しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




卓球

当ブログでは皆様からの寄稿を募集しております。卓球について意味のある主張を発表したい方はshirono.tatsumi◯gmail.comまで原稿をお寄せください。

コメントについて:
コメント欄は他の読者が読んで意味のある情報交換の場としてご利用ください。当ブログの方針(察してください)に沿ったご意見は公開します。返信しにくい場合は公開のみとさせていただきます。指導者ではないので、技術的な質問には答えられません。中傷等は論外です。なお、メールアドレスは公開されません。

調整打――流れが悪いときにとりあえずすること

【ケース1】
地域のクラブで小学生の相手をしなければならないとき、どんな練習をしてあげればいいのだろうか。

指導者でもないので、下手に指導などできないから、とりあえずロングボールでずっとブロックしてあげるという練習で私はお茶を濁すことにしている。

こちらがブロックで打ちやすいボールを送ってあげると、子供は元気よくフォア・バックで強打を連打して満足そうだ。

しかし、こんなこと(ある程度安定してできること)ばかりやっていても、子供のためにはならないのではないだろうか?実際の試合(もちろん、県大会以下の大会)で勝つためには下回転からの展開をもっとよく練習しておいたほうがいいのではないだろうか?

「今度はツッツキからドライブ打ってみようか?」

下回転サーブから、ツッツキのラリーをし、2~3回ツッツキをしたところでドライブからのラリーというのを想定していたのだが、その子はツッツキ打ちがほとんどできなかった。対上回転の角度(つまり面を寝かせて)でドライブをかけるので、ほとんどのショットがネット直撃なのである。といっても、全部が全部ミスというわけではなく、たまに早い打球点でタイミングよく打てた場合は速くて低いドライブが入る。せいぜい5~6本に1本程度だが。

「下回転のボールを前に振ってたら、安定しないよ。ゆっくりした山ボールでいいから、とりあえず上方向に振って相手コートに入れてから、次に速いボールを打てばいいよ。」

とアドバイスしてみたのだが、子供はそんなゆるいボールは打ちたくないとばかりに頑なに速いドライブを打とうとしてはミスしている。

この子のレベルで下回転のボールをいきなりスピードドライブで打ち抜こうだなんてムチャな話だ。まずはツッツキの下回転をループドライブなどで上回転に変換してしまえば、打ち慣れた上回転のラリーになるので、ミスも減り、質のいい練習ができるのに…。

でもこれは子供のプレーに限ったことだろうか?

例えば私が横系の思い切り切ったショートサーブをフォア前に出して、相手の短い返球を待っていたところ、相手は深くつっつこうとして、誤って少し浮いたチャンスボールを返してきたとする。

レシーブ

私はどうするか?
複雑な横回転もかかっているし、自分の位置もボールから近すぎる。にもかかわらず私は一も二もなくその浮いたボールをドライブ強打で打ち抜こうとするだろう。そしてたいていミスするのである。私のレベルでどんな回転がかかっているかも分からないボールを、姿勢も崩れている状態でとっさに強打するなんてムチャな話である。無理をしないで、まずはゆるいループドライブとかチョリドラとかで1本つないでブロックさせて、すなおな上回転に変えてから、自分の姿勢も整え、万全の体勢から全力強打で攻めていけばいいのである。

この「調整のために間に1本入れる」というのは、難しいことではないはずだが、子供・大人を問わず、レベルの低いプレーヤーにとってはなかなかできないことだと思われる。もっとレベルの高いプレーヤーなら、難しいボールと判断したら、無理せず安全に行って、ちゃんと打てるボール・体勢にしてから全力強打を打っているのではないだろうか(レベルによって「難しいボール」は違ってくるが)

ラリーが得意な選手はこの「調整打」というものを上手に使っているのではないだろうか。
最近見た、わった氏の動画でも「難しい」ボールを無理に決めに行かないプレーが目立った。
watta

最強の中国式ペンホルダー 伴選手と対戦!
https://www.youtube.com/watch?v=cQ3LYthSQ8E

と、ここまで書いてきて、これは以前書いた内容だと気付いた(前記事「それってyoutubeの見過ぎだよ」)。頭がぼけてきたので、同じことを何度も繰り返してしまうのである。

そこで、もう一つの例を挙げてみたい。

【ケース2】
Nさんは、いつもサーブ研究に余念がない。複雑なモーションを組み込んだ、上か下かよく分からない横系のサーブを出してくる。そしてこちらがレシーブを入れに行くのを待ち構えていて、両ハンドで全力強打をしてくるのである。若くて、ラバーも高価で回転のかかるものを使っているので、タイミングが合ったら、とんでもないボールを打たれてしまう。
こちらもそれに負けないよう、レシーブで先手を取らなければならないと、チキータだの、フリックだので台上から攻撃していくのだが、サーブの回転がよく分からないのでどうしても全力では打てず、安定性を重視したレシーブになってしまう。すると、半分ぐらいの確率でNさんの3球目一発強打の餌食になってしまう。打たせまいとストップレシーブに切り替えても、少し浮いてしまったり、台から出てしまって、Nさんの強打を防ぐには心もとない。

Nさんの3球目をしっかり止められるブロック力があれば…。

いろいろ試してみて、私のレベルでNさんの分かりにくいサーブからの3球目を防ぐ方法は、切ったツッツキしかないという結論に至った。

Nさんの分かりにくいサーブをとりあえず、下回転のボールに変換することによって、Nさんに一発で打ち抜かれることは少なくなった。深く低くつっつくことができれば、Nさんもループ気味に返球してくるので、こちらから攻撃するチャンスも生まれる。

この切ったツッツキというのは、相手の複雑な回転を単純な下回転(気味)のボールに変換できるし、ラリーのスピードを一時的に遅くすることもできるので、こちらが体勢を整える時間的余裕も生まれる。これも「調整打」と言えるだろう。

ツッツキの重要性

「ツッツキの重要性を理解すれば試合で負けにくくなる!」
https://www.youtube.com/watch?v=tffGuv6jZ_4&t=27s

さきほどのループドライブも、ツッツキも、あまり攻撃的な技術ではない。強い相手と試合をするときは、こういう非攻撃的な技術を使うと、相手に一発で抜かれてしまいそうで怖いが、勇気をもって調整的な打法を間に入れて体勢を整えたほうが、かえって相手の攻撃を防ぐことになるのだと思う。

と、ここまで書いている途中で、この内容は前記事「ツッツキは大切ですか」との重なりが大きいということに気づいた。

自分の脳がどんどん衰えていくのが怖い。

まぁ、こういう時こそ「調整記事」として、過去記事を振り返ってみるというのもいいのかなと前向きに考えてみようと思う。


テープいろいろ

以前買ってあったラケットを新しく下し、ラバーも貼ってみた。
ダーカーのスピード20である。
speed20

ドライブ向けのスピード15ではなく、あえてスマッシュ向けの20を選んだのは、これからはミート打ちを主体にしたいからという理由と、本番用ではなく、趣味のラケットなので、ドライブ型とはちょっと違うものを使ってみたかったからである。板厚10ミリがよかったのだが、残念ながら9ミリしかなかった。

実売1万3000円ぐらいする高価なラケットなので、大切に使いたい。側面にできるだけ傷をつけたくないのでサイドテープを買おうと思っていた。ふつうのビニールの安いテープではなく、植毛してあるテープがいいかな。あるいはクッションテープなんていう、分厚くて、より衝撃から守ってくれる製品も最近発売されているから、そっちにしてもいいかな。

結局アマゾンで植毛タイプのものを注文してみた。

スピード20は打ってみると、びっくりするほど球離れが早い。軽い力でターンと飛んでいく。さすがスマッシュ向けである。もしかしてこれは表ソフト向けだったのか?球持ちが悪く、ドライブがかけにくい。こういうラケットに慣れている人には最高に心地よいのかもしれないが、私はミート打ちでもボールを少し持ちたいので、使いこなすのに時間がかかりそうである。まぁ趣味のラケットなのでよしとしよう。

数日後、アマゾンからサイドテープの在庫がなく、注文をキャンセルするという連絡が届いた。

サイドテープをどうするか決まらないまま、私はロフトで買い物をしていた。そのとき、マスキングテープというものの存在を知った。

マスキングテープというのは、プラモなどで塗装がはみ出ないように使うものだと思っていたが、どうやら最近はそのような用途だけではないらしい。
masking

小中学生の女の子が文房具などに貼って「デコる」ためにもっぱら使われているようだ。そのため、さまざまなデザインのマスキングテープが発売されている。子供向けかと思いきや、大人の鑑賞にも堪えるデザインのものも少なくない。
morris
ウィリアム・モリスの唐草模様のテープ(カモ井加工紙)4mで180円ほど。

幅が15ミリもあるので、2~3ミリほどオーバーしてしまうが、細く切って使えばスピード20の側面を上品に変身させられる。

ただ、マスキングテープは紙製なので、薄く、耐衝撃性は期待できないし、汗がついたりしたら、耐久性は低いだろう。

remake tape
と思ったら、耐水仕様の製品もあるようだ(リメイクシート)。
270mm×900mmで500円~


mi casa
床補修用の耐衝撃性の高い製品もあるらしい(MT CASA)
460mm×460mmで400円~。

また、手できれいに縦に裂ける養生テープ(yojotape)もデザイン性の高いものが増えているようだ。
yojotape
う~ん。こういうのを見ると、卓球用のやぼったいサイドテープを買う意味があるか分からなくなってくる。値段も卓球用のテープより安いし、卓球用のサイドテープを買うのはやめておこう。

動きを止めないシンプルな方法

なにかおもしろい卓球動画はないかとyoutubeを見ていたところ、偉関晴光氏の技術動画を見つけた。
台上技術などをいろいろ紹介していて興味深く見ていたのだが、とりわけフォアドライブについての解説がおもしろかった。
イセキ

リラックスして軽々と下回転を持ち上げる偉関氏。
こんな安定したドライブが打てるようになりたい。
この動画では打点やタイミングについての言及はなく、力を入れ方についての解説のみだった。

「このとき、大事なのは体勢。自分が打つ場所に移動しながらラケットを下ろして、下半身に力を入れる。」
「このとき、大事なのはラケットを動かすのに力を入れすぎない。みんな力を入れすぎている。」

なるほど。言われてみれば、私もバックスイングを取るときに力を入れてしまっているかもしれない…。

「体を動かす時、力を抜いてラケットを下げ、反動を利用してボールに回転をかける。」

「反動」…か。そういえば、今まであまり気にしたことがなかった。バックスイングからスイングに切り返すという運動の中で、反動を少しは使っているはずだが、何も意識していない場合と、意識的に反動を使おうとするのでは、結果に少なからぬ差が生じるのではないだろうか。

反動
偉関晴光の下回転レシーブ5選
https://www.youtube.com/watch?v=BFoNOAfuoGg

対下回転ドライブのときに意識的に反動を使おうとすると、力を込めずとも手首が自然に大きく動く。しかも電動アシスト自転車のように軽い力でドライブが振れる。これなら力を入れなくてもスイングスピードが速くなりそうだ。

自分で実際に素振りなどをしながら思った。この「反動」という動きはスイングにとどまらず、他にも応用が効くのではないだろうか。

ドライブ強打などを打ってフォロースルーが終わったとき、私は達成感を感じ、そこで動きが止まってしまいがちである。しかし、フォロースルーが終わった時も反動を意識して、さらにラケットを戻そうとすれば、力を入れずとも自然に素早くニュートラルに戻れそうである。

フォロースルーからニュートラルに戻るときはラケットの反動だけでなく、下半身の反動も利用しなければならない。というか、上半身の反動よりもむしろ下半身の反動を利用するほうが大切なのではあるまいか。

私はフォアツッツキをするときに右足をグッと踏み込むのはいいのだが、そのあとニュートラル・ポジションに戻れず、台に近づいたままになっていることが多い。ツッツキをしたら、次は相手にドライブを掛けられる可能性が非常に高いのだから、ツッツキ後、素早く後ろに下がって、台からある程度距離をとって待っていなければならないのに、ツッツキのままの位置にいるので、打たれたドライブをしっかりブロックできないことが多い。これもフォアツッツキのときに右足をグッと踏み込んで、その「反動」を利用して後ろに移動すれば、自然に台から距離が取れるわけである。

左右のフットワークでも、同様にバック側に動き切ったあとのフォア側への切り返しには左足の反動を利かせなければ、素早いフットワークは望めないだろうし、逆にフォア側に動いてからバック側に戻るときにも反動を上手に利用しなければならない。

サーブを出した後、打球姿勢に素早く移行するには反動が役立つだろうし、ブロックでさえ少しは反動を使っているかもしれない。

こう考えてみると「反動」を利用しない動きというのは、卓球ではほとんどないのではないだろうか?

反動というのはあらゆる場面で、動作と動作をつなぐ役割を担っている。反動を使うことによって一つの動きが次の動きにシームレスにつながることになるのである。つまり、動きを止めずに滑らかに動くことができるというわけである。

これまで私は反動を意識的に使ってこなかったので、「動きが止まる」とか「動きに連続性がない」などと言われることが多かったのだが、もしかしたら、反動を常に意識的に使えるというのは卓球において最も優先度の高い「技」(言い換えれば最も基本的な技)の一つなのではあるまいか。

【追記】
当初、題名を「動きを止めない簡単な方法」としていたのだが、「簡単な」というのが「容易な」「楽にできる」という意味で捉えられるおそれがあるため、題名を変更した。常に反動を使いながら卓球をするというのは、たぶん非常に難しいことだからである。

四の五の言わず、フットワーク練習

卓球上達のためによくyoutubeで卓球の動画を寝そべって見ることが多い。ためになることが多く、見ているだけで上達した気分になってくる。

「この動画で学んだことを次の練習で試してみよう」

などと言って試してみるのだが、あまり上達したようには思えない。私はうすうす気づいているのだが、結局のところ、卓球が上達するかどうかというのは、足が動くかどうかにかかっているのではないだろうか。相手の打ったボールを、いや、打つ前にボールが来る場所を予測して、ボールが到達するまでに足をつかって適切なポジションに移動できれば、ミスが激減するのは分かっている。打法がどうの、用具がどうの、そんなことは些末なことであって、最も大事なことはフットワークに決まっている。その証拠に強豪校の練習はフットワークや足を使う練習が中心ではないか(前記事「「足で打つ」とは」)。

青森山田練習
青森山田時代の練習」より

フットワーク練習をひたすら続けることが上達への最短距離に違いない。どうしても避けて通るわけにはいかない。
しかし、学生時代に卓球をきちんとやっていない私のような社会人がフットワーク練習というのはなかなかできるものではない。
フットワーク練習は単調でつまらないし、体力を消耗するからできないのではない。純粋に能力的にできないのである。

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キソレン

キソレン(6)フォア側1本→バック側1本に動いてフォアハンドドライブ

上は「卓球レポート」の「基礎を固めて強くなる」シリーズの動画だが、フットワーク練習の基本である「1本1本」をオールフォアで打つ練習である。上田仁選手の滑るようなフットワークが美しい。この動画でフットワーク練習のやり方が説明されていると思ったのだが、役に立たなかった。

この練習のポイントとして以下の点が挙げられている。

「床すれすれに足を運ぶイメージで素早く動く」
どうやって「素早く動」けばいいのか…。それが知りたいのだが。

「上体の前傾を保ち頭を上下左右に動かしすぎないよう動く」
上体の適度な前傾が保てないときはどうすればいいのか…。私は回り込みがボールに間に合わず、上体をガクンガクンさせてばかりである。

「「動く→動きを止めて体全体でスイング→動く」を素早く正確に行い打球の精度を高める」
上のプロセスを「素早く正確に行い」たいのだが、どうすればできるのだろうか…。

これを見て参考になるのは、すでにフットワーク練習ができている人に違いない。案の定この動画に対するコメントは以下のようなものだった。

「この練習をやろうとしても難しくて全然続かない」
「相手がちゃんと返してくれないから練習できない」
「6割の力で打っても続かない」

彼らの気持ちがよくわかる。
フットワーク練習は、まずちゃんとブロックしてくれる相手がいないとできない。当てるだけのブロックができず、やけにプッシュしてくる人とか、バックドライブで返球する人とか、台の端から端まで恐ろしく広角に返球する人とか、そういう人が私の周りにもたくさんいる。
そして動き方が分からない。がむしゃらに足を動かして反復横跳びをやってもすぐに間に合わなくなる。ボールのスピードを落として時間的余裕を作るために5割、6割の力で打っても間に合わない。

私のようなレベルの低い愛好家はフットワーク練習ができるようになるために練習しなければならないのである。

もっとフットワーク初心者の役に立つ動画はないものか。

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「「足を動かせ」と言われても、どう動かしていいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。」
「足を動かす基本は「動く方向に足を出す」ことです。」
「…右に動くときに右足を出す。左に動くときは左足を出すようにします。」
「足を出すタイミングとしてはインパクトとほぼ同時になります。」

八戸

八戸
https://www.youtube.com/watch?v=8596LAhN2lw
【卓球フットワーク】左右1本1本の足の動かし方(沼田勝卓球チャンネル)より

そうだったのか!
なるほど、移動する側の足を上げることによって、もう一本の足に体重がかかり、しっかり床を蹴ることができる。こうすれば方向転換のスピードが格段に速くなる。

「打つときにジャンプする」と説く下の動画も参考になった。
諏訪
https://www.youtube.com/watch?v=dvvt5X8ySKQ
卓球 〜1本1本と回り込みの動き方〜 TT Labo 諏訪 より

これらの動画を見ていると、私でもフットワーク練習ができるような気がしてきた。
すぐにでも試してみたい!
しかし、週末まで練習はない。

待てよ。よく考えてみたら、フットワーク練習というのは、台がなくても、相手がいなくてもできるんじゃなかろうか?足の動かし方を身につけるだけなら、シャドープレーで十分ではないか?

田端式

「おうちでゴリゴリのフットワーク練習「4分間で1時間分の運動効果?」」(おうち卓球倶楽部【Home table tennis club】)
https://www.youtube.com/watch?v=C0zLHjFkloI

上の動画でシャドープレーでのフットワーク練習のやり方を説明している。
「田端式トレーニング」という有名なトレーニング方法があって、それも取り入れているらしい。

実際に私もアプリを使って似たようなことをやってみた。
tabata timer
Tabata Timer - タバタタイマー 無料

余計な機能が入っていなさそうなので、上のアプリをインストールしてみた。

休憩を含んで約5分、シャドープレーでテーブルの前で1本1本オールフォアのフットワーク練習をしてみた。
疲れた…。
たった5分なのに、肩で息をするぐらい消耗した。
これはいい練習になる!

そういえば最近、こんな興味深い企画がスタートしていたのだった。
卓球ダイエット
卓球フットワーク・ダイエットvol.1 卓球は痩せるのか?
https://www.youtube.com/watch?v=FUuAZA8pguw

この動画のように30分の練習を週2回というのも減量に効果がありそうだが、家で毎日5分のシャドープレーというのも手軽で続けやすいと思う。

毎日5分のシャドープレーでフットワークの足の使い方を身につけ、さらに脂肪も燃焼させられるとしたら、一石二鳥である。

卓球は、足である。
そして足を使う練習は、台がなくてもできる練習である。
これを毎日続けない手はない。





 

手首って使うの?使わないの?――プロネーションを使う

打球時に手首を使ってはいけない。そう固く信じてこれまで卓球をしてきた。
しかし、この間の練習で、上手な人がこんなことを言っていた。
「手首を使えるかどうかが卓球上達のカギだ」と。

しかし、打球時に手首を「こねる」と、ラケット面がぶれて、安定性を損ない、ボールがあらぬ方向に飛んで行ってしまうことになる。
最近見た動画でも、田添響選手はバックハンドの時手首を使わないと言っていた。
hibiki
https://www.youtube.com/watch?v=hC8ZElucsjc&t=0s

打球時に手首を使うなんて無謀ではないか?

前記事「スケール・メリット」でテニスの技術動画を取り上げたが、その延長で小澤康祐氏の「ゴルフスイング物理学」というチャンネルにたどりついたのだが、その解説が非常にわかりやすかったので、紹介したい。

テニスの動作と物理学
https://www.youtube.com/watch?v=ODeIc59Mp6g

氏は「プロネーション」という言葉を使ってテニスのスイングを解説していた。プロネーションというのは簡単に言うとバイバイするような手首の動きのことらしい。「回内」とも言うそうだ(このへんの術語の理解が私はあやふやである)。この「回内」というのは、おおざっぱに言うと、指を上に向けて、手の甲を相手に見せた状態から、手のひらを相手に見せるような動きである。

テニスのスイングの過程に、プロネーションの動きを入れることによってスイングスピードが速くなるということらしい。

ただし

「筋力で回外から回内に力をグッとかけてる、んではない。」

手首の力でラケットをひねるというわけではないらしい。

「グリップエンドをやや下から上に引っ張って…」
grip end

grip end

「で、最後グリップエンドの方向を変えてあげているだけなんです。」
grip turn

氏はこの動きを高速走行している車が急にハンドルを切ってスピンする動作に譬えている。車がスピンするようにラケットのヘッドが回転運動をするということらしい。

「手がラケットの回転によって回転させられてる」
「つまり、手が回外から回内に自分でローテーションさせてるんじゃなくて、…グリップエンドを(横方向に)引っ張っていけば、(ラケットが)回転してくれる。その回転に手が回転させられてるが正解の動き…。」

手首を固定して斜め下から斜め上にラケットを移動させるだけでは「何も起こらない」。手首を脱力し、斜め上にラケットを移動させている途中で、グリップを横方向に引っ張ると、ラケットに回転運動が生まれ、「バイバイ」のような動きになり、そのラケットの運動に引っ張られて、手首も自然にひねられるということらしい。

「8の字を描くように運動させると、グリップでグッと握って回外・回内させなくても、勝手にプロネーションていうのは慣性の力で起きてくれるということですね。」

これは高島規郎氏の提唱していた「8の字打法」のことではないか?
手首をどう動かすかなどは意識しないで、ラケットを8の字に動かそうとすれば、自然に「プロネーション」が起こるのだという。

卓球で手首を使うかどうか、という冒頭の疑問に対する答えがなんとなくわかってきた。手首でがんばって何かをしようとするのではなく、ラケットのグリップを後ろから前に引いていく途中で横方向(卓球なら下方向?)に引っ張れば、自然に手首も使われることになるのだ。テニスでフォアハンドのフォロースルーが左肩のあたりまで来ているのをよくみかけるが、卓球でもあのように左肩でラケットを「担ぐ」ような、あるいは「巻きつける」ようなフォロースルーを心がければ、ヘッドがよく回り、スイングスピードが速くなるのかもしれない。

finish
フェデラー選手のフォロースルー

しかし、待てよ。卓球でグリップエンドを前に出すようなスイングは見たことがない。最近見た、吉村真晴選手のフォアハンドのスロー動画を確認してみたところ、グリップエンドが相手のほうに向いていることはないし、手首をひねっているようにもみえない。

https://www.youtube.com/watch?v=sg7f9_RFrg8&t=0s

maharu01

maharu02

maharu03

ラケットの進む方向を急に横方向にしてヘッドを回すという理屈は卓球にも応用できると思うのだが、回内という動きは必ずしも必要ないのではないだろうか?卓球ではプロネーションを使うメリットはあまりないのだろうか?フォアハンドでは手首をひねる動きは効率が悪いのだろうか?ラケット形状が異なるテニスの振り方を卓球にそのまま応用するのは難しいということなのだろうか?

また分からなくなってきた。

 

スケール・メリット――テニスと卓球の比較

兄弟のような関係にあるスポーツ、テニスと卓球。両者には多くの共通点があるにも関わらず、比較しようという試みはあまり多くないように思う。実際これまで私はテニスにほとんど関心を払ってこなかった。
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大きなスポーツ店に行くと、テニスの専門コーナーが設けられていて、広々としたスペースにラケットやらシューズやらが贅沢にディスプレーされている。専属の店員もいて、用具の相談に乗ってくれたりしている。その一方でフロアの目立たない場所に卓球用具の棚がひっそりと設置してあったりするものだ。

この売り場の扱いからテニス用具と卓球用具の売上の差がよく分かる。

テニスのグランドスラムで優勝したら賞金が3~4億円だそうな。卓球ではグランドファイナル優勝で1000万円強。その差、30倍以上。
https://sportsmania1.com/prize-money-table-tennis-surprisingly-low/

これだけ動くお金が違うと、仕事としてテニスに関わる人の数も卓球とは比べ物にならないだろうし、競技に対する研究にもかなりの差が出てくるものと思われる。

テニスのことはよく知らないが、おそらくテニスは卓球よりも研究や指導方法がずっと進んでいることだろうgoogle scholarで検索してみると、過去5年の「卓球」関連の論文は1280件。テニスは3250件だった。日本語の論文だったからか、思ったほど差は開いていなかった)

学問研究では、新しい流れというのはたいてい欧米で起こり、それを日本の研究者が翻案・転用して、日本で発展させるということが多い。卓球の指導メソッドというのも、元ネタはテニスの指導メソッドというのがけっこうあるのではないだろうか。

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インターネットでテニスの技術動画を探してみたところ、こんなサイトが見つかった。いわばテニス版『卓球王国WEB』である。

テニスマガジン オンライン
https://tennismagazine.jp/

みんなのテニス研究所(みんラボ)
http://www.min-labo.net/

もちろんテニスの技術がすべて卓球に応用できるというわけではない。ボレーやスマッシュの打ち方というのはあまり参考にならないが、打球時の体の使い方というのは大いに参考になりそうだ。

卓球はボールが軽いので、下半身を使わなくても、手打ちでボールを打ってしまっても、かなり強いボールが打ててしまったりするが、ボールの重いテニスではそういうわけには行かないだろう。下半身や体幹をしっかりと使わなければ、ボールの威力に負けてしまい、いいショットが打てないに違いない。私は腰を使って打つというのはたぶんできると思うのだが、下半身を使って打つというのがよくわからない。足を蹴った力をショットにつなげるのだと思うが、具体的にどうやってやるんだろう?

フォアハンドの手打ちを直す方法
https://www.youtube.com/watch?v=23k2laOwU3w

テニスでは歩くような動作でショットを打つのがいいとされているようだ。

駒田研究員「(歩行の際の)手と足をクロスする動作を使いたいんで、足を前に、体をひねる感じでテイクバックをして打ってもらうと手打ちに、まずなりにくいです。」
tennis takeback

「気をつけてほしいことは、せっかく最初に体をひねっているのに、(左)足を前に着いたときに、ひねってためておいたパワーがなくなってしまうことですね。」

tukene
「体重がここ(右足の付け根)に乗っていなくて、もう先に前の(左)足に乗ってしまって(から)ボールを打つと、これも同じように手打ちになってしまうので…」

ようするに体重が右足から左足に乗る前にインパクトを迎えろということらしい。右足に体重を乗せて、右足の付け根に力を入れてインパクト。そのあと左足に体重を乗せるというのが正解なのだという。

「(右足に体重が)乗っているこの状態をキープして足を前に着くのが重要です。で、蹴り出してから体重が前に移動すると思ってください。」
migiashi keep
下半身を上手に使う練習法。インパクトの瞬間に左足を一瞬上げて軸を意識し、バランスをとる。

この動画のおかげでフォアハンドでの下半身の使い方のイメージができた!今度の練習で試してみよう。この打ち方がそのまま卓球に応用できるかどうか分からないが、少なくとも参考にはなるだろう。

次はドライブの掛け方である。

ドライブ回転をかけるコツ
https://youtu.be/PiNJ5dTCp-I?t=291

「同じ速度でラケットのスイングが行われると、ラケットの先端が速く動かないですね。」

もちろん当たる瞬間にスイングを加速させるのが正解なのだが、具体的にどうやって加速させるのか?卓球ではよく、インパクトの瞬間にグリップをギュッと握ると言われているが。

「テクニックとしては当たるときに…引くような感じです。」

impack01
インパクトの瞬間

impack02
インパクト後

「引く」といっても、真後ろにラケットを戻すわけではない。実際には画像のように左側にスライドして「バイバイ」のような動きになる。

こんな打ち方が卓球に応用できるのだろうか?ちょっと疑問だが、もしかしたらフリックには応用できるかもしれない。
 
以上、テニスの技術指導が卓球に応用できないかどうかを考察してみたわけだが、私は参考になることが多かった。卓球の技術指導とテニスの技術指導を比較していくと、共通点や相違点がいろいろ見つかっておもしろそうだ。

WRMを救いたい…が、どうやって?

昨日、youtubeでWRMからの「緊急報告」があった。
WRMが倒産する、というのだ。
tousan

「倒産する」と言っているのだが、まだ倒産しないらしい。文脈からすると、このままいくと倒産するということらしい。このまま、どのぐらいいくと倒産するのか、というのはよく分からないが、登場しているメンバーの態度からすると、そんなにすぐに倒産するというわけではないようだ。よくWRMのセールの時に「店長大ピンチ!」とか書いてあるが、その延長なのかもしれない。

WRMがそんなにすぐに倒産するとは思えないが、もし倒産するとしたら、えらいことだ。今までのWRMの卓球界への貢献を考えると看過できない問題である。

今でこそ、youtubeに卓球チャンネルが乱立し、無料でいつでも質の高い動画が見られるようになったが、10年ほど前は卓球の技術動画はWRM一択といっても過言ではなかった。卓球王国や卓球レポート等の技術動画もあったことはあったが、WRMの動画のように視聴者に寄り添って分かりやすく、詳しく毎日解説してくれるチャンネルはなかった。

ぐっちぃ氏は全国を回って卓球の普及に努めてくれたし、xia氏ややっすん氏の技術動画は指導者のいない中高生の強い味方だった。チャパリータ氏のブログは他にはない視点で卓球界を鋭く切りこんでいたし、最近のがね氏のツブ高動画も他にはない独自路線を行っている。このようなタレントに恵まれたWRMを卓球界が失ってしまうのはあまりにも惜しい。

WRMを救う方法としてWRM自身が提示しているのが「メンバーシップ」という月額サービスなのだが、毎月500円あるいは1000円ほど払ってWRMのサービスが受けられるというものらしい。毎月1000円、年間12000円のゴールドメンバーになったら、用具の割引や技術動画が無料で見られてWRMも存続できるということらしい。

今までお世話になってきたWRMがこれで存続できるなら、毎月1000円の出費は社会人にとって大した出費ではない。

が、しかし、このメンバーシップでWRMが救われるだろうか?
メンバーシップの見返りが用具と動画についてのサービスというのが私にはあまり魅力的でないのである。

私はラバーやラケットをすでに使いきれないほど持っている。まだほとんど試していないラケットは10本以上あるし、ラバーのストックも控えめに言って5年分はある。この状況でさらにラケットやラバーを買い足すのは、お金の無駄遣いというだけでなく、エコロジーの理念にも反する。コロナ騒動で消費が冷え込んでいるこの時期、世間では大量消費で経済を回していかなければなどと言われるが、必要のないものを大量に作って、大量に買って、大量に捨てるというのは、文明の負の側面としてこれまで私たちがさんざん批判してきたことではないか。もうこれ以上、新しい用具を購入するのはためらわれる。

WRMが制作した技術動画が無料で見られるサービスというのはどうか?
前記事「卓球情報過多」でも書いたが、質の高いyoutubeチャンネルが乱立している今日、卓球技術情報の価値というのはタダ同然になっている。上は全国的に有名な指導者や元日本代表クラスの選手が技術について解説してくれているのだから、わざわざお金を払ってまで動画を見ようとは思わない。

このように考えるのは、限られた少数の人間だけで、多くの人は用具と動画のサービスを必要としているというのなら問題ないのだが、もし用具と動画のサービスに魅力を感じる人がそれほど多くないということになると、WRMは救われないことになる。

WRMはこれからどうなるのだろうか?WRMには他社にはない独自性があり、日本の卓球界にとって大切な存在だと個人的には思っている。

今後もWRMが卓球界で末永く独自の地位を保ち、卓球界の新しい付加価値を創造してくれることを祈ってやまない。


一点、一瞬、集中力

今のレベルより上のレベルに行きたい。
そのときに必須の「武器」はブロックだと個人的には思っている。
ブロックに自信があれば、相手の攻撃を過度に恐れずに済み、たとえ相手に先に攻撃されても、自分の展開に持っていくことができる。それ以上に格上の練習相手も務まるので、格上と練習する機会が増えるし、ミスが減るので普段の練習でも効率よくボールを打てるからである。

そんなことをずっと前から思っているのだが、まだまだブロックに自信がない。「鉄壁」と言われるようなブロックを身につけたい。そう思ってバック系の技術ばかり練習しているので、今度はフォアハンドがおかしくなってきた。安定しない、力の入る打ち方が分からない、かとおもえば軽く打っているつもりでもボールをオーバーさせてしまう…。

そんなときにOKP氏の以下の動画を見て参考になった。

point

裏面バックハンドがヤバくなってきた

「なんか足らんことない?」
「なんか…フニャフニャしてる…当たった瞬間とか、インパクトとかに、フォアだったらギュッと行く感じ…『(力が)入る点』があるんですけど、バックはまだ見つかってない感じがします」

「(力が)入る点」!
そうだ、これが今、私のフォアハンドで分からなくなっているのである。

ここでいう「入る点」というのはブレードの「当てる点」と言い換えてもいいだろう。今の私はここがあいまいなのである。

当てる場所や、進入方向などいろいろ試してみて、私の場合、フォアドライブはブレードの中央、グリップ寄りに当てるのが安定するということが分かった。

この経験からインパクトの「点」を意識することは大切だと気付かされた。

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卓球では腕の力を抜いて、打球時の一瞬だけ力を込めれば十分だと言われる。
逆に腕にずっと力を込めていて、ガチガチの状態だと、ショットに力がこもらず、ボールが全く走らない。これは一般的に言われていることである。

では、集中力についてはどうだろうか。

練習ではよく知っている相手とリラックスしてプレーできるので、そこそこ自分の実力も発揮できるが、試合となると、なかなかそうはならない。相手がどんなプレーをしてくるか分からないし、緊張もしている。なんということもない相手のショットに対しても、反応が遅れてミス。もっと早く反応しなければと思い、相手の一挙手一投足を目を皿のようにして観察し、集中力マックスで、一瞬でも早く反応しようとするがうまくいかないし、疲れる。一方、上手な人はそんなに目を血走らせて全力で相手の挙動に集中しているようには見えない。わりとリラックスしてプレーしているように見える。

集中すればするほど、かえって反応が遅れてしまうのか?

そう考えた私は集中することをやめ、無心・平常心のリラックスマックス状態でプレーしてみたところ…やっぱり反応が遅く、相手のプレーにちっとも対応できなかった。

ガチガチにずっと集中している必要はないと思うが、完全に気を抜いてしまってもダメらしい。腕の力と同じで、要所要所のポイントで集中力をオンにしなければならないのではないか。では、どんなときに集中力をオンにするのか。

相手の打球の瞬間だと思う。

相手の打球の瞬間を確認すると、ボールが来る方向が分かるだけでなく、ボールを打つタイミングが計れる。このタイミングを逸してしまうとこちらからは攻撃できず、相手のショットに合わせることしかできなくなる。

実戦でこれを試してみた。

あちらからサーブを出し、こちらは無難にツッツキレシーブ。相手は3球目をフォアドライブする体勢に入る。私は相手の攻撃に備えつつ、相手のインパクトの瞬間をしっかり確認するために集中力のスイッチをオンにした。

見えた!

その瞬間、私は全身をキュッとこわばらせ、相手のドライブをしっかりとブロックで返球したのだった。ほんの少し心の余裕があった。

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ショットは、一瞬だけ力を込めて、
集中力は、相手の打球の瞬間に。
これがいい。

用具と連れ添う――用具レビューについて

ここのところ、ずっと中国ラバーを使っているのだが、なんといっても硬い。ドライブでは勢いよくぶつけないとしっかり打っている感触がない。しかし、中国ラバーはぶつけるのではなく、シートでこすって飛ばせと聞いたことがある。とすると、勢いよくぶつける打ち方というのは中国ラバーの特性を活かせない打ち方なのだろうか。

1ヶ月ほど前、練習相手に「中国ラバーになってからボールが軽くなりましたね」と言われた。以前、テンションラバーを使っていた頃のほうがボールに回転がかかっていて、ドライブが重かったというのだ。そのことを思い出して、先週はなんとなくテンションラバーに戻してドライブを打ってみた。練習相手(先月とは別の人)に聞いてみた、「今日の私のドライブは重くなかったですか?テンションラバーに戻してみたんですが。」。すると、

「いやぁ、あんまり感じませんでしたね。というか、いつもの中国ラバーのほうがバウンドしてから2速が伸びてきて、回転がよくかかっていたと思いますよ。今日のドライブはずいぶん軽く感じました。」

う~ん。やっぱりな。たしかに打っているときにあんまり引っかかっている感触がなかったのだ。

中国ラバーにしたらテンションのほうがドライブが重かったと言われ、テンションラバーに戻したら中国ラバーのほうが重かったと言われてしまう。一体どういうことなんだ?

私の出した結論というのはこうである。
中国ラバーにしても、テンションラバーにしても、そのラバーが最も回転やスピードが出せる打ち方というのがあって、力を入れるタイミングとか、当て具合(厚さ)がそれぞれ異なるということである。したがってテンションラバーで最も威力の出る打ち方で中国ラバーを打ったら、「軽い」と言われ、中国ラバーに最も適した打ち方でテンションラバーを打ったら「軽い」と言われてしまう。先月の私は中国ラバーに適した打ち方ができていなかったので「軽い」と言われ、今月は中国ラバーにかなり順応してきたので、テンションラバーに一時的に戻したら「軽い」と言われてしまったわけである。

これは中国ラバーとテンションラバーというかなり性質の異なるラバーの話だが、同じ中国ラバー同士でも、あるいはテンションラバー同士でも、威力の出る打ち方が異なり、そのラバーが持つ性能を100%引き出すには数ヶ月単位で打ち方をあれこれ試行錯誤しなければならないのではないだろうか。

テナジー05に適した打ち方、ファスタークG1に適した打ち方というのが違っているとしたら、テナジーを使い慣れている人がG1を打ったときに「全然回転もかからないし、飛ばない」という印象を受け、逆にG1を使い慣れている人がテナジーを打ったとき、「ボールが軽い」といった印象を受けたりするのではないだろうか。最近流行りの粘着テンション09CとかZを使った場合も同様で、ふだんの打ち方に合わないラバーだと「ボールが落ちる」とか「棒球になる」といった評価になるのではないか。

そう考えると、たかだか数時間から数日試打しただけの用具レビューというのは全く意味がなくなってしまう。同じラバーでも打ち方によって回転がかかったり、かからなかったりして、そのラバーの本来の性能を発揮するような打ち方を身につけるには、数週間から数ヶ月試行錯誤しなければならないからだ。それはラバーだけでなく、ラケットでも似たようなことが言えるかもしれない。

これは私の狭い経験から導き出した仮説に過ぎない。世の中には私の仮説を覆すような、「どんな打ち方をしてもよく回転がかかり、スピードの出るラバー」と、「どんな打ち方をしてもイマイチのラバー」というのがあるのかもしれない。しかし、中級者レベル以下のレベルで考えれば、ある程度評判のいいラバーなら、どれでも打ち方を工夫すれば満足の行くショットが打てるのではないかと思う。

というようなことを下の動画を見て考えた。
無題

【卓球グッズWEB】低評価から最高評価へ。打てば打つほど良くなるDNA PRO Hを分析【用具検証クラブvol.3】



おなかの力はすごい――感覚の開発

人間は猿から進化した…いや、猿から分岐したといったほうが分かりやすいだろう。

先史時代
こんな質のいい動画が無料だなんて…代ゼミが潰れるわけだ。
先史時代1

類人猿と猿人とを分かつものは何か?
二足歩行とその結果としての腕の可用性こそがヒトの証なのだという。
その有り難い「腕」というものが卓球の上達をどれほど阻害しているかはみなさんよくご存じだと思う。私も頭では理解していたのだが、最近身を以てそれを思い知ることになった。


肩が急に痛くなって、腕を伸ばせなくなった。
これはおそらく五十肩である。
そのうち元に戻るだろうと思っているのだが、いつになっても元のように腕を伸ばせない。職場の人に相談してみると「私はもう一年以上そういう状態ですよ」とのこと。もしかしたら完治しないものなのか?

しかし、このために卓球の調子が非常にいいのである。

腕がまっすぐ伸ばせないので、いつも脇を締めたような状態でプレーすることになる。フォア側に適度なスピードのドライブなり、ロングボールなりが来て、「カウンターできる!」と手を伸ばそうとしてもラケットが届かない。ツッツキ打ちをしようとしてフォアドライブをかけようとしても力がこもらない。フルスイングしようものなら激痛が走り、ラケットを落としそうになる。バックドライブはもっと深刻である。軽く打っただけで激痛が走る。どうしてもボールにちゃんと近づいて打たなければならない。

今までいかに腕力に頼ったプレーをしていたのかと反省させられた。

ビュン!っと速いドライブを打つのはもうあきらめて、とりあえずそこそこのスピードで安定したドライブを打てるようにしなければ。そのためにはこまめなフットワークで常に足を動かすようにしなければ。

ちゃんとボールに近づくようにすれば、ボールを打てることは打てるのだが、あまり威力が出ない。腕を伸ばさず(痛くならないよう)に強いドライブを打つ方法はないものか。腕に力を入れずに強いショットを打つには、イヤでも身体の他の部位を使わなければならない。そんなこんなで試行錯誤しているうちにお腹でバックドライブが打てることが分かった。迫ってくるボールと一緒にお腹を凹ませて、バウンドと同時にお腹を前に突き出すと、腕に力を入れずに自然にバックドライブが打てる。

「うわっなんだこれ?腕にほとんど力を入れなくてもそこそこの裏面ドライブが打てるじゃないか!」

決定打を狙うような、スピードの乗ったドライブを諦めたのがよかった。限界までスピードを乗せようとは思わないから、力が自然と抜ける。腕の力が完全に抜けると、今まで感覚のなかったお腹や腰骨を動かす感覚が生まれてくる。よくトップ選手が「腕は振るのではなく、自然に振れるのだ」などと言っているのはこういう感覚だったのか。今まで、強すぎる腕の感覚にかき消されてしまい、プレー中に腰や肚の感覚というものを感じることはあまりなかったが、腕の感覚を最低限のスリープ状態にすると、今まで感じ取れなかった感覚が感じられるようになる。喩えて言えば、強烈な甘みで素材の味が全く分からなかった料理が、甘さ控えめにしたら、素材の味が分かるようになったような感じである。

次は回転のキツい下回転に対するバックドライブである。お腹の凹みだけではボールが持ち上がらないので、今度は打球前に姿勢を低くして、伸び上がる力とお腹の力を重ねてバックドライブを打ってみると、キツい下回転が持ち上がるではないか。そのときに私はおそらく初めて膝の感覚を感じることができた。よく膝を使ってドライブを打てと言われるが、こういうことだったのか。

腕を伸ばせないので、脇をキュッと締めているために体幹が回るのも感じやすい。

おそらく腕の感覚というのも、何らかの役には立つのだろうが、今は腕の感覚を徹底的に排除して、その他の感覚を「開発」するのが楽しい。

五十肩に感謝!

直感は告げる――卓球練習で大切なこと

新緑の美しい春のある日、私は相変わらずゲーセンで遊び呆けていた。

新緑


そこに久しく姿を見せなかった一年上のO先輩が久しぶりに姿を現した。O先輩は、私がひそかに憧れている人だった。O先輩は天才肌の人で、そんなに熱心にゲームに取り組んでいるようには見えないのに、どんなゲームでも器用にこなし、ちょっと気の利いた作品が入荷すると、この辺りで一番最初に全面クリアを達成するのはO先輩だった。

「先輩、お久しぶりです。なんだか浮かない顔をしていますね。受験疲れですか?」
「あぁ…受験はオレが思っていたよりもずっと難敵だったよ…」

O先輩は3年生。あと10ヶ月もしないうちに大学受験を迎える。私はO先輩ほどの人なら、直前に受験勉強を始めたとしても、そこそこの大学に合格してしまうのではないかと漠然と思っていた。そのO先輩が受験までまだ半年以上も残している時点で「全く歯が立たない」と嘆息しているのだ。これは尋常なことではない。

「シロノも2年の夏休みからエンジンをかけても遅いぞ。今からエンジン全開じゃないと、とても間に合わん。」

その一言が妙に心に残った。高校の先生からはいつも「2年生になったのだから、受験を見据えてちゃんと勉強しないとダメだぞ!」などと耳にタコができるほど聞かされていたのだが、全く心に響かなかった。それに対してO先輩の一言は、私の心に訴えかける何かがあったのだ。

「これは掛け値なしの真実だ。この忠告を聞かなかったら、きっと後悔する…」

と私は直感的に思った。その日から私は必死で勉強に打ち込むように…はならなかったが、その言葉がずっと頭に残っていた。そして少しずつだが、受験勉強を始めるようになった。無情にも夏休みはあっという間に訪れ、周りのみんなも本気で受験勉強を始めだした。私も同じように2年の夏休みから受験勉強に本腰を入れるようになったのだが、何分、毎日うちで5時間も6時間も勉強することに慣れていなかったので、計画通りには進まなかった。もっと早い時期から身体を受験モードに慣らしておけばよかった。夏休みもあっという間に過ぎ去り、気づけば冬の足音が…。

やがて3年生になり、「あの時のO先輩の言葉は本当だった」と改めて思った。もっと早くに気づいていればよかったが、それでもあの時点で、気づけてよかった…。結局私は第一志望の大学には入れなかった。
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神山氏のこの動画を見て、私は高2の春のできごとを思い出した。
氏は言う、ボールの深さを意識することがミスを減らす上で非常に有益だと。



ボールの「深さ」を普段の練習で意識することはとても重要

「卓球のミスって深すぎてオーバーミスするか、浅すぎてネットミスするかだと思うんですね。」
「深さっていうのを意識すると、結局ですね、自然とボールの高さも意識せざるを得なくなるのかなと思います。」

これは掛け値なしの真実だ!
この意識をもって卓球に打ち込まないと、私はきっと後悔する!

私の直感がそう告げている。根拠はない。

卓球上達に必要なことは人によって違うし、優先順位も人によって異なる。世の中には卓球における重要事項というものが多々紹介されている。しかし、今の私にとって「深さ」を意識した練習こそが最優先であるに違いない。

そんなことを感じた。

【付記】
九州の皆さん
大雨や洪水で大変な思いをなさっていることと思います。お見舞い申し上げます。

日ごろは何とも覚えぬラケットが… ――ランニングから学ぶ

久しぶりの練習は、案の定、例の練習とはかなり違ったものだった。

ラケットってこんなにずっしりと重かったっけ?185gぐらいだったと思うが、スイングすると、なんだか腕が引っ張られるような感じだ。

アッ痛!なんだこれは思い切りスイングすると腕が痛い。

そうなのである。ここ1ヶ月、運動らしい運動をしていないために筋肉だか、筋だか分からないが、硬化しているのを感じていたのである。腕を真っ直ぐ上に伸ばすと痛い。シャツを着たり、脱いだりすると痛い。これが噂の五十肩というやつか。

ドライブを打ってもボールがちっとも走らない。全力のドライブが、「ギュン!」ではなく「ポワ~ン」という感じなのである。これでは攻撃というより、つなぎである。

しかし、これはこれでおもしろい。

女性がドライブではなく、ミート打ちを多用する理由を身を以て知った気がする。適度に下回転のかかったチャンスボールを弱いインパクトで「ポワ~ン」とドライブするのではなく、「バシッ」とミートしたほうが断然楽で、威力もある。あるいはドライブを打つにしても、柔らかいラバーでないと、しっかりボールが食い込まない。フォア面を柔らかいラバーに替えてみるというのもおもしろそうだ。

今までは「ドライブのボールが軽い」などと言われると、罪悪感を感じてしまい、硬いラバーに替えて全身の力を一点に集中して打たなければならないという強迫観念のようなものを感じていたが、中年にはそんなドライブは無理なのである。

「ドライブが軽くたっていいじゃないか。別に全国大会とかに出るわけでもあるまいし。」

そういう執着がなくなると、気分も軽くなる。柔らかいラバーでドライブはつなぎでもいいと割り切ると、不思議と足の動きが良くなってくる。特に私の苦手な前後の動きが良くなってきたのである。おそらく今までドライブの威力を優先していた結果、そこに多くのリソースが割かれていて、動きが遅くなっていたのだと思われる。

スイング時に腕が痛くなるというのは、おそらくこういうことなのだ。
スイング弧線

スイングの描く弧線が
大きく、直線的な場合は腕が痛くなり
小さく、曲線的な場合は腕が痛くならない

腕を伸ばして、腕の力で打とうとすると、体が痛みでブレーキをかけてくれる。こういう機能が身についたというのは、考えようによってはラッキーなのではなかろうか。体幹がうまく使えるようになるための矯正具を内蔵したようなものである。

しかし、ずっとこのままというのもちょっと不安である。少し体を鍛えて筋力を補強したほうがいいのかもしれない。ちょっとランニングでもしてみようかな。初めから何キロも走るのは無理だから、できる範囲で1キロぐらいから走ってみよう。

晩ごはんを食べて、腹もこなれた頃合いに人通りの少ない道を少し走ってみた。が、わずか200メートルほど走ったところでもう限界である。

無理は禁物だ。走ることに執着してはいけない。ウォーキングに切り替えて、疲労が少し回復したところでもう一度チャレンジである。

だんだん疲労が回復してきたので、もう一度走ってみることにした。ただ、今度はやみくもに走るのではなく、体の使い方を意識して走ってみよう。疲れにくい走り方というのがきっとあるはずだ(前記事「昔の人はえらかった」)。

お腹に力を入れて走ってみる、腕を大きく振ってみる、姿勢を真っ直ぐにしてみる、腰を回してみる…いろいろ試してみたが、一つ発見があった。脇を締めて走ると疲れにくいのだ。

キシャポッポ
こんな感じでキュッと脇を締めて走ってみる


なんだこれは!楽に体が前に進むぞ!今まで脇を拳一個分空けて走っていたのだが、胸を張って脇をぴっちり締めて、腕を真っ直ぐ前に大きく振ると、腕を振ったエネルギーがほとんど逃げずに体を前方に進めてくれる。

「この感覚はどこかで…そうだ!フォアドライブのときに左半身で壁を作るという動きに似ている。」

脇を締めることで上半身がしっかり固定されブレなくなった。そして下半身は、腰を回すようにして走ってみる…まだ足に力が入っている。足に力を入れるのは一瞬であるはずだ。なぜならドライブで力を入れるのは一瞬で、それ以外のときは脱力しているのがいい、という教えがいろいろな卓球動画で言われているではないか。ドライブのインパクトに比定されるのは、ランニングでは足の接地であるはずだ。接地の瞬間だけ足の力を入れ、それ以外は足が脱力していなければならない。

そんなこんなで今日のランニングを終えた私は、脇を締めるという収穫を得て帰宅し、卓球とランニングの体の使い方の共通性に思いを馳せるのであった。

膾炙練習――「無駄な」練習時間を取り戻す

高校時代に修学旅行で奈良・京都を探訪した。
よく覚えていないのだが、4泊5日ぐらいで東大寺、春日大社、法隆寺、清水寺、金閣寺、銀閣寺などを訪れたような気がする。相当な強行軍であった。
本物の文化などには無縁の高校生だったのでそんなところにいっても「おお、古い!」ぐらいの感想しかない。1箇所、2箇所ぐらいなら物珍しく、楽しめたのだが、次第に飽きてしまい、「毎日毎日寺ばっかり…」などと不満たらたらだった。
今から思うと、先生が「限られた時間でできるだけ効率よく名所を回れるように」「たぶんもう二度と訪れない生徒もいるだろう」と苦心して作ってくださったスケジュールだったのであり、文句をいうなんてとんでもないことなのだが、子供はこんなに密度の濃い時間に耐えられなかったのだ(もちろん、大人になって「清水寺ってあそこか」とすぐにイメージできるのはあの経験のおかげである)。有意義な経験を凝縮しすぎたスケジュールであり、喩えていうなら、レモンを1コ食べるのではなく、レモン50個分のビタミンCのサプリメントを1粒服用するようなものである。吸収しきれるはずがない。

消化不良
そのサプリメント吸収されてません

前記事「卓霊さま」で以前、私は小説嫌いだったと書いたが、なぜ嫌いだったかというと、無駄な情報が多すぎると感じていたからなのである。
ノンフィクションの本は、ふつうは事実やそれを基にした推論によって構成されており、情報の密度が高いのに対して小説というのは、作者の考えた「お話」である。主人公がヒロインに出会っていろいろな経緯があって結ばれ、ハッピーエンドを迎えたといった「お話」は情報としての価値に乏しい。もちろん、その物語の背景にある情報――当時の時代背景とか、物語が扱っている特殊な業界のことが知れるといったことに価値はあるが、登場人物の経験する個々の出来事や、それに伴う喜怒哀楽などにはなんの価値もない、情報量の無駄である…と若い頃は考えていた。

関西で緊急事態宣言が解除され、今週末からようやく卓球ができる環境がポツポツ出てきた。1ヶ月以上ぶりに卓球ができる!しかし、いつもどおりに卓球をするわけには行かない、感覚がだいぶ狂っているのでリハビリが必要なのである。とりあえずワンコースの基本練習だけにとどめておこうとフォア打ち、バック打ち、ワンコース切り替えといった練習に終始したのだが、なんとも充実した時間だった。いつもなら、こういう練習はほどほどにして、youtubeなどで仕入れた新しい技術などを次から次へと試してみたりするのだが、すでにできる技術を丁寧におさらいして、点検してみるといった練習は思ったよりも充実感があった。「もうできる」と思っていても、実際はあまりできていなかったり、パラメータをちょっと変えてみると、パフォーマンスに変化が見られたりと、「すでにできる技術」にもまだまだ練習時間を費やす余地が残っていると感じたのである。

これまでの私の練習に対する態度は

コツ・ポイントを学ぶ→練習で試してみる→できるようになった!

というものだったが、これは本来順序が逆なのではないだろうか。
そもそもコツやポイントというのは練習の積み重ねの中から見いだされるもののはずである。無駄な練習や失敗、勘違いなどを少しずつ修正し、もっとも効率化された技術の粋こそがコツ・ポイントのはずである。
それを、練習したこともない技術なのに、まずコツ・ポイントから学び、それを実践で少し試して「できるようになった!」というのでは「吸収しきれるはずがない」。こんな強行軍で卓球の技術を習得しようとしても、その「できるようになった!」はおそらく錯覚なのである。順序が逆になったとしても、その技術を吸収するには前者の態度と同様、たくさんの間違いを経験し、その間違いを修正するというプロセスが必要なのである。

「こんな基本練習ばっかりやっても時間の無駄だよ」

というのは、毎日飽きるほど練習時間があって、飽きるほど基本練習を繰り返した学生が言うセリフであって、週に1~2回しか練習時間のない私にとっては、単調な基本練習は無駄な練習のように見えて、実際は得るところの多い練習だったのである。


異質への眼差し

卓球ができなくなると、嗜好や考え方も変わってくる。
ふだん、あまり食べたいと思わなかったものを食べてみたくなったり、今まで手に取ることもなかった本を読んでみようかという気になってきたり。

今、無性にペヤングが食べたい。ネットで調べると、「激辛やきそばEND」という製品があるらしい。
ペヤング

さらに「獄激辛やきそば」というのは「激辛やきそばEND」の3倍の辛さだという。
gokugekikara

関西でも売っているのだろうか…。昼にスーパーに行って探してみようかな。

卓球もできないことだし、たまには読書でもしてみよう。しかし、分量の多いのはダメだ。すぐ読めるものがいい。本棚を眺めていて私が手に取ったのは、田辺聖子の『文車日記』だった。

文車

一編が2~3ページでまとめられていて、手軽に読める。どれどれ、どれを読もうかな。
一番軽く読めそうな俳句がいいな。お、蕪村の句なんていいかもしれない。

「御手討(おてう)ちの 夫婦(めをと)なりしを 更衣(ころもがへ)」

どんな意味だ?さっぱり分からない。

この句に対する田辺聖子の解説がまた絶妙である。

江戸時代には旧暦4月1日に町中が衣替えをしたらしい。旧暦の4/1をネットで調べてみると、今年はGWの前あたりだそうだ。

武家方では恋愛は、きついご法度です。もし露顕すれば、不義者として成敗されてしまいます。
でも、若侍と、可憐なお腰元は、いつとなく、恋し合ってしまいました。


お家を乱す不義者と、あたまの固い三太夫はあららかに詰ろうとしますが、やさしい奥方は、かげになり、日向になってかばわれたかもしれません。

奥方はそっとお腰元と若侍を、しるべのもとへ落してやったり、身の立つようにはからい、新生活のはなむけをくださったかもしれません。

とび立つ思いのお腰元と、若侍。本来なら二人重ねてお手討ちになっても文句のないところなのに。希望にみちてお屋敷を出ます。

晴れて二人の人生がはじまります。町は初夏。さわやかな衣更えの季節と同じく、二人もまた、生まれかわったような人生の第一歩なのです。

なるほど。「御手討ちの夫婦なりしを」というのは、「本来なら二人重ねてお手討ちになっても文句のないところなのに。」という意味か。そんな二人が恋のためにすべてを捨てて、優しい奥方様のご配慮で市井で隠れて暮らしている。以前に比べて生活は苦しくなり、慣れない仕事に戸惑ったりもするけれど、二人は全く後悔していない…こんな短い句なのに田辺聖子の想像力で清々しいドラマになっている。

この句にも感心したが、田辺聖子の優しい眼差しにも感心させられた。こういうふうに俳句を鑑賞すれば、今まで気づかなかったことにも想像が働くようになるのだろう。

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私はツブ高に興味もないし、自分でペン粒をやってみようなどとは夢にも思わない。
しかし、この二人の動画を見ると、ペン粒というのがなんだか楽しそうに見えてくる。



WRMのガネ氏とやっすん氏が紹介するDVD「ペン粒高攻守の極意」。
海津富美代

このDVDがとにかくすばらしい内容らしいのである。
私はペン粒に興味はないが、二人が海津富美代氏について興奮しながら語っている様子を見るのが心地よかった。

好きなものについて熱く語っている人を見るのは、たとえ自分がその対象に興味がなくても、楽しいものである。
笑顔
満面の笑みの二人

がね氏「ずっとこのDVDの話ばっかり社長としてた」
がね氏「このDVD見たら、バックでブチ切るのもやるしかねぇ!って…」
やっすん氏「アンチでこのメソッドやったのよ、超切れた!」
がね氏「(ペン粒について新しい情報は)もうこれ以上ないやろ、って…え?こんなに知らんことがまだ自分にあってしまった!みたいな。」



WRM-ツブchというチャンネルが今年になって始まったが、登録者数はまだ3000人弱。しかし、今、このチャンネルはアツい。二人の異質愛が感じられて、見ていて楽しい。

今まで私が卓球動画を見る理由は、自分の技術にどのように役立てるかという視点だけだった。しかし、このツブチャンネルを見ると、自分の卓球に応用できなくても、自分とは違う立場で卓球について語っている動画を見るのも、また楽しいということが分かった。少し卓球に対する視野が広がったかな。


裏面ツブなら敷居が低そうなのでちょっと試してみようかな。

卓球 解釈と鑑賞

前記事「卓球写真コンテスト」で写真の良し悪しというものについて初めて考えてみた。
いい卓球の写真というのはどういうものなのだろうか?
おそらく評価基準は一つではないだろう。たとえば

・選手の個性や感情を表しえているような写真
・場面のドラマや雰囲気を見事に演出している写真
・被写体の美しさ等を存分に表現している写真

こんな基準を考えてみたが、おそらくもっと他の基準もあるに違いない。

世間では絵画の展覧会などに多くの人がつめかけるが、世の絵画好きの人はいったいどういう基準で絵を鑑賞しているのだろう?

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卓球情報サイト「ラリーズ」で非常におもしろいインタビューがあった。
元全日本ダブルスチャンピオンの野平直孝氏が東京で餃子屋さんを経営しているというのだ。

野平直孝氏は、私がちょうど卓球を休んでいたときに活躍していた選手なので、どんな活躍をしていたのか、あまり存じ上げないが、卓球の元トップ選手がどうして餃子屋さん?

記事によると、氏はもともと食に強い関心を持っていて、引退後のセカンドキャリアは飲食店と心に決めていたらしい。そしてラーメン屋で修業をしながらあちこちの評判の店を食べ歩き、自身の店のイメージを膨らませていったのだという。その過程で飲食店の経営というのは意外なことに卓球の経験が活かせる部分が少なくないということに気づくのである。

「… さぞおいしいんだろうなと思ってもつ煮込みを頼むと普通なんですよ(笑)。…『うまいものを作ったら勝てる』ではなく、居心地いいお店を作るほうが料理の味より重要なんじゃないかって気づいたんです」
「これって、卓球と同じですよね。フットワークが良くなければ勝てないわけじゃないし、逆にスマッシュが凄いのに勝てない選手もいる。自分ができることで上手に勝ちを目指すのが卓球です。」



飲食店経営と卓球の戦術の共通性。なんと意外な組み合わせ!野平氏は頭のいい人だなぁと感心させられた。

そういえば…

最近読んだ『ハーバードの日本人論』という本の中でメディア論の先生が黒澤明と小津安二郎について語っていたのを思い出した。

黒澤の映画を、二度、三度と繰り返して見れば、一つひとつのシーンの空気感を伝えるために黒澤が何を企てているかがわかってきます。カメラの使い方、俳優の動きから、風の効果まで、計算しつくされています。
黒澤映画の画面の中に写っているものには、すべて意味があります。どんな小さなものでもです。その一つひとつの意味を学生に伝えると「映画が芸術だというのはこういうことだったのか」「これが映画制作の本質だったのか」と皆、感嘆します。

そうだったのか。黒澤明の映画を見たことがあるけれど、だいたいのストーリーしか見ていなかった。そういえば、同じことが卓球にも言えるのではないか?

トップ選手は決して行きあたりばったりでプレーしない。常に何かを「企てている」し、すべてのショットには意味がある。一見、なにげなく返したレシーブも、実は4球目、6球目のための布石になっていたり、ちょっとしたサービス前のしぐさにも何らかの狙いがあったりするものである(たぶん)

私は卓球のトップ選手の試合を見ると、「ドライブ速い!」などと、派手なところばかりに目が行ってしまう。しかしそれは映画で言うと、「意外なストーリ展開にハラハラドキドキした」というのと同じ視点だろう。それが悪いということではないが、派手な強打だけでなく、ポイントを構成しているラリー全体の一つ一つのショットの意図まで味わわなければもったいない。トップ選手のプレーの1打1打は「計算しつくされて」いて、「すべて意味があ」るのだから。

そう考えてみると、強打がすごい選手の試合よりも、そんなに速いボールを打っているわけではないのになぜか強い加藤美憂選手のような選手の試合は鑑賞し甲斐があるだろう(前記事「加藤美優選手の不思議な強さ」)。

今年のGWは自分で卓球ができず、試合動画などを見る機会が多い。これからはトップ選手の決定打の前の台上のやりとりや体の使い方にも注目してみれば、自分のプレーにも何か参考になるかもしれない。

gokui
機会があればこの本を読んでみたい。

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ちなみに小津安二郎は撮影手法の独自性ということで評価されているようである。

小津の映画を初めて見た人は、「これは典型的な日本映画だ」とか「とても日本的な映画だ」と思うでしょう。…しかしながら映画の表現方法という点から見ると、彼の作品は決して「日本的」ではありません。

おそらく世界中探しても、小津と同じような手法を使っている映画監督はいないと思います。…俳優を正面から撮影したバストショットがたくさん出てくることに気づくでしょう。俳優の視線はカメラ目線ではなく、微妙にずれたところにあり、会話の相手を見ているのか、どこを見ているのかさっぱり分かりません。このような撮影方法は小津映画独自のものです。


卓球情報過多

日本中で卓球ができなくなってかえって(だからこそ?)youtubeの卓球動画が充実してきたのは喜ばしいことである。

平岡義博氏の技術理論動画シリーズなどは、「こんなの無料で公開しちゃっていいの?」という感じで非常に勉強になった。


最近の卓球ユーチューバーは親切すぎるんじゃないかと思う。もっと自身の理論や技術を出し惜しみしてビジネスに結び付ければいいと思うのに、無料で何でも公開してしまうから、DVDやら雑誌やらを買わなくてもyoutubeで事足りてしまう。それどころか市販のDVDよりも内容の濃い無料youtube動画も少なくない(岡田崚選手の技術動画とか)

今や卓球の理論・技術情報は供給過剰状態で、情報の価値はダダ下がりである。ちょっと疑問に思うことがあれば、毎日のように行われている卓球ユーチューバーの「質問ライブ」とかで聞けばいいのだから。今や卓球情報の価値はタダに近づいていると言えないだろうか?

これは拙ブログの方向性にも関係することで、拙ブログでは、低いレベルながら技術的なことについても考えてきた。卓球という謎を解明するために私なりに上級者のプレーを観察したり、雑誌記事を熟読したりしてきた。たとえばラケットの下の方に当てるとボールが安定する(前記事「スイートエリアを外す」「ボールを当てる位置」)かもしれないなどと私なりに「小悟」したこともあったが、最近はわざわざ頭をひねって考えなくとも、youtubeを見れば、平岡氏の以下の動画の中の「CC理論」で私の小悟したことが、より詳しく、完全な形で公開されているわけである。



これじゃ初めに犯人を知らされてから推理小説を読むようなものである。昨今のように技術・理論の無料動画の質が上がってくると、卓球技術について自分で考える余地がなくなってくる。プロの指導者や上級レベルの選手が非常に高いレベルの「正解」をyoutubeで無料公開してくれるのだから。

このような風潮は、ありがたい反面、自分で卓球の謎を探るという楽しみが失われてきたように思う。情報がタダで手軽に手に入る今日、拙ブログでは何を書けばいいのだろうか。

卓球小説なんかどうだろうか。
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どこにでもいる平凡な女子高生の葵には秘密があった。
それは、いろいろないきさつから、「王子」と呼ばれる高校一のイケメン、卓球部主将のサトシと同居していること。
さらに二人の関係を嫉妬した同じ卓球部員の不良エイジも葵の家に押しかけてきて、3人で同居するハメに…。

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こんな小説を誰か文才のある人が書いてくれて、映画化とかされたら、卓球女子人口がググっとアップするはずなんだが…。


卓球写真コンテスト

この1か月、私が一体何をやっていたかというと、慣れないテレワークに悪戦苦闘しながら、仕事のことで頭がいっぱいだった。週末に一息つけると思ったのだが、週末もゆっくりできない。

ほんの隙間時間に私がやっていたことと言えば…

卓球写真コンテストである。頭が疲れた時、フリッカーというサイトで卓球の写真を眺めていた。
写真の見方とか、よくわからないが、私なりに評価が高い写真を以下に紹介していきたい。

koki1番
上の丹羽選手の写真は、飄々としているイメージの丹羽選手がグッと力を込めて打球している瞬間を写したもの。そのギャップがちょっとかっこいい。

kasumi2番
去年のノースアメリカオープンで石川選手が平野選手を破り、オリンピック代表に王手をかけたときのショット。重圧から解放された石川選手の晴れやかな笑顔が印象的である。

liu3番
今ではすっかりベテランの風格が漂っている劉詩文選手。このころはまだ若々しい。東京オリンピックでは念願の金メダルなるか。伊藤選手と劉選手の決勝戦を見てみたい。

HARTBRICH4番
ハンガリーのHARTBRICH選手。よく知らない選手だが、理屈抜きで美しい。

honoka5番
美しいといえば、橋本帆乃香選手の静かに思考を巡らせているこのシーンも美しい。

ampire6番
チェコオープンの審判の女性も美しい。

MALANINA7番
表情豊かなロシアのMALANINA選手。よく知らないが、カットマンのようだ。

あれ?はじめはちゃんと気に入った理由などをコメントしていたのだが、いつの間にかきれいな女子選手の写真ばかりになってしまった。いかんいかん。仕切り直しである。

LI Hsin-Yu8番
台湾のLI Hsin-Yu選手。この写真は中性的な感じで、躍動感のあってかっこいい。

chuang9番
台湾つながりで。いつまでも衰えない荘智淵選手。地味に強いところがかっこいい。

JANCARIK10番
包容力のありそうなチェコのヤンチャジーク JANCARIK選手。団体戦とかで、苦しいときにチームのピンチを救ってくれそうな頼もしさがある。

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なんだかダラダラと続きそうなので、この辺で終わることにしよう。知っている選手のドラマティックなシーンなら、いろいろ語れるのだが、そういうシーンがあまり見つからなかったので、語れない…。
普段なら、卓球の写真をじっくり眺めるといったことはないが、このような自粛中じゃなかったら、写真を見ようという気は起きなかったにちがいない。卓球の新たな楽しみ方をほんの少し垣間見た気がする。

ショットの強弱の使い分け

調子が悪い時というのは、がんばっても安定しない、入らない。
それでもっと強く、スイングスピードを速くしようとして、ますます不安定になるスパイラルである。

こういう場合に強く打とうとすると、身体のバランスも崩れ、手打ちになってしまい、かえってうまくいかないのは経験的に分かっている。

私の卓球は相手に合わせるか、決めに行くかのどちらからしい。

「しろのさんは、軽く当てるだけの合わせる打ち方か、全力の強打しかないから、その中間ぐらいをふだんづかいにしたほうがいいですよ。」

というアドバイスをもらったことがある。

簡単に言うと、私のショットは弱・強の2つしかないらしい。上級者は力の入れ具合も細かく段階があるのだと思うが、私もせめて「中」を身につけて3段階のショットを使い分けたいものだ。

力の入れ具合を

10~30%:弱
40~60%:中
70~90%:強

のように3段階持っていて、場面によって使い分けることができれば、ずいぶんとミスも減ることだろう。

男子中学生に「僕にテナジー05特厚はまだ早いですか? 扱いきれませんか?」などと質問されることがある(私に質問するぐらいだから、その子の卓球レベルは推して知るべしである)。私は用具のことはよく分からないが、その中学生にとって弾みすぎるのなら、単に力の入れ具合を「弱」とか「中」にすればいいだけの話で、絶好球以外は「強」で振らなければぶっ飛びラバーでも何でもいいんじゃないかなと思う。若いんだし、ラバーに合わせて自分の打ち方を決めていけばいいと思う。

あ、でも、力の入れ具合ではなく、当ての厚さで調整したほうがいいかもしれない。強く振ってもいいけれど、当てを薄くして、シートの表面だけでボールを飛ばせば、弾むラバーでも台に収まるようなボールが打てるかもしれない。

となると、単純に力の入れ具合の3段階だけで全てが割り切れるわけではないということになる。

つまり

力の入れ具合「弱」「中」「強」だけでなく、
当ての厚さ「薄」「中」「厚」というのも考えられるし、
スイングの大きさ「小」「中」「大」というのも考えられる。

フォアドライブを例にとって考えてみると、

力の入れ具合は「弱」、当ての厚さは「中」、スイングの大きさは「大」



力の入れ具合は「中」、当ての厚さは「厚」、スイングの大きさは「小」

というのはだいたい同じものなのだろうか?

…同じじゃない気がする。ショットの軌道も違うだろうから、回転や台との距離によって一方はきれいに入るけれど、他方はミスしてしまうということもありそうだ。また、相手が受けるボールの印象も違うだろう。同じようなスピードのボールだが、あるショットは軽くて回転がかかっておらず、あるショットは思ったより回転がかかっているということもありそうだ。

当初私はショットを力の入れ具合によって3段階に分けて、事足れりと思っていたが、当ての厚さとスイングの大きさという要素を入れると

弱・薄・小 
弱・薄・中 
弱・薄・大

弱・中・小
弱・中・中
弱・中・大

弱・厚・小
弱・厚・中
弱・厚・大

中・薄・小
中・薄・中
中・薄・大

中・中・小
中・中・中
中・中・大

中・厚・小
中・厚・中
中・厚・大

強・薄・小
強・薄・中
強・薄・大

強・中・小
強・中・中
強・中・大

強・厚・小
強・厚・中
強・厚・大

27通りのショットを使い分けるということになる。

さらに打点の早さ(遅・中・早)とか、スイング方向(前・中・上)とかの要素を入れるととんでもないバリエーションになってしまう。

なんという複雑さ。全ての要素を3段階に分けるとするならば、場面に応じて数十、数百ものショットを使い分けなければならないのである。

おおざっぱに考えれば、私は実際にはこのうちの10種類程度のショットしかを打ち分けていないということになるだろうか。ふつうの人は潜在能力として打ち分けられるショットの1/3程度しか使えていないのではあるまいか、そうだとすると、残りの17種類のショットは手つかずで残っているということになる。

30percent

この使えていない17種類のショットの一部でも自分の卓球に取り込むことができれば、緩急をつけることもでき、自分の卓球の幅も広がるのではなかろうか。

卓球ができない期間は、卓球についてこのようにいろいろなことを考えて楽しむのもいいかなと思う。

いったん立ち止まって…レクリエーション

毎週できるだけ練習時間を確保しないと上達どころか、下手になっていく。
練習時間は、減れば減るほど下手になっていく。

という考え方だったのだが、本当にそうだろうか。

現在、卓球の練習がほぼできず、私は全く進歩していない。しかし、定期的な練習をやめたからこそ、以前に増して上達するスピードが上がるという目もあるのではないだろうか。

「レクリエーション」という単語は "re" と ”creation" とからなり、漢字で表せば「再」+「創造」ということになる。レクリエーションといえば、山や海にみんなで出かけてワイワイ楽しむという意味だけで理解していたのだが、元々の意味は、ずっと仕事などのストレスに晒されている状態から、心を一時的に解放、リセットした上で、再び仕事に戻るというところまでを含んでいるらしい。

たしかに作家や芸術家などが作品に取り組み、あーでもない、こーでもないと何日も頭を悩ませているときには良いアイディアが全く生まれず、しばらく大自然の中で何もしないで心を休めていると、突如インスピレーションが湧いてくるといったことは十分ありうることである。

行き詰まる
行き詰まってしまったイメージ

卓球でも同じことが言えないだろうか。
同じような練習メニューで毎週練習をしていても、なかなか進歩しないものである。それが1ヶ月(まさか半年ということはないだろう…)も卓球を休んだら、それが「レクリエーション」となり、自分の卓球に対する固定観念――卓球の型が崩れ、目先が変わり、今まで意識しなかった点に目が行くようになり、自分の卓球のスタイルが大きく変わったり、その結果、劇的に上達したり…ということもありうると思うのである。

今は完全に卓球のことを考えず、全く別のことに打ち込むというのは、遠回りに見えて案外近道になるのではないか。「近道」というのは言いすぎかもしれないが、少なくとも今まで気にしていなかったことを意識するようになり、練習を再開したときには自分の卓球の幅が広がっているということを期待したい。

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明日から京都に緊急事態宣言が発令されることとなり、卓球の練習への道は完全に閉ざされた。

週末の練習もなくなったし、かといって外出するのもためらわれるし、どうしよう?

しかたない。外に出ないでできるレクリエーションである映画鑑賞でもしようか。映画なんてここ1年ぐらい観ていない。

下は知人に紹介してもらったセルビア(旧ユーゴスラビア)の名画。セルビアというと、カラカセビッチぐらいしかイメージがないが、この映画を見ながら週末は異世界に思いを馳せてみようと思う。
※子供は観ないほうがよいかも

 
Ko to tamo peva


ショートってすごい!――ペンホルダーならではの技術

何の因果か在宅勤務ということになってしまった。
現在京都では多くのオフィス、店舗などで勤務・営業自粛が要請されている。職場には行けないので、テレワークで仕事を続けるほかはない。

ZOOMだの、グーグル・ミートだの、ジツィだの、そんなものをまさか自分が使う日が来ようとは思わなかった。

耳慣れないアプリの名を目にすることが多くなったが、これらはようするに「テレビ電話」である。中年はZOOMなどと聞くと、身構えてしまうが、そんな複雑なものではないと分かった。

できることは基本的に

・多人数での同時通話(ビデオも可)
・PCの画面(youtubeやMS-word等のアプリ)をリアルタイムで映せる
・文字ベースの会話(チャット)

である。他にもそれらの会議を録画したり、ホワイトボードにお絵描きできるなどという機能もあるが、簡単に言うと、上の3つである。どのアプリでもできることはだいたい同じだが、有料だったり、アカウントの登録が必要だったり、同時参加人数に制限があったり、といった微妙な違いがあるようだ。通信が一番安定しているのは私が使った限りZOOMだった。中国政府の関与が疑われ、企業によってはZOOMの使用が禁止されているところもちらほらあると聞くが。

昔、ケータイが普及しつつあったとき、「退社しても仕事が追いかけてくる!」などとショックを受けたものだが、ビデオ・ミーティングアプリが普及したら、「日常が仕事」ということになるのではないかと恐れている。

京都市も4月に入って卓球ができる場所がほとんどなくなってきた。卓球ができないので書くことがない。しかたない、ミーティングアプリの比較でもするか。

いや、負けてなるものか!なんでこのブログでミーティングアプリのことなんか書かなければならないんだ。そんな記事、誰が読むんだ。なんとしても卓球に関する記事を書いてやる。

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最近思うのは、ショートってすごい!ということである。

kim taek soo

ほとんどの技術においてシェークのほうが優位に立っている現在、ペンの優位性は台上技術とショートに求めるほかはない。

「表面ショートなんて古い!今は裏面さえできればペンのバックハンドは事足りる。」

などとうそぶいてショートをまったく使わず来たのだが、最近になってショートの良さを見直すようになった。

ショートのすごいところ その1「打球点が早い」
裏面(あるいはシェークのハーフボレー)だと、打球点が頂点付近になるが、ショートではバウンド直後である。距離にするとほんの10~20センチほどの差かもしれないが、この差が相手に強打を打たせる暇を与えない。バック対バックの展開になったとき、私はショートに対してよく裏面で対抗するのだが、その早さについていけず、つまらされてしまう。ショートはそこそこ速いボールも打てるが、それよりもむしろ前陣で早いタイミングで返ってくるのが脅威である。

ショートのすごいところ その2「台上で押せる」
台から出るかでないかの浅くて低いボールを裏面で打とうとすると、私は強打は打てず、軽く擦り上げるだけのショットしか打てないが、ショートの上手い人は台上の低いボールもガンガン押してくる。微妙に回転がかかっていてもネットにかけずに思い切りプッシュしてくる。あの安定感はなんなんだ?

ショートのすごいところ その3「自然にナックルっぽくなる」
バックドライブがビュンと弧線を描いて飛んできても簡単にブロックできる人でもショートのあまり回転のかかっていない直線的なボールがくると、ポトッと落としてしまうことが多い。さらに意図的にナックルショートにすると効果倍増である。

ショートのすごいところ その4「戻りが早い」
自分でショートをするようになって、回り込みで時間的な余裕を感じることが多くなった。なぜか?ショートはスイングが小さく、その上フォロースルーがほとんどないので、打った瞬間に戻りに入ることができる。今まで私がショート初心者だったころ(今でもショート中級者とは言えないが)、インパクト後、30センチぐらいのフォロースルーを伴っていたのだが、上手い人のショートは腕を8割がた伸ばしたところで瞬間的に力を入れてインパクトしているのを見て、腕を伸ばしてショートをするようになった。フォロースルーはわずか10センチほどである。すると、回り込みがずいぶんと楽になったのである。一方、裏面やシェークのバックドライブだと、インパクト後にある程度のフォロースルーがあるので、戻りに入るのが遅れてしまいがちである。

このように私はペンのショートは「古くさい技術」では片付けられない魅力ある技術だと再認識しているのである。

【追記】
「ラリーズ」のインタビューで坂本竜介氏がこんなことを言っていた。ペンホルダーのショートは若い選手に対してこそ有効なんじゃなかろうか。

坂本:それだけじゃないですよ。みんな勘違いしてるのはどんどんアップデートされて新しいものが生まれていく。そうなると昔のものが通用しないって思う人が多いんですけどそんなことは無い。

アップデート後に卓球を始めた選手たちは昔の頃の技ができなくなっていることが多い。例えば、今、日本の若手選手がティモみたいなループ(回転量の多いスピードを抑えたドライブ)をできるかって言ったらできないし、普段練習で受けることは無い。だから逆に今、昔の技術がまた効くんですよ。
なぜドイツ勢は選手寿命が長いのか?


【追記】2
ペンホルダーの参考になりそうな動画




この何気ない日常が…

卓球の練習が減って(あるいはできなくて)、不安に思っている人も多いかと思われる。
私も不安である。卓球の練習時間が減ると、ただでさえ下手なのが、もっと下手になる。せっかくつかんだ技術の感覚が定着する前に忘れてしまう気がする。
週2で練習できていたのが、週1になってしまったら、先月、せっかく3歩ぐらい前進したのが、2歩後退ということにもなりかねない。気が焦る…。

うちでできる卓球の練習って何かないだろうか?

ランニング、筋トレ、素振り、球突き、トップ選手の試合動画を観て研究…。どれもあまり楽しそうじゃないなぁ。

自宅でできる練習をいろいろ探してみたが、渡辺貴史氏の次の動画が参考になる。


・壁打ち:一定のリズムと力で同じところに当てないとうまく続かない。こういう練習をすると力を抜いて打つ感覚が身につくかもしれない。

・サーブ練習:台なしで、床に落とすようにサーブを出す。切る感覚を養えるかもしれない。
・フォームの確認:鏡を見ながら、卓球雑誌の連続写真を真似してみる。自分のフォームと何が違うかを比較する。ビデオで撮ってあとで確認という方法もあるが、連続写真を実際に真似してみると、気づきがある。
・自分の試合動画の分析:自分の失点パターンや得点パターンが何かを自己分析する。
・フットワークを交えたシャドープレー:細かいフットワークを意識して。

どれも有意義な練習である。しかし、それでも何かもの足りない…。

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鬱々と悩んでいてもしょうがない。
いっそのこと、卓球のことを忘れて、週末に旅行でもしてみたらどうだろう?九州なんか、行ってみたいなぁ。以前、天草に行ってみたいと思ったのだが、交通の便が悪くて断念したことがある。






しょうこちゃんねる」より

shoko

「好きな卓球ができなくなってほんとにつらくって、当時は明るい未来とか全然想像できなかったんですね。でも、今はこの人生も悪くないなぁっていうか、今ずっと下ばかり向いてるんじゃなくって前を向いて明るく楽しく行きていこうとポジティブに考えられるようになったら、いろんな世界が広がって本当に楽しいなって思えるようになりました。」

考え方次第で毎日が充実してくる。週に1回でも、2週に1回でも卓球ができるというのはすばらしいことである。自分の置かれている状況をもっとポジティブに考えたほうがいい。不満を抱いて我が身をかこってばかりだと、人生に満足できなくなる。できないことにばかり目を向けず、自分のできることをできる範囲で一所懸命やる。それが人生を楽しむコツだと、しょうこ氏の動画を観て気づかされた。

卓球オイルフィニッシュ

卓球の練習時間が減って、手持ち無沙汰なので、なんとなくお蔵入りの用具の手入れでもしてみようと思い、ラケットを出してきた。

う~ん、なんだか乾燥して白い線が入っているように見える。グリップもひび割れっぽい感じになっているなぁ。
kansou

そういえばギターの手入れにオイルを使うというのを聞いたことがある。銃などでもオイルで手入れするということがあるようだ。

rifle

gun
この光沢!美しい。

卓球のラケットにもオイルが使えないだろうか。ラケットのグリップがこんなテカテカ、ツヤツヤになれば、ラケットへの愛着も深まろうというものだ。練習後、自宅で就寝前にオイルやらワックスやらでキュッキュとラケットの手入れをするのは楽しそうだ。革製品のように使えば使うほど味が出るということになればなおよい。

ネットで調べた情報によると、オイルには乾性油、半乾性油、不乾性油の3つの種類があり、木材の手触りなどを良くするのは、亜麻仁油、クルミ油などの乾性油で、これは酸化して固まる性質を持つという。逆にオリーブオイルやツバキ油などは不乾性油で凝固しにくい性質を持つのだという。要するに乾性油は空気に触れさせておくと、乾いてサラサラになるが、不乾性油はいつまでもベタベタということである。

ニスが木材の表面をコートするのに対して、オイルは木材に浸透して固まるので、表面は木材の味わいを残しているのだという。というと、テカテカ、ツヤツヤにするにはさらなる加工が必要なのだろうか?

よく分からないが、おもしろそうだ。とりあえずオイルを買ってみよう。

木材の仕上げには、このWATCOというオイルが定番のようだ。私はまったくのDIY初心者なので、以下の情報の信頼性は低いと考えてほしい。色がいくつかあるが、私の選んだのは暗色系の「エボニー」である。



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用意するもの:
・オイル(ラケットの塗装なら100mlもあれば十分。ネットで200mlが千円強~。)
・使い捨てポリエチレン手袋(100均で買える120枚ぐらい入ったやつ)
・メラミンスポンジ(100均で大量に買える)
・ダンボール(作業台として)
・ペットボトルの下半分(オイル容器として)
・耐水ペーパー/紙ヤスリ(目の細かいやつ)
・筆(100均で買える)

「正しいオイルの塗り方」(カッコ内は私が実際にやったやり方)

1.紙やすり等で木材の表面をならす(メラミンスポンジでこする)
2.刷毛でオイルを塗る(メラミンスポンジでオイルを塗る)
3.15~30分浸透させる
4.吸いきれなかった 油をウエスで拭き取る(メラミンスポンジでオイルを拭き取る)

*お好みで二度塗り
*乾かないうちにすぐに耐水ヤスリをかける
*ウエスで拭き取り、1時間ほど自然乾燥
*表面に染み出したオイルをもう一度拭き取る

5.24時間以上、自然乾燥させる
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「作業を終えて」
・「ワトコのオイルは臭う」などとネットで言われていたが、私は気にならなかった。なんというか、ニッキ飴のような匂いがしたが、不快な匂いではなかった。
・はじめにペットボトル容器に小分けするときに少しこぼしてしまった。注ぎ口の構造上、非常にこぼれやすい。
・オイルといっても、粘度は高くない。サラサラしていて、塗るときは水彩絵の具と何も変わらない感じだった。素人でも簡単である。つい、べっとりと塗りすぎてしまうが、ほどほどにしておいたほうがよかったかもしれない。
・筆はほとんど使わず、私の場合、メラミンスポンジ(激落ちくんとか)を使ってみたが、特に問題なかった。スポンジのほうが塗りやすいと思う。

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mini racket
ジュウイックのミニラケット。未加工。

実験前 - コピー
もう使うことのなくなったふつうのラケット。ラケットコート済。

オイルフィニッシュをして24時間後…
mini finished

元の、安っぽいブレードの色合いから、渋い色合いになったと思うが、グリップは単に油汚れが着いただけのように見える。


racket finished
こちらのラケットはラケットコートをしてあったからか、あるいは木材の材質でこうなるのか、なんだか土砂災害で埋もれたような、汚らしい色合いになってしまった。もう少し明るい色(あるいは薄い色)を選んだほうがよかったのかもしれない。

いや、ブレードのほうは汚らしいが、グリップだけなら深みが増して渋い色合いになっている。
grip finished
ちなみにレンズは外さず、そのまま塗っても大丈夫だった。

触るとわずかに、しっとり感があるが、油が他に移るようなことはない。手触りも大きく変わっていない。
しかし、イメージしていたものとはずいぶん違う仕上がりになった。エバンホルツのような感じをイメージしていたのだが。あの銃のツヤはどうやったら生まれるのだろう?

とりあえずの結論:ブレードにはオイルを塗らないほうがいい。

また機会があれば、後日の経過などをレポートしたい。

※この手のオイルは自然発火しやすいそうなので、ウエス等を捨てるときは水に浸して捨てなければならない。

【追記】200328
「エボニー」は白い部分に塗らないほうがいいと思う。手垢にまみれた感じになるからである。グリップに白い部分があったら、「エボニー」は塗らないほうがいいだろう。逆にグリップが茶色なら、「エボニー」を塗ることで色が濃くなり、高級感が出てくる。

ワトコオイルよりももっと手軽で効果のある仕上げは、蜜蝋仕上げだと思う。

みつろうクリーム

髪の毛用のワックスみたいな感じで、少量をグリップに塗ると、美しい艶が出てくる。おすすめである。



実践的アドバイス――ごぶりんずTVのコメント欄から

ごぶりんずTVの「ちょっと、試合して!!」という企画が非常に勉強になる。まるで自分のプレーを批評されているように感じるのだ。

中級者のまお氏がごぶりんずの上級者と試合をするという企画である。これは言うまでもないことだが、企画名は卓レポの「ちょっと、それ貸して」に掛けてある。
mao

まお氏はおそらく典型的な中級者で、伸びしろが非常に大きい。私から見ると、かなり上手い目の人と感じる。打球後も足が動いているし、特にサーブは(ミスしなければ)かなりレベルが高いと思う(私はちゃんと返せる自信がない)。ただ、上級者を相手にして過剰に警戒しているからか、ミスが多い。おそらく

「一発打たれたら終わりだ。打たれる前にこちらから打たなければ」

という気持ちが先走りすぎているのではないかと思う。深いツッツキを送って「さぁ、来い!」とブロックで待てる余裕があれば、もっといい試合ができたように感じる。中級者同士の試合なら、もっと良い内容の試合ができたはずである。この1回目の試合ではまお氏は実力は半分も出せていなかったのではないか。



試合後のヤンマ氏のコメントは

「レシーブミスが多すぎる」
「当てるだけのレシーブで、一工夫がない」

というものだった。なるほど。見返してみると、積極的にレシーブできたボールがほとんどなく(ヤンマ氏のサーブがうますぎたのだろうが)、ツッツキレシーブが台からほどよく出ていて打ちごろである。

コメント欄にもアドバイスがあって、

「サーブからの待ちや、準備が遅かったり色々なボールに対応出来てないのと、相手がストップしたとき低くてもフリックできなきゃ打たれるのと、」

というのが参考になった。ショートサーブを出したら、ストップに対してフリックで待っていなければ主導権を握るのは難しいということか。

2試合目は、残念ながらさんざんな内容だった。ほぼ自爆である。おそらくまお氏は実力の1割も出せていないのではないか。私も格上の人と対戦するときによく陥る心理なのだが、なんとかして強打しなければという強迫観念のようなものに支配されてしまうのである。



しょー氏からのアドバイスは

「ミスが多い」
「何をしたいのか分からない」
「レシーブがヤバい」

というものである。2番めのアドバイスはサーブを持ったら3球目でどう攻めるかの「待ち」がないという戒めである。おそらくまお氏も3球目の待ちを持っていたと思われるが、しょー氏のレシーブが厳しかったのではないか。3番めのアドバイスはレシーブ時にラケットが顔から離れてしまっている――つまり腕を伸ばしすぎているということである。

2試合目の視聴者からのコメントは非常に参考になるものが多かった。

「バックが入るならプラマイゼロになるかもしれないけどはいらないなら回り込むかツッツキがいいと思う そうしたら確実にバックの打ちミスは無くなるしフォアで打つ意識ができるから動き出しも早くなって得点増える」

無理に調子の悪いバックを振るよりも、フォアで打つことを意識すれば、動き出しが早くなる?たしかにたとえ回り込めなかったとしても、フォアハンドで待っていれば判断が早くなりそうである。

「攻撃できないなら、確実に入れることができる範囲で速く切れたツッツキをして絶対にブロックをミスしないように待つ。」

これは私が冒頭で考えたことと同じである。やっぱり思うように攻められないときはこういう戦術が有効なのか。

「フォアもバックも左足が打球ポイントへ入っていない気がします。
なので、フォアの溜めは早くて深いけど、上半身の溜めだけでムリに打とうとして、弾いたりニュルッとした打ち方になってしまうのかなと。」

まお氏は左利きなので、利き足が力の伝わるポイントまでしっかり踏み込めていない――ボールに近づいていないということである。なるほど、ポジショニングには全く意識が行っていなかった。私もこういうミスが非常に多い。

「自分もレシーブミスが多い時よくあったんですが、フォア前のレシーブが、足を入れてからではなく、手が先に行ったり、足と手が一緒に台の中に入りうまく出来てなかったりしているので、それを意識するとまた変わってくるのでは?」

利き足をしっかり踏み込んだ上でレシーブ。これが中級者にはなかなかできない。打ち慣れている人ならできるのだが、試合ではつい台に浅く入って、ボールにしっかり近づく前に手を伸ばしてしまう。

「レシーブの時もドライブの時も初動で上に動いて重心が高くなってるから安定感がないんだと思います。あと体が大きいので前に張り付きすぎずもう一歩下がってしっかり振っていった方がプレースタイル(やりたいこと)を見つけられる気がします。」

姿勢がつい高くなってしまう…。そして台に近づきすぎている。あぁ、まさに私のことである。

「3球目以降などラリーになったときにボールを目で追うことに夢中のように見えます。加えて他の方々もおっしゃっているように姿勢が高いように思いますこの2点により戻りが遅くなってしまっているように見えます。」

ボールを追いかける、姿勢が高い、これこそ戻りの遅さの原因である。

「回転かける時はしっかりかける、かけない時はかけない等を考えてやるといいと思いました。レシーブドライブのミスが多いから、しっかり振り切って回転をかけるといいと思います!!」

ドライブが入らないときはスイングが振り切れず、途中で止めてしまう。あるあるである。

「まおくん、オーバーミスが、あるの姿勢が高いからだと思いました。レシーブの時は姿勢が高いからネットミスが起きると思いました。」

姿勢が高いままツッツキなどをすると、ネットに引っ掛ける。ラケット越しにボールを見るぐらい低い姿勢ならツッツキのミスが減る。

「地面を蹴ってないですね!地面を蹴らないと俊敏な動きが出来ないのでお上手なフォアが活かせないですよ!」

姿勢が高いと地面が蹴れない。膝を曲げて重心を移動方向と反対の足に預けないとしっかり蹴れないということを私も痛感している。ということは姿勢が高いから重心移動ができず、床も蹴れないということだろうか。

以上のコメントをまとめると、

・腕を伸ばしてレシーブしない(顔をラケットに近づける)
・ツッツキの質を高める(できればフリックも)
・しっかりボールに近づく(足から入る)
・台から距離を取る
・スイングを振り切る
・ボールを追いかけず、戻りを早くする
・姿勢を低くする(重心移動をして床を蹴る)

ごぶりんずTVの動画へのコメントは質の高いものが多いように感じる。今度はまお氏がリラックスして実力を発揮している対戦動画を見たいものである。


立ち打ち卓球場――練習できない愚痴

コロナ騒動で練習できる時間が減っているので、ちょっと愚痴をこぼしてみた。

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卓球シューズの寿命ってどのぐらいなんだろう。
プロや練習量の多い強豪校の中高生の場合は2~3か月でシューズに穴が空いたりして履けなくなってしまうのかもしれないが、一般層なら2年ぐらいは余裕で持つと思われる。それどころか以前、試合会場で20年以上前のモデルを履いている人さえ見たことがある。卓球のシューズって丈夫だなぁ。

私のシューズは使い始めてかれこれ3年になるのだが、この間、上手な人に指摘されたのは「靴底のゴムが完全に硬化しきっている」ということである。それってつまり…

「ええ、もう寿命ですよ。」

あぁ、シューズの寿命というのは、生地が破れたり、穴が空いたりしなくても、アウトソールがカチカチになったら、それが寿命なのか。なるほど、どうりで最近練習場の床が滑りやすかったわけだ。見た目はまだ全然きれいで、あと2年は履けそうなのに…。内心私は喜んだ。これでやっとストックしておいたシューズが1足下せる。それでもまだ2足ストックがあるのだが。シューズが安売りされていた時、衝動買いしてしまったのがまだ2足も残っているのだ。今回新たに下したシューズがまた2年以上持つとしたら、ストックしておいた最後のシューズを下せるのは5年後ぐらいになってしまう。下したときにはすでに靴底がカチカチになっていて、新品なのに寿命というおそれもある。

ラバーのストックも10枚ぐらいあるし、ラケットもインナーフォースALCとかノスタルジックとか買ったものの一度も使っていない。ウェアなどもいっぱいである。もう、用具は要らない、使いきれないと思いつつもどうしても購入をやめられないのは、最近用具の相場が安いというのもあるが、なかなか練習できない心の隙間を用具を買うことで埋めようとしているからなのである。

量販店の安売り合戦と、メルカリ等の中古用具市場の拡大によって用具の相場は急激に引き下げられた。また中国ラバーの普及がそれに拍車をかけるかもしれない。

用具や情報と違い、練習環境を安価で提供することは難しい。
社会人で卓球好きなら、新しいラバーやラケット等の用具に毎月一万円ぐらいかけるのは普通のことである(たぶん)。それが現在、用具相場が下落し、半分ほどの支出で済んでいるということになると、余ったお金は練習環境に投資するというのが筋だろう。

郊外の卓球場に交通費をかけて出掛けるのではなく、仕事帰りに街中の卓球場で週に一回一時間ぐらい自分の好きな練習ができたらと思わずにはいられない。いちいちパートナーと都合を合わせて練習するのは大変だから、一人で練習に行っても、常駐のパートナーが場所代込みで1時間3000円ぐらいで相手をしてくれるところがあちこちにあったらと思わずにはいられない。そうすれば私の用具の無駄遣いもやむに違いない。1時間3000円は高い?いやいや、上手な練習パートナーに三点でブロックを回してもらい、フットワーク練習を一時間みっちりするのである。たった一時間とはいえ、質のいいブロックをしてもらって、動きっぱなしなら、かなりの充実感があり、3000円の値打ちはあると思う。

最近、立ち飲み屋というのが流行っていて、サラリーマンが「帰りにちょっと飲んでいこう」などといって一人2~3000円ぐらいで仕事帰りに飲んでいくのが流行っているらしい。同じように駅近に台が2台だけの小規模な卓球場でもあれば、「帰りにちょっと打っていこう!」という需要があると思うのだが。

神戸の地下鉄、高速神戸駅につながっている地下街に「メトロ卓球場」という卓球場があるという。
メトロ

こんな立派な卓球場じゃなくてもいいから、京都の街中にも仕事帰りに気軽に寄れる卓球場ができてほしいものである。


中国粘着ラバー入門――紅双喜(DHS)PF4(裏ソフトラバー)を使ってみて

最近、紅双喜のキョウヒョウ3を使っている人をよく見かける。2~3年前までは私の周りで中国ラバーを使っている人は珍しかったように思うが、最近は、ある程度以上のレベルの裏ソフトの人は5人に1人ぐらいの割合でキョウヒョウ3を使っている印象である。ネオなのか、省狂なのか、はたまたニッタク発売のPROなのかよく分からないが、とにかくキョウヒョウを使っている人をよく見かける。

4月にはラクザやディグニクスでも粘着が発売されるらしいし、翔龍も評判がいい。粘着ラバーっていいのだろうか。

以前、ブレークPROという粘着テンションを貼って、2~3回使ってみたが、通常のテンションラバーとはかなり感触が違うので、すぐに剥がしてしまったことがある。

「私も当時よりは進歩していると思うので、今、粘着ラバーを使ってみたら、案外使いやすいのではないだろうか…。」

そんなことを考えて、粘着ラバーを探してみたところ、キョウヒョウ3ネオの通常版は3500円ほどだった。高くはない。しかし、省狂と呼ばれる上位バージョンもあり、こちらは9000円ぐらいする。まぁ、私のレベルなら、通常版で十分だろう。気に入らず、すぐに剥がしてしまうかもしれないし。

粘着ラバーをネットで探してみると、PF4というラバーがY卓球店という店でなんと税込み990円!

PF4 DHS

PF4といえば、昔、学生時代に先輩がチョコレート色のラバーを使っていた記憶がある。それとは別もののようだが、同じ紅双喜の製品だし、キョウヒョウ3のエントリーモデルのようなものだろうか。

「たった1000円だし、試しに買ってみよう」

と注文してみた。「中厚」と「MAX」というのがあったが、粘着初心者なので「中厚」を買ってみた。届いたものをみると、特厚かと思うほどスポンジが厚い。

「そういえば、裏面に貼っていたライガンも、そろそろ替えどきかな」と思い、ファクティブに替えてみた。

両面、新品のラバーである。ちょっと気分がいい。早く打ってみたいが、とりあえず部屋で球突きでもやってみよう。まずはファクティブから。

「コーン、コーン」

柔らかく、適度な弾みで、悪くない。弾みすぎないのがいい。次はPF4である。

「コンッ!」

あれ?球突きができない…。硬い+弾まない+強粘着で、軽く突いただけではバウンドせずに、ラバーにボールが貼り付いてしまうのだ。

嫌な予感がする…もしかしてとんでもないラバーを買ってしまったのかもしれない。週末の練習でフォア面に貼ったPF4で軽くフォア打ちをしてみると、飛ばなすぎて早速ネットミス。なんなんだこれは?弾まないといっても限度があるだろう。こんなラバー使い物になるか!

ラクザを貼ったスペアのラケットに替えての練習。

「あぁ、やっぱりこういうラバーは安心感があるなぁ。思い通りにボールが飛んでくれる。」

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そんなことを言っていた私も、今やフォア面はPF4以外には考えられないほどPF4に夢中である。よく「粘着はしっかりインパクトできればいいボールが行くが、詰まったりすると棒球になってしまう」などというが、私のレベルでは全く問題ない。詰まって打ったボールがオーバーしないで台に収まってくれるというのはすばらしいことである。これがテナジー的なラバーだったら、不十分な体勢で打ったボールをオーバーさせてしまうことが多かっただろう。私のレベルではとにかく入ってくれることが最優先なのである。

弾まないのでサーブは切れて、短くなりやすく、レシーブも安定性が増した気がする。ブロックも止まりやすい。

フォアドライブのスピードに難があるのでは?などと心配する向きもあろうが、今は「ボールが遅い」と言われるどころか、逆に「前よりボールが走っている」と言われるぐらいである。十分な姿勢でしっかりと打ったボールならテンションラバーを使っていたころと遜色ないようだ。それよりもしっかりと掴む感触があり、回転量が上がっているのを感じる。相手に「今のボール、エグかったですね」などとよく言われる。たしかに使い始めた頃はびっくりするぐらいショットのスピードが遅くなったが、使用回数を重ねるごとにラバーが柔らかく(感じられるように)なり、弾みも上がっていった。この手のラバーは使い始めは弾まないが、使っていくうちに弾むようになってくるらしい。といってもテンションラバーよりは弾まない。

PF4を使って以前よりも強いインパクトを意識するようになった。強いインパクトでも飛ばしすぎない安心感があるのである。同じ理由でカウンターに対する恐怖も軽減された。相手が打ってきたドライブに対してドライブをかけ返しても、ボールがぶっ飛んでいかない。

PF4の良さを一言で言うなら、「しっくりくる」である。速いボールも出そうと思えば出せるし、守備的な技術では安定性が高まる。こんな良いラバーが送料込みで千円強というのはお得である。

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これを卓球メーカーや卓球ショップの視点から見れば、脅威だろう。現在、売れ筋のラバー(ロゼナ、スーパーヴェンタス、ファスターク、ラクザ等)は1枚4~5000円ぐらいが平均的な価格だと思われるが、1000円強のPF4のほうがいいという人が増えてきたら、果たして現在の売れ筋ラバーを扱っている業者は生き残っていけるだろうか?

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今日は東日本大震災の記念日。
あの悲劇をいつまでも忘れず、語り継いでいきたいと思う。

打球タイミングの取り方――初心者への指導のために

地域のクラブに来ている小学生の女の子に卓球の「指導(っぽいこと)」をときどきするのだが、なかなかうまくいかない。どうしてうまくいかないのか、私は指導者ではないので分からないが、おそらく教える順番が悪いのかなと思われる。

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青春・自然・全力愛を旗印に活動するアイドルユニット「Ru:Run」に著名な卓球指導者の平岡義博氏が卓球を指導するという企画の動画を見た。平岡氏といえば、今を時めく全日本チャンピオン宇田幸矢選手を育てた指導者である。完全な初心者が一流の指導者の手でどのように成長していくのか興味深く視聴した。


平岡氏は自身の卓球理論に基づいた指導で、効率的な体の使い方を基礎から丁寧に指導する。こんなぜいたくな指導で卓球がうまくならないほうがおかしい。上達しないはずがないのである…

平岡指導

平岡指導2

が、そのまさかが起こってしまった。彼女たちは一向に上手にならなかったのだ。

平岡氏「今、すごい短期間の間に実はいろんな要素を入れてやってみた。だからそんなに簡単にできるわけないと思う。これができなきゃダメだよってほどじゃないことなんだけど、今、やってみたら、『この人のこういうところがうまくいかないな』っていうのが分かりました。…それぞれ得手・不得手があって、それを今度は各々に合った感じでやっていきます。」

平岡指導3

平岡指導4

彼女たちの「運動神経」は想定外だったようで、さすがの平岡氏もお手上げだったのである。平岡氏は指導方針の大幅な変更を余儀なくされた。

私が小学生に「指導」するときも、こんなことがよくある。

「手を使って打たないで、胴体を捻るようにしてスイングしなさい。手の力はできるだけ抜いて。」
「遠いボールは手を伸ばして打たないで、足で近づいて打ちなさい。」

などと言って、多球練習などをさせてみるのだが、ちょっとは形になって来たかなと思って自由に打たせるとそれまでの「指導」が全く定着していない。手打ち丸出しのメチャクチャな卓球に逆戻りである。

次のエピソードでは、ここまでの練習の成果を試す課題「フォアハンドでのラリー往復10回」に挑戦する。



おそらく撮影はわずか数時間だったのだろう、平岡氏の指導はほぼ定着していない。子供たちと同じように、指導前の状態に逆戻りしているように見える。しかし、我流の卓球でミスせずラリーを続け、なんとか課題をクリアしていくメンバーもいる。これを見て思ったのは、完全な初心者にまず教えることは、フォームや体の使い方ではなく、打球タイミングではないかということである。

打球タイミングさえ正しければ、そして押しすぎなければ、とりあえずボールが入る。これからは私も小学生を「指導」するときにまず打球タイミングを教えてみようと思う。たとえフォームが変でも、打球タイミングが合って、ラリーが続くようになったら楽しいだろうし、そこからフォームや身体の使い方を一つづつゆっくり教えてみたら、上手になるかもしれない。
しかし、打球タイミングってどうやって教えたらいいのだろうか。参考になる動画を探してみたのだが、案外見つからないものである。

卓球三昧の藤井貴文氏の以下の動画が見つかった。



氏のブログにこんな解説がある。
卓球においてリズムは二拍です。よく、ためてから打ちなさいと言いますが、「ため」と「打ち」の二拍はとても重要です。相手の打球した瞬間に「ため」、そして自分の台にボールがバウンドしてからスイングを始めてボールを「打ち」ます。ボールが自分の台にバウンドしてからスイングを始めると振り遅れるのではないかと思われる方は多くいるかもしれませんが、それくらいの方がタイミングが取れます。

「相手の打球の瞬間」と「自分のタメ(腹をへこます)」

が同時で、

「自コートにバウンドした瞬間」と「自分のスイングのスタート」

が同時になるようにするというのがいいらしい。それをやや強調して示したのが上の動画のようだ。

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自分の打球タイミングを反省してみると、私は次のようにタイミングを取っていると思われる。

バウンドの軌道
上のような軌道のボールを打つタイミングを取るために以下のようにイメージしてみる。

バウンドの軌道3
ボールが自コートでバウンドすると、現実のボールは台の上に跳ね上がるが、そのボールが台をすり抜けて下に潜り、それから重力に反して上に「落ちていく」と考えるのである。中年にはグラディウス4面の逆火山をイメージしてもらえると分かりやすいかもしれない。


当時、復活不可能と言われた3周目以降の逆火山の復活パターン


バウンドの軌道2
その台をすり抜けてボールが上に「落ちていく」軌道にラケットを合わせて、弧を描いてラケットを振り上げ、台上のボールと出会うところが打球タイミングと考えると伝えやすいと思う。


こちらはタイミングの取り方というより、ボールと身体の位置関係を教えてくれる

このようにタイミングを取れば、ある程度までのスピード・回転のボールには対応できると思われる。


ツッツキは大切ですか?――早い人と戦う場合

世間でよくツッツキは大切だと言われるが、どういう場面でどういうふうに大切なのだろうか。

レベルによって重要性が異なると思うのだが、私のレベルでの経験談をお話ししたい。

格上のペン表の人とゲーム練習をしたときのことである。相手のスピードに全くついていけず、こちらからはほとんど攻めさせてもらえなかった。
ショートサーブを出せば、深くフリックされて詰まったところをスマッシュ一閃。バック側にロングサーブを出しても非常に早い打点でこちらのフォア側にプッシュされる。こちらは十分なバックスイングをとる時間がとれないので合わせるような返球しかできないため、それをスマッシュで狙われてしまう。
このバックプッシュの早さは異常である。
シャンシャオナ
ペン表の強い人、シャン・シャオナ選手

シェークの人や裏面のバックドライブは比較的ゆっくり返ってくるので、こちらも対処のしようがあるが、バウンド直後の打点を捉える速いナックル気味のバックプッシュには完全にお手上げである。表には下回転のロングサーブが効くと言われるので、下回転のロングサーブをバックに出してみるのだが、乗っけ打ちのような速いボールがストレートに来て、これも強く打つのが難しい(下の動画によると、外から弾くミート打ちらしい)。たとえそこそこの力でドライブを打ったところで、待ち構えているスマッシュやナックルプッシュの餌食である。

ちょうどタイムリーな動画があった

打点のスピードに圧倒的な差があるのが問題だった。なんとか相手のスピードに対応できるよう、こちらもできるだけ早い打点で厳しい返球をしようとがんばってみたのだが、ミスが多くなり、簡単に試合に負けてしまった。

もう1試合させてもらったのだが、今度は開き直って相手のスピードに逆行するようなゆっくりしたプレーを心がけた。相手のロングサーブに対して裏面ドライブではなく、ツッツキ。相手がそこそこの強打をしてきたら、中陣まで下がって回転量重視の遅いドライブ。こちらはショートサーブ主体で先に攻めずツッツキやストップで粘り、できるだけ相手に先に打たせるようにした。先に打たせるといっても、もちろん決定打ではなく、持ち上げさせるようなボールをである。

そうすると、不思議なことに相手の動きが悪くなり、私が攻撃する機会も増えてきたのである。

なるほど。はじめに私はなんとかして自分の打点を早くして、相手の土俵で戦おうとしていたのだが、そうすればするほど相手の思うツボだったのである。前陣でパシパシ打ち合ったら、ペン表の人に敵うわけがない。そうではなく、相手を自分のリズムに引き込む戦術が有効だったのである。

結局フルセットでその人に負けてしまったが、いろいろ勉強になった。自分のリズムを崩さず、ゆっくりした台上の展開から、軽く打たせて、こちらのドライブ強打というのが私のスタイルのようである。相手によって対応は違うだろうが、自分よりも早いリズムの人と戦う場合はツッツキを多用して、試合の流れにいわばブレーキを掛けるような戦術をとったほうがいいようだ。

ツッツキがどのように有効かというのは、人によって違うと思うが、相手が打ち合いの得意な人なら、打ち合いに持っていったら自分が不利になる。私の場合、打ち合いの展開にさせないためにツッツキが有効だった。

回転軸の転換

この動画、すごくないですか?

 
「ユージくんの3球目が強い理由はここにあり!」

ジャイロ回転

私は今まで

「あのボールは下回転が強い横下回転だ」
  とか
「ナックルっぽい横回転だな」
  とか、

そんなふうに上下回転(横軸)と左右回転(縦軸)の2つのパラメータだけでボールの回転を考えていたが、ジャイロ回転(前後軸)というものが実際には試合中の至るところで発生しているはずである。その回転軸の変化をうまく捉えて回転を利用したショットが打てれば、より安定した強打が打てるようになるし(夢の「台上ドライブ強打」とか)、不可思議な凡ミスも減るはずである。

そう考えると、これは私の回転の理解に対するコペルニクス的転回だと言える。今まで2つのパラメータで判断していた回転が、前後軸を加えた3つのパラメータで処理できることになるのだから。

ユージくんはクロスへの順横回転サーブをストレートにストップされたときに軸の転換が起こるという1例を示してくれたが、他にもいろいろあるに違いない。この例で思い出したのは、以下の動画である。



WRMのxia氏がTTCタカハシの濱ちゃんと練習している動画である。
ダブルストップ

順横回転を出し、相手がストップしてきたところをダブルストップすると、なぜか上回転になっていて、ボールを浮かせてしまうというテクニックである。これも回転軸の転換が起こっていると思われる。

軸の転換はどのようなきっかけで起こるのか?

おそらく縦軸(横回転サーブ)に対して横軸(ストップ)をぶつけたときに軸の転換が起こるのだと思われる。ただし鋭いツッツキで回転を下回転に上書きされてしまった場合はこの転換は機能しない。ということは上回転のラリー中には軸の転換が起こりにくく、台上の横回転系のボールに対して起こりやすいということである。反対に相手が横軸(下回転)のボールを打ってきたときは、縦軸(横回転)系の返球をすると軸の転換を引き起こすことができるのだと思われる。

このように軸の転換を自在に操り、相手の返球を惑わしたり、自分の攻撃に結びつけることができれば、自分の卓球のレベルを一歩前進させることができるだろう。

卓球とアイドル

「私もついにテレビデビューしたんですよ。」

2020年全日本卓球選手権決勝のyoutube動画を職場の同僚に見せながらおどけてみた。

「え!?ホント?どれどれ。これが張本くんですよね。じゃあ、相手がしろのさん?」

「ほら、ここ見てくださいよ。観客席の上の方に私が映ってるでしょ?」

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上の会話から分かるように同僚はまったく卓球を知らない人だったが、人間のできた方だったので、私の、さして興味のない卓球話にも乗ってきてくれた。

「そういえば、あの強い女の子、どうなったんですか?ミ、ミ…。」

「あぁ、伊藤美誠は残念ながら準決勝で負けちゃったんですよ。今年は早田ひなっていう子が優勝したんです。」

「もうひとり、強い女の子がいましたよね?ミ、ミ…。」

「あぁ、平野美宇はランク入り――つまりベスト16にも残れませんでしたよ。」

「次から次へと強い選手が出てくるんですね。ひなちゃんはいくつなんですか?」

「伊藤美誠や平野美宇と同い年です。伊藤美誠は中国の一軍にもときどき勝てるぐらい実力があるんですが、早田ひなが今、日本で一番強いかもしれません。」

hina優勝

「この子がひなちゃん?顔、ちっちゃ。なんだかアイドルみたい。佳純ちゃんもきれいでしょ?卓球選手ってきれいな子が多いんですね。」

kasumi skII

「言われてみればそうかもしれませんね。準決勝で石川佳純に敗れた橋本帆乃香って子も何気に美人ですし。」

honoka tobituki
最近その美脚に注目が集まっている気がする…

「テニスの強い女子って、もっとゴツい感じで卓球みたいな女の子らしい人がぜんぜんいないんですよ。」

「あぁ…テニスはボールが重いから、卓球よりもずっと筋力が要求されますもんね。」

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こんな会話をしていて、もしかしたら卓球女子選手って一般人にもアピールできる可能性を秘めているのではないかと思うようになった。世の中には「推し」のためにわざわざ新幹線に乗ってコンサートやイベントに駆けつけるファンがいると聞く。卓球選手ももっと露出を増やして一般層の目に触れれば、「ひな推し」だの「ほのか推し」だのといった非卓球人のファンがTリーグに詰めかけたりしないだろうか?

アイドルから学んだ19歳の意外な思考回路」というネットの記事で平野美宇選手がアイドルが支持されるための戦術を卓球にも援用したいといった発言をしているが、卓球選手もトークが上手で愛される人柄であれば、注目されるようになり、最近伸び悩んでいる卓球人気が再び上昇するのではないか…

…などと一瞬思ったりもしたが、そんなわけないか。やっぱり卓球選手は強くてなんぼである。国際試合でも大いに活躍できる実力がなければ、いくらおしゃべりが上手で美人でもテレビなどへの出演依頼も来ないし、一般層は興味を持ってくれない。とはいうものの、卓球女子選手の美しさを多くの非卓球人に知ってほしいものである。

なお、私はアイドルとかには全く興味がない。

威力と早さのジレンマ――フォア打ちで練習する

最近、戻りの早さ(前記事「もう一つの戻り」)を心がけてプレーしているおかげで、格上の人との対戦でもそこそこ善戦できるようになってきたと感じている。しかし、その一方で全力でドライブを打つことができなくなってきた。いや、打とうと思えば打てるのだが、しっかりバックスイングを取って下半身を使ってドライブを打つと、相手の早さについていけなくなるのである。私はフォアドライブの威力はまぁまぁだと自負していたのだが、それが打てないとなると、自分の持ち味がなくなるのではないかと残念に思っている。

格上の相手に対して全力のフォアドライブを打とうとしても、そうそう打たせてもらえない。相手はチャッチャカ台上で早い打点で返球してくるので、しっかり体を使って打つためには、時間的な余裕が必要で、素早くボールの到達点で待ち構えていなければならないが、そんな素早いフットワークはあいにく持ち合わせていないので、詰まりながら、頂点を過ぎた打点で打つことになってしまう。そんな中途半端なドライブを打ったところで、相手は余裕をもって十分な姿勢でブロックしてくるので、決定打になることは少ない。コースを突いたり、連続ドライブ強打が打てればいいのだが、残念ながら私には無理である。格上の人と対戦するときは、ドライブ強打はほぼ打てないものあきらめて、封印しなければならない。

一方、ドライブ強打ではなく、相手の早さに対抗して、こちらも前陣であまり動かず、早い打点で軽打――相手からのボールに合わせて小さく振るようなショットを連打したほうがいい展開になることが多い。早さに加えて威力のあるショットが打てれば最高なのだが、私のレベルでは無理である。早さを求めれば、威力を犠牲にしなければならなず、威力を求めれば早さを犠牲にしなければならない。

周りを見てみると、早さと威力が両立できている人はごくまれである。全国大会などに出るような人は早い中にもドライブ強打を織り込むことができるが、フットワークに過大な負担がかかるそんなプレーは中級者には無理である。

私の周りには威力を志向している人のほうが多いように感じる。若い人で練習の時にはものすごいドライブ強打を打っている人が、試合になると、ツッツキやミート打ち、カウンターの上手いオジサンに翻弄されているのをよく見かける。オジサンは台から下がって腰の入ったドライブなどめったに打たない。若い人はドライブ強打が打てそうな、ゆっくりしたツッツキのようなボールを待っているが、オジサンは前陣の早い打点でパシパシとさばいて若者にドライブ強打を打たせる隙を与えないのである。

それを考えると、前陣にいて大きく動かず

早さ>威力

という優先順位でプレーするのが中級者のレベルでは強いのではないかと思う。

早さと威力とは相反するベクトルを持っているので、両立するのは難しい。大きく動けない私のようなプレーヤーは威力の方は諦めて、早さに磨きをかけるしかない。

そんなときに思い出したのが鹿南8の神山氏の下の動画である。



フォア打ち、バック打ちのとき、氏が気をつけている点について述べている。

1.上下に動かないようにする
2.打球のコントロール(方向や深さ、高さ、回転量)をチェックする
3.ラケット面のボールが当たる位置をチェックする
4.視野を広げて(相手や台の全体を見ながら)打てるようにする。

なるほど、私も練習のはじめにフォア打ちを5分ほどするが、どのぐらいの力で打てば、どのぐらいボールが飛ぶかといった感覚の確認しかしていなかった。いろいろ確認しながらフォア打ちをすれば、その日のプレーが良くなるのかもしれない。たかがフォア打ちとあなどっていてはいけない。フォア打ちにもいろいろ意味を持たせないと。

これまで私はフォア打ちというのは時間の無駄なので、できるだけ早く済ませたいと思っていた。実際の試合なら、3球ほどフォア打ちをしてすぐ試合である。フォア打ちに5分も10分も時間を割くのは時間の無駄だ…と思っていたが、果たしてそうなのだろうか?

たとえば、私は低い姿勢でいると、腰が痛くなるので、つい姿勢が高くなってしまうが、姿勢を低くする練習というのはあるのだろうか?
あるいはフォアハンドを打つときに重心を常に右から左に移す練習というのは、いつやればいいのだろうか?
ボールと体の距離や打点を常に一定にして打球できるようにする練習や、打球時に体幹から力を発生させて、それを腕に伝えるようにする練習は?

試合に近いオール形式の練習だと、どこにボールが来るか分からない中でさまざまな球質に対応しなければならないので、姿勢だの、体幹だの、下半身だのを意識する余裕がない。一方、フォア打ちという最も単純な練習なら、自分の身体の使い方だけに意識を集中することができる。ワンコースでドライブ対ブロックのような練習でもいいと思うが、フォア打ちのほうが実戦の早いピッチのプレーに感覚が近い(おそらくレベルの高い人はこれにフットワークを組み込んだ練習をするのだろう)。フォア打ちというのはボールを打って飛ばす練習というより、身体の細かい使い方の練習だと考えたほうがいいように思う。こういう練習を繰り返すことでふだん鍛えられない身体を上手に使った打球が身につき、ひいてはそれが威力の向上にもつながるのではないだろうか。
フォア打ち
フォアハンドがスゴイ!有延大夢選手のフォア打ち。
https://www.youtube.com/watch?v=19La4CjbnRs&t=57s

威力を志向するというのは、何も中陣に下がって大きなスイングで全力強打することだけでなく、前陣でコンパクトなスイングの中にもキレのあるショットを打つことも含まれるのではないか。そのようなキレのあるショットを打つためにフォア打ち等の基本練習で身体の上手な使い方を身につけるのが有効だと思われる。

威力と早さとは両立し難いと考えていたが、身体を効率的に使えば、早い中にもそこそこの威力のある打球ができるような気がしてきた。


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シロノ タツミ

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