毎日のように練習できる学生と違って、社会人は週に2回ほどしか練習できないため、前週の感覚や発見したことを忘れてしまい、翌週の練習が終わる間際に「そういえば、先週の練習でこんなことを考えてたなぁ」などと思い出すことも珍しくない。これでは3歩進んで2歩下がる的な、ゆっくりした上達しか望めない。もし練習動画を撮っておいて、次の練習までスキマ時間に繰り返し見直していれば、練習中の発見を忘れることもないし、自分の新たな課題にも気づくことができる。卓球ノート代わりになる。自撮り練習動画には利点がたくさんある。
自撮りにはビデオカメラが必要である。最近のケータイはビデオカメラ顔負けの素晴らしい画質で動画が撮れるらしい。1080PのFHD動画は言うまでもなく、4K動画や、8K動画まで撮れる機種もあるらしい。しかし、2時間の練習時間を4Kや8Kで撮影したら、どれほどのデータ量になるのだろうか?バッテリーは持つのだろうか?ケータイよりもGoProに代表されるアクションカメラのほうが長時間の練習動画の撮影には適していると思われる。
ただし、Goproは安くても4万円はするので、アマゾンで5000円ほどで買える模倣品のほうが手を出しやすいだろう。
私も以前APEMANというブランドの1万円ほどのGoPro模倣アクションカメラを購入したことがあるのだが、そこには4K、120fpsというすごいスペックが記されており、「こんな高画質のビデオカメラがたったの1万円で買えるのか!?」とびっくりした覚えがある。しかし、実際に使ってみると、音声はほとんど入らないわ、室内の撮影では画面が暗すぎるわで、全く使えなかった。Go Proの模倣品はスペックは立派だが、内容は酷いものもあると知った。しかしせっかく買ったので、4K動画を撮ってみたのだが、データ量が多すぎて実用的ではなかった。ネットで調べると、フレームレートやビットレート等の条件によってデータ量は変わるものの、4K動画を1時間撮影したら30~50GBぐらいメモリを消費するらしい(私が学生時代のPCのHDD容量なんて30MBだったのに!)。こんな高画質の動画ではSDカードがすぐにいっぱいになってしまう。高画質動画は自撮り動画には無用の長物である。
練習撮影にはできるだけ低画質の動画が撮れるカメラが望ましい。個人的には4Kに対応していないほうがいいと思う。低画質に対応していないからである。1280×720以下の動画が撮れるカメラがよいだろう。720Pで30fpsなら、1時間撮影しても3~4GBほどで済む。だが最近の1万円以下のビデオカメラを探してみると、最低画質が720Pで60fpsや1080Pで30fpsというものばかりである。私の求めるより低画質(720Pで30fps、480Pで30fps)のビデオカメラは消えつつある。ちなみに480Pで30fpsというのはDVDぐらいの画質である。
安価なビデオカメラは発色や音声に難のある場合もある。上に挙げたAPEMANのカメラ以外にもMUSONというブランドのカメラを買ってみたところ、発色が微妙だった。黄色味が強すぎるのである。Crosstourというブランドのカメラは概ね満足の行く性能だったが、倒産してしまったのか、現在amazonでは取り扱いがないようだ。
5000円ほどで手に入る安価なビデオカメラを購入する際には実際のサンプル動画(室内での撮影)などを確認することが必須である。
【追記】
私が実際に室内での撮影をしてみた3機種についてコメントしたい。CT-7000とC1は実用性が十分ある。ただ、どれも現在は中古でしか入手できない。
crosstour CT-7000
良い点:低画質が充実。480Pの撮影もでき、音声入力も良好。発色も問題ない。10分以上の連続撮影も可能。オンラインミーティング用のカメラとしても使える。
悪い点:なし
crosstour CT-8500
良い点:オンラインミーティング用のカメラとしても使える。撮影モードが選べる(「蛍光灯」など)。
悪い点:最低画質が720Pの120fpsか、1080Pの30fpsで、データ量が大きくなりがち。画面が暗く、発色が悪い。全体的にぼんやりしている。室内での画質はCT-7000にはるかに及ばない。音がほとんど入らない。外部マイクもあるが、通常のサイズではなく、イヤホンジャック2.5mmという特殊なサイズなので、使いにくい。
MUSON C1
良い点:音が大きく入る。画面も明るい。
悪い点:室内では発色がやや悪い(黄色っぽくなる)。最低画質が720Pの60fpsなので、データ量が大きくなりがち。約10分でファイルが切れる。11分の動画を撮ろうと思ったら、10分+1分の動画に分割される。