち方が発見できるかもしれない。こうやって心静かに三昧境に入れば、単なるフォア打ちも豊かな練習になるだろう(前記事「感覚を味わう」)。

食べ物も、さまざまな調味料を駆使して絶妙の味わいを実現する料理もあれば、ほとんど味付けをしないで素材本来の味わいを活かす料理もある。練習も同じではないだろうか。

次にどんなボールがどこにくるか分からない、ランダム要素満載の練習もいいが、こういう心静かに打球感を味わう練習も楽しいと思う。ひたすら同じことを繰り返す「つまんないけど、楽しい」という感覚は練習時間がなかなかとれない私のような社会人に欠けている練習だと思う。

ラケットをあれこれ購入するが、なかなか練習時間がとれず、試すことのできないままお蔵入りになっているし、ラバーも未使用のものが5~6枚ある。

ラケットはあまりあれこれ換えると感覚が狂うから、できれば固定しておきたい。

未使用の状態でラバーはどのぐらいのスピードで劣化するのだろうか。私は新製品のラバーを買うことはほとんどないので、工場で作られてから私の手元に届くまでに最低でも1~2年は経っているだろう。以前、廃盤のラバーが安くなっていたのを購入したことがあるが、おそらく作られてから3~4年は経過していたのではないだろうか。しかし、私には問題なく使えた。ラバーもストックされているものが5~6枚があるので、急いで買い足す必要はない。

私はシューズにはこだわりがないので、あまりあれこれ新製品を試してみようとは思わないが、それでも未使用のシューズのスペアが1つある。

そんな感じで卓球にどうしても必要なラケット、ラバー、シューズは今のところ足りている。もうこれ以上新たに購入したいとは思わない。しかし、暇があると、卓球用具でおもしろいものはないかと探している自分がいる。仕事のストレスと、卓球ができないストレスのためだろう。

どうしても必要なラバーやラケットは足りており、これ以上買いたくないが、それでもときどき何か卓球用具を買わないと気が済まない。そうなると、目が向くのが小物とか、カバン・ラケットケースの類、シャツやパンツである。

そういう目で卓球用具を探してみると、日本メーカーよりも海外メーカーの製品の中にユニークで洒落た製品が多いような気がする。

たとえばアンドロのラケットケースはちょっと気になる。

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こういうラケットケースは今までになかった。個人的にはドットのケースは今どきの女子高生のかばんのイメージがあり、かわいいと思った。
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が、人が使っていた「フルデザイン・ハードケース」の実物を見てみると、シンプルな単色のドットではなく、いろいろな色が使われていて、私のイメージとちょっと違っていた…。
次は同じ路線でチェック柄なんか作ったら売れるのではないだろうか。
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他にもスカル柄のサイドテープとか、アンドロの製品は最近とてもおしゃれな感じがする。
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スティガもしゃれたラケットケースを作っている。日本で買えるかどうかわからないが、なんだか70年代のレトロな雰囲気のケースである。というか、スティガはロゴからしてかっこいい。このロゴがついているだけでしゃれた感じがする。日本メーカーはロゴを変えることが多いが、どうしてだろう?ヨーロッパのブランドのように何十年も同じロゴを使い続けたほうが歴史の重さが感じられていいと思うのだが。

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バタフライのロゴはコロコロ変わるが、個人的には70年のロゴのほうが好みだ。ヤサカは旧ロゴのほうが絶対にかっこよかったのに。


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レトロな感じのラケットケース


また、キーホルダーもかっこいい。
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許昕のシルエット?

日本人の頭の形には合わないかもしれないが、キャップもシンプルで飽きのこないデザインである。くたびれてくると、かっこよさが増す気がする。
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アメリカのアマゾンのサイトを見ていると、日本では発売されていないと思われるキラースピンの製品がたくさんある。キラースピンもロゴがかっこいい。

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このがんばっている人がちょっと間が抜けていてかわいいし、キラースピンというブランド名もかっこいい。

ラバーやラケットを試してみたいとは思わないが、Tシャツなどはとても私の好みに合っている。
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一見すると、卓球のTシャツには見えないのだが、さりげなくラケットが描かれているのがかっこいい。女性用だが。

カバンもかっこいい。

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ラケットケースかどうか分からないが、「ラケット・ジャケット」という下の商品もおもしろい。
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昔のアメリカの大学生は本をバンドで縛って肩にかけているイメージがあったが、このラケットケースをみると、あのバンドを思い出す。

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この「ラケット・ジャケット」をベルトなどに通すことができれば、ガンマンのような感じでおもしろい。

卓球メーカーのゲームシャツではないが、アメリカのアマゾンで販売されている卓球をモチーフにしたTシャツを見てみると、かっこいい/ユーモアのある ものが多い。500円ぐらいの送料で日本に送ってもらえるなら、1枚買ってみようかしら。
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上はリオ・オリンピック記念Tシャツらしい。「落ち着け!我々にはリリー・チャンがいる」という意味か。

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日本メーカーのTシャツはあまり気に入ったものがないが、最近のジュウイックのシャツは洒落たものが多い。下のドリームTというゲームシャツはフランス人のデザイナーのイラストらしいが、かわいい。

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日本メーカーもラバー名をデカデカとプリントしたTシャツや、爆発や稲妻をモチーフにしたゲームシャツよりも、街なかでも着られるシャツをたくさん作ってほしいとオジサンは思う。

おっと、なんだかまとまりがない文章だったが、私には日本メーカーよりも、海外メーカーのセンスのほうが理解できるということである。





今週は関東方面を訪れた。
せっかく東京に来たので、東京でしかできないことをしてみたいと思い、有名な卓球教室で練習でもしてみたいと思ったが、ネット環境がなかった(私はスマートフォンを持っていない)ので、詳細が分からず、練習の方は断念した。

それでWRMで、今話題のカレンダーを買いたいと思っていたので、WRM高田馬場店を訪れることにした。

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こういう方面に卓球メーカーが進出するというのは今まで聞いたことがない。相変わらずWRMは攻めている。どれだけおしゃれなカレンダーかこの目で確かめてみたいので、購入したかった。

しかし、心配なことがある。

私が拙ブログで過去にWRMの製品について批判的なことを書いていることだ。WRMの人にしてみれば、「偉そうに上から目線で我が社の製品を批評しやがって、鼻持ちならないヤツだ」ぐらいに思われていても不思議ではない。

高田馬場店は以前訪れたことがある(前記事「WRM高田馬場店への行き方」)ので、もしかしたら顔が割れているかもしれない。しかし、3年も前のことだし、小一時間話しただけなので、私の顔なんて覚えていないはずだ。しかし、もし万が一覚えていたら…。非常に気まずい雰囲気になるに違いない。いや、そんなはずはない。私はそれほど特徴のある外見ではないし、普通の客とちがう点などな…あー!髭剃ってくるの忘れた!服装も変なスウェットシャツにシャカパンだし、これじゃ部屋着のまま顔も洗わず店に来てしまった人みたいだ。しかし、企業訪問じゃあるまいし、卓球ショップにきちんとした格好で行かなかったからといって変な人だと思われることもないだろう。考え過ぎ、考え過ぎ。WRMに批判的なことを書いた負い目があるから、なんだか自意識過剰になっているようだ。

余計なことを言うと、疑われるかもしれないから、必要なこと――「ラバーガール」のカレンダー購入だけをして、ボロが出ないうちにすぐに帰ろう。しかし、せっかく東京まで来たので、2~3分ほどで店を後にするというのも味気ない。不審がられない程度のふつうの会話をして帰ろう。

どんな会話をしようか。

「この店の1ヶ月の売上はどのぐらいですか?」

あほか!なんでよそのうちの懐具合なんて質問するんだ。中国人か!

「店員さんは彼女がいますか?」

そんなことを聞いて何の意味があるんだ!

もっと場面にふさわしい、ふつうの質問をしなければ。
卓球ショップなのだから、卓球についての質問だ。

「この店で扱っているラケットでどれがおすすめですか?」

卓球の話には違いないが、そういう、電気屋に行って「一番いいパソコンはどれですか?」的な質問をする人と同様、知性を疑われてしまう。

私は用具に詳しくないので、あまり高度な質問をしたら、知識のないくせに変に通ぶっていることを見透かされて、軽蔑されるかもしれない。もっと素朴な質問にしよう。

「5枚合板と7枚合板は打球感がどう変わるんですか?」

うん!こういうふつうの質問にしよう。おそらく一概に言えないだろうから、いろいろな話題に発展するかもしれない。

「ラケットによって重心が先端寄りのものと、グリップ寄りのものがありますが、この店のラケットで中央に重心があるものはありますか?」

これもいい!よし、あとは出たとこ勝負だ。

昼過ぎにWRMを訪れると、幸いなことに客は誰もいなかった。チャパリータ氏と単氏が店番をしているはずだ。

「いらっしゃいませ」

「あ、こんにちは。」

あれ?違う!新入社員のハジメ氏とチャパリータ氏だった。

「ここのラケット、触らせてもらってもいいですか?」

「もちろん、どうぞ。」

「今、新しいラケットが次々と登場して、王道シリーズって、影が薄いですけど、このグリップデザインは古びないですよね?飽きが来ないというか、余計な飾り気がなく、ソリッドでかっこいいですね。スベスベしてて、さわり心地もいいですよ。」

「ああ、王道はその筋では有名なデザイナーがデザインしたんですよ。」

「なるほど、そうだったんですか。王道01と02はどう違うんですか?」

「それほど違いはないですよ。7枚合板に近いものなら、04のほうがいいかもしれませんよ。」

(あ、それは私が以前、「打球感が気に入らない」と批評してしまったやつだ…。)

「そうなんですか。でも私は特殊素材が入っていないもののほうが好みなんです。」

「じゃあ、OSPのラケットがいいかもしれませんね。」

「最近、話題のやつですね。でも、売り切れじゃないんですか?」

「サンプルならあるんですよ。見てみますか?」

…とこの後、非常に深い話になるので割愛。

チャパリータ氏はこのメーカーのラケットに惚れ込んでいるらしい。

「あの~カレンダーを買いに来たんですけど。」

「ありがとうございます!」

「卓球メーカーがああいう商品を出すって発想がなかったんですが、いろいろコネがないと、できないですよね?」

「そうですねぇ。知り合いとかにあたって、カメラマンとか、メイクさんとか、みんなほとんどボランティアみたいな感じで協力してくれたので、経費がずいぶん削れたんですよ。」

「そういえば、今度の日曜日の晩にイベントがあるんですよね?」

「そうなんです。よかったらぜひ来てください。」

「いやいや、こんなオジサンが行ったら浮いちゃうでしょ。」

「そんなことないですよ。大丈夫です。」

まぁ、私は日曜日は東京にいないので、参加できないが、もし可能なら参加したいものだ。表参道という場所らしいが、若い人がよく訪れる街のような気がする。こういうイベントは若い人が中心になって大いに盛り上げてほしい。チャパ氏の用具に関する造詣の深さから察するに用具クイズなんてのもあるかもしれない。ネットでは話せない裏話とか、上手な人と卓球ができたりするとしたら、うらやましい。

ところでrubbergirlという単語をネットで調べてみると、

An incredibly hot bodied female aged(legally!) between 18 and 40

とある。きっとムチムチでお色気満点な女性たちが来て、酒池肉林が楽しめるのだろう。

カレンダーというと、私は会社とかがタダで配布している筒状のものをイメージしていたが、

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A4サイズを二つ上下につなげたサイズで、思っていたより小さかった。rubber03

もっと大きいサイズのほうがよかったのになぁ…

あ!また批評しそうになった。危ない危ない。
しかし、多くの人がボランティアでこれだけ手間をかけて作ってくれた製品なのだから、文句を言ったら罰が当たるな。発想を転換して、小さいサイズだからこそ、メール便で安い送料で購入できるというメリットもある。

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日付の下には大きな大会やWRMのセール等が記されている。なるほどアジア選手権は4/9~なのか。世界卓球は5/29~だ。

ハジメ氏の笑顔に癒やされながら、30~40分が過ぎた。

なんだか緊張して質問ばかりしてしまったな。新幹線の時間もあるし、そろそろ帰らないと。
おそらく私は変なことを口走ったりはしなかったはずだ。が、これ以上いると、余計なことを口走ってしまいそうで自分が怖い。

そして私はWRMを後にした。

うん、短いながらも、なかなか楽しく過ごせたではないか。いい思い出になった。

あ~!OSPのラケットを試打させてもらうのを忘れた!!
 

【追記】 170311
今日が東日本大震災の日だということをすっかり忘れてこんなおちゃらけた記事を書いてしまった。
犠牲者のみなさんのご冥福をお祈りします。
 

バタフライの2017年のカタログを見たのだが、他社とずいぶん趣きが違う。
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初めから水谷選手をはじめとしたバタフライの看板選手が登場し、企業理念や商品へのこだわりなどがストーリー仕立てで30ページ以上も続く。商品の情報はなかなか出てこない。

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これは卓球用品のカタログなんだろうか。
なんだかプロモーションビデオか、ドキュメンタリー番組でも見ているような錯覚を覚える。

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カタログでは吉村真晴選手が大活躍だった。たしかに吉村選手が登場すると、見栄えがする。


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浜本由惟選手もカタログに華を添えていた。

そしてようやく製品の紹介が始まる。
まずは新製品のラバー「ロゼナ」。テナジーの普及版として人気が出そうだ。
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しかしパッケージデザインが他のラバーとほとんどいっしょなので、あまりインパクトがない。

どうしてバタフライはラバーのパッケージデザインをこんなに没個性的なものにしたのだろうとずっと疑問だったが、おそらくこういうことだろう。

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 洒落たカフェの店内。

そこで、もしバタフライのラバーが売っていると想像してみると…

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ありえないことではないと思えてくる。

これがもっと主張のあるパッケージデザインだったら

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洒落たカフェの雰囲気にあまり調和しないかもしれない。

最近のバタフライのラケットのグリップデザインはおしなべて落ち着いた、シックなものに変わってきた。

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SK7も旧デザインのグリップは安っぽい感じだったが

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新製品SK7クラシックは

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旧モデルの雰囲気を残しながらも、色調が落ち着き、少し高級感が出てきた。ちょっとほしいかも。
ガレイディアとかハッドロウのような落ち着いたデザインのラケットならカフェなどに置いてあっても全然違和感がない。

バッグも主張が控えめで、あまりかっこいいとは思わないけれど、かっこ悪いとも思わない。
地味な印象。しかし、地味な中にもちょっと品がある。

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こういう方向性はやはりこの方の意向が強く働いているのではないだろうか。

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ドハデでとにかく目立つデザインではなく、地味でオーソドックスなおしゃれというのは女性らしい感性のような気がする。

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ゲームシャツも地味におしゃれだ。


しかし、下の新製品のデザインはちょっと…。
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バタフライのロゴにも同じような方向性が受け取れる。

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旧ロゴはシンボリックではあるものの、ほんの少しスピード感や躍動感のようなものを感じさせたが、新ロゴでは左右対称で、言われなければ蝶のシンボルだと気づかないほどに主張を消した。

その代わり、シューズはポップで明るい色づかいのものが多い。
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バタフライはテナジーを値上げしたあたりから大きく変わった。
テナジー値上げで多くの卓球人は当惑しているが、それについて私はどうこう言うつもりはない。

上述のようにバタフライは業界のリーダーとして卓球のイメージを変えようとしているのではないか。
おしゃれで、若い人にもちょっと始めてみたいと思わせるようなスポーツ。
そんなイメージこそが卓球に最も欠けていたものである。

用具の技術や品質をいくら向上させたところで、ラケットやラバーの売上がそう伸びるとは思えない。しかし、卓球のイメージが向上し、卓球人口が増えてくれれば、卓球用品メーカーの業績も自ずから向上する。そういう深謀遠慮が最近のバタフライの変貌の理由なのではないかと勝手に思い込んでいる。

 

「そなえよつねに」の後半を書く気力がないので、代わりに以前書いておいた記事を公開したい。
軽い冗談だと思って読んでいただければと思う(私はけっこう本気なのだが)

いろいろなラケットケースを使ってみて、一番しっくりくるのは、ブレード面だけを覆うタイプ(丸型)である。
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いちばんかさばらないし、グリップ部分がむき出しなのがいい。これによってグリップにしみ込んだ汗が乾燥しやすいと思う。

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ライダーマンは私の周りでは不評だったが、私はけっこうかっこいいと思っている。

ただ、このタイプのラケットケースは2本入れのものがない。1本だけでは心もとないので、2本入る丸型のラケットケースがほしい。

そこでこういうのを発売してもらえないだろうか。

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涙型のラケットケースの下半分を切り落としたものである(ラケットのサイズに合わせて、厚みはそのままで小型化してほしい)。これなら2本ラケットが入り、かさばらないし、グリップも乾燥しやすい。

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以前、ラケットのブレード形状について記事を書いた(「卓球ラケットブレード考」)が、縦長のブレード形状はよくあるが、横長のブレード形状は稀である。パーソン・インパルスというラケットが横長らしいが、そういうブレード形状は何か問題があるのだろうか。

以前、ブロックをするとき、ヘッドを立てると安定すると書いた。シェークのフォアブロックなどは、ヘッドを真上にすると、かなり安定する。
ペンの表面のブロック(いわゆるショート)でグリップを限界まで立てると、(少なくとも私は)ブロックが安定する。強いドライブを受けてもしっかりと止めることができる。しかし、表面でヘッドを真上に立てるのはかなり疲れる。脇をしっかり締めて、体をちぢこませないと、バックショートでうまくヘッドが立たない。

そこで思い切り横長のブレードはできないものだろうか。角型ペンのラケットの側面にグリップをつけたような感じである。名付けてハンマーヘッドラケットである。

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つまり、こういうイメージである。

これならブロックの時にグリップを水平にしても、通常のラケットでヘッドを立てたような効果があり、ボールが安定しやすく、フォアドライブの威力も増しそうだ。ツッツキはまっすぐ前につっつけば、ブルドーザーのように安定するにちがいない(この譬えがどういう意味なのか、私にもよくわからない)

もし、卓球メーカーの方でこの記事をご覧になった方がいれば、ぜひ製品化をご検討いただきたい。実用性はともかく、長く語り継がれる製品になるだろう。


 

何年も使い込んだラケットには手の汗や湿気がラケット深くに潜り込み、打球感を変える――弾まなくなるのだという。新品のころはカーンと響くような打球感だったラケットが3年、5年と使い込んでいくと、ジットリとした打球感に変わるのだという。

「そのジットリがいいのだ」

という人もいる。

中国選手は新品のラケットを鍋でグツグツ煮てから使うという話を聞いたことがある。
「いや、ミスの少ない中国選手が煮るなんて乱暴なことをするとは思えない。シュウマイの国だけにせいろを使って蒸しているのだ。」という意見もあれば、「いや、トップ選手はみんなフライパンで炒めている」「焙っている」「燻している」など、真偽のほどは明らかではないが、そういう意見を聞いたことがある。

私のラケットもなんだかジットリしていて、弾みが悪くなったような気がしていたので、乾燥させてみたら、打球感が変わっていいボールが出るかもしれない。

前記事「卓球用具代用考(乾燥剤)」 

で乾燥剤を使ってラケットを乾燥させることを考察してみたが、あまり効果が感じられなかった。保存・保管にはいいかもしれないが、もっと手っ取り早く乾燥させる方法はないだろうか。焙るというのはできないこともなさそうだ。

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こういうふうにできれば一番いいのだが、街中に住んでいると、こういうことをする場所が限られる。めんどくさい。うちのガスコンロを使うのもちょっと…。

そこで、ちょうどうちに布団乾燥機があったので、それでふとんといっしょに温めてみた。
しかし、いきなり2~3時間という試練をラケットに与えたら割れたり、接着剤がダメになって、合板が乖離してしまったりするかもしれない。はじめは20分ぐらいで試してみよう。

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 左のスティガのラケットは93グラム。右のダーカーのラケットは85グラムだった。

それをふとんといっしょに温めること20分。ホカホカになったラケットを計量してみると、92グラムと84グラム。ちょうど1グラム軽くなっている。

これは効果があるかもしれない。

あと20分追加してみる、同じように計量してみると、今度は91グラムと83グラム。また1グラム減っている。
こんな手軽に2グラムも減量できるとは。もしかしたら、あと2時間ぐらい続けたら、新品のときのような打球感を取り戻せるかもしれない。

しかし、私は用具に対してそれほど探求熱心ではないので、ここまでとしておく。
読者の中には用具に対して並々ならぬ情熱をお持ちの方もいらっしゃるかと思われる。そういう方がもっと徹底した調査レポートを報告してくれることを期待している。


読者のぴーろんさんからヤサカの卓球マシン「Y-M-40α」のレビューをご投稿いただいた。
ぴーろんさんは以前「アイポン・プロ」の詳細なレビューもご投稿いただいている。

このアイポン・プロは十分に役目を果たし、使用不能となったため、このたび、新たにY-M-40αを購入なさって、その2時間×3回の使用感を送っていただいたわけである。




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ヤサカのサイト
によると、以下のスペックである。ダブルローラーで収集ネット付きで実売5万前後である。私にとっては大きな買い物だが、このスペックを考えれば、リーズナブルである。家庭に卓球台がある方や、基本的な技術を習得中の方には特に有益だと思われる。

  • ●サイズ:31×31×39(cm)

●本体重量:3kg
●ダブルローラー搭載
●固定モード(1コースに固定)
●切替モード(フォア・バック切替)
●3 コースへのランダム送球機能
●5 段階ずつ上下回転量
●8 段階のピッチ調整
●ボール収集ネット

卓球王国の動画でも紹介されていた。


しかし、この動画で使われているのは前モデルのY-M-40では?

『卓球王国』で渡辺貴史氏の「マシン練習法のトリセツ」という連載が現在、連載中であり、卓球マシンを使った練習に注目が集まっている。また、値段もこなれてきており、今まで公共物というイメージの強かった卓球マシンが個人の手の届くものになりつつある。

以下、ぴーろんさんのレビューである。

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アイポン・プロの顛末は「【寄稿】アイポン・プロ レビュー」に掲載していただいておりますので割愛させていただきます。

 

卓球マシンの価格、性能、予算などを比較検討した結果、ヤサカの「Y-M-40α」をジャスポにて約5万円で購入しました。購入の目的は自分一人での練習がメインです。3回使用した感想や気が付いた点を紹介します。

アイポンとの比較が多くなりますが、私はアイポンしか使ったことがありませんし、ターゲットとされる購入者の重なりも大きいかと思い、適宜比較してみました。



◎購入に至った動機

他の同価格帯のマシンと比べると横回転が出せない、価格が高い、ふり幅が一定などのマイナス面がありましたが、設置が簡単という集球ネットが付属していることや本機を使用した練習動画があったことで、より理解が深まったこともあり、本機Y-M-40αの購入を決定しました。アイポンと同じくツーローラーだからできるはず、との思い込みがあったため、ナックルが出せないのは使用してみてわかりました。


 

◎できること、できないこと

1)上回転、下回転それぞれ1から5段階の強弱が\選択可能(作動中でも変更可能)。横回転はできません。
 

2)ナックルはできないようです(アイポンは上、下回転は独立して無段階で設定可能でしたが、本機は上下回転同時設定はできないようです)。
 

3)フォア(F)、ミドル(M)、バック(B)のどこか1コース固定で送球可能(作動中でも変更可能)。
 

4FBに一本ずつ送球可能(FBへ二本ずつや、FMBMFはできない。FBの一種類だけ)。送球ピッチに連動して首振りも行います。
 

5FMB3コースにランダム送球可能(アイポンは首ふりの速さと送球ピッチによりランダム送球となりますが、本機は3コースに固定してランダムとなります)。送球ピッチに連動して首振りも行います。
 

6)サービス(相手コートに第一バウンドさせ、自分コートに第二バウンドさせる)はできません。アイポンは本体を傾けることでできましたが、本機でも試したところ、ランダム送球(首ふり)はできましたが、第一バウンド後のボールがネットを越えませんでした。今後、試行を継続してみます。
 

7)一分間に3570球送球選択可能(取説より引用)
 

8)電池では動作しません。
 

9)本体はリモコン(赤外線通信?)で操作します。リモコンは電池式(単3 2本 付属)です。
 

10)ボールは約90球貯留(計数していません。この情報はネットの広告から引用)

  

◎気が付いたことなど

11)簡単に組立、設置できる集球ネットが付属しています。落ち口をあけておいてもスムーズにボールは落ちません。アイポン用に購入したものがありましたが、粗悪品で部品点数も多く、重たいものでした。集球ネットの更新も本機購入の動機の一つでした。
 

12)アイポンには無かった、本体内部にボールが詰まったときなどの取出し口が設けられています。
 

133回使用しましたが球詰まりや重送はありませんでした。空送球もほとんど無く、貯留しているボールも最後の1個まで送球してくれます。発射までの球送り機構などはアイポンと同じですが、アイポンにはない、使いやすさへの追求心が見て取れました。
 

14)アイポンと同じように、ボール貯留用と本体下部用に漏斗状の部品があり、本体に取り付けて使用します。見た目ではあまり違いがなく、どちらでも取付けできますが、下部用には滑り止めがついているのでわかります。4つの爪で取り付けますが、アイポンでは1つの爪が取れてしまったので同じようにならないか心配です。
 

15)交換用のヒューズや工具、板厚の薄い台に集球ネットを取付けるためのアタッチメント(ゴム板)も付属しています。このあたり、日本メーカーの気遣いを感じますがヒューズの位置や交換方法については説明書に記載がありません。残念!ちなみに本体ラベルにはmade in Chinaとあります。
 

16)リモコン操作は簡単です。本体には操作盤やスイッチなどはありません。よってリモコンは必須なので、替えの電池もあった方がよいでしょう。だが、リモコン自体の電源入切のスイッチ等はないようです。入切の方法や電池での使用可能時間をメールでメーカー(ヤサカ)に問い合わせしましたが回答をいただいていませんので、電池の抜差しで対応しています。面倒です。裏にリセットボタンがついています。このことも説明書には説明がありません。残念!
 

17Y-M-40時代の名残りなのか、本体には棒状の足を差すところが残っています。ジオ○グを思い出しました。残念!というかよくそのまま商品として出荷を決断したなという感じです。使用にあたっては問題ないですが。
 

18)購入から1年間のメーカー無料修理保証がついています。
 

19)電池を入れた時のリモコン初期値はM固定モードです。貯留部、下部を本体に取り付け台の中央に置き、本体スタートをするとまず、なにやら動作状況を自己判定し、その後、送球が始まります。送球が自コート中央(M)となるように本体の角度を調整します。その後、固定のコース指定、ランダム、プログラム(FB切替)などを選択すると、ちょうどよい振り幅となります。相手(ヤサカを置く)側のフォア寄り、バック寄りに置く場合もほぼ同様の調整で簡単に行えます。

 

 

◎使用した感想

モーター性能やローラーの材質の違いなのか、アイポンに比べボールの回転量は上限が低く感じますし、上下回転の同時設定ができないからなのかは判りませんが、ボールの質というか打感も軽い感じがしました。

基本中の基本であるFBへの切り替え練習ができるのがうれしいです。また、ランダム機能はアイポンにはなかった機能です。より実戦に近く、試合でも使える技術や意識の習得に有用となるものと感じました。

アイポンとは見た目が同じことやツーローラーであること以外は別物だと感じました。

 

◎まとめ

アイポンが劣っているのではなく、それぞれに長所、短所があります。使用する人の意識や練習方法次第では有用にも無用にもなるのはアイポンも本機も他のどのマシンでも同じでしょう。世間には20万円もする高級マシンもありますが、個人で20万円のマシンを買うのであれば時給1000円で大学生にコーチを依頼した方がいいかもしれません。教室に入るのも手でしょう。5万円が高いか安いか、これからの練習時の意識次第という気持ちを持って頑張ろうと思います。

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以上が、ぴーろんさんのレビューである。
本体での操作ができないというのがちょっと不安である。リモコンの電池が切れたら、せっかく練習場にマシンを持っていっても動かないということになるのだろうか?
個人的に最も気になるのは耐久性である。10年も20年も持つとは思えないが、5年は故障なしでもってほしい。小さな故障でメーカーに送ったり、修理代が万単位になったりするのでは、この機種のコストパフォーマンスの高さが解消されてしまう。ぴーろんさんの追跡レビューを期待している。

拙ブログでは読者に広く有益な情報・意見を求めている。
用具レビュー以外にも、技術論、戦術論など、多くの読者に有益な投稿をお待ちしている。
技術論というと、身構えてしまう人もいるかもしれないが、拙ブログの想定読者は全国レベルのプレーヤーではなく、市井の万年中級者である。 「私は高校生の時に関東大会に出て一回戦負けのレベルだから…」などと遠慮なさる方もいるかもしれないが、地方大会に出場経験があるというのは、私から見れば立派な上級者である。このブログをご覧になる方の大半は、おそらく学生時代に県大会に出られなかったというレベルだと思われる。そういう読者にとって有益な技術論・戦術論も、用具レビューと合わせてご投稿いただけたらさいわいである。

【追記】 161105
Y-M-40αの集球ネットの使い具合についてぴーろんさんに問い合わせたところ、アイポンのものよりもずっとよく、使いやすいが、アイポンのネット同様、ボールの流れが悪く、穴に落ちにくいとの回答を得た。

 

9月はビデオカメラが安くなるんだそうである。
10月は運動会を撮るために一年で最もビデオカメラが売れる時期だそうで、この時期に新規購入・買い替え需要が起こり、新製品の投入があり、旧モデルの安売りが始まるらしい。

前記事でもビデオカメラを取り上げた(前記事「卓球人のためのビデオカメラの選び方」)が、9月を控えた今、改めてビデオカメラについて考えてみたい。
なお、私はこういう分野に疎く、画質や音声の良さとか、性能的なことはよく分からないので、詳しい人に確認してから購入することをお勧めしたい。

家庭用ビデオカメラは大きく分けると3種類あるようだ。

A:4K動画が撮れる上級モデル。
B:1080Pまでの標準的なハイビジョン動画が撮れるモデル。
C:アクションカメラ

Aの4K動画はハイビジョン動画と比べて4倍の解像度というから、データ量が膨大になる。また、4K画質が映せるテレビやPCのモニターはまだあまり普及していない。将来的に4Kテレビが普及した時のために購入するという手もあるが、自分の試合などを撮影するのにそれほどのスペックが必要か疑問である。
HC-VX980M
パナソニックのHC-VX980M。

今、6万弱で買える。コストパフォーマンスが非常に高いので人気がある。

Cのアクションカメラというのは非常に小型で、振動やホコリに強く、自転車に取り付けたり、ダイビングのときに自分の手や頭に取り付けて、自分の視点で撮影するという用途らしい。スポーツをするときや旅行に行った時、自分の視点で撮ることができる。ただ、レンズが非常に広角で、固定して撮影する卓球撮影にはあまり適していない。

GoPro HERO4
 GoPro HERO4 5万円強。

というわけで通常のBのハイビジョン画質のビデオカメラが最も卓球撮影に適していると考えている。

ビデオカメラはソニー、パナソニック、ビクター、キヤノンから出ているが、前三者がシェアの大半を占めているらしい。普通はソニーかパナソニックかというところだが、ビクターはバッテリーの容量が大きく、2時間半以上連続録画できるらしい。また、衝撃にも強いという。卓球撮影用としてはなかなか魅力的である。

Everio GZ-R300
Everio GZ-R300 3万円強。

カタログスペックでは撮影時間が310 分!5時間!
しかしこのモデルはMP4では記録できず、AVCHDのみだという。また1080Pの60フレーム/秒にも対応していないらしい(上位モデルはどちらも対応)。MP4に対応していないということは、youtubeにアップロードするときに、パソコンでMP4に変換するという一手間が必要になってくる。また60フレームに対応していないので、やや滑らかさに難があるか。

ソニーのHDR-CX675という機種が今、最も売れているようである。
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価格は5万弱ぐらい。
空間光学手ブレ補正という機能が売りのようだが、三脚で固定して室内で撮る卓球撮影にはあまり必要ないだろう。
録画モードがAVCHD画質:1920×1080/60p(PS), 24p(FX,FH), 60i(FX,FH)とMP4 : 1280×720 30pというのがいい。
USB端子から充電が可能ということなので、汎用品のモバイルバッテリーで充電できるようだ。ただ、付属のバッテリーが切れた時、モバイルバッテリーで給電しながら撮影することができない。ソニーの人に聞いたので間違いない。以下、メールでのやりとり。
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最後に本体のバッテリーが切れた時に、
汎用のモバイルバッテリーで給電しながら
撮影することはできるでしょうか。

●「HDR-CX485」HDR-CX675」

給電しながら撮影する事はできません。

ご期待にそえず、誠に申し訳ございませんが
何とぞご了承願います。
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HDR-CX485

卓球には手ブレ補正は関係ないので、下位機種のHDR-CX485もいいかもしれない。
ただ、値段は上位機種とあまり変わらず、5万弱。

あと、ソニーのカメラはパナソニックと比べて、本体液晶画面が少し大きいのがうれしい。
HDR-CX485は重さが195gだが、上位機種のHDR-CX675は重さが305gとやや重いのが難点。


一方パナソニックのHC-V360Mは上のソニーのモデルよりは安価なモデルだが、卓球撮影のための機能は十分だと思われる。
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価格は4万弱ぐらい。
録画モードは1080/60p:1920×1080/60p、PH/HA/HG/HE:1920×1080/60i、MP4/720p:1280×720/30pとなっており、ソニー製品とあまり変わらない。MTSファイル1080Pの60フレーム/秒とMP4ファイル720Pの30フレームがあれば十分である。720Pの60フレームというのが最も使い勝手が良さそうな気もするが。

本体の重さがわずか213gというのがすばらしい。ポケットに入るぐらいの小ささである。
ただ、このモデル(内蔵メモリを増やしたHC-V480Mも)は現在生産終了で、10月ぐらいに新しいモデルが出る予定だが、熊本の地震で部品供給が滞っているらしく、後継モデルが予定通り発売されるか分からない。
パナソニックのビデオカメラのすばらしいところはPSPのACアダプターが流用でき、給電しながら撮影できる点である。さらにPSP用のUSB変換ケーブルを使えば、モバイルバッテリーを使って撮影できる。HC-V360Mに付属のバッテリーは容量が小さく、カタログ値では125分である。ソニーのHDR-CX675はもう少し大きく、カタログ値が150分である。パナソニックのカメラはこのバッテリーという弱点があるのだが、上の方法でその弱点は解消される。

PSPケーブル

USB充電ケーブル。300円ほど。

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アマゾンで一番売れているモバイルバッテリー。3000円ほど。
使ったことはないが、上のUSBケーブルでビデオカメラと繋げば、長時間の録画が可能になる?

【結論】
ビクター、ソニー、パナソニック、どれも卓球撮影に適しており、価格も4万~5万でリーズナブルである。
発色の美しさや手ぶれ補正といった点は卓球撮影にはあまり必要ない。必要最低限の機能と、バッテリーの持ちの良さを考えると、私はパナソニックの低価格機がいいかなと思うが、ビクターのバッテリーの容量と対衝撃性、ソニーのブランドは魅力的だ。

【追記】180501
私はパナソニックの安いカメラを2台使ってきたが、どちらのカメラも1年ほど経つと、急にオートフォーカスが誤作動し、10分ほど連続で撮影すると、画質がボケボケになってしまうというトラブルに見舞われた。ネットで解決策を探してみたが、ダメだった。
おそらく屋外で使う分には問題ないのだろうが、卓球の撮影のような体育館内での撮影はセンサーが高性能でないとオートフォーカスが誤作動するようだ。
解決法としてマニュアルでピントを固定するという方法が最も確実だが、パナソニックの安いカメラはマニュアルの使い勝手が悪い。タッチパネルで操作するので細かい操作がむずかしいし、ピントが上手く合わせられない。卓球の動画撮影にはマニュアルの使い勝手の良さという要素も考慮したほうがいいと思われる。


【追記】1800918
ピントが合わない、ボケるという問題は、もしかしたらレンズに気づかないような汚れがついていたからかもしれない。レンズを拭いてオートフォーカスがまともに機能するようになったことがあった。

久しぶりに卓球用具代用考のネタが集まったので、公開したい。

卓球用具代用考というのは、卓球用具以外のものを卓球用具として使ってみようという企画である。

前記事「卓球用具代用考(ボールケース)」では、ボールケースの決定版が見つからずに先送りしたわけだが、今回、メガネ屋でちょうどいいケースを見かけたので試してみたところ、非常にフィットしたので、紹介したい。

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名古屋眼鏡 ウレタン セミハードケース 520円(ネットで買ったわけではないが、たぶんこの製品だと思う)

あまり安くないのと、フックがすぐ壊れるとレビューにあるのが気になるが、使い勝手はなかなかいい。

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ラージボールを4個入れると少しはみ出すが、

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ファスナーを閉めると、ちょうど収まった。硬式のボールならちょうど4個入る。眼鏡を保護するものなので、耐衝撃性は高い。

筆入れも試してみたいが、筆入れにはハードケースでちょうどいいものが見つからなかった。

卓球のボールケースは私はハードケースじゃないと不安である。ハードケースのボールケースはあまり多くない。
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TSP 2個入れ 800円ぐらい



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ヨーラ 3個入れ 800円ぐらい


ハードケースのボールケースは高すぎると思う。私はラージと硬式のどちらも2個ずつ入れたいので、4個入るこのメガネケースはリーズナブルでお勧めである。

もう一つ、シューズバッグでいいものはないか。

ラケットケースとシューズとタオル、着替え、水、食料、その他もろもろを入れると、カバンがいっぱいになる。シューズだけでも外に出せたらと思ってシューズバッグを買ってみたのだが、けっこうかさばるし、通気性が悪く、練習後の汗で湿ったシューズを入れるのがためらわれる。そこでもっといいものがないか探してみた。

mizuno shuzu
ミズノのシューズバッグ。デザインはなかなかいいが、ポリエステル製と記されているので、通気性はあまり期待できない。しかも値段が高い。1200円ほど。

stiga shuzu
スティガ シューズバッグ 2800円!高い!

こういうしっかりしたバッグではなく、もっと安価なもので私には十分である。

shuzu
BLシューズ袋。400円ほど。ナイロン製ということなので、通気性に不安を感じる。


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無印良品 布製マイバッグA4サイズ 200円。

よく考えてみたら、うちにたくさんある布製の買い物バッグで十分ではないか。布製だから通気性もいいし。

というわけで、シューズバッグの代用品としては買い物バッグが最適という結論に達した。

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本題には関係ないが、最近、「 アニメの画像をアップすると近い構図の水谷隼の画像が送られてくる」というツイートが流行っているらしい。なかなかおもしろかったので、紹介したい。水谷選手は日本中でいじられていて、一躍、時の人となった。喜ばしい限りである。

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今、「卓球屋」でセールをやっている。
バタフライやヤサカ、アシックスやミズノ等を除いて4割引だそうだ。
いろいろ見てみてスティガのインテンシティーNCTが目に止まった。
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う~ん、グリップのデザインが好みだ。昔使っていたヨハンソンにそっくりだ。

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でもお高いんでしょう?
いえいえ10692(税込)円ですよ。

1万円のラケットというのが不思議と安く感じる。最近のラケットは実売1万以上のものがポンポン出てくるからだろう。

う~んどうしよう。

「欲しい欲しい」という気持ちを引きずりながら何年も自分をごまかすよりも、思い切って買ってしまったほうが精神衛生にもいいのではないだろうか。たとえ自分ごのみの打球感でなかったとしても、いつまでも恋恋と所有したいという気持ちを抱えていくよりはマシだ。

とはいうものの、今の自分の用具に特に不満があるわけではない。というより結構気に入っている。使い続けていくとだんだん手に馴染んでくる気がする。最近はグリップの感触が分かるようになってきた。

今まで自分がラケットのどの辺に力を入れるかをほとんど意識していなかったのだが、最近は人差し指の根本、中手骨の辺りに力を入れるとグリップと当たって気持ち良いことに気づいた。

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赤く塗りつぶした辺り

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上の写真のようにペンホルダーのグリップのちょうど中間辺りの一点に力を入れると手首が自然に使え、打ちやすく感じる。長年?同じラケットを使っていると、今まで意識したことのない、グリップと手の接触する部分に意識が行くようになる。それも接触するすべての部分ではなく、とりわけ一点に意識が集中するようになった。

よく打球時に手に力を入れるといいと言われるが、手という漠然とした部分ではなく、手のどこに力を入れればいいのだろうか?ラケットに手が馴染んでくると、そういう細かい部分まで気になってくる。

グリップだけだろうか?

スイングをする場合はどこに力を入れているのだろうか?上半身全体でスイングするのがいいとはいうものの、上半身の中の、それを代表する一点があるのではないだろうか。自分でフォアハンドの素振りをして確認してみると、左の肩甲骨の下あたりの脇腹に力を入れているかなぁと思う。

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下半身はどうだろう?
右の鼠径部の辺りだと思う。
鼠径部29

足はどうだろうか?
やっぱり拇指球の辺りだろうか。
拇指球

このように身体のパーツごとに力を入れる一点というのを意識できればより敏捷に効率よく身体を使えるようになるのではないだろうか。ただし、これはまったく根拠のない私の思い込みである。

ということを考えているうちに、新しいラケットを買いたいという欲望がだんだん薄れてきた。

今回も危ないところだったが、なんとか用具購入の誘惑を退けることができた。
長々と綴ってきたが、結局あまり意味のない駄文となってしまった。
インテンシティーNCTのレビューなどを期待していた方には申し訳ない。

結論としては、用具が欲しくなったときは、上達のためにいろいろ想像をめぐらしてみるのが有効なのである。

自分の試合や練習などをビデオに撮って改めて見なおしてみると、いろいろな発見がある。

「スイングする時、ラケットが下から出過ぎている」
「3球目をいつも同じコースに打ってしまう」
「打点が遅い」
等々

また、全国大会や国際試合を観戦に行った時、ただ観るだけでなく、一流選手のプレーをカメラに収めて、後で見返して思い出にひたったり、自分の卓球の参考にすることもできる。

ビデオカメラは練習時間がすくない社会人の卓球ライフを充実させてくれるに違いない。

昔のHi8やDVのビデオカメラは10万近くしたが、今や3万程度でフルハイビジョン1080P、一秒あたり60フレームの高画質なカメラが買えてしまう。これを買わない手はない。

私は機械には疎く、カメラのこともよく分からない。こういうものにもっと詳しい方がいらっしゃれば、ぜひコメント欄などでご教示いただきたい。

以下に私の経験からビデオカメラに求められるポイントを挙げてみたいと思う。

1.バッテリー容量
2.光学ズーム
3.記録モード

まず、1のバッテリー容量についてだが、2時間の連続録画に耐えられる程度はほしい。社会人の練習は多くの場合90~120分ほどだからである。
予備バッテリーを購入するという手もあるが、1万近くする場合が多い。
最近はUSB充電ができる機種というのもある。それで、市販のスマートフォン用のモバイルバッテリーをつないで充電するという手もあるが、USB充電しながら撮影できなければ意味がない。バッテリーが途中で切れて、USB充電しようとしても、充電している間に練習が終わってしまう。その点、パナソニックのビデオカメラはアドバンテージがある。PSP用の充電器が使えるのだ。そこでPSPとUSBの変換ケーブル(100均で買えるらしい)を利用すれば、スマートフォン用のモバイルバッテリーをつなぐことができ、給電(バッテリーの充電ではなく、外部電源で動作)しながら撮影ができるらしいのだ(ただしネットでの情報にすぎないので、未確認)。これなら大きな大会で何試合も撮影できる。
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今、一番売れているビデオカメラ HC-V360M 3万円ほど。

次に2の光学ズームだが、大きな会場(例えば千駄ヶ谷の東京体育館)で撮影するなら20倍程度の光学ズームがほしい。私が撮影した動画(前記事「東京選手権2016雑感」)は16倍程度の光学ズームだったので、やや物足りなさを感じた。ただ、倍率が高すぎると、画面も暗くなるだろうから、あまり倍率が高くても意味がないかもしれない。

そして3の記録モードだが、1080Pの60iという記録モードはぜひほしい。1秒あたり30フレームと60フレームでは滑らかさが全然違う。ただ、ふだんの練習などはそんなに高画質の動画は必要ないので、DVDサイズの480P、30フレームという低画質モードもほしいところだ(縦のサイズが720P、480P、360Pのモードがあれば、youtubeにアップしやすい)。

その他に記憶容量の問題もあるが、これは最近のカメラならSDカードが挿せるので、32GBのカードを挿せば、容量はほとんど問題にならない。
また、卓球は屋内で行われるので、画面の明るさというのが求められるが、これはカタログからは分かりにくく、アマゾンや価格コムなどのサイトで実際に使っている人の感想などをチェックするのがいいだろう。
それから、私は持っていないが、BDレコーダーなどを持っている人にとっては、撮った動画をレコーダーに保存したいという人もいるかもしれない。動画が保存されたSDカードを差し込むだけでレコーダーに保存できるなら、それの可否もチェックしておいたほうがいいだろう。

こういうことを勘案して選ぶと、パナソニックの低価格の機種がよさそうだ。

またコンパクトで1メートルぐらいまで伸びる三脚もほしいところ。

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HAKUBA 8段三脚 コンパクト L-エイト 3000円ほど。1メートルぐらい伸びるらしい。

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ベルボン キューブ。4000円ほど。こちらも1メートルほど伸びる。

低価格のビデオカメラは300~400グラム程度しかないので、華奢な三脚でも十分だと思われる。できれば1500ミリぐらいまで伸びる製品だと実際のプレーの目線に近くて、よりいいと思われる。




田舎の古い体育館とか、小学校などで試合をすると、カウンタ(得点板)がボロボロで、使いづらい。

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先日の地域の大会も、そうだったのだが、点数のカードの穴が破れたのを、さらにガムテープか何かで補修して使っているのだが、非常に使いにくい。さらに、ひどいのになると、「0」とか「1」とかが失われていて、カウントが「2」から始まっていたりする。
私が子供の頃から数十年この不便さは変わっていない。たしかに得点カードがプラスチック製になったり、上のカウンタのようにリングの数が増えたり、あるいは下のカウンタのようにリングが幅広くなっていたりするが、あまり根本的な解決になっていない。耐久性が低く、すぐ破れる。
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先日、地域の体育館で卓球台を出そうと思って用具室をウロウロしていたら、

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バレーボールの得点板を見つけた。この得点の部分はビニールと布を足して2で割ったような材質でできていて、しっかりしている。何度めくっても破れる心配がなさそうだ。卓球のカウンタもこんなしくみにしたらいいのに。

100均のフォトアルバムを改造して、手作りしている人もいた。
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このタイプのカウンタなら、耐久性が従来のものに数倍するし、めくりやすい。
卓球メーカーがこの布タイプのカウンタを出してくれないなら、カネヤとか、トーエーライトが出してくれればいいのにと思う。

 と思ったら、どちらの会社からも卓球用が発売されていた。
カウンタ

卓球用カウンタ(トーエーライト)

これから得点板の購入を検討されている自治体・学校関係者のみなさん、卓球メーカーのカウンタよりも、こちらのほうが値打ちありますよ!
 

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