しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




卓球

当ブログでは皆様からの寄稿を募集しております。卓球について意味のある主張を発表したい方はshirono.tatsumi◯gmail.comまで原稿をお寄せください。

コメントについて:
コメント欄は他の読者が読んで意味のある情報交換の場としてご利用ください。当ブログの方針(察してください)に沿ったご意見は公開します。返信しにくい場合は公開のみとさせていただきます。指導者ではないので、技術的な質問には答えられません。中傷等は論外です。なお、メールアドレスは公開されません。

日ごろは何とも覚えぬラケットが… ――ランニングから学ぶ

久しぶりの練習は、案の定、例の練習とはかなり違ったものだった。

ラケットってこんなにずっしりと重かったっけ?185gぐらいだったと思うが、スイングすると、なんだか腕が引っ張られるような感じだ。

アッ痛!なんだこれは思い切りスイングすると腕が痛い。

そうなのである。ここ1ヶ月、運動らしい運動をしていないために筋肉だか、筋だか分からないが、硬化しているのを感じていたのである。腕を真っ直ぐ上に伸ばすと痛い。シャツを着たり、脱いだりすると痛い。これが噂の五十肩というやつか。

ドライブを打ってもボールがちっとも走らない。全力のドライブが、「ギュン!」ではなく「ポワ~ン」という感じなのである。これでは攻撃というより、つなぎである。

しかし、これはこれでおもしろい。

女性がドライブではなく、ミート打ちを多用する理由を身を以て知った気がする。適度に下回転のかかったチャンスボールを弱いインパクトで「ポワ~ン」とドライブするのではなく、「バシッ」とミートしたほうが断然楽で、威力もある。あるいはドライブを打つにしても、柔らかいラバーでないと、しっかりボールが食い込まない。フォア面を柔らかいラバーに替えてみるというのもおもしろそうだ。

今までは「ドライブのボールが軽い」などと言われると、罪悪感を感じてしまい、硬いラバーに替えて全身の力を一点に集中して打たなければならないという強迫観念のようなものを感じていたが、中年にはそんなドライブは無理なのである。

「ドライブが軽くたっていいじゃないか。別に全国大会とかに出るわけでもあるまいし。」

そういう執着がなくなると、気分も軽くなる。柔らかいラバーでドライブはつなぎでもいいと割り切ると、不思議と足の動きが良くなってくる。特に私の苦手な前後の動きが良くなってきたのである。おそらく今までドライブの威力を優先していた結果、そこに多くのリソースが割かれていて、動きが遅くなっていたのだと思われる。

スイング時に腕が痛くなるというのは、おそらくこういうことなのだ。
スイング弧線

スイングの描く弧線が
大きく、直線的な場合は腕が痛くなり
小さく、曲線的な場合は腕が痛くならない

腕を伸ばして、腕の力で打とうとすると、体が痛みでブレーキをかけてくれる。こういう機能が身についたというのは、考えようによってはラッキーなのではなかろうか。体幹がうまく使えるようになるための矯正具を内蔵したようなものである。

しかし、ずっとこのままというのもちょっと不安である。少し体を鍛えて筋力を補強したほうがいいのかもしれない。ちょっとランニングでもしてみようかな。初めから何キロも走るのは無理だから、できる範囲で1キロぐらいから走ってみよう。

晩ごはんを食べて、腹もこなれた頃合いに人通りの少ない道を少し走ってみた。が、わずか200メートルほど走ったところでもう限界である。

無理は禁物だ。走ることに執着してはいけない。ウォーキングに切り替えて、疲労が少し回復したところでもう一度チャレンジである。

だんだん疲労が回復してきたので、もう一度走ってみることにした。ただ、今度はやみくもに走るのではなく、体の使い方を意識して走ってみよう。疲れにくい走り方というのがきっとあるはずだ(前記事「昔の人はえらかった」)。

お腹に力を入れて走ってみる、腕を大きく振ってみる、姿勢を真っ直ぐにしてみる、腰を回してみる…いろいろ試してみたが、一つ発見があった。脇を締めて走ると疲れにくいのだ。

キシャポッポ
こんな感じでキュッと脇を締めて走ってみる


なんだこれは!楽に体が前に進むぞ!今まで脇を拳一個分空けて走っていたのだが、胸を張って脇をぴっちり締めて、腕を真っ直ぐ前に大きく振ると、腕を振ったエネルギーがほとんど逃げずに体を前方に進めてくれる。

「この感覚はどこかで…そうだ!フォアドライブのときに左半身で壁を作るという動きに似ている。」

脇を締めることで上半身がしっかり固定されブレなくなった。そして下半身は、腰を回すようにして走ってみる…まだ足に力が入っている。足に力を入れるのは一瞬であるはずだ。なぜならドライブで力を入れるのは一瞬で、それ以外のときは脱力しているのがいい、という教えがいろいろな卓球動画で言われているではないか。ドライブのインパクトに比定されるのは、ランニングでは足の接地であるはずだ。接地の瞬間だけ足の力を入れ、それ以外は足が脱力していなければならない。

そんなこんなで今日のランニングを終えた私は、脇を締めるという収穫を得て帰宅し、卓球とランニングの体の使い方の共通性に思いを馳せるのであった。

膾炙練習――「無駄な」練習時間を取り戻す

高校時代に修学旅行で奈良・京都を探訪した。
よく覚えていないのだが、4泊5日ぐらいで東大寺、春日大社、法隆寺、清水寺、金閣寺、銀閣寺などを訪れたような気がする。相当な強行軍であった。
本物の文化などには無縁の高校生だったのでそんなところにいっても「おお、古い!」ぐらいの感想しかない。1箇所、2箇所ぐらいなら物珍しく、楽しめたのだが、次第に飽きてしまい、「毎日毎日寺ばっかり…」などと不満たらたらだった。
今から思うと、先生が「限られた時間でできるだけ効率よく名所を回れるように」「たぶんもう二度と訪れない生徒もいるだろう」と苦心して作ってくださったスケジュールだったのであり、文句をいうなんてとんでもないことなのだが、子供はこんなに密度の濃い時間に耐えられなかったのだ(もちろん、大人になって「清水寺ってあそこか」とすぐにイメージできるのはあの経験のおかげである)。有意義な経験を凝縮しすぎたスケジュールであり、喩えていうなら、レモンを1コ食べるのではなく、レモン50個分のビタミンCのサプリメントを1粒服用するようなものである。吸収しきれるはずがない。

消化不良
そのサプリメント吸収されてません

前記事「卓霊さま」で以前、私は小説嫌いだったと書いたが、なぜ嫌いだったかというと、無駄な情報が多すぎると感じていたからなのである。
ノンフィクションの本は、ふつうは事実やそれを基にした推論によって構成されており、情報の密度が高いのに対して小説というのは、作者の考えた「お話」である。主人公がヒロインに出会っていろいろな経緯があって結ばれ、ハッピーエンドを迎えたといった「お話」は情報としての価値に乏しい。もちろん、その物語の背景にある情報――当時の時代背景とか、物語が扱っている特殊な業界のことが知れるといったことに価値はあるが、登場人物の経験する個々の出来事や、それに伴う喜怒哀楽などにはなんの価値もない、情報量の無駄である…と若い頃は考えていた。

関西で緊急事態宣言が解除され、今週末からようやく卓球ができる環境がポツポツ出てきた。1ヶ月以上ぶりに卓球ができる!しかし、いつもどおりに卓球をするわけには行かない、感覚がだいぶ狂っているのでリハビリが必要なのである。とりあえずワンコースの基本練習だけにとどめておこうとフォア打ち、バック打ち、ワンコース切り替えといった練習に終始したのだが、なんとも充実した時間だった。いつもなら、こういう練習はほどほどにして、youtubeなどで仕入れた新しい技術などを次から次へと試してみたりするのだが、すでにできる技術を丁寧におさらいして、点検してみるといった練習は思ったよりも充実感があった。「もうできる」と思っていても、実際はあまりできていなかったり、パラメータをちょっと変えてみると、パフォーマンスに変化が見られたりと、「すでにできる技術」にもまだまだ練習時間を費やす余地が残っていると感じたのである。

これまでの私の練習に対する態度は

コツ・ポイントを学ぶ→練習で試してみる→できるようになった!

というものだったが、これは本来順序が逆なのではないだろうか。
そもそもコツやポイントというのは練習の積み重ねの中から見いだされるもののはずである。無駄な練習や失敗、勘違いなどを少しずつ修正し、もっとも効率化された技術の粋こそがコツ・ポイントのはずである。
それを、練習したこともない技術なのに、まずコツ・ポイントから学び、それを実践で少し試して「できるようになった!」というのでは「吸収しきれるはずがない」。こんな強行軍で卓球の技術を習得しようとしても、その「できるようになった!」はおそらく錯覚なのである。順序が逆になったとしても、その技術を吸収するには前者の態度と同様、たくさんの間違いを経験し、その間違いを修正するというプロセスが必要なのである。

「こんな基本練習ばっかりやっても時間の無駄だよ」

というのは、毎日飽きるほど練習時間があって、飽きるほど基本練習を繰り返した学生が言うセリフであって、週に1~2回しか練習時間のない私にとっては、単調な基本練習は無駄な練習のように見えて、実際は得るところの多い練習だったのである。


異質への眼差し

卓球ができなくなると、嗜好や考え方も変わってくる。
ふだん、あまり食べたいと思わなかったものを食べてみたくなったり、今まで手に取ることもなかった本を読んでみようかという気になってきたり。

今、無性にペヤングが食べたい。ネットで調べると、「激辛やきそばEND」という製品があるらしい。
ペヤング

さらに「獄激辛やきそば」というのは「激辛やきそばEND」の3倍の辛さだという。
gokugekikara

関西でも売っているのだろうか…。昼にスーパーに行って探してみようかな。

卓球もできないことだし、たまには読書でもしてみよう。しかし、分量の多いのはダメだ。すぐ読めるものがいい。本棚を眺めていて私が手に取ったのは、田辺聖子の『文車日記』だった。

文車

一編が2~3ページでまとめられていて、手軽に読める。どれどれ、どれを読もうかな。
一番軽く読めそうな俳句がいいな。お、蕪村の句なんていいかもしれない。

「御手討(おてう)ちの 夫婦(めをと)なりしを 更衣(ころもがへ)」

どんな意味だ?さっぱり分からない。

この句に対する田辺聖子の解説がまた絶妙である。

江戸時代には旧暦4月1日に町中が衣替えをしたらしい。旧暦の4/1をネットで調べてみると、今年はGWの前あたりだそうだ。

武家方では恋愛は、きついご法度です。もし露顕すれば、不義者として成敗されてしまいます。
でも、若侍と、可憐なお腰元は、いつとなく、恋し合ってしまいました。


お家を乱す不義者と、あたまの固い三太夫はあららかに詰ろうとしますが、やさしい奥方は、かげになり、日向になってかばわれたかもしれません。

奥方はそっとお腰元と若侍を、しるべのもとへ落してやったり、身の立つようにはからい、新生活のはなむけをくださったかもしれません。

とび立つ思いのお腰元と、若侍。本来なら二人重ねてお手討ちになっても文句のないところなのに。希望にみちてお屋敷を出ます。

晴れて二人の人生がはじまります。町は初夏。さわやかな衣更えの季節と同じく、二人もまた、生まれかわったような人生の第一歩なのです。

なるほど。「御手討ちの夫婦なりしを」というのは、「本来なら二人重ねてお手討ちになっても文句のないところなのに。」という意味か。そんな二人が恋のためにすべてを捨てて、優しい奥方様のご配慮で市井で隠れて暮らしている。以前に比べて生活は苦しくなり、慣れない仕事に戸惑ったりもするけれど、二人は全く後悔していない…こんな短い句なのに田辺聖子の想像力で清々しいドラマになっている。

この句にも感心したが、田辺聖子の優しい眼差しにも感心させられた。こういうふうに俳句を鑑賞すれば、今まで気づかなかったことにも想像が働くようになるのだろう。

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私はツブ高に興味もないし、自分でペン粒をやってみようなどとは夢にも思わない。
しかし、この二人の動画を見ると、ペン粒というのがなんだか楽しそうに見えてくる。



WRMのガネ氏とやっすん氏が紹介するDVD「ペン粒高攻守の極意」。
海津富美代

このDVDがとにかくすばらしい内容らしいのである。
私はペン粒に興味はないが、二人が海津富美代氏について興奮しながら語っている様子を見るのが心地よかった。

好きなものについて熱く語っている人を見るのは、たとえ自分がその対象に興味がなくても、楽しいものである。
笑顔
満面の笑みの二人

がね氏「ずっとこのDVDの話ばっかり社長としてた」
がね氏「このDVD見たら、バックでブチ切るのもやるしかねぇ!って…」
やっすん氏「アンチでこのメソッドやったのよ、超切れた!」
がね氏「(ペン粒について新しい情報は)もうこれ以上ないやろ、って…え?こんなに知らんことがまだ自分にあってしまった!みたいな。」



WRM-ツブchというチャンネルが今年になって始まったが、登録者数はまだ3000人弱。しかし、今、このチャンネルはアツい。二人の異質愛が感じられて、見ていて楽しい。

今まで私が卓球動画を見る理由は、自分の技術にどのように役立てるかという視点だけだった。しかし、このツブチャンネルを見ると、自分の卓球に応用できなくても、自分とは違う立場で卓球について語っている動画を見るのも、また楽しいということが分かった。少し卓球に対する視野が広がったかな。


裏面ツブなら敷居が低そうなのでちょっと試してみようかな。

卓球 解釈と鑑賞

前記事「卓球写真コンテスト」で写真の良し悪しというものについて初めて考えてみた。
いい卓球の写真というのはどういうものなのだろうか?
おそらく評価基準は一つではないだろう。たとえば

・選手の個性や感情を表しえているような写真
・場面のドラマや雰囲気を見事に演出している写真
・被写体の美しさ等を存分に表現している写真

こんな基準を考えてみたが、おそらくもっと他の基準もあるに違いない。

世間では絵画の展覧会などに多くの人がつめかけるが、世の絵画好きの人はいったいどういう基準で絵を鑑賞しているのだろう?

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卓球情報サイト「ラリーズ」で非常におもしろいインタビューがあった。
元全日本ダブルスチャンピオンの野平直孝氏が東京で餃子屋さんを経営しているというのだ。

野平直孝氏は、私がちょうど卓球を休んでいたときに活躍していた選手なので、どんな活躍をしていたのか、あまり存じ上げないが、卓球の元トップ選手がどうして餃子屋さん?

記事によると、氏はもともと食に強い関心を持っていて、引退後のセカンドキャリアは飲食店と心に決めていたらしい。そしてラーメン屋で修業をしながらあちこちの評判の店を食べ歩き、自身の店のイメージを膨らませていったのだという。その過程で飲食店の経営というのは意外なことに卓球の経験が活かせる部分が少なくないということに気づくのである。

「… さぞおいしいんだろうなと思ってもつ煮込みを頼むと普通なんですよ(笑)。…『うまいものを作ったら勝てる』ではなく、居心地いいお店を作るほうが料理の味より重要なんじゃないかって気づいたんです」
「これって、卓球と同じですよね。フットワークが良くなければ勝てないわけじゃないし、逆にスマッシュが凄いのに勝てない選手もいる。自分ができることで上手に勝ちを目指すのが卓球です。」



飲食店経営と卓球の戦術の共通性。なんと意外な組み合わせ!野平氏は頭のいい人だなぁと感心させられた。

そういえば…

最近読んだ『ハーバードの日本人論』という本の中でメディア論の先生が黒澤明と小津安二郎について語っていたのを思い出した。

黒澤の映画を、二度、三度と繰り返して見れば、一つひとつのシーンの空気感を伝えるために黒澤が何を企てているかがわかってきます。カメラの使い方、俳優の動きから、風の効果まで、計算しつくされています。
黒澤映画の画面の中に写っているものには、すべて意味があります。どんな小さなものでもです。その一つひとつの意味を学生に伝えると「映画が芸術だというのはこういうことだったのか」「これが映画制作の本質だったのか」と皆、感嘆します。

そうだったのか。黒澤明の映画を見たことがあるけれど、だいたいのストーリーしか見ていなかった。そういえば、同じことが卓球にも言えるのではないか?

トップ選手は決して行きあたりばったりでプレーしない。常に何かを「企てている」し、すべてのショットには意味がある。一見、なにげなく返したレシーブも、実は4球目、6球目のための布石になっていたり、ちょっとしたサービス前のしぐさにも何らかの狙いがあったりするものである(たぶん)

私は卓球のトップ選手の試合を見ると、「ドライブ速い!」などと、派手なところばかりに目が行ってしまう。しかしそれは映画で言うと、「意外なストーリ展開にハラハラドキドキした」というのと同じ視点だろう。それが悪いということではないが、派手な強打だけでなく、ポイントを構成しているラリー全体の一つ一つのショットの意図まで味わわなければもったいない。トップ選手のプレーの1打1打は「計算しつくされて」いて、「すべて意味があ」るのだから。

そう考えてみると、強打がすごい選手の試合よりも、そんなに速いボールを打っているわけではないのになぜか強い加藤美憂選手のような選手の試合は鑑賞し甲斐があるだろう(前記事「加藤美優選手の不思議な強さ」)。

今年のGWは自分で卓球ができず、試合動画などを見る機会が多い。これからはトップ選手の決定打の前の台上のやりとりや体の使い方にも注目してみれば、自分のプレーにも何か参考になるかもしれない。

gokui
機会があればこの本を読んでみたい。

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ちなみに小津安二郎は撮影手法の独自性ということで評価されているようである。

小津の映画を初めて見た人は、「これは典型的な日本映画だ」とか「とても日本的な映画だ」と思うでしょう。…しかしながら映画の表現方法という点から見ると、彼の作品は決して「日本的」ではありません。

おそらく世界中探しても、小津と同じような手法を使っている映画監督はいないと思います。…俳優を正面から撮影したバストショットがたくさん出てくることに気づくでしょう。俳優の視線はカメラ目線ではなく、微妙にずれたところにあり、会話の相手を見ているのか、どこを見ているのかさっぱり分かりません。このような撮影方法は小津映画独自のものです。


卓球情報過多

日本中で卓球ができなくなってかえって(だからこそ?)youtubeの卓球動画が充実してきたのは喜ばしいことである。

平岡義博氏の技術理論動画シリーズなどは、「こんなの無料で公開しちゃっていいの?」という感じで非常に勉強になった。


最近の卓球ユーチューバーは親切すぎるんじゃないかと思う。もっと自身の理論や技術を出し惜しみしてビジネスに結び付ければいいと思うのに、無料で何でも公開してしまうから、DVDやら雑誌やらを買わなくてもyoutubeで事足りてしまう。それどころか市販のDVDよりも内容の濃い無料youtube動画も少なくない(岡田崚選手の技術動画とか)

今や卓球の理論・技術情報は供給過剰状態で、情報の価値はダダ下がりである。ちょっと疑問に思うことがあれば、毎日のように行われている卓球ユーチューバーの「質問ライブ」とかで聞けばいいのだから。今や卓球情報の価値はタダに近づいていると言えないだろうか?

これは拙ブログの方向性にも関係することで、拙ブログでは、低いレベルながら技術的なことについても考えてきた。卓球という謎を解明するために私なりに上級者のプレーを観察したり、雑誌記事を熟読したりしてきた。たとえばラケットの下の方に当てるとボールが安定する(前記事「スイートエリアを外す」「ボールを当てる位置」)かもしれないなどと私なりに「小悟」したこともあったが、最近はわざわざ頭をひねって考えなくとも、youtubeを見れば、平岡氏の以下の動画の中の「CC理論」で私の小悟したことが、より詳しく、完全な形で公開されているわけである。



これじゃ初めに犯人を知らされてから推理小説を読むようなものである。昨今のように技術・理論の無料動画の質が上がってくると、卓球技術について自分で考える余地がなくなってくる。プロの指導者や上級レベルの選手が非常に高いレベルの「正解」をyoutubeで無料公開してくれるのだから。

このような風潮は、ありがたい反面、自分で卓球の謎を探るという楽しみが失われてきたように思う。情報がタダで手軽に手に入る今日、拙ブログでは何を書けばいいのだろうか。

卓球小説なんかどうだろうか。
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どこにでもいる平凡な女子高生の葵には秘密があった。
それは、いろいろないきさつから、「王子」と呼ばれる高校一のイケメン、卓球部主将のサトシと同居していること。
さらに二人の関係を嫉妬した同じ卓球部員の不良エイジも葵の家に押しかけてきて、3人で同居するハメに…。

LDK2

LDK



こんな小説を誰か文才のある人が書いてくれて、映画化とかされたら、卓球女子人口がググっとアップするはずなんだが…。


卓球写真コンテスト

この1か月、私が一体何をやっていたかというと、慣れないテレワークに悪戦苦闘しながら、仕事のことで頭がいっぱいだった。週末に一息つけると思ったのだが、週末もゆっくりできない。

ほんの隙間時間に私がやっていたことと言えば…

卓球写真コンテストである。頭が疲れた時、フリッカーというサイトで卓球の写真を眺めていた。
写真の見方とか、よくわからないが、私なりに評価が高い写真を以下に紹介していきたい。

koki1番
上の丹羽選手の写真は、飄々としているイメージの丹羽選手がグッと力を込めて打球している瞬間を写したもの。そのギャップがちょっとかっこいい。

kasumi2番
去年のノースアメリカオープンで石川選手が平野選手を破り、オリンピック代表に王手をかけたときのショット。重圧から解放された石川選手の晴れやかな笑顔が印象的である。

liu3番
今ではすっかりベテランの風格が漂っている劉詩文選手。このころはまだ若々しい。東京オリンピックでは念願の金メダルなるか。伊藤選手と劉選手の決勝戦を見てみたい。

HARTBRICH4番
ハンガリーのHARTBRICH選手。よく知らない選手だが、理屈抜きで美しい。

honoka5番
美しいといえば、橋本帆乃香選手の静かに思考を巡らせているこのシーンも美しい。

ampire6番
チェコオープンの審判の女性も美しい。

MALANINA7番
表情豊かなロシアのMALANINA選手。よく知らないが、カットマンのようだ。

あれ?はじめはちゃんと気に入った理由などをコメントしていたのだが、いつの間にかきれいな女子選手の写真ばかりになってしまった。いかんいかん。仕切り直しである。

LI Hsin-Yu8番
台湾のLI Hsin-Yu選手。この写真は中性的な感じで、躍動感のあってかっこいい。

chuang9番
台湾つながりで。いつまでも衰えない荘智淵選手。地味に強いところがかっこいい。

JANCARIK10番
包容力のありそうなチェコのヤンチャジーク JANCARIK選手。団体戦とかで、苦しいときにチームのピンチを救ってくれそうな頼もしさがある。

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なんだかダラダラと続きそうなので、この辺で終わることにしよう。知っている選手のドラマティックなシーンなら、いろいろ語れるのだが、そういうシーンがあまり見つからなかったので、語れない…。
普段なら、卓球の写真をじっくり眺めるといったことはないが、このような自粛中じゃなかったら、写真を見ようという気は起きなかったにちがいない。卓球の新たな楽しみ方をほんの少し垣間見た気がする。

ショットの強弱の使い分け

調子が悪い時というのは、がんばっても安定しない、入らない。
それでもっと強く、スイングスピードを速くしようとして、ますます不安定になるスパイラルである。

こういう場合に強く打とうとすると、身体のバランスも崩れ、手打ちになってしまい、かえってうまくいかないのは経験的に分かっている。

私の卓球は相手に合わせるか、決めに行くかのどちらからしい。

「しろのさんは、軽く当てるだけの合わせる打ち方か、全力の強打しかないから、その中間ぐらいをふだんづかいにしたほうがいいですよ。」

というアドバイスをもらったことがある。

簡単に言うと、私のショットは弱・強の2つしかないらしい。上級者は力の入れ具合も細かく段階があるのだと思うが、私もせめて「中」を身につけて3段階のショットを使い分けたいものだ。

力の入れ具合を

10~30%:弱
40~60%:中
70~90%:強

のように3段階持っていて、場面によって使い分けることができれば、ずいぶんとミスも減ることだろう。

男子中学生に「僕にテナジー05特厚はまだ早いですか? 扱いきれませんか?」などと質問されることがある(私に質問するぐらいだから、その子の卓球レベルは推して知るべしである)。私は用具のことはよく分からないが、その中学生にとって弾みすぎるのなら、単に力の入れ具合を「弱」とか「中」にすればいいだけの話で、絶好球以外は「強」で振らなければぶっ飛びラバーでも何でもいいんじゃないかなと思う。若いんだし、ラバーに合わせて自分の打ち方を決めていけばいいと思う。

あ、でも、力の入れ具合ではなく、当ての厚さで調整したほうがいいかもしれない。強く振ってもいいけれど、当てを薄くして、シートの表面だけでボールを飛ばせば、弾むラバーでも台に収まるようなボールが打てるかもしれない。

となると、単純に力の入れ具合の3段階だけで全てが割り切れるわけではないということになる。

つまり

力の入れ具合「弱」「中」「強」だけでなく、
当ての厚さ「薄」「中」「厚」というのも考えられるし、
スイングの大きさ「小」「中」「大」というのも考えられる。

フォアドライブを例にとって考えてみると、

力の入れ具合は「弱」、当ての厚さは「中」、スイングの大きさは「大」



力の入れ具合は「中」、当ての厚さは「厚」、スイングの大きさは「小」

というのはだいたい同じものなのだろうか?

…同じじゃない気がする。ショットの軌道も違うだろうから、回転や台との距離によって一方はきれいに入るけれど、他方はミスしてしまうということもありそうだ。また、相手が受けるボールの印象も違うだろう。同じようなスピードのボールだが、あるショットは軽くて回転がかかっておらず、あるショットは思ったより回転がかかっているということもありそうだ。

当初私はショットを力の入れ具合によって3段階に分けて、事足れりと思っていたが、当ての厚さとスイングの大きさという要素を入れると

弱・薄・小 
弱・薄・中 
弱・薄・大

弱・中・小
弱・中・中
弱・中・大

弱・厚・小
弱・厚・中
弱・厚・大

中・薄・小
中・薄・中
中・薄・大

中・中・小
中・中・中
中・中・大

中・厚・小
中・厚・中
中・厚・大

強・薄・小
強・薄・中
強・薄・大

強・中・小
強・中・中
強・中・大

強・厚・小
強・厚・中
強・厚・大

27通りのショットを使い分けるということになる。

さらに打点の早さ(遅・中・早)とか、スイング方向(前・中・上)とかの要素を入れるととんでもないバリエーションになってしまう。

なんという複雑さ。全ての要素を3段階に分けるとするならば、場面に応じて数十、数百ものショットを使い分けなければならないのである。

おおざっぱに考えれば、私は実際にはこのうちの10種類程度のショットしかを打ち分けていないということになるだろうか。ふつうの人は潜在能力として打ち分けられるショットの1/3程度しか使えていないのではあるまいか、そうだとすると、残りの17種類のショットは手つかずで残っているということになる。

30percent

この使えていない17種類のショットの一部でも自分の卓球に取り込むことができれば、緩急をつけることもでき、自分の卓球の幅も広がるのではなかろうか。

卓球ができない期間は、卓球についてこのようにいろいろなことを考えて楽しむのもいいかなと思う。

いったん立ち止まって…レクリエーション

毎週できるだけ練習時間を確保しないと上達どころか、下手になっていく。
練習時間は、減れば減るほど下手になっていく。

という考え方だったのだが、本当にそうだろうか。

現在、卓球の練習がほぼできず、私は全く進歩していない。しかし、定期的な練習をやめたからこそ、以前に増して上達するスピードが上がるという目もあるのではないだろうか。

「レクリエーション」という単語は "re" と ”creation" とからなり、漢字で表せば「再」+「創造」ということになる。レクリエーションといえば、山や海にみんなで出かけてワイワイ楽しむという意味だけで理解していたのだが、元々の意味は、ずっと仕事などのストレスに晒されている状態から、心を一時的に解放、リセットした上で、再び仕事に戻るというところまでを含んでいるらしい。

たしかに作家や芸術家などが作品に取り組み、あーでもない、こーでもないと何日も頭を悩ませているときには良いアイディアが全く生まれず、しばらく大自然の中で何もしないで心を休めていると、突如インスピレーションが湧いてくるといったことは十分ありうることである。

行き詰まる
行き詰まってしまったイメージ

卓球でも同じことが言えないだろうか。
同じような練習メニューで毎週練習をしていても、なかなか進歩しないものである。それが1ヶ月(まさか半年ということはないだろう…)も卓球を休んだら、それが「レクリエーション」となり、自分の卓球に対する固定観念――卓球の型が崩れ、目先が変わり、今まで意識しなかった点に目が行くようになり、自分の卓球のスタイルが大きく変わったり、その結果、劇的に上達したり…ということもありうると思うのである。

今は完全に卓球のことを考えず、全く別のことに打ち込むというのは、遠回りに見えて案外近道になるのではないか。「近道」というのは言いすぎかもしれないが、少なくとも今まで気にしていなかったことを意識するようになり、練習を再開したときには自分の卓球の幅が広がっているということを期待したい。

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明日から京都に緊急事態宣言が発令されることとなり、卓球の練習への道は完全に閉ざされた。

週末の練習もなくなったし、かといって外出するのもためらわれるし、どうしよう?

しかたない。外に出ないでできるレクリエーションである映画鑑賞でもしようか。映画なんてここ1年ぐらい観ていない。

下は知人に紹介してもらったセルビア(旧ユーゴスラビア)の名画。セルビアというと、カラカセビッチぐらいしかイメージがないが、この映画を見ながら週末は異世界に思いを馳せてみようと思う。
※子供は観ないほうがよいかも

 
Ko to tamo peva


ショートってすごい!――ペンホルダーならではの技術

何の因果か在宅勤務ということになってしまった。
現在京都では多くのオフィス、店舗などで勤務・営業自粛が要請されている。職場には行けないので、テレワークで仕事を続けるほかはない。

ZOOMだの、グーグル・ミートだの、ジツィだの、そんなものをまさか自分が使う日が来ようとは思わなかった。

耳慣れないアプリの名を目にすることが多くなったが、これらはようするに「テレビ電話」である。中年はZOOMなどと聞くと、身構えてしまうが、そんな複雑なものではないと分かった。

できることは基本的に

・多人数での同時通話(ビデオも可)
・PCの画面(youtubeやMS-word等のアプリ)をリアルタイムで映せる
・文字ベースの会話(チャット)

である。他にもそれらの会議を録画したり、ホワイトボードにお絵描きできるなどという機能もあるが、簡単に言うと、上の3つである。どのアプリでもできることはだいたい同じだが、有料だったり、アカウントの登録が必要だったり、同時参加人数に制限があったり、といった微妙な違いがあるようだ。通信が一番安定しているのは私が使った限りZOOMだった。中国政府の関与が疑われ、企業によってはZOOMの使用が禁止されているところもちらほらあると聞くが。

昔、ケータイが普及しつつあったとき、「退社しても仕事が追いかけてくる!」などとショックを受けたものだが、ビデオ・ミーティングアプリが普及したら、「日常が仕事」ということになるのではないかと恐れている。

京都市も4月に入って卓球ができる場所がほとんどなくなってきた。卓球ができないので書くことがない。しかたない、ミーティングアプリの比較でもするか。

いや、負けてなるものか!なんでこのブログでミーティングアプリのことなんか書かなければならないんだ。そんな記事、誰が読むんだ。なんとしても卓球に関する記事を書いてやる。

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最近思うのは、ショートってすごい!ということである。

kim taek soo

ほとんどの技術においてシェークのほうが優位に立っている現在、ペンの優位性は台上技術とショートに求めるほかはない。

「表面ショートなんて古い!今は裏面さえできればペンのバックハンドは事足りる。」

などとうそぶいてショートをまったく使わず来たのだが、最近になってショートの良さを見直すようになった。

ショートのすごいところ その1「打球点が早い」
裏面(あるいはシェークのハーフボレー)だと、打球点が頂点付近になるが、ショートではバウンド直後である。距離にするとほんの10~20センチほどの差かもしれないが、この差が相手に強打を打たせる暇を与えない。バック対バックの展開になったとき、私はショートに対してよく裏面で対抗するのだが、その早さについていけず、つまらされてしまう。ショートはそこそこ速いボールも打てるが、それよりもむしろ前陣で早いタイミングで返ってくるのが脅威である。

ショートのすごいところ その2「台上で押せる」
台から出るかでないかの浅くて低いボールを裏面で打とうとすると、私は強打は打てず、軽く擦り上げるだけのショットしか打てないが、ショートの上手い人は台上の低いボールもガンガン押してくる。微妙に回転がかかっていてもネットにかけずに思い切りプッシュしてくる。あの安定感はなんなんだ?

ショートのすごいところ その3「自然にナックルっぽくなる」
バックドライブがビュンと弧線を描いて飛んできても簡単にブロックできる人でもショートのあまり回転のかかっていない直線的なボールがくると、ポトッと落としてしまうことが多い。さらに意図的にナックルショートにすると効果倍増である。

ショートのすごいところ その4「戻りが早い」
自分でショートをするようになって、回り込みで時間的な余裕を感じることが多くなった。なぜか?ショートはスイングが小さく、その上フォロースルーがほとんどないので、打った瞬間に戻りに入ることができる。今まで私がショート初心者だったころ(今でもショート中級者とは言えないが)、インパクト後、30センチぐらいのフォロースルーを伴っていたのだが、上手い人のショートは腕を8割がた伸ばしたところで瞬間的に力を入れてインパクトしているのを見て、腕を伸ばしてショートをするようになった。フォロースルーはわずか10センチほどである。すると、回り込みがずいぶんと楽になったのである。一方、裏面やシェークのバックドライブだと、インパクト後にある程度のフォロースルーがあるので、戻りに入るのが遅れてしまいがちである。

このように私はペンのショートは「古くさい技術」では片付けられない魅力ある技術だと再認識しているのである。

【追記】
「ラリーズ」のインタビューで坂本竜介氏がこんなことを言っていた。ペンホルダーのショートは若い選手に対してこそ有効なんじゃなかろうか。

坂本:それだけじゃないですよ。みんな勘違いしてるのはどんどんアップデートされて新しいものが生まれていく。そうなると昔のものが通用しないって思う人が多いんですけどそんなことは無い。

アップデート後に卓球を始めた選手たちは昔の頃の技ができなくなっていることが多い。例えば、今、日本の若手選手がティモみたいなループ(回転量の多いスピードを抑えたドライブ)をできるかって言ったらできないし、普段練習で受けることは無い。だから逆に今、昔の技術がまた効くんですよ。
なぜドイツ勢は選手寿命が長いのか?


【追記】2
ペンホルダーの参考になりそうな動画




この何気ない日常が…

卓球の練習が減って(あるいはできなくて)、不安に思っている人も多いかと思われる。
私も不安である。卓球の練習時間が減ると、ただでさえ下手なのが、もっと下手になる。せっかくつかんだ技術の感覚が定着する前に忘れてしまう気がする。
週2で練習できていたのが、週1になってしまったら、先月、せっかく3歩ぐらい前進したのが、2歩後退ということにもなりかねない。気が焦る…。

うちでできる卓球の練習って何かないだろうか?

ランニング、筋トレ、素振り、球突き、トップ選手の試合動画を観て研究…。どれもあまり楽しそうじゃないなぁ。

自宅でできる練習をいろいろ探してみたが、渡辺貴史氏の次の動画が参考になる。


・壁打ち:一定のリズムと力で同じところに当てないとうまく続かない。こういう練習をすると力を抜いて打つ感覚が身につくかもしれない。

・サーブ練習:台なしで、床に落とすようにサーブを出す。切る感覚を養えるかもしれない。
・フォームの確認:鏡を見ながら、卓球雑誌の連続写真を真似してみる。自分のフォームと何が違うかを比較する。ビデオで撮ってあとで確認という方法もあるが、連続写真を実際に真似してみると、気づきがある。
・自分の試合動画の分析:自分の失点パターンや得点パターンが何かを自己分析する。
・フットワークを交えたシャドープレー:細かいフットワークを意識して。

どれも有意義な練習である。しかし、それでも何かもの足りない…。

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鬱々と悩んでいてもしょうがない。
いっそのこと、卓球のことを忘れて、週末に旅行でもしてみたらどうだろう?九州なんか、行ってみたいなぁ。以前、天草に行ってみたいと思ったのだが、交通の便が悪くて断念したことがある。






しょうこちゃんねる」より

shoko

「好きな卓球ができなくなってほんとにつらくって、当時は明るい未来とか全然想像できなかったんですね。でも、今はこの人生も悪くないなぁっていうか、今ずっと下ばかり向いてるんじゃなくって前を向いて明るく楽しく行きていこうとポジティブに考えられるようになったら、いろんな世界が広がって本当に楽しいなって思えるようになりました。」

考え方次第で毎日が充実してくる。週に1回でも、2週に1回でも卓球ができるというのはすばらしいことである。自分の置かれている状況をもっとポジティブに考えたほうがいい。不満を抱いて我が身をかこってばかりだと、人生に満足できなくなる。できないことにばかり目を向けず、自分のできることをできる範囲で一所懸命やる。それが人生を楽しむコツだと、しょうこ氏の動画を観て気づかされた。

卓球オイルフィニッシュ

卓球の練習時間が減って、手持ち無沙汰なので、なんとなくお蔵入りの用具の手入れでもしてみようと思い、ラケットを出してきた。

う~ん、なんだか乾燥して白い線が入っているように見える。グリップもひび割れっぽい感じになっているなぁ。
kansou

そういえばギターの手入れにオイルを使うというのを聞いたことがある。銃などでもオイルで手入れするということがあるようだ。

rifle

gun
この光沢!美しい。

卓球のラケットにもオイルが使えないだろうか。ラケットのグリップがこんなテカテカ、ツヤツヤになれば、ラケットへの愛着も深まろうというものだ。練習後、自宅で就寝前にオイルやらワックスやらでキュッキュとラケットの手入れをするのは楽しそうだ。革製品のように使えば使うほど味が出るということになればなおよい。

ネットで調べた情報によると、オイルには乾性油、半乾性油、不乾性油の3つの種類があり、木材の手触りなどを良くするのは、亜麻仁油、クルミ油などの乾性油で、これは酸化して固まる性質を持つという。逆にオリーブオイルやツバキ油などは不乾性油で凝固しにくい性質を持つのだという。要するに乾性油は空気に触れさせておくと、乾いてサラサラになるが、不乾性油はいつまでもベタベタということである。

ニスが木材の表面をコートするのに対して、オイルは木材に浸透して固まるので、表面は木材の味わいを残しているのだという。というと、テカテカ、ツヤツヤにするにはさらなる加工が必要なのだろうか?

よく分からないが、おもしろそうだ。とりあえずオイルを買ってみよう。

木材の仕上げには、このWATCOというオイルが定番のようだ。私はまったくのDIY初心者なので、以下の情報の信頼性は低いと考えてほしい。色がいくつかあるが、私の選んだのは暗色系の「エボニー」である。



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用意するもの:
・オイル(ラケットの塗装なら100mlもあれば十分。ネットで200mlが千円強~。)
・使い捨てポリエチレン手袋(100均で買える120枚ぐらい入ったやつ)
・メラミンスポンジ(100均で大量に買える)
・ダンボール(作業台として)
・ペットボトルの下半分(オイル容器として)
・耐水ペーパー/紙ヤスリ(目の細かいやつ)
・筆(100均で買える)

「正しいオイルの塗り方」(カッコ内は私が実際にやったやり方)

1.紙やすり等で木材の表面をならす(メラミンスポンジでこする)
2.刷毛でオイルを塗る(メラミンスポンジでオイルを塗る)
3.15~30分浸透させる
4.吸いきれなかった 油をウエスで拭き取る(メラミンスポンジでオイルを拭き取る)

*お好みで二度塗り
*乾かないうちにすぐに耐水ヤスリをかける
*ウエスで拭き取り、1時間ほど自然乾燥
*表面に染み出したオイルをもう一度拭き取る

5.24時間以上、自然乾燥させる
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「作業を終えて」
・「ワトコのオイルは臭う」などとネットで言われていたが、私は気にならなかった。なんというか、ニッキ飴のような匂いがしたが、不快な匂いではなかった。
・はじめにペットボトル容器に小分けするときに少しこぼしてしまった。注ぎ口の構造上、非常にこぼれやすい。
・オイルといっても、粘度は高くない。サラサラしていて、塗るときは水彩絵の具と何も変わらない感じだった。素人でも簡単である。つい、べっとりと塗りすぎてしまうが、ほどほどにしておいたほうがよかったかもしれない。
・筆はほとんど使わず、私の場合、メラミンスポンジ(激落ちくんとか)を使ってみたが、特に問題なかった。スポンジのほうが塗りやすいと思う。

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mini racket
ジュウイックのミニラケット。未加工。

実験前 - コピー
もう使うことのなくなったふつうのラケット。ラケットコート済。

オイルフィニッシュをして24時間後…
mini finished

元の、安っぽいブレードの色合いから、渋い色合いになったと思うが、グリップは単に油汚れが着いただけのように見える。


racket finished
こちらのラケットはラケットコートをしてあったからか、あるいは木材の材質でこうなるのか、なんだか土砂災害で埋もれたような、汚らしい色合いになってしまった。もう少し明るい色(あるいは薄い色)を選んだほうがよかったのかもしれない。

いや、ブレードのほうは汚らしいが、グリップだけなら深みが増して渋い色合いになっている。
grip finished
ちなみにレンズは外さず、そのまま塗っても大丈夫だった。

触るとわずかに、しっとり感があるが、油が他に移るようなことはない。手触りも大きく変わっていない。
しかし、イメージしていたものとはずいぶん違う仕上がりになった。エバンホルツのような感じをイメージしていたのだが。あの銃のツヤはどうやったら生まれるのだろう?

とりあえずの結論:ブレードにはオイルを塗らないほうがいい。

また機会があれば、後日の経過などをレポートしたい。

※この手のオイルは自然発火しやすいそうなので、ウエス等を捨てるときは水に浸して捨てなければならない。

【追記】200328
「エボニー」は白い部分に塗らないほうがいいと思う。手垢にまみれた感じになるからである。グリップに白い部分があったら、「エボニー」は塗らないほうがいいだろう。逆にグリップが茶色なら、「エボニー」を塗ることで色が濃くなり、高級感が出てくる。

ワトコオイルよりももっと手軽で効果のある仕上げは、蜜蝋仕上げだと思う。

みつろうクリーム

髪の毛用のワックスみたいな感じで、少量をグリップに塗ると、美しい艶が出てくる。おすすめである。



実践的アドバイス――ごぶりんずTVのコメント欄から

ごぶりんずTVの「ちょっと、試合して!!」という企画が非常に勉強になる。まるで自分のプレーを批評されているように感じるのだ。

中級者のまお氏がごぶりんずの上級者と試合をするという企画である。これは言うまでもないことだが、企画名は卓レポの「ちょっと、それ貸して」に掛けてある。
mao

まお氏はおそらく典型的な中級者で、伸びしろが非常に大きい。私から見ると、かなり上手い目の人と感じる。打球後も足が動いているし、特にサーブは(ミスしなければ)かなりレベルが高いと思う(私はちゃんと返せる自信がない)。ただ、上級者を相手にして過剰に警戒しているからか、ミスが多い。おそらく

「一発打たれたら終わりだ。打たれる前にこちらから打たなければ」

という気持ちが先走りすぎているのではないかと思う。深いツッツキを送って「さぁ、来い!」とブロックで待てる余裕があれば、もっといい試合ができたように感じる。中級者同士の試合なら、もっと良い内容の試合ができたはずである。この1回目の試合ではまお氏は実力は半分も出せていなかったのではないか。



試合後のヤンマ氏のコメントは

「レシーブミスが多すぎる」
「当てるだけのレシーブで、一工夫がない」

というものだった。なるほど。見返してみると、積極的にレシーブできたボールがほとんどなく(ヤンマ氏のサーブがうますぎたのだろうが)、ツッツキレシーブが台からほどよく出ていて打ちごろである。

コメント欄にもアドバイスがあって、

「サーブからの待ちや、準備が遅かったり色々なボールに対応出来てないのと、相手がストップしたとき低くてもフリックできなきゃ打たれるのと、」

というのが参考になった。ショートサーブを出したら、ストップに対してフリックで待っていなければ主導権を握るのは難しいということか。

2試合目は、残念ながらさんざんな内容だった。ほぼ自爆である。おそらくまお氏は実力の1割も出せていないのではないか。私も格上の人と対戦するときによく陥る心理なのだが、なんとかして強打しなければという強迫観念のようなものに支配されてしまうのである。



しょー氏からのアドバイスは

「ミスが多い」
「何をしたいのか分からない」
「レシーブがヤバい」

というものである。2番めのアドバイスはサーブを持ったら3球目でどう攻めるかの「待ち」がないという戒めである。おそらくまお氏も3球目の待ちを持っていたと思われるが、しょー氏のレシーブが厳しかったのではないか。3番めのアドバイスはレシーブ時にラケットが顔から離れてしまっている――つまり腕を伸ばしすぎているということである。

2試合目の視聴者からのコメントは非常に参考になるものが多かった。

「バックが入るならプラマイゼロになるかもしれないけどはいらないなら回り込むかツッツキがいいと思う そうしたら確実にバックの打ちミスは無くなるしフォアで打つ意識ができるから動き出しも早くなって得点増える」

無理に調子の悪いバックを振るよりも、フォアで打つことを意識すれば、動き出しが早くなる?たしかにたとえ回り込めなかったとしても、フォアハンドで待っていれば判断が早くなりそうである。

「攻撃できないなら、確実に入れることができる範囲で速く切れたツッツキをして絶対にブロックをミスしないように待つ。」

これは私が冒頭で考えたことと同じである。やっぱり思うように攻められないときはこういう戦術が有効なのか。

「フォアもバックも左足が打球ポイントへ入っていない気がします。
なので、フォアの溜めは早くて深いけど、上半身の溜めだけでムリに打とうとして、弾いたりニュルッとした打ち方になってしまうのかなと。」

まお氏は左利きなので、利き足が力の伝わるポイントまでしっかり踏み込めていない――ボールに近づいていないということである。なるほど、ポジショニングには全く意識が行っていなかった。私もこういうミスが非常に多い。

「自分もレシーブミスが多い時よくあったんですが、フォア前のレシーブが、足を入れてからではなく、手が先に行ったり、足と手が一緒に台の中に入りうまく出来てなかったりしているので、それを意識するとまた変わってくるのでは?」

利き足をしっかり踏み込んだ上でレシーブ。これが中級者にはなかなかできない。打ち慣れている人ならできるのだが、試合ではつい台に浅く入って、ボールにしっかり近づく前に手を伸ばしてしまう。

「レシーブの時もドライブの時も初動で上に動いて重心が高くなってるから安定感がないんだと思います。あと体が大きいので前に張り付きすぎずもう一歩下がってしっかり振っていった方がプレースタイル(やりたいこと)を見つけられる気がします。」

姿勢がつい高くなってしまう…。そして台に近づきすぎている。あぁ、まさに私のことである。

「3球目以降などラリーになったときにボールを目で追うことに夢中のように見えます。加えて他の方々もおっしゃっているように姿勢が高いように思いますこの2点により戻りが遅くなってしまっているように見えます。」

ボールを追いかける、姿勢が高い、これこそ戻りの遅さの原因である。

「回転かける時はしっかりかける、かけない時はかけない等を考えてやるといいと思いました。レシーブドライブのミスが多いから、しっかり振り切って回転をかけるといいと思います!!」

ドライブが入らないときはスイングが振り切れず、途中で止めてしまう。あるあるである。

「まおくん、オーバーミスが、あるの姿勢が高いからだと思いました。レシーブの時は姿勢が高いからネットミスが起きると思いました。」

姿勢が高いままツッツキなどをすると、ネットに引っ掛ける。ラケット越しにボールを見るぐらい低い姿勢ならツッツキのミスが減る。

「地面を蹴ってないですね!地面を蹴らないと俊敏な動きが出来ないのでお上手なフォアが活かせないですよ!」

姿勢が高いと地面が蹴れない。膝を曲げて重心を移動方向と反対の足に預けないとしっかり蹴れないということを私も痛感している。ということは姿勢が高いから重心移動ができず、床も蹴れないということだろうか。

以上のコメントをまとめると、

・腕を伸ばしてレシーブしない(顔をラケットに近づける)
・ツッツキの質を高める(できればフリックも)
・しっかりボールに近づく(足から入る)
・台から距離を取る
・スイングを振り切る
・ボールを追いかけず、戻りを早くする
・姿勢を低くする(重心移動をして床を蹴る)

ごぶりんずTVの動画へのコメントは質の高いものが多いように感じる。今度はまお氏がリラックスして実力を発揮している対戦動画を見たいものである。


立ち打ち卓球場――練習できない愚痴

コロナ騒動で練習できる時間が減っているので、ちょっと愚痴をこぼしてみた。

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卓球シューズの寿命ってどのぐらいなんだろう。
プロや練習量の多い強豪校の中高生の場合は2~3か月でシューズに穴が空いたりして履けなくなってしまうのかもしれないが、一般層なら2年ぐらいは余裕で持つと思われる。それどころか以前、試合会場で20年以上前のモデルを履いている人さえ見たことがある。卓球のシューズって丈夫だなぁ。

私のシューズは使い始めてかれこれ3年になるのだが、この間、上手な人に指摘されたのは「靴底のゴムが完全に硬化しきっている」ということである。それってつまり…

「ええ、もう寿命ですよ。」

あぁ、シューズの寿命というのは、生地が破れたり、穴が空いたりしなくても、アウトソールがカチカチになったら、それが寿命なのか。なるほど、どうりで最近練習場の床が滑りやすかったわけだ。見た目はまだ全然きれいで、あと2年は履けそうなのに…。内心私は喜んだ。これでやっとストックしておいたシューズが1足下せる。それでもまだ2足ストックがあるのだが。シューズが安売りされていた時、衝動買いしてしまったのがまだ2足も残っているのだ。今回新たに下したシューズがまた2年以上持つとしたら、ストックしておいた最後のシューズを下せるのは5年後ぐらいになってしまう。下したときにはすでに靴底がカチカチになっていて、新品なのに寿命というおそれもある。

ラバーのストックも10枚ぐらいあるし、ラケットもインナーフォースALCとかノスタルジックとか買ったものの一度も使っていない。ウェアなどもいっぱいである。もう、用具は要らない、使いきれないと思いつつもどうしても購入をやめられないのは、最近用具の相場が安いというのもあるが、なかなか練習できない心の隙間を用具を買うことで埋めようとしているからなのである。

量販店の安売り合戦と、メルカリ等の中古用具市場の拡大によって用具の相場は急激に引き下げられた。また中国ラバーの普及がそれに拍車をかけるかもしれない。

用具や情報と違い、練習環境を安価で提供することは難しい。
社会人で卓球好きなら、新しいラバーやラケット等の用具に毎月一万円ぐらいかけるのは普通のことである(たぶん)。それが現在、用具相場が下落し、半分ほどの支出で済んでいるということになると、余ったお金は練習環境に投資するというのが筋だろう。

郊外の卓球場に交通費をかけて出掛けるのではなく、仕事帰りに街中の卓球場で週に一回一時間ぐらい自分の好きな練習ができたらと思わずにはいられない。いちいちパートナーと都合を合わせて練習するのは大変だから、一人で練習に行っても、常駐のパートナーが場所代込みで1時間3000円ぐらいで相手をしてくれるところがあちこちにあったらと思わずにはいられない。そうすれば私の用具の無駄遣いもやむに違いない。1時間3000円は高い?いやいや、上手な練習パートナーに三点でブロックを回してもらい、フットワーク練習を一時間みっちりするのである。たった一時間とはいえ、質のいいブロックをしてもらって、動きっぱなしなら、かなりの充実感があり、3000円の値打ちはあると思う。

最近、立ち飲み屋というのが流行っていて、サラリーマンが「帰りにちょっと飲んでいこう」などといって一人2~3000円ぐらいで仕事帰りに飲んでいくのが流行っているらしい。同じように駅近に台が2台だけの小規模な卓球場でもあれば、「帰りにちょっと打っていこう!」という需要があると思うのだが。

神戸の地下鉄、高速神戸駅につながっている地下街に「メトロ卓球場」という卓球場があるという。
メトロ

こんな立派な卓球場じゃなくてもいいから、京都の街中にも仕事帰りに気軽に寄れる卓球場ができてほしいものである。


中国粘着ラバー入門――紅双喜(DHS)PF4(裏ソフトラバー)を使ってみて

最近、紅双喜のキョウヒョウ3を使っている人をよく見かける。2~3年前までは私の周りで中国ラバーを使っている人は珍しかったように思うが、最近は、ある程度以上のレベルの裏ソフトの人は5人に1人ぐらいの割合でキョウヒョウ3を使っている印象である。ネオなのか、省狂なのか、はたまたニッタク発売のPROなのかよく分からないが、とにかくキョウヒョウを使っている人をよく見かける。

4月にはラクザやディグニクスでも粘着が発売されるらしいし、翔龍も評判がいい。粘着ラバーっていいのだろうか。

以前、ブレークPROという粘着テンションを貼って、2~3回使ってみたが、通常のテンションラバーとはかなり感触が違うので、すぐに剥がしてしまったことがある。

「私も当時よりは進歩していると思うので、今、粘着ラバーを使ってみたら、案外使いやすいのではないだろうか…。」

そんなことを考えて、粘着ラバーを探してみたところ、キョウヒョウ3ネオの通常版は3500円ほどだった。高くはない。しかし、省狂と呼ばれる上位バージョンもあり、こちらは9000円ぐらいする。まぁ、私のレベルなら、通常版で十分だろう。気に入らず、すぐに剥がしてしまうかもしれないし。

粘着ラバーをネットで探してみると、PF4というラバーがY卓球店という店でなんと税込み990円!

PF4 DHS

PF4といえば、昔、学生時代に先輩がチョコレート色のラバーを使っていた記憶がある。それとは別もののようだが、同じ紅双喜の製品だし、キョウヒョウ3のエントリーモデルのようなものだろうか。

「たった1000円だし、試しに買ってみよう」

と注文してみた。「中厚」と「MAX」というのがあったが、粘着初心者なので「中厚」を買ってみた。届いたものをみると、特厚かと思うほどスポンジが厚い。

「そういえば、裏面に貼っていたライガンも、そろそろ替えどきかな」と思い、ファクティブに替えてみた。

両面、新品のラバーである。ちょっと気分がいい。早く打ってみたいが、とりあえず部屋で球突きでもやってみよう。まずはファクティブから。

「コーン、コーン」

柔らかく、適度な弾みで、悪くない。弾みすぎないのがいい。次はPF4である。

「コンッ!」

あれ?球突きができない…。硬い+弾まない+強粘着で、軽く突いただけではバウンドせずに、ラバーにボールが貼り付いてしまうのだ。

嫌な予感がする…もしかしてとんでもないラバーを買ってしまったのかもしれない。週末の練習でフォア面に貼ったPF4で軽くフォア打ちをしてみると、飛ばなすぎて早速ネットミス。なんなんだこれは?弾まないといっても限度があるだろう。こんなラバー使い物になるか!

ラクザを貼ったスペアのラケットに替えての練習。

「あぁ、やっぱりこういうラバーは安心感があるなぁ。思い通りにボールが飛んでくれる。」

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そんなことを言っていた私も、今やフォア面はPF4以外には考えられないほどPF4に夢中である。よく「粘着はしっかりインパクトできればいいボールが行くが、詰まったりすると棒球になってしまう」などというが、私のレベルでは全く問題ない。詰まって打ったボールがオーバーしないで台に収まってくれるというのはすばらしいことである。これがテナジー的なラバーだったら、不十分な体勢で打ったボールをオーバーさせてしまうことが多かっただろう。私のレベルではとにかく入ってくれることが最優先なのである。

弾まないのでサーブは切れて、短くなりやすく、レシーブも安定性が増した気がする。ブロックも止まりやすい。

フォアドライブのスピードに難があるのでは?などと心配する向きもあろうが、今は「ボールが遅い」と言われるどころか、逆に「前よりボールが走っている」と言われるぐらいである。十分な姿勢でしっかりと打ったボールならテンションラバーを使っていたころと遜色ないようだ。それよりもしっかりと掴む感触があり、回転量が上がっているのを感じる。相手に「今のボール、エグかったですね」などとよく言われる。たしかに使い始めた頃はびっくりするぐらいショットのスピードが遅くなったが、使用回数を重ねるごとにラバーが柔らかく(感じられるように)なり、弾みも上がっていった。この手のラバーは使い始めは弾まないが、使っていくうちに弾むようになってくるらしい。といってもテンションラバーよりは弾まない。

PF4を使って以前よりも強いインパクトを意識するようになった。強いインパクトでも飛ばしすぎない安心感があるのである。同じ理由でカウンターに対する恐怖も軽減された。相手が打ってきたドライブに対してドライブをかけ返しても、ボールがぶっ飛んでいかない。

PF4の良さを一言で言うなら、「しっくりくる」である。速いボールも出そうと思えば出せるし、守備的な技術では安定性が高まる。こんな良いラバーが送料込みで千円強というのはお得である。

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これを卓球メーカーや卓球ショップの視点から見れば、脅威だろう。現在、売れ筋のラバー(ロゼナ、スーパーヴェンタス、ファスターク、ラクザ等)は1枚4~5000円ぐらいが平均的な価格だと思われるが、1000円強のPF4のほうがいいという人が増えてきたら、果たして現在の売れ筋ラバーを扱っている業者は生き残っていけるだろうか?

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今日は東日本大震災の記念日。
あの悲劇をいつまでも忘れず、語り継いでいきたいと思う。

打球タイミングの取り方――初心者への指導のために

地域のクラブに来ている小学生の女の子に卓球の「指導(っぽいこと)」をときどきするのだが、なかなかうまくいかない。どうしてうまくいかないのか、私は指導者ではないので分からないが、おそらく教える順番が悪いのかなと思われる。

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青春・自然・全力愛を旗印に活動するアイドルユニット「Ru:Run」に著名な卓球指導者の平岡義博氏が卓球を指導するという企画の動画を見た。平岡氏といえば、今を時めく全日本チャンピオン宇田幸矢選手を育てた指導者である。完全な初心者が一流の指導者の手でどのように成長していくのか興味深く視聴した。


平岡氏は自身の卓球理論に基づいた指導で、効率的な体の使い方を基礎から丁寧に指導する。こんなぜいたくな指導で卓球がうまくならないほうがおかしい。上達しないはずがないのである…

平岡指導

平岡指導2

が、そのまさかが起こってしまった。彼女たちは一向に上手にならなかったのだ。

平岡氏「今、すごい短期間の間に実はいろんな要素を入れてやってみた。だからそんなに簡単にできるわけないと思う。これができなきゃダメだよってほどじゃないことなんだけど、今、やってみたら、『この人のこういうところがうまくいかないな』っていうのが分かりました。…それぞれ得手・不得手があって、それを今度は各々に合った感じでやっていきます。」

平岡指導3

平岡指導4

彼女たちの「運動神経」は想定外だったようで、さすがの平岡氏もお手上げだったのである。平岡氏は指導方針の大幅な変更を余儀なくされた。

私が小学生に「指導」するときも、こんなことがよくある。

「手を使って打たないで、胴体を捻るようにしてスイングしなさい。手の力はできるだけ抜いて。」
「遠いボールは手を伸ばして打たないで、足で近づいて打ちなさい。」

などと言って、多球練習などをさせてみるのだが、ちょっとは形になって来たかなと思って自由に打たせるとそれまでの「指導」が全く定着していない。手打ち丸出しのメチャクチャな卓球に逆戻りである。

次のエピソードでは、ここまでの練習の成果を試す課題「フォアハンドでのラリー往復10回」に挑戦する。



おそらく撮影はわずか数時間だったのだろう、平岡氏の指導はほぼ定着していない。子供たちと同じように、指導前の状態に逆戻りしているように見える。しかし、我流の卓球でミスせずラリーを続け、なんとか課題をクリアしていくメンバーもいる。これを見て思ったのは、完全な初心者にまず教えることは、フォームや体の使い方ではなく、打球タイミングではないかということである。

打球タイミングさえ正しければ、そして押しすぎなければ、とりあえずボールが入る。これからは私も小学生を「指導」するときにまず打球タイミングを教えてみようと思う。たとえフォームが変でも、打球タイミングが合って、ラリーが続くようになったら楽しいだろうし、そこからフォームや身体の使い方を一つづつゆっくり教えてみたら、上手になるかもしれない。
しかし、打球タイミングってどうやって教えたらいいのだろうか。参考になる動画を探してみたのだが、案外見つからないものである。

卓球三昧の藤井貴文氏の以下の動画が見つかった。



氏のブログにこんな解説がある。
卓球においてリズムは二拍です。よく、ためてから打ちなさいと言いますが、「ため」と「打ち」の二拍はとても重要です。相手の打球した瞬間に「ため」、そして自分の台にボールがバウンドしてからスイングを始めてボールを「打ち」ます。ボールが自分の台にバウンドしてからスイングを始めると振り遅れるのではないかと思われる方は多くいるかもしれませんが、それくらいの方がタイミングが取れます。

「相手の打球の瞬間」と「自分のタメ(腹をへこます)」

が同時で、

「自コートにバウンドした瞬間」と「自分のスイングのスタート」

が同時になるようにするというのがいいらしい。それをやや強調して示したのが上の動画のようだ。

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自分の打球タイミングを反省してみると、私は次のようにタイミングを取っていると思われる。

バウンドの軌道
上のような軌道のボールを打つタイミングを取るために以下のようにイメージしてみる。

バウンドの軌道3
ボールが自コートでバウンドすると、現実のボールは台の上に跳ね上がるが、そのボールが台をすり抜けて下に潜り、それから重力に反して上に「落ちていく」と考えるのである。中年にはグラディウス4面の逆火山をイメージしてもらえると分かりやすいかもしれない。


当時、復活不可能と言われた3周目以降の逆火山の復活パターン


バウンドの軌道2
その台をすり抜けてボールが上に「落ちていく」軌道にラケットを合わせて、弧を描いてラケットを振り上げ、台上のボールと出会うところが打球タイミングと考えると伝えやすいと思う。


こちらはタイミングの取り方というより、ボールと身体の位置関係を教えてくれる

このようにタイミングを取れば、ある程度までのスピード・回転のボールには対応できると思われる。


ツッツキは大切ですか?――早い人と戦う場合

世間でよくツッツキは大切だと言われるが、どういう場面でどういうふうに大切なのだろうか。

レベルによって重要性が異なると思うのだが、私のレベルでの経験談をお話ししたい。

格上のペン表の人とゲーム練習をしたときのことである。相手のスピードに全くついていけず、こちらからはほとんど攻めさせてもらえなかった。
ショートサーブを出せば、深くフリックされて詰まったところをスマッシュ一閃。バック側にロングサーブを出しても非常に早い打点でこちらのフォア側にプッシュされる。こちらは十分なバックスイングをとる時間がとれないので合わせるような返球しかできないため、それをスマッシュで狙われてしまう。
このバックプッシュの早さは異常である。
シャンシャオナ
ペン表の強い人、シャン・シャオナ選手

シェークの人や裏面のバックドライブは比較的ゆっくり返ってくるので、こちらも対処のしようがあるが、バウンド直後の打点を捉える速いナックル気味のバックプッシュには完全にお手上げである。表には下回転のロングサーブが効くと言われるので、下回転のロングサーブをバックに出してみるのだが、乗っけ打ちのような速いボールがストレートに来て、これも強く打つのが難しい(下の動画によると、外から弾くミート打ちらしい)。たとえそこそこの力でドライブを打ったところで、待ち構えているスマッシュやナックルプッシュの餌食である。

ちょうどタイムリーな動画があった

打点のスピードに圧倒的な差があるのが問題だった。なんとか相手のスピードに対応できるよう、こちらもできるだけ早い打点で厳しい返球をしようとがんばってみたのだが、ミスが多くなり、簡単に試合に負けてしまった。

もう1試合させてもらったのだが、今度は開き直って相手のスピードに逆行するようなゆっくりしたプレーを心がけた。相手のロングサーブに対して裏面ドライブではなく、ツッツキ。相手がそこそこの強打をしてきたら、中陣まで下がって回転量重視の遅いドライブ。こちらはショートサーブ主体で先に攻めずツッツキやストップで粘り、できるだけ相手に先に打たせるようにした。先に打たせるといっても、もちろん決定打ではなく、持ち上げさせるようなボールをである。

そうすると、不思議なことに相手の動きが悪くなり、私が攻撃する機会も増えてきたのである。

なるほど。はじめに私はなんとかして自分の打点を早くして、相手の土俵で戦おうとしていたのだが、そうすればするほど相手の思うツボだったのである。前陣でパシパシ打ち合ったら、ペン表の人に敵うわけがない。そうではなく、相手を自分のリズムに引き込む戦術が有効だったのである。

結局フルセットでその人に負けてしまったが、いろいろ勉強になった。自分のリズムを崩さず、ゆっくりした台上の展開から、軽く打たせて、こちらのドライブ強打というのが私のスタイルのようである。相手によって対応は違うだろうが、自分よりも早いリズムの人と戦う場合はツッツキを多用して、試合の流れにいわばブレーキを掛けるような戦術をとったほうがいいようだ。

ツッツキがどのように有効かというのは、人によって違うと思うが、相手が打ち合いの得意な人なら、打ち合いに持っていったら自分が不利になる。私の場合、打ち合いの展開にさせないためにツッツキが有効だった。

回転軸の転換

この動画、すごくないですか?

 
「ユージくんの3球目が強い理由はここにあり!」

ジャイロ回転

私は今まで

「あのボールは下回転が強い横下回転だ」
  とか
「ナックルっぽい横回転だな」
  とか、

そんなふうに上下回転(横軸)と左右回転(縦軸)の2つのパラメータだけでボールの回転を考えていたが、ジャイロ回転(前後軸)というものが実際には試合中の至るところで発生しているはずである。その回転軸の変化をうまく捉えて回転を利用したショットが打てれば、より安定した強打が打てるようになるし(夢の「台上ドライブ強打」とか)、不可思議な凡ミスも減るはずである。

そう考えると、これは私の回転の理解に対するコペルニクス的転回だと言える。今まで2つのパラメータで判断していた回転が、前後軸を加えた3つのパラメータで処理できることになるのだから。

ユージくんはクロスへの順横回転サーブをストレートにストップされたときに軸の転換が起こるという1例を示してくれたが、他にもいろいろあるに違いない。この例で思い出したのは、以下の動画である。



WRMのxia氏がTTCタカハシの濱ちゃんと練習している動画である。
ダブルストップ

順横回転を出し、相手がストップしてきたところをダブルストップすると、なぜか上回転になっていて、ボールを浮かせてしまうというテクニックである。これも回転軸の転換が起こっていると思われる。

軸の転換はどのようなきっかけで起こるのか?

おそらく縦軸(横回転サーブ)に対して横軸(ストップ)をぶつけたときに軸の転換が起こるのだと思われる。ただし鋭いツッツキで回転を下回転に上書きされてしまった場合はこの転換は機能しない。ということは上回転のラリー中には軸の転換が起こりにくく、台上の横回転系のボールに対して起こりやすいということである。反対に相手が横軸(下回転)のボールを打ってきたときは、縦軸(横回転)系の返球をすると軸の転換を引き起こすことができるのだと思われる。

このように軸の転換を自在に操り、相手の返球を惑わしたり、自分の攻撃に結びつけることができれば、自分の卓球のレベルを一歩前進させることができるだろう。

卓球とアイドル

「私もついにテレビデビューしたんですよ。」

2020年全日本卓球選手権決勝のyoutube動画を職場の同僚に見せながらおどけてみた。

「え!?ホント?どれどれ。これが張本くんですよね。じゃあ、相手がしろのさん?」

「ほら、ここ見てくださいよ。観客席の上の方に私が映ってるでしょ?」

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上の会話から分かるように同僚はまったく卓球を知らない人だったが、人間のできた方だったので、私の、さして興味のない卓球話にも乗ってきてくれた。

「そういえば、あの強い女の子、どうなったんですか?ミ、ミ…。」

「あぁ、伊藤美誠は残念ながら準決勝で負けちゃったんですよ。今年は早田ひなっていう子が優勝したんです。」

「もうひとり、強い女の子がいましたよね?ミ、ミ…。」

「あぁ、平野美宇はランク入り――つまりベスト16にも残れませんでしたよ。」

「次から次へと強い選手が出てくるんですね。ひなちゃんはいくつなんですか?」

「伊藤美誠や平野美宇と同い年です。伊藤美誠は中国の一軍にもときどき勝てるぐらい実力があるんですが、早田ひなが今、日本で一番強いかもしれません。」

hina優勝

「この子がひなちゃん?顔、ちっちゃ。なんだかアイドルみたい。佳純ちゃんもきれいでしょ?卓球選手ってきれいな子が多いんですね。」

kasumi skII

「言われてみればそうかもしれませんね。準決勝で石川佳純に敗れた橋本帆乃香って子も何気に美人ですし。」

honoka tobituki
最近その美脚に注目が集まっている気がする…

「テニスの強い女子って、もっとゴツい感じで卓球みたいな女の子らしい人がぜんぜんいないんですよ。」

「あぁ…テニスはボールが重いから、卓球よりもずっと筋力が要求されますもんね。」

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こんな会話をしていて、もしかしたら卓球女子選手って一般人にもアピールできる可能性を秘めているのではないかと思うようになった。世の中には「推し」のためにわざわざ新幹線に乗ってコンサートやイベントに駆けつけるファンがいると聞く。卓球選手ももっと露出を増やして一般層の目に触れれば、「ひな推し」だの「ほのか推し」だのといった非卓球人のファンがTリーグに詰めかけたりしないだろうか?

アイドルから学んだ19歳の意外な思考回路」というネットの記事で平野美宇選手がアイドルが支持されるための戦術を卓球にも援用したいといった発言をしているが、卓球選手もトークが上手で愛される人柄であれば、注目されるようになり、最近伸び悩んでいる卓球人気が再び上昇するのではないか…

…などと一瞬思ったりもしたが、そんなわけないか。やっぱり卓球選手は強くてなんぼである。国際試合でも大いに活躍できる実力がなければ、いくらおしゃべりが上手で美人でもテレビなどへの出演依頼も来ないし、一般層は興味を持ってくれない。とはいうものの、卓球女子選手の美しさを多くの非卓球人に知ってほしいものである。

なお、私はアイドルとかには全く興味がない。

威力と早さのジレンマ――フォア打ちで練習する

最近、戻りの早さ(前記事「もう一つの戻り」)を心がけてプレーしているおかげで、格上の人との対戦でもそこそこ善戦できるようになってきたと感じている。しかし、その一方で全力でドライブを打つことができなくなってきた。いや、打とうと思えば打てるのだが、しっかりバックスイングを取って下半身を使ってドライブを打つと、相手の早さについていけなくなるのである。私はフォアドライブの威力はまぁまぁだと自負していたのだが、それが打てないとなると、自分の持ち味がなくなるのではないかと残念に思っている。

格上の相手に対して全力のフォアドライブを打とうとしても、そうそう打たせてもらえない。相手はチャッチャカ台上で早い打点で返球してくるので、しっかり体を使って打つためには、時間的な余裕が必要で、素早くボールの到達点で待ち構えていなければならないが、そんな素早いフットワークはあいにく持ち合わせていないので、詰まりながら、頂点を過ぎた打点で打つことになってしまう。そんな中途半端なドライブを打ったところで、相手は余裕をもって十分な姿勢でブロックしてくるので、決定打になることは少ない。コースを突いたり、連続ドライブ強打が打てればいいのだが、残念ながら私には無理である。格上の人と対戦するときは、ドライブ強打はほぼ打てないものあきらめて、封印しなければならない。

一方、ドライブ強打ではなく、相手の早さに対抗して、こちらも前陣であまり動かず、早い打点で軽打――相手からのボールに合わせて小さく振るようなショットを連打したほうがいい展開になることが多い。早さに加えて威力のあるショットが打てれば最高なのだが、私のレベルでは無理である。早さを求めれば、威力を犠牲にしなければならなず、威力を求めれば早さを犠牲にしなければならない。

周りを見てみると、早さと威力が両立できている人はごくまれである。全国大会などに出るような人は早い中にもドライブ強打を織り込むことができるが、フットワークに過大な負担がかかるそんなプレーは中級者には無理である。

私の周りには威力を志向している人のほうが多いように感じる。若い人で練習の時にはものすごいドライブ強打を打っている人が、試合になると、ツッツキやミート打ち、カウンターの上手いオジサンに翻弄されているのをよく見かける。オジサンは台から下がって腰の入ったドライブなどめったに打たない。若い人はドライブ強打が打てそうな、ゆっくりしたツッツキのようなボールを待っているが、オジサンは前陣の早い打点でパシパシとさばいて若者にドライブ強打を打たせる隙を与えないのである。

それを考えると、前陣にいて大きく動かず

早さ>威力

という優先順位でプレーするのが中級者のレベルでは強いのではないかと思う。

早さと威力とは相反するベクトルを持っているので、両立するのは難しい。大きく動けない私のようなプレーヤーは威力の方は諦めて、早さに磨きをかけるしかない。

そんなときに思い出したのが鹿南8の神山氏の下の動画である。



フォア打ち、バック打ちのとき、氏が気をつけている点について述べている。

1.上下に動かないようにする
2.打球のコントロール(方向や深さ、高さ、回転量)をチェックする
3.ラケット面のボールが当たる位置をチェックする
4.視野を広げて(相手や台の全体を見ながら)打てるようにする。

なるほど、私も練習のはじめにフォア打ちを5分ほどするが、どのぐらいの力で打てば、どのぐらいボールが飛ぶかといった感覚の確認しかしていなかった。いろいろ確認しながらフォア打ちをすれば、その日のプレーが良くなるのかもしれない。たかがフォア打ちとあなどっていてはいけない。フォア打ちにもいろいろ意味を持たせないと。

これまで私はフォア打ちというのは時間の無駄なので、できるだけ早く済ませたいと思っていた。実際の試合なら、3球ほどフォア打ちをしてすぐ試合である。フォア打ちに5分も10分も時間を割くのは時間の無駄だ…と思っていたが、果たしてそうなのだろうか?

たとえば、私は低い姿勢でいると、腰が痛くなるので、つい姿勢が高くなってしまうが、姿勢を低くする練習というのはあるのだろうか?
あるいはフォアハンドを打つときに重心を常に右から左に移す練習というのは、いつやればいいのだろうか?
ボールと体の距離や打点を常に一定にして打球できるようにする練習や、打球時に体幹から力を発生させて、それを腕に伝えるようにする練習は?

試合に近いオール形式の練習だと、どこにボールが来るか分からない中でさまざまな球質に対応しなければならないので、姿勢だの、体幹だの、下半身だのを意識する余裕がない。一方、フォア打ちという最も単純な練習なら、自分の身体の使い方だけに意識を集中することができる。ワンコースでドライブ対ブロックのような練習でもいいと思うが、フォア打ちのほうが実戦の早いピッチのプレーに感覚が近い(おそらくレベルの高い人はこれにフットワークを組み込んだ練習をするのだろう)。フォア打ちというのはボールを打って飛ばす練習というより、身体の細かい使い方の練習だと考えたほうがいいように思う。こういう練習を繰り返すことでふだん鍛えられない身体を上手に使った打球が身につき、ひいてはそれが威力の向上にもつながるのではないだろうか。
フォア打ち
フォアハンドがスゴイ!有延大夢選手のフォア打ち。
https://www.youtube.com/watch?v=19La4CjbnRs&t=57s

威力を志向するというのは、何も中陣に下がって大きなスイングで全力強打することだけでなく、前陣でコンパクトなスイングの中にもキレのあるショットを打つことも含まれるのではないか。そのようなキレのあるショットを打つためにフォア打ち等の基本練習で身体の上手な使い方を身につけるのが有効だと思われる。

威力と早さとは両立し難いと考えていたが、身体を効率的に使えば、早い中にもそこそこの威力のある打球ができるような気がしてきた。


セカセカしない――卓球の女性比率を考える

卓球の女性比率はいびつである。
社会人のクラブでは男女比率が8:2とか、9:1とか、ひどいときは全員男というところもある。なんとかこの比率を是正したいと常々思っている。

中学の部活のときは、女性比率が極端に低いとは必ずしも言えない。男女比は6:4ぐらいではないだろうか。それが高校・大学と進むにつれて男女比はどんどん開いてゆく。

以下のデータはネットで10分ほど探して見つけたもので、いいかげんなものである。どのような意図でどのような対象に調査したものか、きちんと確認していない。目安程度に考えていただきたい。


H29

運動部活等に関する実態調査報告書」によれば、中学卓球部の男女比は17.5:12.0である。大雑把に言えば5.9:4.1と言えるだろう。それが高校卓球部の男女比になると11.1:5.7となり、その差は広がっている。大雑把に言えば、6.6:3.4。
なお、卓球のライバル、バドミントンでは中学の男女比は14.8:18.3で、高校の男女比は14.3:12.3である。大雑把にいうと、それぞれ4.4:5.4と5.4:4.7である(小数点以下は適当に四捨五入)。

参考までに別のデータ(孫引きだが)にもあたってみた。「にいがたの地域活性化を応援するブログ」によると、H30年の卓球部男女比は
中学で158475人:99677人。大雑把に言うと、6:4
高校で53430人:22680人。大雑把に言うと、7:3

中学6:4 → 高校7:3(あるいは6.6:3.4)

のように男女比の差が広がっている。

大学の卓球部の人数のデータが見つからなかったので、それっぽいデータを挙げてみる。
第72回東北学生卓球選手権大会組み合わせを見ると、男子シングルスのエントリー232名、女子シングルスのエントリーが72名。大雑把に言うと75:25。
全日学(第86回全日本大学総合卓球選手権大会)関西予選のエントリーを見ると、男子シングルス386名、女子シングルス168名となっている。大雑把に言うと、70:30。
関東予選では男子シングルス551名、女子シングルス197名。大雑把に言うと74:26。

高校の部活の男女比率よりもやや進んでいると想像される。

これが社会人になると、20代~30代の女性で卓球をやっている人はガクンと減るように感じる。8:2、あるいは9:1…。どうして女性は卓球から離れていくのか。

職場の女性(中学時代卓球部所属)に話を聞いてみた。

「未経験者は娯楽としてのピンポンでも楽しめるかもしれないけれど、ある程度経験があると、ピンポンでは物足りない。だからといってフットワークを多用するような競技卓球にはついていけない。そこそこラリーが続いて、体を動かしたという達成感が欲しいけれど、社会人の卓球では『身体を動かした』という達成感を得にくい」

という意見だった。この意見がどの程度女性全体の意見を代表しているのか分からないが、テニスやバドミントンと比べて卓球には足をしっかり動かして移動する要素や大きくスイングして上半身を動かす要素が足りないのかもしれない。

いやいや、フォア側、バック側に交互にボールを送ってオールフォアで打球するようなフットワーク練習は、移動要素満載じゃないか、という反論があるかもしれないが、卓球でそれをやると、ボールが早すぎて、全力で走り回らなければならない。スイングを大きくして力いっぱい打てば、なおさら返ってくるボールが早くなる。

喩えて言えば、大人になって、運動不足解消の手段としてジョギングやトレッキングなどに取り組む人は多いが、100m走や400m走は遠慮したいという心理に似ているのではないだろうか。カットマンに憧れる女性が多いのも同じ理由かもしれない。

そういう必死に取り組むスポーツじゃなくて、テニスやバドミントンのように娯楽としてゆっくりしたプレーをする場合でも、そこそこ身体が動かせるというのを若い女性は求めているのだと思われる(もちろん、競技としてのテニスやバドミントンの運動量は卓球にまさるとも劣らないと思うが)

卓球から若い女性が離れていく原因を私なりに推量してみると、卓球はプレーが忙しすぎるという理由ではないかと思う。卓球も、あまりセカセカしないで、身体を動かす達成感が感じられるような工夫が必要だと思われる。せっかくラージボールがあるのだから、若い女性にもっとアピールしてほしいと思う。


もう一つの「戻り」――岡田崚選手の卓球論から

ツッツキの練習を続けていて、気づいたことがある。

私のプレーの中で、ツッツキのあとの戻りが最も遅いということである。それに気づかせてくれたのが下の動画である。


MurajiLab. feat岡田選手 6限目 戻るってどういうこと?

「戻り」とは何か?

そのような問いかけから始まるこの動画は、私にとって多くのことを教えてくれた。
打法を説く動画はたくさんあるが、これほど卓球の本質に迫った動画というのは多くないように思う。

岡田選手は自分の打球が相手コートにバウンドしたときには自分は「ニュートラル」の状態になければならないとする。岡田選手は「ニュートラル」と「戻る」を定義し直しており、その定義は難しくて、動画を一度見ただけではなかなか頭に入ってこなかった。

戻りというと、一般的?には体の前に両手を待機させ、すぐに次の動作に移れる状態のことだと思われるが、岡田選手は異なる視点で戻りをとらえなおす。

一般的な「戻り」
一般的に考えられている1打球後の「戻り」の状態

自分の打球から、次の打球までを岡田選手の定義で考えると以下のようになると思われる。( )内は従来の定義。

「フォワードスイング」
→「インパクト」
→「フォロースルー」
→「ニュートラル」(戻りの途中)
→「ニュートラル」(戻り完了・上の写真の状態)
→「ニュートラル」(バックスイング)
→「戻り」完了(バックスイング完了)
→「次の自分のフォワードスイング」

「ニュートラル」というのは、従来の定義で言う、戻りやバックスイングなどを含む概念である。
「ニュートラル」とは、意識が自分の打球から解放されている状態――いつでもフォアかバックに引ける状態ということなので、おそらく「フォワードスイング→インパクト→フォロースルー」以外の全ての状態を指していると思われる。打球(インパクト)というのは一瞬なので、より単純化すれば卓球のスイングというのは

「フォワードスイング+フォロースルー(含インパクト)」/「ニュートラル」

の2つの相に分かれると考えたほうがよい。

「フォワードスイング+フォロースルー」中は、意識がそれに集中していて、他のことができないのに対して「ニュートラル」のときは、フォアにもバックにも意識が対応できるので、時間がある程度長くても大丈夫である。ただ、いつまでも「ニュートラル」の状態に留まっているのは危険である。

相手がスピードの遅いループドライブを打ってきた場面を想像してみよう。

自分が打球して、フォロースルーを終えて、すぐに「ニュートラル」の状態に入ったとする。相手は打点を落としてゆっくりしたループドライブをフォア側に打ってきた。それを察するとすぐにこちらはフォアでブロックやカウンターを打つ姿勢に入り、バックスイングを引き、「戻り」が完了する。

このように相手の打球が遅い場合は「ニュートラル」の状態でしばらく待つことになる。が、相手のボールがどこに来るかがほぼ特定できたなら、速やかに「戻り」(バックスイングを引いていつでも打球できる状態)に移らなければならない。

岡田選手は下の体勢で戻りが完了していると考える人が多いと指摘している。
一般的な「戻り」

この姿勢のまま「もう安心」と相手からのボールを待ってしまうと、時間を大きくロスすることになる。相手のボールを待つなら、この状態からさらにバックスイングを引いて、いつでも打球できる「戻り」を完了させておかなければならない。

岡田選手の卓球理論は、ボールが相手コートに着地する時点までには「ニュートラル」でいなければならないという明確な基準を示してくれたことで、一般層のプレーヤーにとって非常に有益であると思われる。

なぜ有益かというと、この理論を使えば、自分がどこで間に合っていないかが分かるからである。

多くの初中級者は戻りが遅い。しかしどのへんで時間をロスしているかというのは自分ではなかなか気づかないものだ。私の場合は自分の打球が相手コートにバウンドした音を聞いてから、俄に我に返ったように動き始めるが、それではいけない。自分の打球の音を聞く前にフォロースルーから意識が自由になっていなければならない。さらにその意識の自由に甘んじているだけでなく、相手の打球に応じて速やかに「戻り」に移らなければならない。前記事「キュー(CUE)」で私は相手のボールが自コートにバウンドしてからバックスイングを引く癖があると述べたが、これを岡田氏の理論に当てはめると「ニュートラル」のまま安心してしまい、「戻り」に入るのが遅れているということだったのである。

なお、『卓球王国』20年2月号の中澤鋭氏の連載「「脱・手打ち」のスイング改造術」では、「戻り」を、打球後に重心が左右のどちらにも偏らず、身体の中心にある状態と定義している。こちらも非常に有益な連載なので、一読を勧めたい。



裏面の角度が分からなくなった

「兄さんは今日の次は当たり前のように明日が来るって思ってるでしょ。
今週の次は来週。今月の次は来月。今年の次は来年。私にはそれがないの。
今日、眠ったら明日は目覚めないかもしれない。…」

takako

ある日、当たり前のことが当たり前でなくなることがある。

今まで当たり前に出していた下回転サーブが急に入らなくなったり、ブロックがちっとも止まらなくなったり。

私の場合は、急に裏面の使い方が分からなくなった。今まで無意識にできていた裏面が最近ちっとも入らない。下回転を持ち上げられる自信がない。力が伝わっている感触もない。いったいどうしたらいいのだろう?

しかし、このような状況は自分のプレーを見直すいいチャンスだと肯定的に捉えたい。下回転サーブが入らなくなったとき、今まで意識していなかった打球ポイントを意識するようになり、それまでよりもずっと下回転サーブが切れるようになった。ブロックも自エンドでバウンドしてからの距離を見直すことによって前よりも安定して入るようになった。

今度は自分の裏面バックハンドを見直すいい機会が訪れたのだと思う。

上手な人のバックハンドをいろいろ観察して分かったことがある。上手な人のバックハンドは見ていてミスする気がしない。いかにも入りそうな打ち方をしている。それがどういう打ち方なのかというと、あまり摩擦に頼っていないのである。

インターハイに出ている選手のバックハンド(シェークだが)を観察してみると、高い打点でボールに対して後ろ(対下回転)からしっかり当てているように見える。たとえ振らなくてもそのまま当てるだけでボールが入りそうな角度である。私の裏面と比べて面がかなり立っている。その角度から当てながらこすっている感じである。まったくボールが落ちる気配がない。

一方、あまり上手じゃない人(=私)のバックハンドはボールに対してかなり面を寝かせていて、摩擦の力で上にこすり上げている感じである。こすらず、そのまま当てたら、ななめ下に落ちてしまう不安定な角度である。しっかりと体を使って力を込めて振れば、摩擦の力だけでも回転のよくかかった低いショットが打てるのだが、少しでもタイミングがずれるとネットに直撃である。

まずはボールの後ろをしっかり捉えて打たなければと思った。

面をあまり寝かせずに当てると、小さなスイングでも下回転が持ち上がる。ボールの後ろを捉えて、上方向ではなく、横方向に振るのが安定するコツなのではないか、と今のところ考えている。

シェークのバックハンドは面の角度を見失いにくいと思う。シェークのバックハンドの面は(偏ったグリップでなければ)手の甲の角度とほぼ同じだから、ボールに対して手の甲を当てるような感じで面の角度を作ったらいいと思う。しかし、ペンの場合はそのような角度のガイドとなるものがない。それでペンの裏面を打つときは面の角度を見失ってしまい、ボールに対して面が寝すぎていたり、ボールの左側を取りすぎて、自分が思っているよりも右にボールを飛ばしてしまったりする。ペンでも角度を作る際のガイドとなるものがあればいいのだが…いや、ある!グリップのレンズである。

grip lens
最近は右の細長いタイプのレンズがはやりだが、私は左の丸っこいレンズのほうが好みだ

グリップのレンズをボールの後ろに当てるような角度で面を作ればおのずからラケット面もボールの正面をとらえることができる。ついつい面を寝かせすぎてしまっていたり、面が右を向きすぎてしまっていたりするときに、このレンズの向いている方向を思い出せば、角度を補正することができる。

グリップレンズがまるで目のように私のラケット面を監視してくれているようで頼もしい。

evileye

用途は違うが、トルコ土産にもらったことがあるイーブルアイにどこか通じるものがある。

以上、グリップレンズの向きをガイドにして面の角度を作ってみるというアイディアである。

「ドコデモ」って何だろう?――新しい卓球ビジネス

この間、久しぶりにツイッターを見ていたら、「ドコデモ」というサービスの予告があった。

dokodemo

スカイプを使って、Liliの村田コーチをはじめとした卓球のコーチが私たちのプレーの問題点を指摘してくれて、指導、練習方法の指南などをしてくれるらしい。

この試みが成功したら、卓球界の大事件になるのではないだろうか。

全日本に出るほどの実力を持っているが、卓球関係の仕事に就けない人たちが卓球である程度の収入が得られるのである。そんなレベルでなくとも、今まで卓球に全てを捧げてきて、卓球がアイデンティティとなっている人が卓球で食べていけるということが現実になったら…、これは日本卓球がロンドンオリンピックで銀メダルを獲得したぐらいの大きな事件になると思う。このような流れができれば、卓球界に勢いが出て、20代で卓球をやめるという人は確実に減るだろう。

この試みが成功することを祈ってやまない。

ただ、本業にはできないように思う。副業の一つという位置づけだろう。

このサービスはどういう人にとって有益なのだろうか。

・長年卓球を続けているが、上達を実感できない人
・地方に住んでいて、近くに卓球の指導者がいない人
・指導者に習っているが、セカンドオピニオンを聞きたい人
・部活などで勝率を上げたい人
・指導者を目指している人

というのがターゲットかなと思う。逆に次のような人には関係のないサービスだろう。

・健康卓球、あるいは交流メインの卓球をしている人
・近くに卓球教室などがあって、信頼できる指導者のいる人

コーチ側からすれば、指導するために卓球場のようなところで実演しなければならないし、場合によっては相手も必要である。それなりの手間と集中力を割いて指導をするのだから、その対価として月に20万ぐらいは稼げないと意味がない。1日に1万ぐらいは稼げないとダメだ。となると、1時間で最低でも3000円ぐらいは払ってもらい、1日に最低でも3人の客がいなければならないということになる。専門知識・技術のある人が時給2000円とかでは安すぎる。

1時間で3000円払うとなると、大半の客は社会人(あるいはリタイアした年配者)だろう。

リタイアした年配者だと、スカイプでのやりとりというのが大きな障害となる。レッスンを申し込んではみたものの、機器がうまく使えず、キャンセルするということにもなりかねない。なお、wifiが使えない環境なら、スカイプでビデオ通話をすると1時間あたり約200~300MBかかるそうである。

ある程度ITを扱えて、3000円ほどの出費が苦にならない人が全国にどのぐらいいるだろうか?最低でも毎月70人は利用してもらわないと困る。都道府県一つに月1~2人利用者がいれば大丈夫だが、それが毎月となると、難しくなってくる。実際に「治療(練習)」できるのではなく、自分のプレーの問題点を「診察」してもらうだけなので、毎月利用する人は少なくて、半年に1度ぐらいの利用が大半かもしれない。今の時点で競合する他の事業主がいなければ問題ないが、このモデルに追随して、あちこちに同じようなサービスができてくると、月70人の利用が難しくなってくる。

リピーターがたくさんできて、「かかりつけのお医者さん」的な感じで頻繁に利用してくれる顧客をたくさん作ることが課題なのかなと思う。しかし、そうすると、単に技術の指導だけでなく、人間的な付き合いも求められるだろう。お得意さんの名前や特徴も頭に入れておかなければならないし、それらの客の「カルテ」も作らなければならない。時には客の興味のない話にも付き合わなければならないだろうし、偉そうな態度を取る客にも笑顔で接しなければならない。

スタディサプリのようなインターネットの学習サービスのように不特定多数に動画を提供するだけで済めば楽なのだが、「ドコデモ」のようなサービスだと、どうしても一人ひとりに対応しなければならないので手がかかる。

顧客にしてみれば、ネット越しの付き合いだけだと物足りないので、オフ会のようなことも定期的に行ってほしいと思うだろう。そう考えると、楽な事業じゃないと思う。というか、地域密着型で地方の卓球教室のコーチが定期的な出張講習会などを前提とした、オンライン指導という位置づけなのかもしれない。

Tリーグの観客動員数が1戦あたり1000人ほどだという(おそらく実際はもう少し少ないだろう)。その一方で「13時間卓球」では1開催あたり200人ほどの参加者がいるのだという(これも場所によって増減が激しいと思うが)。コスパで言えば「13時間卓球」は圧倒的である。一流の選手のプレーを観戦するイベントよりも、参加型のイベントの需要のほうがはるかに高いと感じる。ネットでの指導というのも、参加型のイベントと抱き合わせればうまくいくのではないだろうか。

そしてもう一つの解決策は、できるかどうか分からないが、個人ではなく、法人を顧客にすることである。具体的には学校の部活を取り込むことだと思う。全国の中学や高校などと提携して、ネット上の外部コーチになるのである。やる気はあるのに指導者がいないという中高は非常に多い(おそらく9割以上)はずである。これならまとまった固定客が確保できて、安定した収入と安定した指導が両立できる。

あるいは大学のサークルや企業の卓球部の外部コーチをさせてもらうのはより現実的だと思う。有名な指導者が毎週自分たちの練習を見て、アドバイスや練習メニューを作ってくれるなら、かなり需要があるだろう。

このサービスはまだまだ道は険しそうだが、なんとか軌道に乗ってほしいと思っている。

イメージを持ったサーブ練習

「現代卓球はバックハンドのラリーを起点にして展開し、フォアハンドで決めるのが主流だ」

などと言われる(おそらくかなり高いレベルの話だと思うが)。ということは、いくらフォアハンドを磨いても、バックハンドの質が低ければ、攻めさせてもらえず、フォアハンドの出る幕がないということになる。フォアハンドを磨くよりも、バックハンドを磨くほうが先決であるにちがいない。
しかし、卓球はバックハンドに至る前にサーブやレシーブの段階があり、そこの質が低ければ、こちらのサーブは一発で打ち抜かれてしまうし、こちらのレシーブは3球目攻撃の絶好のチャンスとなってしまう。私のようなレベルでは、バックハンドを磨く前にまずサーブとレシーブを磨かなければならない。

まずはサーブである。こちらのサーブに対して相手が少し迷ってくれたり、攻撃的なレシーブができなかったりすれば、試合はかなり優位になる。まずはサーブを磨かなければならない。

その場面で、どんな狙いで、どんなサービスを出すのか、フォームやコース、長さなど、こと細かに想像して練習すれば、30分練習したとして出せるサービスはせいぜい数十球だと思います。しかし、そこまでイメージして取り組んだのなら、10球に1球でも自分で納得の行くサービスが出せれば、何も考えずに何百球もサービスを出すよりもはるかに効果があります。
「幻惑の縦回転SV〈後編〉」『卓球王国』2019-10

そうだよなぁ…。単にたくさんサーブ練習するだけじゃダメだよなぁ。

私は食べ放題とかが大好きだが、女性は少量で手のこんだ料理を好む傾向が強い。多少雑に作られた料理でも、お腹が一杯になるならそれで私は満足である。いくら凝った料理でも、少量で同じ値段なら願い下げである。

という延長で上の楊氏の説明を読むと、がむしゃらに練習するよりも、少しだけ練習するほうがいいと誤解してしまいがちだが、楊氏が言っているのは「こと細かに想像して練習」することなのである。単に練習量を減らせと言っているわけではない。果たして私は練習時にイメージを持って練習しているだろうか。おそらくほとんどできていない。ボールを打つこと自体が楽しくて、イメージなど脳裏から消え去っている。たとえばワンコースでドライブを打つ練習にしても、ただ打つだけでなく、理想のイメージを持って練習しなければ意味がないということなのである。

上手な人の切れているサーブは「オレにさわるとヤケドするぜ」的な雰囲気をもってグングン迫ってくる。それでも台から出るサーブなら、ドライブすればそこそこのボールを返球できそうだが、上手なサーブはコースや軌道もちょうど台に収まるように低く迫ってくる。それでしかたなくツッツキなどをすると、相手にドカンと打たれてしまうわけだ。私だってよく「サーブが切れている」と言われるので、回転量ならそこそこあると自負しているが、高さや速さ、軌道となると、全く無頓着である。こういう細かいことまで気をつかって練習しないと、いつまでたっても上達しない。

今までサーブ練習は、何も考えず5秒に1本ぐらいのピッチで出していたが、これからはサーブの長さや軌道などをイメージして30秒に1本ぐらいのピッチで出してみようと思う。

Liam SVpractice
もしかしたらサーブのイメージを補強するために台の上に何か置いたほうがいいのかもしれない。

一方で、平野友樹選手のサーブ練習は「切り方や感覚をつかむため」だけの練習だったという。
コントロールや軌道のイメージなどは、対人でないと効果が薄いという考え方のようである。

https://www.youtube.com/watch?v=s8miK5UogTA

戸上次第、宇田次第――全日本卓球2020観戦記

私の周りにOさんというとんでもない「卓球」をする人がいる。
バックへのロングサーブに対してはバックドライブ強打、ショートサーブに対してはチキータ、こちらがドライブ強打を打てば、フォア、バックに関わらず、カウンター。とにかくどんな厳しいボールでも全部打ってくる。しかしOさんは初中級者なので、ほとんどのショットはミス。それどころか成功率は2割以下である。

「いいかげんにせいよ。そんな卓球あるか!」

と言いたいところだが、そんな卓球が実際にあるということを今日、全日本卓球で見せつけられた。

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大阪開催の全日本卓球2020最終日を観戦してきた。

最終日は男女シングルス準決勝の4試合と、男女シングルス決勝2試合の計6試合が行われた。
たった6試合では物足りない。土曜日なら男女シングルス準々決勝の8試合と、男女ダブルス6試合の計14試合あるからお得だと思う人も多いだろうが、私は6試合も観戦したら、もうお腹いっぱいである。ずっとパイプ椅子に座りっぱなしなので、お尻は痛くなるし、2台同時進行だと目移りして試合にに集中できないし、最終日でよかったと思っている。試合を観るのも楽じゃない。

準決勝に進出したのは

男子:張本智和選手、戸上隼輔選手、吉田雅己選手、宇田幸矢選手
女子:伊藤美誠選手、早田ひな選手、石川佳純選手、橋本帆乃香選手

だった。

その中で注目の一戦は張本選手対戸上選手の準決勝だった。
張本選手の鎧袖一触かと思いきや、結果は全く反対だった。戸上選手のボールがとんでもなく速い。速いだけでなく3本も4本も連打できる。世界の第一線で活躍中の張本選手が最終的に打ち抜かれてしまうほどの威力なのである。バックハンドの強さに定評のある張本選手が、バック対バックのラリーで押されている。張本選手がバックで強打すれば、普通の選手は一発で打ち抜かれるか、せいぜいブロックでなんとか返球するのがやっとだろう。しかし戸上選手はそんな鋭いボールに対してもカウンターで応じ、張本選手のバックハンドに打ち負けない、というより張本選手のほうが次第に劣勢になっていく。とんでもないレベルのラリーが続く。バック対バックの途中で「ヤマを張ってるんじゃないか」と思うほど早い回り込みでフォア強打カウンター。張本選手がフォアに振っても戸上選手は素早いフットワークでフォアカウンター。ブロックなんてしたのだろうか?と思わせるほど戸上選手が守備的な技術を使った印象は薄い。戸上選手が前後左右に動き回り、常に主導権を握り、先手を取って攻撃。そのすさまじいスピードのボールに対して張本選手は返球するだけで精一杯である。試合を通じて張本選手がきれいに打ち抜いたボールは4~5球程度ではないか。張本選手の得点源の大部分は「拾う得点」(前記事「失点を拾うか…」)だったように思う。ほとんどのボールは戸上選手が攻撃し、ミスがなければ戸上選手の得点、ミスが出れば張本選手の得点、という試合だった。張本選手は攻めに行かず、なんとか厳しい返球をして戸上選手のミスを待つという形――試合巧者のベテランが自分のミスを極力減らし、相手のミスで勝利するという戦術に見えた。

ラリー力では戸上選手が一枚うわてなので、張本選手はストップなどの小さな展開で優位に立ちたいところだが、戸上選手は台上も冴えていた。張本選手のショートサーブに対してはチキータや深いツッツキ、それを少しでも浮かせてしまうと戸上選手のフォアフリック強打や台上バックドライブが待っている。とにかくなんでも打ってくる。そしてそれがかなりの確率で入ってくる。

どうやっても張本選手は主導権を握れない。張本選手が試合に勝てるかどうかは戸上選手のミス次第なのである。

結局、フルセット9点で張本選手がギリギリ勝利したが、もし戸上選手のミスがもう少し少なければ、負けたのは張本選手だったかもしれない。まぁ、私程度のプレーヤーの見立てなので、どれだけ的を射ているか分からない。張本選手も顔がずいぶん赤かったので、体調不良だったのかもしれないし。

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どこかものさみしげな戸上選手の背中

とんでもない高校生が出てきたものだ。丹羽選手がストレートで負けるのもむべなるかな。

続く決勝は戸上選手のライバル、宇田選手。宇田選手も戸上選手と同様、超攻撃卓球で、試合を通して主導権を張本選手に渡さなかったように思う。そして戸上選手よりもミスが少なかったのか、張本選手にフルセット9点で勝利した。

女子では伊藤美誠、平野美宇、早田ひなの3選手が切磋琢磨しているが、男子でも張本、戸上、宇田の高校生トリオがこれからの日本男子卓球をリードしてくれそうな気配である。今の男子日本代表もウカウカしていられない。この3人には、もしかしたら中国を倒してくれるのではないかと期待させる頼もしさがある。

以上、本日の観戦の感想を簡単に述べたが、女子卓球も非常に興味深かった。橋本帆乃香選手の前半の攻撃的な姿勢は、女子カットマンの既成概念を打ち壊すような新鮮さがあった。女子も若手が次々と現れて頼もしい。

全日本が来年も大阪開催ならぜひまた観戦したいと思う。

「孤独力」――自分と向き合う

保育園で子供たちがいっしょに遊んでいるすぐ横で、一人、熱心におもちゃで遊んでいる子供がいる。
もし自分の子がこんなふうにみんなの輪に入らず、一人遊びをしていたら、親としては心配にならないだろうか。

「うちの子は協調性がない」

「はみご(仲間外れ)にされているのではないか」

孤独力

しかし、こういう行為は子供の発達に必要不可欠なステップなのだという(『「友だちいない」は“恥ずかしい”のか』より)。なぜなら、子供というものは何かに取り組んで、うまく行かないとすぐに飽きて、投げ出してしまうものである。だが、あるとき、どうしても気になることがあり――たとえばパズルをどうしても完成させられない、3つぐらいのはまらないピースができてしまうといった場合、いつもなら飽きて投げ出してしまうところを、どうしても完成させたいと、友達の輪にも加わらず、一人で黙々といろいろな可能性を試してみる。何度もやりかけのパズルを壊して、やり直してみたり、細部に注目して、自分がミスを犯していないか一つ一つ点検してみたり。こんな時の集中力は大人顔負けである。試行錯誤の末についにパズルを完成させたとき、その子は階段を一つ上がり、幼児から児童へと近づいていく。

みんなといっしょだと、どうしても集中できないことがある。一人になって自分と向き合い、じっくり考えてみるということは、子供にはもちろん、大人にも必要な時間である。といっても、一人になれば自分に向き合えるというわけではない。最近は情報が手軽に手に入りすぎて、一人になっても、自分に向き合える時間が少なくなっている。一人になってツイッターやyoutube を見ているならば、それは自分に向き合っているとは言いがたい。周りに人がいてもケータイを片時も手放せない若者も少なくない(「スマホは負け組の吹き溜まり」)。

自分の卓球が行き詰まっているとき、情報を遮断して一人卓球についてじっくり考えてみるのが案外上達の捷径なのかもしれない。

自分のプレーがうまくいかないときは、ひとつ前に自分が送ったボールに原因があるということを私はダブルスから学んだ。

自分に攻撃がうまくいかないなら、攻撃の前の台上に問題があるはずである。

今までなら、できるだけ多くの球を打ち、体で覚えるというやり方によって問題を解決しようとしていたが、最近は実際にボールを打たなくても、上手な人のプレーを観察しつつ、自分のプレーとどう違うのかを考えられるようになった。これもある意味成長なのかなと思う。

明日は全日本卓球選手権の最終日である。去年はいろいろな事情で見に行けなかったが、今年は見に行けそうだ。一番良い席――アリーナ席を確保してある。9時開場で10時に競技スタート。9時からは選手たちの練習を間近で見ることができるだろうか。10時から女子の準決勝である。

今年の全日本も波乱があった。

まさか丹羽選手が戸上選手にストレート負けとは。橋本帆乃香選手と吉田雅己選手の準決勝進出も意外だった。

関西の卓球ファンのみなさん、明日は大いに試合を盛り上げましょう!

用具の「性能」とは

年末にインフルエンザに罹ってしまい、ずっと床に臥せっていたのだが、手持ち無沙汰だったので、youtubeで卓球の動画をいろいろ見ていた。
知らない間にいろいろな人気卓球チャンネルができていたことに驚いた。

その中で、年末に私を大いに楽しませてくれたチャンネルに大阪発の「ごぶりんずTV」というのがある。
メンバーはみんな(?)全国レベルの上級者の若者で、とんでもなく上手い。



そのうちの一人、ヤンマ氏がいろいろなラバーを試打してその「性能」を点数化するという企画の動画を見て、ラバーの「性能」について考えさせられた。

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試打するラバーは
「ラクザX」「ラクザ7」「V15エキストラ」「V15スティフ」「スーパーヴェンタス」「ファスタークG1」「ファスタークP1」「ラザンターR47」「ハイブリッドK1J」「エボリューション」

どれもZX-GEAR INというラケットに貼ってある。



私はこのうち、「ハイブリッドK1J」「エボリューション」以外は「試打」したことがある。ラクザやスティフ、ファスタークなら数週間(といっても週1の練習だが)以上使ったこともある。

ファスタークG1だけ、私には硬すぎて違和感があったが、それ以外はみんな使いやすい良いラバーだと感じた。スピードも出るし、しっかり回転もかかる。程よい硬さで打球感も良い。これらのラバーに私が点数をつけるとしたら、5点中、5点である。各ラバーの個性?う~ん…よく分からない。どれも大差ないと感じる。

私の「試打」というのは、ちゃんとボールが入るかどうかというのが最も重要で、それ以外のボールのスピードや回転性能などは高ければ高いに越したことはないが、必須条件ではなく、「おまけ」という位置づけである。

しかし、ヤンマ氏の場合は違った。凄まじいスピードのボールをバシバシと連打している。これが全国レベルか…ボールの質が高い。

bekkaku

sugosugi

ヤンマ氏のショットは非常にシビアなタイミングと強いインパクトで放たれているので、ラバーのほんのわずかな違和感が即ミスにつながる。もしミスしないで入れることを優先したら、本来のスピードや回転が大きく損なわれてしまうのである。

全力のカウンターが目に見えないほどのスピードで這うように台上を滑っていく。こんなショットが半分以上の確率で入るなら、私はこのラバーに忠誠を誓うだろう。
しかし、ヤンマ氏は納得できない表情で小首をかしげている。このラバーに全く満足していないようだ。

「絶対無理や」

絶対無理

こんなすさまじいショットが打てるラバーでも、ヤンマ氏にとっては実戦での使用に堪えないらしい。

われわれ中級者層の「良いラバー」と全国レベルのプレーヤーの「良いラバー」というのは、もしかしたら全く違うものなのではないだろうか?中級者層の要求も上級者層の要求も広くカバーする万能ラバーというのもあるのかもしれないが、中級者層に使いやすいラバーが上級者層に使いやすいとは限らないし、逆もまたしかり。そう考えると、ラバーの良し悪しというのは一体なんなのだろうか?

ヤンマ氏の試打ではスーパーヴェンタスとK1Jが高評価だったが、おそらく全国レベルの上級者が「ここが違う」と評価する部分というのは、ラバーの限界性能の部分で評価しているのであって、中級者以下の人たちはその違いを体感できる、ラバーの性能の限界に近いショットなど打てないのではないか。

そう考えると、評価の高いシューズというのも、森園選手や神選手のようなフットワークのいい選手が限界ギリギリまでシューズに負荷を与えたときにはじめて性能の違いがあらわれるのであって、一般層ではどのシューズでも大差ないということになる。

ラケットでも中陣より後ろから豪快なショットを打てる選手なら違いを感じることができても、ほぼ前陣でプレーする選手には、性能の違いというのは感じることができないということもあるのかもしれない。

用具の性能の違いというのは、結局のところ、限界近くまで性能を引き出せるような力のある人でなければ意味がないということにならないだろうか?

用具レビューというのはどのレベルを対象にして、どんな基準で評価するのかというのを考慮しなければならないので、非常に難しいと感じた。

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V15スティフを私は実際に使ってみて非常に満足し、リピートしたが、ヤンマ氏の評価は最低レベルである。


ヒッコシカクメイ
大阪の電車で見つけた吊り革広告。おもしろい。
 

軸を作る――新年の抱負

「フォアドライブを軸にしてポイントを組み立てる」

のようなことをよく聞く。自分の得意技術をポイントの要として、それが打てるようにサーブやレシーブを工夫するということである。私が試合の時、なんとなく負けてしまうのは自分の展開というのがなく、行きあたりばったりで試合をしているからなのだと思う。私も自分の卓球の軸を作ろうと思う。

私の中で比較的得意な技術というと、フォアドライブかもしれない。しかし、フォアドライブを軸にしてポイントを組み立てるとなると、どうしても避けられないのがフットワークである。私はフットワークには自信がない。しかも、フォアドライブを軸にするとなると、かなり綿密なコース取りが要求されるだろう(前記事「やっぱりそうだった」)。こちらがフォアドライブで決めたいと思っていれば、あるいはフォアドライブで得点ができているならば、相手は絶対にフォアを打たせまいとしてストップをしてきたり、バックばかり狙ってきたりするに決まっている。そのような困難を跳ね返してフォアドライブを打つには相当な工夫が要求されるわけだ。

フォアドライブはやめだ、難しすぎる。バックドライブならどうだろうか?フォアドライブよりもバックドライブのほうが打つチャンスは多いはずである。ただ、私はあまりバックドライブが得意ではない。裏面が打てるとはいえ、シェークのバックハンドと比べると、ペンのバックハンドはシェークほどの対応力も威力もない。

ツッツキを軸にするというのはペンらしくていいかもしれない。もちろんツッツキだけでは打たれてしまうので、ツッツキとストップの合わせ技というのがよさそうだ。ツッツキやストップなら地味だし、相手もあまり警戒しないにちがいない。フォア側かバック側かどちらに来るかギリギリまで分からず、台から出るかどうかも分かりにくいとなると、相手にとってかなり驚異になるはずである。

ただ、これも私はあまり得意な技術ではない…。しかしそんなことを言っていたら、私の得意な技術は何もないということになってしまうので、ツッツキとストップを今年は磨くことにしよう。

ペンのツッツキ

ストップが上手にできるようになったら、相手はツッツキで返してくるだろう。すると次はフォアドライブでしっかり打てるようにならなければならないだろう。回り込みが間に合わない場合はバックドライブで打たなければならないかもしれない。
あるいは鋭いツッツキが打てるようになったら、相手はループドライブで持ち上げてくるだろう。そうすると、ブロックやカウンターを磨かなければならなくなる。

ということは、結局全ての技術をまんべんなく磨かなければならないということになってきそうだ。

そうかぁ。結局どれもできなければならないんだなぁ。とはいえ、やはりプレーの軸というべきものを持っていると、自分の技術をどのように使えばいいか具体的なイメージができるので、軸となる技術を作っておくのは間違いではないと思う。

平成末年から令和元年を振り返る――拙ブログの今年一年の軌跡

昨日まではひどい寒気と頭痛に襲われて、床に臥せっていたが、ようやく起き上がれるようになった。正月休みだと気が緩んだせいだろうか。風邪を引くなんて1年ぶりぐらいである。私は昭和の人間なので風邪ぐらいではもちろん病院には行かない。自分の免疫力で治すのである。なぜか分からないが、体の節々が痛い…。

そうして今年も残すところあとわずか。

今年1年で私の卓球に対する意識はどの程度進歩しただろうか。去年の年末には「卓球ポートフォリオ」という振り返り記事を書いたのだが、過去の記事に目を通すのは予想外にめんどくさかった。あまり気が進まないが、やはりこの1年でどんなことを考えたり、知ったりしたのか、改めて振り返っておくべきだろう。最近、物忘れがひどくて、同じような内容の記事を繰り返し書いてしまうことがあるので、備忘録的な意味もある。

数えてみると、寄稿を含めて2019年に66本の記事を公開している。この記事で67本目である。
以下に私の卓球意識の変遷に影響したと思われる記事を時系列順に並べていきたい。

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1月
小首をかしげて
顔をインパクトに近づけてサーブを出すとカドらない。

感覚を聞く
とにかくたくさんボールを打つという量的な練習から、1球1球神経を集中させて味わって打球すると、今まで気づかなかったことに気づけるかもしれない。

ここじゃないどこかへ
動くのが楽しいと自己暗示をかけ、動きたくてたまらないという気分にしておいた上で足を動かすと、効率よく動けるのではないか。

2月
○球目にご用心
サーブ時なら1球目、レシーブ時なら2球目の打球直後に神経を集中させることが大切。

アクセルかブレーキか
体重移動時に踏み込みが強すぎると、戻りが遅くなる。

それってyoutubeの見過ぎだよ
プロの選手が当たり前のようにやっていることを一般層も当たり前のことだなどと思ってはいけない。

3月
手首・肘・肩 支点のバックドライブ
釣り竿を振るように手首を支点にしてBDを振ると、軽い力で安定したドライブが打てる。

いいドライブは呼吸している
ドライブ時に足裏で床を蹴るようにしてドライブを打つと良いドライブが打てる。

ラバー・ペンシル・イリュージョン
指に力を入れないことによってラケットを素早く振れる。


4月
神巧也選手の前後のフットワーク
打球と次の一歩を同時に出すと、素早いフットワークができる。

卓球における質の高さ
ボールの質ばかりでなく、フットワークの質や戦術の質を高めることも大切。


5月
リソース不足
動きながら質の高いボールを打つには、上半身か下半身のどちらかを無意識に行えるようにしたい。

カウンターだよ、卓球は
カウンターの意識を常に持っていれば、反応が早くなる。

6月
回り込みと体の向き
回り込みは横に移動するのではなく、まず横を向いてから、後ろに下がると素早く回れる。

ズンチャッチャ
「打球」→「移動」→「移動」の三拍子を心がければフットワークが安定するか。

ライトウェイト卓球
台から離れて大きく動いて強打を放つ、ハイパフォーマンス卓球ではなく、前陣で軽やかに軽打を放つライトウェイト卓球を目指したい。

バイバイの動き
手首に力を入れなければラケットが速く動き、サービスも切れる。

難しいボール
中級者にはあまり難しくないつもりのショットでも、上級者にはリスクの高いショットである場合がある。中級者と上級者は「難しい」の基準が違う。

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以上、駆け足で今年前半期を振り返ってみたが、大切なことなのにすっかり忘れていたこともいくつかあった。

2月の「それってyoutubeの見過ぎだよ」、6月の「難しいボール」と、似たような主題で記事を書いている。さらに今月にもこれらと同じような記事を公開している。私の卓球人生においてこの事実は元号が変わるぐらいの画期的な発見だったのだと思う。卓球歴累計20年ほどにしてようやく気づいた上級者への道(すでに手遅れかもしれないが)。このことに気づかなければ、私の上達のスピードはもっと遅くなっていたことだろう。

なんだか頭が痛くなってきたので、今晩は無理をせずに休むことにしたい。続きはまた明日。

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【続き】

7月
ブレードのどの辺で回転をかけるか
ブレードの先端のほうから斜め方向にボールを通す意識でドライブをかけると、安定する。


8月
やっぱりそうだった
卓球レベルの段階を3つに分けてみた。
レベル1(初中級レベル)はボールを正しく打てるかどうかのレベル
レベル2(中上級レベル)は打球と打球をつなげられるかどうかのレベル
レベル3(上級レベル以上)は戦術と駆け引きが中心のレベル

足で打つとは
フットワーク練習は、足を速く動かす練習だけでなく、相手の動きを確認し、次の自分の動き出しを早くする練習も兼ねている。

フォアハンドを振り切るには
アープのサンプル動画を見て、自分なりに解釈。おそらく体の向きが大切で、背中と肘を直線で結ぶように意識すると、フォアハンドを振り切れるか。

自分の持ち味
腕に利き腕があるように、体のあらゆる部位にドミナントがあり、自分のドミナントがどちらかを知れば、自分の持ち味を活かせるプレーができる。


9月
エネルギーの方向性
下回転を持ち上げるにはスイングスピードを上げるより、ボールの触る位置を変えたほうが簡単である。また体の中心に向かって体を「圧縮」させる意識で体を回転させるとスイングスピードが速くなる。

感覚を閉じる
視覚に充てるリソースを他の感覚に振り分けることによって聴覚や筋感覚が鋭敏になる。そうすることによって自分がどの筋肉を使って打球しているかが分かる。

安定したツッツキ
ツッツキを上から振り下ろさず、下からしゃくるように打てばツッツキが安定する。

動作の楽しみ
体を動かすことは面倒なことではなく、むしろ楽しいこと。


10月
節制は勝利のもと
自分の全力で打つのはやめて、マージンのある卓球を基本とすべきである。

足惜しみ
フットワークでは感覚を研ぎ澄まし、足を動かそうという姿勢を保つべきである。

インソールの穴
踏ん張らないほうがフットワークが速くなる。


11月
CUE
無意識に不合理な癖にとらわれてプレーしている場合もあるので、それに自分で気づけるようにしたい。

ツッツキのバリエーション
ツッツキを細かく打ち分けることが大切

止まって打つとは
打球のインパクトと右足の踏み込みを同時に行うようにすると安定する。

12月
大人の卓球
強ドライブで一発で決めに行くよりも安定したドライブで自分のミスを減らしたほうが試合で勝てる。

標準卓球
初中級者が「標準」だと思っているプレーは客観的に見ると、リスクの高いプレーである可能性が高い。

失点を拾うか、得点を奪うか
上級者にしても、試合で全力ドライブやカウンターは余裕のあるときでない限り避け、むしろ堅実につないで相手のミスで得点しようというほうに意識が向いている。

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以上、後半期の記事を振り返ってみた。

9月の「感覚を閉じる」は1月の「感覚を聞く」と同工異曲である。
2月の「アクセルかブレーキか」は10月の「インソールの穴」とよく似た主張だし、一年のうちに何度も同じような主張をしてしまう。半年前のことが頭の中からすっかり消えてしまっているわけである。脳の老化というのはおそろしい。

10月の「節制は勝利のもと」、12月の「大人の卓球」「標準卓球」「失点を拾うか、得点を奪うか」は、2月の「それってyoutubeの見過ぎだよ」、6月の「難しいボール」と共通する主張である。一言で言えばリスキーなプレーはやめて、自分の実力相応の安定したプレーを貫いたほうが試合で勝てるということである。

以上、今年1年の記事を振り返ってみた。
このようにたくさんの気づきをもらえたのは無料で動画を公開してくれている方々、ブログやコメントで質の高いご意見を発表してくれたみなさまのおかげである。この場を借りてお礼申し上げます。

もう今年もあと数分。新年も拙ブログ「しろのたつみ」をどうぞよろしくおねがいします。

さよならイノシシ
さらばイノシシ

失点を拾うか、得点を奪うか――読者のコメントから

前記事「標準卓球」で次のようなコメントをいただいた。非常に有益なコメントだったので、シェアしたいと思う。
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自分で書くのもおこがましいのですが、自分はしろのさん基準でいう「上級者」に分類されると思います(インターハイ、インカレ、全日本出場経験ありの現役大学生)。ただ、いわゆる一般目線でいう上級者の私もしろのさんが挙げられたような「当たり前」のプレーができているかと聞かれると、全くできていません。さらに言えばあまりする気がなく、特に両ハンド強打や2球目強打、カウンター等は全く入る気がしないのでよっぽど余裕のある試合でしかすることはありません。
最近、鹿南クラブさんの動画がじわじわ伸びつつありますが、鹿南クラブさんの考え方はいわゆる上級者全員に通じる考え方だと思います。特に強豪校と呼ばれるところでは「負けない卓球」を叩き込まれているので、「得点を奪う技術」よりも「相手の失点を拾う技術」を使うのが上手いです。
いまいちまとまりのない文章なのですが、結論としては、しろのさん目線でいう中級者、上級者の間にはこのあたりに差があると思います。中級者は「得点を奪う技術」に目が向きハイリスクなプレーになり、上級者はよっぽどのことがない限りローリスクにプレーすることが基本になっているのでプレーが安定する。私の実体験からしても、このことは確信を持って言えます。上級者は卓球が上手いからミスが少ないのではなく、ミスをしないように簡単なプレーだけをチョイスしているからミスが少ないのです。

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上のコメント主、四ツ谷氏は、相当な腕前である。インカレや全日本に出場したことがあるだなんて、私から見たら異世界の住人である。

そのようなどこから見ても上級者の氏が

「当たり前」のプレーが「全くできてい」ない
「2球目強打」「両ハンド強打」「カウンター」はよほど格下相手にしか使わない

というのである。
さらに上級者と中級者の意識の差として、「上級者は相手の失点を拾う」ほうに意識が向いており、中級者はハイリスクな「得点を奪う技術」のほうに意識が向いているというのである。

これを読んで思い当たることがある。
強打自慢のRさんは大学までガッツリ卓球をやってきた中上級者である。Rさんと練習試合を何度かしたことがあるが、いつもストレート負け。しかし、一度だけ勝ったことがある。

Rさんと対戦するときはいつも緊張して、早い打点で低いボールを返球しなければならないというプレッシャーがある。普通にツッツキすれば、回り込まれて強打の餌食になってしまうので、低い鋭いツッツキを心がけている。台上のちょっと浮いたボールはこちらが強く叩きにいかないと、次にRさんの強打が待っている。そういうプレッシャーから、打たれまいと鋭いツッツキをしようとしてネットミス。台上の浮いたボールを叩いてオーバーミス。ロングサーブが来たら、渾身の力でバックドライブするも、ネットを越えない…。

これがいつもの私の負けパターンである。しかし、あるとき、開き直ってリラックスして対戦できたことがある。相手のショートサーブに対して私は軽くフォアフリック。Rさんはもちろん自慢のフットワークでそれをドライブ強打するのだが、フリックがナックル気味になっていたのでドライブをネットに引っ掛けてしまう。あるときはフォア前にちょっと浮いたストップをして、強打を打つつもりのRさんが強打できず、置きに来たボールをバック奥にツッツキ。Rさんは全力でバック側に戻るも間に合わない。

伊藤選手がよく使うコース取りである。
フォア前に
フォア前サーブのあと、

バック奥に
バック奥へ

Rさんは次第にプレーが崩れていき、そのまま負けてしまったのだ。そのときは単に相手の調子が悪かったから、私が勝てたのだと思っていたのだが、今思い返してみると、Rさんほどの上手な人でも、微妙な回転のボールは必ずしもガツンと強打できるわけではないし、とっさに予想していない高さや深さのボールを送られると、ミスをしてしまうということなのである。

全日本一般に出場したことのある四ツ谷氏にしても両ハンド強打はそうそう打てないと言っているのである。いわんやRさんをや。

上級者は相手の得点よりも、自分のミスで負けることのほうが多いということをよく理解しているため、慎重にプレーして相手の失点を拾おうとするが、中級者は「2球目ドライブ強打ぐらい当たり前」「台から出るツッツキに対してはすべて決めに行くスピードドライブ」のような得点を奪う意識でいるため、自分のミスで負けてしまうことが多いのだと思われる。

喩えて言うなら、一流の経歴を持つ人も慎重に行動しなければ不倫やら汚職やらで現在の地位を失ってしまうというのに似ている。

このような意識の違いを多くの初中級者に知ってほしいと思う。
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シロノ タツミ

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