しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




練習法

当ブログでは皆様からの寄稿を募集しております。卓球について意味のある主張を発表したい方はshirono.tatsumi◯gmail.comまで原稿をお寄せください。

コメントについて:
コメント欄は他の読者が読んで意味のある情報交換の場としてご利用ください。当ブログの方針(察してください)に沿ったご意見は公開します。返信しにくい場合は公開のみとさせていただきます。指導者ではないので、技術的な質問には答えられません。中傷等は論外です。なお、メールアドレスは公開されません。

僕は切り替えができない――切り替えにおける「寄り」

先日、久しぶりにじっくり練習をしたのだが、案の定、調子が悪かった。
1球1球を自信をもって打てないので、ボールをじっくり吟味しながら、おそるおそる打球した結果、おのずと次の打球への反応が遅れ、振り遅れ気味の、詰まり気味の、力のこもらない打球ばかりになってしまう。前の練習で次に試してみようと思ったことは、ほとんど試せなかった。それどころではなかったのだ。フォアとバックの切り替え練習で特にそのような傾向が顕著で、満足にラリーが続かなかった。

いや、待てよ。よく考えてみたら、私はもともと満足に切り替え練習ができないのだった。

フォアハンドをずっと打ち続けるとか、バックハンドをずっと打ち続けるとか、そういうのはまぁ、なんとかできるのだが、1球1球、いや、2球ずつの切り替え練習でも、ラリーが続くうちにだんだん間に合わなくなり、よくミスをする。上級者のように速いボールで打つからではない。力を抜いたゆるいボールで打っていても、切り替え練習というのは難しい(前記事「転換」)。

なぜ私は切り替えができないのだろう。

振りが大きいのかもしれない。
しかし、振りが大きいというのはどういうことか、自分ではよく分からない。回転半径が大きいということなのだろうか。いろいろ考えてみた結果、私の場合、振りが大きいというのは、バックスイングが大きいことだという結論に達した。
威力のあるショットを打とうとして、フォアハンドを打つとき、どうしても自分の体側を超えてバックスイングを取ってしまう癖があるのではないかと見当をつけている。

それから腕を伸ばしてしまうというのも振り遅れる原因なのではないだろうか。たとえば張本智和選手のフォアドライブは腕を畳んでいて、非常に速く鋭いスイングである。私もああすればスイングが素早くなるのではないか。

…などと、原因をいろいろ考えること数か月。今では私は切り替え練習ができるようになっていた(この記事は1年ほど前に書き始めたものの、うまくまとまらず、お蔵入りしていた記事である)。今ではなんでこんな簡単な練習ができなかったのかと不思議なぐらいである。私は一体どんな勘違いをしていたのか。
私が切り替えができなかった原因は上に挙げたものもあるのだが、一番の原因は足を有効に使っていなかったからである。

切り替え練習はフォア・バックを切り替える練習なのだから、当然上半身に問題があると考えがちなのだが、実際は下半身のほうに問題があったのである。



かつての私の切り替え練習のイメージは上の動画のような感じでほとんど動かずにやるというものだった。

しかし、実際には手を伸ばせば届くところに常に返球が来るとは限らず、手が届かないところに返球されたときは小さいフットワークで位置を微調整をしなければならない。そうやってチョコチョコ動きながら切り替えをするのだが、それでもだんだん間に合わなくなってくる。

そして到達した結論は、私の切り替えには「寄る」という動作が欠けていたということである。
「寄る」というのはどういうことか。ボールを打つのに適切な位置にポジショニングする前に、とりあえずだいたいの位置に移動するという動きのことである。
つまり、

・フォアを打った瞬間に、相手がボールを打つ前にとりあえずバック側に寄っておく
・バックを打った瞬間に、相手がボールを打つ前にとりあえずフォア側に寄っておく

ということなのである。



上の安藤みなみ選手も動画では相手がボールを打つ前にとりあえずフォア/バック側に10センチほど移動している。

minami

私は切り替え練習というのは相手が打ったボールがどのあたりに落ちるかを予測してから足を動かすものだと思っていたのだが、そうではなくて、フォアを打った瞬間、バック側にある程度寄っておかなければ、次のボールに素早く対応するのは難しいのである。

以前の私の認識
・打球→相手の打球を確認→ポジショニング

今の私の認識
・打球→おおまかに反対側へ移動→相手の打球を確認→ポジショニング

ここから分かることは、相手の打球を確認してから足を動かしても間に合わないということである。これを前記事「転換」で言及した「ニュートラルへの戻り」ととらえることもできようが、この練習の場合「戻り」よりも「寄り」と言った方が適切な言い方ではないかと思う。フォアもバックも打てるニュートラルの位置に戻るというより、フォア側、あるいはバック側に立ち位置が片寄るからである。このように相手の打球を確認する前にとりあえず動くというのは実戦の中でも重要だと思われる。

他の原因を考えてみると、体の向きも問題だったと思われる。
フォアハンドを打ちおわったとき、きちんと相手に対して正面が向けていない――最後まで微妙に台に対して正面を向いたままであるため、次にバックに来たボールがうまく打てなかったのだと思う。これもポジショニングできちんと相手に対して正面を向くように意識しなければならない。

切り替え練習というのをずっと上半身だけの練習だと考えていたため、私はうまく切り替えができなかったのだが、上半身と下半身を同時に使う練習だと考えればすぐにできるようになるのである。

切り替え練習なんて、誰でもできる簡単な練習だと思われるかもしれないが、私のように長い間、それがうまくできずに悩んでいる人もいるに違いないと思い、いわずもがなの記事をまた書いてしまった。

【付記】
最近「切り替え練習」と「切り返し練習」という2つの言い方があって揺れている。
たぶん「切り替え」のほうが古い言い方だと思うのだが、車の運転や剣術での「切り返し」という言葉のイメージが「切り替え練習」の内容と重なるので「切り返し練習」という言い方の使用が増えつつあるのかなと思う。どちらでも私は構わないが「切りえし」には違和感を感じる。

打つ練習と打たれる練習――戻りの早さについて

Jさんは私よりも格上の人で、よく練習に付き合ってもらう人である。
最近、忙しくて練習できず、バックドライブが安定しないというので、1時間ほどJさんのバックドライブの練習に付き合ってあげたのだ。

Jさんがサーブを出して、私がバック側に長くつっつき、それをJさんがバックドライブでストレートに打ち抜くという練習である。たしかにオーバーミスが多いのだが、そのバックドライブは打点が早く非常に鋭い。打たれたら全くとれない。私は低く長くつっつくだけの役割だが、それでもツッツキの練習にはなった。

しかし、多球練習のように1発強打を打って終わりでは、Jさんも味気なかろう。せっかくなかなか受けられないような質の高いバックドライブを打ってもらっているのだから、私がちょっとフォアブロックで止めて、ラリーにでもなれば、私のブロックの練習にもなるし、Jさんも練習のし甲斐があることだろうと私は4球目でブロックを試みるのだが、ボールが速すぎてラケットにかすりもしない。いや、待てよ。ボールが速すぎてブロックが間に合わないのだろうか。もしかしたら、私の戻りが遅すぎて間に合わないのではないだろうか。

そんなことを考えて、私は2球目でツッツキしたあと、できるだけ早く戻る(強打に備える)ことにした。そうすると、3球に1球ぐらいはラケットに当たるではないか。もう少し早く戻れないかとツッツキのタッチを短くしたり、ツッツキの時の右足の位置を変えてみたり、いろいろ試してみると、なんとか半分ぐらいはブロックできるようになった。

私は以前、上手な人に「振り終わった後、ラケットが止まっている」と指摘されたことがある。「ラケットを止めないで次の打球につなげないと」などとアドバイスを受けたのだが、自分のスイングの終点でラケットが止まっているという自覚が全くなかった。自分ではラケットを止めずに次の打球にスムースにつなげているつもりなのだが、上手な人にもう一度見てもらったところ、やはり止まっているのだという。止まっているという自覚がないので直そうにも直しようがなかった。

今なら私は自分のラケットが止まっていたことがよく分かる。打ち終わった後に一瞬、力を抜ききってしまっていたのである。今回、Jさんの鋭いボールになんとか間に合わせようと全力で――いいボールを返そうなどと思わず、とにかく当てるだけでいいという気持ちで戻ることだけに専念した結果、私は自分のラケットが、打ち終わった後にほんのわずかに止まっていることが自覚できたのだった。

これは一筆書きだなと思った。行書と言ってもいい。

書道

私のスイング、ひいては身体の動きは、いわば楷書だったのだ。一振り一振り、自覚がないほどのわずかな時間だが、動きに切れ目がある。動きが止まっている。ラリーの最中にそのように緊張を途切れさせてしまうと、戻りが遅くなる。もちろんガチガチに力を入れ続けろというわけではない。打ち終わった後には力を抜くのだが、抜くといっても完全に力を抜くのではない。身体の奥底に地下水脈のように細い緊張の糸を途切れさせないようにしておくのである。

課題練習というと、自分が打つ練習を選択することが多いが、自分が攻撃する練習というのは打たれる練習に比べて時間的な余裕がある。それで自分のプレーの中の時間のロスになかなか気づきにくいが、Jさんとの練習のように絶好球を送って強打を打たれる練習でラリーを続けようとすると、こちらの時間的余裕が全くない。その時間がない中で、なんとか時間をやりくりしようとすることによって自分の動きの中のロスに目を向け、それを一つ一つつぶしていくことができる。

017072c
こういう気分だった

打たれる練習は自分の処理速度を上げるのに有益だと感じた。

それは筋トレから始まった――薬研トレーニングを行って

卓レポアーカイブの中に「世界一への道」という記事がある。今までの日本人世界チャンピオンがいかにして世界を獲ったかを、その生い立ちから紹介する記事である。

「長谷川信彦 ――人の3倍練習し、基本の鬼といわれた男」

の中に群馬県桐生市にある故長谷川氏の卓球場――テーブルテニスガーデン・ハセガワに次のような道場訓があると書かれている。

強くなるには
・常に試合と同じ気持ちで練習する
・フォーム、フットワーク、3球目、4球目攻撃など抜群にせよ
・世界で勝てる選手になれ
・自分から進んで素振り、体力作りをやれ
 '01・6・10 長谷川信彦

この中で目を引いたのが、4番目の素振りと体力づくりの奨励である。これが長谷川氏流の卓球原理なのかなと思う。というのは記事を読んでいると、素振りとランニング、フットワーク練習の描写がしょっちゅう出てくるのだ。

現役時代には毎日2時間をトレーニングに費やした。その半分はランニングだった。「試合前にランニングをたくさんやったときには負けなかった。反対にランニングをあまりやらなかったときには、勝てなかった。走ると体のバランスがよくなるし、心も鍛えられる。孤独に強くなる。長距離ランニングは自分の卓球の命だ」と言い切る。

長谷川氏はランニングにかなり重点を置いているようだ。また、素振りのほうもすごい。

元明治大学監督の渋谷五郎は、学生に素振りを見せてやってほしい、と長谷川にお願いした。翌日「長谷川の素振りを見て、一瞬背筋がピーンとなった。宮本武蔵の剣の素振りもこのようだったのだろうな、とすごく感動しましたね。本物は違うね」と語った。長谷川の素振りやシャドープレーに関する伝説は数え切れないほどある。

剣道の素振りのように気迫のこもった卓球の素振り…。ぜひ見てみたい。
このように素振りを重視するのは

「今の日本の選手は、トップ選手から小学生に至るまでみんな体の軸が崩れている。だからフォームが崩れて、いいボールが打てないし、いい動きができない」との考えからだ。

まとめると、足腰を中心にした筋力トレーニングと、フォームを崩さないようにするための素振りというのが長谷川卓球の中で大きな位置を占めていたようだ。

長谷川氏の卓球指導は現代でも通用するのだろうか?

長谷川氏が群馬で指導をするようになってから、卓球の有力選手が出たという話はきいたことがない。今のところ長谷川氏の卓球理論は全国レベルの選手の養成には成功していないのかもしれない。

しかし、私には長谷川氏の卓球理論――足腰の筋トレと素振りというのが有益に思えてならない。

根拠はない。

自分の卓球を振り返ってみて、それらの点が絶対的に欠けており、それが自分の卓球の障害になっていると感じるのである。私のようなレベルの人間には長谷川氏の卓球指導は合っているのかもしれない。

昭和の卓球選手の練習の話を聞くと、長谷川氏だけでなく、多くの選手がランニングをはじめとした筋トレを非常に重視している。

前記事「特徴のある人」で足腰の重要性について触れたが、長谷川氏の卓球人生を読んで、私も筋トレをしなきゃなという気持ちになった。しかし、何度も述べているが、私はあまりランニングが好きじゃない。しかし筋トレはしたい。どうしよう。

部屋の中で筋トレができるアブローラーという器具をアマゾンで買ってみた。

_SY355_
Soomloom腹筋ロズウィル スリムトレーナー

1200円ほどだった。ホイールの部分がプラスチックに近い固い材質なので、床によっては傷がつくかもしれない。他に不満はない。

膝を床につけて四つん這いになり、薬研を転がすように前に押して、それを引き戻すという運動である。

1-a6287


ひざまづいて前に転がしてみる。

「ぐゎは!」

今…腹筋の細かい繊維が大量にちぎれたにちがいないと思わせるような痛みを覚えた。この薬研を引き戻せない…。

体にかかるなんという負荷。
たったの1回もできずにその場に倒れ伏してしまった。これは思った以上にハードな運動である。

あまり前に押しすぎて、上半身が伸びてしまうと、引き戻せなくなるので、まず短い距離でキコキコやって、だんだん距離を伸ばしていく。すると、胃袋のあたりがすぐに筋肉痛になる。

しかし、達成感はあった。

それから2週間ぐらい毎日続けていると、膝をついたままなら、上半身を最後まで伸ばしても、腹筋で引き寄せられるようになっていた。腹筋がついてきた気がする。

そして腹筋に力を入れて上半身をまっすぐ姿勢良く立てて座ってみる。今までのふだんの姿勢は軽く猫背気味だったのが、腹筋ができてきたことによってピンと背筋を伸ばして長時間座ってもあまり疲れなくなった。姿勢が良くなると、気分もよくなる。筋トレが少し楽しくなってきた。

この調子で続けていれば、年末ぐらいには腹筋が割れてくるかもしれない。いい買い物をしたなぁ。

あれ?でも当初の目的は足腰を鍛えるはずだったのに、腹筋のトレーニングになってしまった。

まぁ、いいか。

この筋トレがその後、私の卓球に大きな変革をもたらす契機になろうとは、このときはまだ想像だにできなかったのである。
 

フォームの問題じゃない――読者のコメントから

練習時間の少ない社会人にとって練習時間の確保は死活問題である。
週に2~3時間ほどしか練習できないので、その時間は集中して有意義に使いたい。

ping-pong-shadows


が、実際にボールを打つだけが練習ではない。ボールを打たない練習によって足りない練習時間を補うのは社会人に必須のスタイルである。

その最も手軽な練習が素振りである。私は今日も1時間は素振りをした。狭い自宅で?いや、天下の公道や駅の構内や職場で、である。


--------

卓球の質問」に多く質問が寄せられているが、回答もたくさん寄せられている。
私の苦手な技術面の情報発信を補っていただき、ありがたいことである。

その中にこんなやりとりがあった。

【問】私はフォアドライブを肩をかなり落とし、両足のつま先が大分右を向く程に体を右に向け、溜めて打ってしまいます。ループの時はそれでも良い(?)のですが、ラリー中こんな打ち方をしていてはいくら自分の時間を作ろうと意図したボールを打っていても間に合いません。どうしても前を向いてほぼ平行足でフォアドライブを打つ方法がわかりません。

質問者の質問内容から判断するにかなりレベルの高い人だと思われる。それに対してこんな回答が寄せられた。

【Q6 前を向いてほぼ平行足でフォアドライブを打つ方法…。コツなど…】について

【高速】【連続】【威力】をクリアするドライブを打つのは、もはやフォームだけの問題ではありません。この3拍子揃う打球は、ご自身の体幹が充分で、その上で地面から得る力を球に伝えないと難しいです。

「もはやフォームだけの問題ではありません」

こんなことをサラリと言えるのは、とても素人とは思えない。明らかに指導のプロの見解である。
そして注目すべきは以下の発言である。

「地面から得る力を球に伝えないと難しい」

私もこのことがずっと気になっていたのである。強打を打つ時、手打ちではなく、ようやく身体を使って打てるようになってきたが、その「身体」というのも限定的である。意識が上半身にばかり行って、下半身のほうは手付かずだったのである。足の裏でしっかり地面を踏みしめる力を利用しないと瞬間的に強い力が出ない…と思っていたときにこの回答を目にし、「これは私にも役立つ」と感じた。

前提として”強い体幹が必要”と断った上で、詳細な説明がある。

この回答のためにどのぐらいの時間をかけてくださったのか。30分では書けまい。私は生活の中で常に卓球のことを考えており、その中で「このネタは、記事にして公開する価値があるかもしれない」と思ったら、そこから文章化に入るが、それは最低でも2~3時間はかかる。ときには5~6時間もかかるのである。このように整理された回答が10分や20分で書けるわけがない。
プロに個人指導を頼んだら、1時間で4000円や5000円はかかる。この回答にはそのぐらいの価値があると思うのである。

■フォームの確認(細かくても意識しにくいので大ざっぱ):
1. テイクバック時、フリーハンドの肩の後ろを相手に見せない。背中を見せるなど論外。打球後はフリーハンドを意識して正面に戻す。すると上半身はそれ以上に横を向かない。

2. テイクバック時、ラケットハンドの肩を落とすのではなく、少し腰を落として軽く腰を捻った分がテイクバック。太ももの横よりお尻側にラケットが回るのは論外。

上の回答の「論外」から察するにバックスイングで体幹をひねりすぎてはいけないということらしい。

3. 全て打球点の高いところを打球、或いは台上で打球する意識を持つことで、高速ラリーについていける。

4. テイクバックで捻った腰を正面に戻すイメージでフォロースルーを止める。体幹が弱いと必ずブレ、連続で強い打球ができない。

この「正面に戻す」というところから、スイング時も振りすぎないことが大切ということである。引きすぎないし、振りすぎない。体幹の回転する幅はコンパクト(30°ほど?)に、そして早めの打点で打つというのがここまでのポイントである。

5. 打球パワーは地面を足裏で掴む、蹴る、体重移動との連携で生まれる。足腰が弱く体幹不充分だと強力なパワーが得られない。

足の裏でしっかり地面を捉え、ふんばるだけでなく、積極的に「蹴る」という動作につなげ、同時に体重移動を実現するということである。

前記事「常住卓球」で、日常の徒歩による移動を卓球の練習として利用できないかという提案をしたが、私はこの回答を目にして以来、歩くときに地面をふんばり、さらに地面を蹴るという歩き方を実践してみることにした。もちろん下半身だけでなく、上半身も連動させ、やや前傾しながら

右足一歩前に出し、地面をつかむ(同時に右上半身を右に小さく回す)
         ↓
右足に力を込め、やや蹴る(同時に右上半身を正面に向ける)
         ↓
体重を左足に移動(左手でバランスをとる)
         ↓
      以下、繰り返し

これが私が最近取り組んでいるフォアハンドの「素振り」である。ラケットもいらないし、腕でスイングのアクションをする必要もない(まさに「フォームの問題ではない」のである)。下半身のふんばりと上半身の旋回だけの素振りである。これを通勤時や、職場での移動時に実践している。
一歩一歩足の感覚を確かめ、同時に上半身と下半身がずれないよう連携して歩くのは、それだけで楽しい。歩いているだけだが、素振りをしている実感がある。はた目にもそれほど挙動不審ではないはずだ(たぶん)。重い荷物を背負っているので身体に負荷がかかっており、駅の階段を上ったりすると、筋トレにもなる。

平野早矢香氏の講演のビデオを観たのだが、その中で氏は多球練習のボールは生きたボールではないが、身体に動きを覚え込ませるために有効な練習だという旨のことを言っていた。



私の「素振り」も下半身と上半身の連携を身体に覚え込ませるのに有効だと思っている。


IZCp2

記事には関係ないが、ふと、卓球のフィギュアがあったらほしいと思ってしまった。
他にも卓球のガチャガチャとかあったら、絶対やるのになぁ。


いつもの練習――フォアドライブの習得

「ご注文は?」
「じゃあ、いつもの。」
itumono

ドラマやマンガでしかみたことがないが、喫茶店でよくあるシチュエーションである。こういうやりとりをやってみたいと常々思っていた。

フォアとバックの基本打ちを5分ずつぐらいやり、相手に「5分ずつぐらいでお互いに課題練習しましょう。そちらの課題練習からでいいですよ」と言われて、「じゃあ、こちらはフォアでドライブするので、バックでブロックしてもらって、こちらのバック側2/3に返してもらえますか」と最近は答えることにしている。親しい相手なら「じゃあ、いつもの。」となる。これが私のいつもの練習である。

社会人なので、自分の練習ができる時間は限られている。初心者のような人とも打たなければならないし、同レベルの相手と打てたとしても、課題練習などを交互にしなければならないので、完全に自分だけの練習ができるのは1回2時間の練習で正味2~30分だろう。相手の課題の練習相手をするのが自分の練習にならないというわけではないが、やはり相手の練習のときは相手の求めるボールを返すのが最優先なので(前記事「こういう人、結構いるよね」)、自分が今、最も必要とする練習ができるわけではない。2~30分でできる練習となると、このフットワーク練習が最も達成感がある。

2~3年前は「そちらの好きな練習をどうぞ」と言われてよく困ったものだ。
一体私はどんな練習をすればいいのだろう?自分の課題といわれても、ほぼすべてが課題といっても過言ではないし、私の弱点に特に有効な練習というのも思いつかなかった。

「じゃあ、ショートサービスを出すので、バック側に長くつっついてください。3球目をバックにドライブしますから、そこからフリーで。」

などと、以前はとりあえず自分が気持ちよく強打できる練習をリクエストしてしまっていたのだ(前記事「3球目攻撃の難しさ」)。しかし、実際の試合でこちらのショートサービスを「どうぞ打ってください」とばかりにゆっくりバック側に長くつっついてくれる親切な対戦相手は稀だ。今、振り返って考えてみると、この3球目練習はあまり効果があったとは思えない。

最近私はとにかくフォアドライブを安定させたいと思っている。未熟な技術はいろいろあるけれど、それらをまんべんなく練習するよりも、一つでも自信のある技術を身に付けたいと思ったからだ。

以前は

「今日は調子が良い!フォアドライブがよく入る。」

などと思っていたが、フォアドライブに限らず、基本的な技術が入るかどうかは調子の波に左右されてはいけないはずである。

フォアドライブを安定させるというのは、どんなボールに対しても一定のボールを返せるようになるということである。相手が一般的な裏ソフトの場合と、表ソフトや粒高の場合ではブロックの球質が全く異なってくるし、ブロックが上手な人なら一定の場所に返球されてくるが、ブロックが下手な人なら荒れたボールが返ってくる。ふつうに当てるだけの打ちやすいブロックをする人もいれば、プッシュしてくる人もいる(初めのうちはこれにずいぶん悩まされた)。こちらが速いボールを打てば速く返ってくるし、遅く打てば遅く返ってくる。

体に近いボール/体から遠いボール
浅いボール/深いボール
下回転が強いボール/弱いボール
速いボール/遅いボール
等々。

この練習を通して、どんなボールが来てもこちらで調整して一定のボールを返せるようになるというのは私が思っていたよりもずっと難しいことだと分かった。


ワンコースであっても200本連続でドライブを成功させるのは私には至難の業だ

以前「今日はフォアドライブがよく入る!」といっていたのは、ようするに相手のボールがたまたま打ちやすい位置に、打ちやすいスピードと回転で返球されてきただけだったのかもしれない。翌週には全く入らなくなっていたということも珍しくなかったからである。相手のブロックに対してフォアドライブを連打するぐらい、大したことはないと思っていたが、実際に10~20本ほど連続して打ってみると、それほど単純な練習ではないと感じるようになってきた。

上で例に上げた4つの要素の組み合わせをおおざっぱに考えてみると

・体からの距離(左右):遠・中・近
・深さ(前後):浅・中・深
・回転の質:上・ナックル・下
・ボールのスピード:遅・中・速

3の4乗で81通りのボールが来ることになる(他にも様々な要素があるとは思うが)

体に近いフォアミドルのボールを打つときと、体から遠いボールをフォア側に移動して打つ場合は、体の使い方や打ち方を少なからず変えなければならない。思ったよりボールが浅く、打点を落としてしまった場合はスイング方向を上にして、ゆるいボールでなければ安定して返球できないし、逆に深いボールのときは当てを薄くして、ラケットを上の方から出さなければならない。

一見同じようなボールに見えても、その内実は多種多様である。私は以前はこのような多様なボールに対して3~5種類程度の打ち方で対応しようとしていたと思う。それでその3~5種類程度の打ち方にうまく当てはまらないボールはミスしてしまっていたのだろう。今は球質をもっと細やかに見分けることができるようになり、より精度の高い打ち分けができるようになってきたので、かなりフォアドライブが安定してきた。

というか、そのように1球1球細かく打ち方を変えるよりも、フットワークを使って同じポジションで打つようにすれば、5種類ぐらいの打ち方で大抵のボールに対応できるようになると思われる。

このようにフォアハンドでの単純?なフットワーク練習を半年ほど続けているが、私は今、ようやくフォアハンドドライブが打てるようになってきたと感じている。今までは打ちやすい限られたボールに対してしか打てなかったフォアドライブが、今はどんなボールでも6~7割がた安定してフォアドライブが入るようになってきたのだ。そうすると、不思議なことに試合などの実戦のボールに対してもかなり安定してフォアドライブが入るようになってきた。ツッツキ打ちの練習などほとんどしていないのに、このブロック対フォアドライブの練習だけで、足が動くようになり、3球目のフォアドライブが安定してきた。「いつもの練習」を続けることにより、今まで気づかなかった球質の違いを見分けられるようになり、「このボールを前方向にスイングしたら、絶対オーバーするから、上方向に山なりのドライブを打たなければ」のようにボールに対する判断がより精密になってきたためである。

今のフォアドライブの練習が一段落したら、今度は切り替えの練習にも挑戦したいと思っている。フォア・バックの切り替えもやってみると、いろいろな発見があることだろう。このように単純な練習でも、長期間取り組むことは多くの初中級者にとってゲーム形式の練習よりも有益なのではないだろうか。

二度あることは三度ある――システム練習のすすめ

以前、回り込んでドライブを打つ練習をしていた時、ボールがラケットの角に当たってポーンと高く飛ばしてしまった。おっと、これはしたり。きちんとラケットの真ん中に当てなきゃな。と次は気をつけて回り込んだところ、また同じところにボールが当たり、4~5メートルの高さまで飛んでいってしまった。ふつうに打っていてあんなにきれいにラケットの角に当てるというのは狙ってできるものではない(たぶん)。2回連続まったく同じところに同じようにボールを当ててしまったというのは、おみくじで2回連続凶を引いたような気分だ。しかし、マイナスが2回だから案外プラスになるのかも?

そんなはずがない。

1回なら偶然という可能性もあるが、2回連続全く同じところに当たったというのは偶然ではなく、私の打ち方に何らかの問題があるからに違いない。おそらく振り遅れているのだ。

最近、こんな動画を観た。



xia氏のプレーのなんという安定感。見ていて凡ミスをする気がしない。こんな卓球ができるようになったら楽しくてしょうがないだろう。うらやましい。

この学校ではシステム練習を積極的に取り入れているらしい。

system practice

「ファア前→フォアにツッツキ→フォアへドライブ→カウンター→フォア2本・ミドル1本」

のような複雑なシステム練習をミスなくすごいスピードで続けている。

私もときどき「バック→フォア→ミドル」とか「フォア2本→バック1本」のような練習をすることがあるが、あまり好きではない。練習する二人の息がピッタリ合っていないと、コースが乱れて、だんだんグダグダになってくるからである。

私がバックのブロックを担当し、相手をフォア2本、バック1本などと回している時、私はよく間違える。フォア2本のはずなのにフォアに1本しか送らなかったり、バックは1本なのに2本送ってしまったりする。なので、上の動画のようにきれいに延々と続かず、すぐにラリーが中断されてしまう。

しかし、このような配球の回数を間違えてしまったことを単に「この手の練習は苦手だから」で済ませてしまっていいものだろうか。
単なる偶然ではなく、何か理由があるのではないだろうか。

まさか…とうとう認知症が来てしまったのだろうか?

そういう可能性も考えられるが、私はもっと楽天的に考えたい。

ラリーがだんだん早くなってきたので、私の「意識のスピード」がボールに追いついていないだけなのだろう。そうだ!そうに違いない。私の脳はまだ正常に機能しているはずだ(たしかに物忘れがひどくなってきたのは認めるが…)

というわけで、システム練習でフォア・バックに送る回数をよく間違えるというのは、決して偶然ではないと思われる。私が目の前のボールを処理することに精一杯で、次のボールのことまで頭が回らないために起こったミスなのである。とすると、こういうシステム練習を早いピッチで延々と続けられるようになれば、意識のスピードも早くなるということである。

これからはボケ防止のため、そして意識のスピードを上げるためにも、複雑なシステム練習を自分の練習にドシドシ取り入れたいと思っている。 

答え合わせ――実践的シャドープレイ

前記事「連休中の卓球談義」でシャドープレイはいい練習になると教わり、家で試してみたりしたのだが、あまり効果があるとは感じられなかった。毎日数分だが、飛んでくるボールを想定して素振りなどをするようにしている。にもかかわらず、実際のプレーでは相変わらず反応が遅く、詰まったり、振り遅れたり。

-------
先日の練習でBさんのプレーをみていて、こんなふうにプレーできたら卓球が楽しくてしかたがないだろうなと思った。Bさんはそれほど熱心に卓球に取り組んでいるわけでないが、うまい。Bさんはいつもリラックスしてプレーしている。ムチャな強打は打たないが、それでいて決めるべきところではとんでもなく速いボールを打ってくる。私などは打てないボールにまで手を出して強打してしまうが、Bさんは打てないボールは手堅く入れて、打てるボールだけを選んで強打するのである。その強打というのも、私のようなヘタクソは目を三角にして全力で打つのだが、Bさんは涼しい顔をしてそれほど力を入れているように見えないのに中陣から速いボールを打ってくる。

何が違うのだろう。

Bさんの卓球を見ていると、本当に上手な人は力を抜いていても速いボールが打てるのだとしみじみ思う(前記事「小は大を兼ねる」)。

Bさんはフットワークも独特だ。あまり動かないのである。いや、動いていないように見えるのである。ボクシングのフットワークのように絶えず小さく体を揺すってはいるが、ほとんど棒立ちのように高い姿勢で立っていて、やる気がなさそうである(ちょっとサムソノフっぽい)。前後左右に動くステップは小さく、あまり動いているようには見えない、が、ボールにはきちんと間に合っていて、詰まったり、振り遅れたりすることは稀である。

Bさんのフットワークには秘密があるに違いない。私はBさんの背後からBさんのフットワークをしばらく観察してみた。

Bさんは、バックサイドからショートサービスを出し、相手のストップを払ってからオールという練習をしていた。Bさんはやはりサービス後の戻りが早い。動いていないように見えて、きちんと前後に動いている。私は知らず知らずのうちにBさんの背後から、Bさんと同じようにサービスを出して相手のストップを払うというシャドープレーをしていた。

「!」

Bさんはサービス後の戻りが想像以上に早いのである。私もBさんといっしょにサービスしているふりをして、打球後すぐに正面を向いてみたのだが、Bさんよりもコンマ数秒遅れていた…。Bさんは全力で戻っているようには見えない。相変わらずリラックスして軽やかに正面を向くのだが、それでも流れるような動きで私よりもずっと早く戻っていた。

「なんと!!」

次の瞬間、私は自分の目を疑った。
Bさんは、まるで相手に握手を求めるかのような自然な足取りで右足を軽く前に踏み出し、バックハンドのフリックを打った。そのときBさんの背後で私は同時に素早く左足を踏み出していた…。

フォア前に短いストップなどが来た時は右足を踏み出して打球するというのは分かる。しかし、バック側に来たストップを打球するためにどちらの足を踏み出すかというのは意識していなかった。自然に踏み出した足が、私の場合、左足だったのだ。

migiashi

バックハンドでフリックなりチキータなりを打つときに左足を入れるのがまちがいなのかどうか分からない。しかし、上級者の写真などを見ると、右利きなら右足を入れるのが一般的なようだ。

私は次のシャドープレイではBさんと同じように右足を入れて打つマネをしてみたのだが、右足を入れると確かに打ちやすかった。

「え!?」

Bさんは、フリックを打った後の戻りも、私よりはるかに早かった。私の場合は右足を台の下に入れて「やれやれ無事間に合った」とばかりに一休みして、上半身の打球のほうに集中してしまうのだが、Bさんの場合は、おそらく右足を出す前から、打球と同時に右足を蹴って戻ろうと決めているのだろう。右足を踏み込むと同時にすぐに一歩、いや、二歩下がり、相手の速くて長い次のボールに備えていた。
----------

Bさんのプレーは私に多くのことを教えてくれた。シャドープレーは実際にボールを打つのをイメージしながら行うべきだ。それは正しいのだが、レベルが低い人間の場合、思い浮かべるイメージ自体が間違っているおそれがある。上手な人のプレーを見て、その人と自分のシャドープレーをシンクロさせてみる――いわば、「答え合わせ」をしてみると、自分では気づかなかったことに気付かされるのではないかと思う。


低学年のための練習――風船を使って

地元のクラブにときどき小さい子供が遊びに来るのだが、小さい子供に卓球をさせるのは難しい。
まず、背が低いので台に届かない。
子供が使えるように高さが調節できる特別な台もあるが、そういう特別な台はふつうの練習場にはない。それで小学生未満の子供に卓球をさせるのは難しい。

小学1年生になると、ようやく胸から上が台に出て、ギリギリ打てるぐらいになるが、それでも1年生に卓球をさせるのは難しい。まだ神経が未発達なのか、打球の強弱の感覚が安定せず、多球練習で打ちやすいところにゆっくりしたボールを送っても、なかなか台に入らない。思った通りにボールが飛ばないのがもどかしいのか、すぐに飽きてしまう。

私は卓球好きの子供を増やすために少しでも興味を持ったら、ボールを打たせてみたいと思っている。小さい子供でも卓球に親しめるいい方法がないか考えていたのだが、ボールの代わりに風船を使ったら、小学校低学年でも卓球らしきものが楽しめると思いついた。

balloon


ネットで調べてみると、「風船卓球」というのが高齢者のレクリエーションとして行われているようだ。
「風船卓球大会」

「風船卓球」 


ラケットの代わりにうちわを使い、扇いで台から落とす(卓球バレー的な)ものと、うちわをラケットにして風船を打つものがあるようだ。私が考えたのはもちろん後者の風船を実際に打つほうである。ただ、実際に卓球のラケットを使う。そして台の上でやるのではなく、ネットも使わず、バドミントンのように打ち合うのである。こうすると、非常にゆっくりとしたボール(風船)が行き来することになり、低学年でも余裕を持ってラリーが続けられるし、力任せに打っても、すぐに減速する。

そしてただ打ち合うだけではなく、卓球のフォームを教え、それで打たせてみると、なかなかサマになっている。卓球のボールは小さい子供には速すぎてフォームを意識する間もなく、ボールが飛んでいってしまうが、風船ならフォームを確認しながら、「なりきり卓球選手」のように喜んで子供たちが打つようになる。

手打ちにならないように、また、むやみに大きなスイングではなく、小さく鋭いスイングのほうがボールがよく飛ぶということもわかり、いい練習になると思う。
ボールの面積が大きいので、ボールのどのへんに当てたら、どの方向に飛んで行くか――ボールの左側面を打つとシュート気味に飛んでいき、ボールの右側面をとらえるとカーブがかかる(右利き)等がよく分かる。

そしてボールがゆっくりなので、下半身との連動――重心移動等にも気をつけて打球することができる。

打球した時の感触がしっかりあるので、大人でも、フォームが安定しない人に有効な練習だと思う。


基本練習のすすめ――『卓球王国』動画を観て

なんとなく卓球王国のDVDのサンプル動画を観ていて、刮目させられた。

私は時間がたくさんあると、どんな練習をすればいいか分からなくて、ちょっとフォアとバックの基本練習をした後、なんとなく試合形式の練習になってしまうことが多い。だが、基本練習と試合形式の練習の間にちょうどいい練習がないものだろうか。そんなことを以前も考えた(前記事「ブロック練習…」)。

基本練習ばかり、いくらやっても試合には勝てない。フォアやバックで何百往復とロングのラリーがミスなく続けられたとしても、試合ではそんな能力は役に立たない。各技術をつなぐ練習こそが大切なのである。基本技術を延々と続けられるよりも、切れた分かりにくいサービスを出せるほうが、試合ではずっと有利だ。

「単調な基本練習ばかりやっていても時間がもったいない。 もっと実戦的な練習をしなければ!」

そう思っていたのだが、下の動画を観て考えが変わった。



0:55あたりからの天野優選手の練習である。
バックとバックのラリーから3~4球に1本の割合でイレギュラーにフォアにボールが来るという練習である。

天野



「すごいスピードのラリーだなぁ。それにしても、こんなに強く打っているのにちっともミスをしない。もし私が同じ練習をしたら…」

女子のトップレベルの選手なのだから当たり前なのだが、もし私がこんなにボールを強く打ったら、次のボールについていくのがやっとで、ミスを連発し、積極的にガンガン打っていくことはできないだろう。おそらく3~4割の力でゆるく打たないと、ミスなく続けることはできないのではないだろうか。しかし、上級者ともなると、もっと複雑なシステム練習で7~8割の力で打っても延々とラリーを続けられるに違いない。

私は最近ワンコースでフォアドライブを打てば、10往復ぐらいは続くようになったのだが、そうなって気がついたことがある。試合での強さと、ミスせず基本のラリーを続ける能力とは比例するということである(オジサンレベルでは)。ワンコースのフォアドライブが10往復も続かなかった頃と比べると、私はずいぶん上達したと感じる。試合形式の練習でもミスが減った。

ワンコースでフォアドライブをミスなく続けるというのは、体力の問題を度外視しても、案外難しい。フォアやバックのロングのラリーは身体をあまり使わず、ほぼ一定のコースに返ってくるので延々と打つことはそれほど難しくないが、フォアドライブは身体を大きく使うため、余計な動きが入りやすく、コースも不安定になりがちである。したがって相手の返球も安定しない。あるときはサイドを切るボールが返ってきたり、ある時は極端に浅いボールが返ってきたりする。それらを安定してドライブで返球することは、私のレベルではそれほど容易いことではない。フォアかバックのワンコースのロングなら、それほど神経を使わずに、おしゃべりしながらでも打てるが、フォアドライブのラリーはワンコースといえども相当神経を使う。フォアロングなら、当てる角度を調節するだけで済むが、フォアドライブなら

「このボールはこちらのエンドギリギリまで届く深いボールだから、一歩下がってやや浅い位置を狙ってドライブしないとオーバーしてしまう」

などと1球1球ボールの質、深さなどを吟味しながらドライブしないといけないのである。

こういうことを考えていると、ワンコースのフォアドライブの練習というのは本当に「基本」練習なのかと疑わしくなってくる。フォア打ちは基本練習の最たるものだが、フォアドライブや、さらにはフォア・バックの切り替えともなると、ランダム要素のないブロック練習とはいえ、相当ボールを吟味して打たないと続けられない。これが「基本」練習だなどというのは上級者の傲慢であって、初中級者にしてみたら、これらの練習はもはや「基本」ではなく、「応用」に近いものではないだろうか。

基本練習というと、フォア打ちなどのウォームアップをイメージするかもしれないが、基本練習の中にも高度なものもある。これらを私なりに分類すると以下のようになる。

難度A 一定(フォア打ちのように安定して返球される)のボールを同じ打ち方で返球

難度B 同じコース(回転やコースは同じだが、スピードや深さは異なる)のボールを同じ打ち方で返球

難度C1 異なるコースのボールを異なる打ち方(例えばフォアとバック、ツッツキとドライブなど)で返球
難度C2 異なるコースのボールを異なる位置(フットワークを使って)で返球


Aはワンコースでのフォア・バックロングややツッツキのラリーである。これらは一定の場所に一定のボールが来るし、あまり身体を大きく使わないので、初級者でも延々とラリーを続けることができる。ただツッツキは意外にイレギュラーなボールになりやすいので、集中して打たないとミスしがちである。

Bはワンコースでのフォア・バックドライブである。ドライブは身体を大きく使うので、自分の身体がブレやすく、返球が不安定になりがちである。または2球ずつ攻守を入れ替える練習(一方がフォアドライブしているときは他方はフォアブロック)などもこれに入る。

Cはフォア・バックを切り替えたり、フットワークを使ったりする練習である。たとえば3点に来るボールをオールフォア、またはフォアで2点、バックで1点などと打ち分ける練習である。Bに分類した2球ずつの攻守転換の練習も、Cではブロックはバックで、攻撃はフォアで、のように切り替えの要素を入れる。


これらA~Cの基本練習が8割がたできるようになってはじめてランダム要素の入った練習に進むべきだというのが今の私の考え方である。Aでボールの打球感覚を身につけ、Bで多様な質のボールを安定して打球する技術を身につけ、Cで異なる打法やフットワークに繋げる練習をする。特にCの練習をミスなく続けるのは重要である。フォアとバックのフォームが繋がっていないと、スムースに切り替えられないし、あるいはフットワークが打法に組み込まれていないうちにランダム要素の多い練習に入っても効果が薄いのではないだろうか。

私の卓球はCがまだ不十分なので、ここを改善したいと思っている。基本練習を極めて、A~Cまでをミスなく続けられるようにするというのを私の今年の目標としたい。
 

懲罰卓球――ミスを減らす練習法

中級者以下のレベルでは、ミスに対して無頓着な人が多い。オールで練習すると、渾身の力で両ハンドを「ムチャ打ち」する人が多い。もちろん成功率は半分以下である。そういう人と練習することになったら悲惨である。社会人にとって貴重な自分の練習時間がほとんど無駄になってしまうのだ。ムチャ打ちの人は、ラリーを続けて相手にも練習させてやろうという意識がない。練習相手をツッツキ送りマシーンとしか考えていないような人が多い(前記事「こういう人、結構いるよね?」)。

そういう人は特にレベルの低い試合でよく目にする。強烈なドライブで1点とったかと思えば、レシーブミスや3球目強打のミスで3点ぐらい落として「おかしいな」「今日は調子が悪い」などといって負けているのだ。

私もかつてそういう卓球をしていたので、そういう人の気持ちは分かる。おそらくムチャ打ちの人は、上級者なら強打している場面なのに、自分が情けないヘロヘロ球しか打てないのに耐えられないのだ。「これじゃ卓球じゃなくて、ピンポンだよ」と、つなぐだけのボールを打つのを潔しとしない。自分の実力以上のボールを打とうとしているので、せいぜい3本に1本しか入らないのは当然なのだが、自分の実力はその程度だという厳然とした事実を信じたくないのだ。

こういう人に対して「すみません、ラリーが続かないのでもう少し球威を弱めて、安定性を高めてもらえませんか?」などとは言いづらい。いろいろな目的の人がいるし、強打の安定性を高めたいという目的の人だっているだろう。しかし、そういう目的の人にはそういう目的の人同士で練習してほしい。

「サービス」→「台上バックドライブ強打(ミス)」

という練習をお互いに延々と続けてほしいものだ。

「ミス」といっても、いろいろなものがある。誰でもミスはするので、そういう偶発的なミスは不問に付し、オール練習での3球目までのミスのみを指して「ミス」としたい。つまり、サービスミス、レシーブミス、3球目のミスである。それ以降ならガンガン強打を試みてもらってもいいと思うが、4球目に至るまではお互いに不安定な打球を慎んでもらえば、ラリーらしくなって楽しめる。

「ミス」に無頓着な人と練習させられるのは勘弁してほしい。そういう人に「ミスすると相手に迷惑だ」ということを意識させるにはどうしたらいいだろうか。

最近、そういう人には懲罰を課せばいいのではないかと思うようになった。ミスによって相手の練習時間を奪うことは懲罰に値する。ではどんな懲罰がいいだろうか。

罰ゲームだ
「じぁあ、罰ゲームだ」


「ミス、1回ごとに100円の罰金です」

というのはなかなかおもしろいと思うが、お金のやりとりがあると、いろいろ問題が起こりそうだ。
それにこれは外発的な動機づけに近いので、課金された本人としては、監視されているようで楽しくないかもしれない。

こういうのはどうだろうか。オールの練習などで

「ミスをしたら、次の3ターンはひたすら受けに回ってください。決して自分から打ってはいけません。チャンスボールが来ても、ブロックやツッツキしかできません。相手に打たせる練習をさせてあげてください」

こうすれば、強打されてばかりの人の気持ちがわかるし、懲罰を受けている側も「強打を打ってスカッとできないのは残念だが、相手の役に立っているし、ふだんあまり守りの練習をする機会がないからいいか」とポジティブに捉えることができる。

あるいは

「ミスをしたら、1回ごとに100メートルのランニングです」

とすれば、練習中にたとえば30回「ミス」したら、3キロのランニングが課されることになる。ランニングのような「トレーニング」は必要だが、なかなか自発的に取り組む気にはならない。しかし、自分の卓球を向上させるには「トレーニング」も効果があるだろうから、自分にとっても意味のある懲罰だと思えばそういう「トレーニング」にも取り組める。内発的な動機付けになる。「次回の練習には自転車や車に乗らず、ランニングで来てね」というのもおもしろい。

この懲罰卓球を実際にやってみたところ、サービスも慎重に出すようになるし、レシーブや3球目も

「この回転なら、ボールの右後面を高くこすり上げれば入るはず…」

などとよく考えてレシーブするようになる。もちろん、打球に際して吟味し過ぎると、次のアクションが遅れてプレーに悪影響を与える(前記事「ワリヤゴナドゥ」) が、何度も何度も繰り返し、確実にボールを入れられるようになってはじめて、意識しないで打球ができるのだから、こういう過程も必要だろう。そして不安定な低くて速いボールは減り、ちょっと浮いた、浅いボールの応酬になる。情けないラリーだが、そういうボールでないと安定しない実力なのだからしかたがない。しかし、ラリーが3往復以上続く確率が確実に上がり、卓球が楽しくなってくる。練習というより、ちょっとゲームっぽい。楽しんで練習できるのだから、こんないいことはない。

序盤、私が300メートルペナルティーの状態で、今度は相手が3球目を「ミス」。私のペナルティーは200メートルに減り、私は何が何でもミスをしないぞ!と覚悟を決めて、「ミス」を減らし、しばらく200メートルの借金から変化がない。しかし、今度は相手の「ミス」が次第に目立ち始め、貸し借りゼロの状態から、今度は相手が1000メートルのペナルティーまで借金を増やした。私はできるだけ3球目を「ミス」させるように「ミス」しない範囲で厳しいレシーブを送る。相手はそれを「ミス」しないようにふだんの倍ぐらい高いループドライブで3球目を打つ。4球目以降は「ミス」とカウントされないから、そのループドライブを思い切りスマッシュ!

こんな感じで懲罰卓球をやってみたのだが、楽しく、安定性を高める練習になると思われる。「ミス」が減れば、飛躍的にボールを打つ回数が増えるので、上達する。「ミス」の多い初中級者のみなさんもこの懲罰卓球を試してみてはどうだろうか。試合での勝率も上がるかもしれない。




 

なりきりプロ選手――ラリーを演じてみる

基本練習が一通り済み、ゲーム形式の「オール」。
しかし、なんとなく調子が出ない…。ミスが多い。練習に飽きてくる。

こんなとき、どうすればいいのか。打球の感覚が狂っているからシステム練習なんてどうだろう? システム練習をして打球感覚を取り戻すのである。

たとえば相手にバックでブロックしてもらって、

フォア側でフォアドライブ、ミドルでフォアドライブ、バック側でバックブロック 

みたいな規則的な練習をしたらいいかもしれない。

しかし、せっかくだから下回転サービスから実践的にシステム練習をしたほうが、もっと練習になるかもしれない。

…といろいろ考えているうちにモノマネをやってみたらおもしろいかもしれないと思いついた。

BmJgggjCUAIIs_q
ぴんぽん氏の石川佳純選手のものまね。丹羽孝希選手にも似ている?

といっても、別にかくし芸の練習をするわけではない。好きな選手の試合の好ラリーをマネてみるのである。

たとえば、王皓選手の以下の動画の冒頭のラリー。



wang01
1球目:ガルドスがフォアサーブで王皓のミドルへ

wang02
2球目:それを裏面ドライブでバック側へ

wang03
3球目:カウンターバックドライブでバックへ

wang04
4球目:それをカウンターバックハンドドライブでミドルへ

wang05
5球目:苦しい姿勢でやっとバックハンドでブロック

wang06
6球目:フォアドライブでバックへ

wang07
7球目:なんとかブロック

wang08
8球目:フォアハンドドライブでサイドを切るクロスへ

こうやって1球ずつ確認していくと、勉強になる。
王皓選手は2球目のバックハンドドライブで決めに行っていない。私のようなヘタクソなプレーヤーは2~3球目に打てそうなボールがくると、やや苦しいボールでも無我夢中で渾身の力で決めに行ってしまう。その結果、ミスが多くなったり、あるいはブロックされて返ってきたボールが取れなかったりする。

攻撃選手同士の中級者の試合は
3球目あるいは5球目攻撃(ドライブ)が入ったか入らないかで
点数が行き来しています。

ボクシングに例えると
こういう入ったか入らなかったで
卓球をしている選手は

一撃必殺の『ハードパンチャータイプ』といえるでしょう。
あたれば勝てる、あたらなければ負ける、そういう卓球です。

それに対して上級者は
ブロックされても連続ドライブできる範囲で
ブロックされたときのスピードを考えながら
プレーをしています。
WRM 「King-Pro」紹介記事より


そうなのだ。王皓選手の2球目バックドライブは決めに行くボールよりもややスピードが抑えてある。がっついていない。その結果、次の4球目で相手のガルドス選手のバックハンドを万全の体勢で強打、しかもミドルを狙っているので、ガルドス選手はブロックしかできない。それをフォアハンドドライブでバックへ。そのフォアハンドも回転を重視したループドライブで、ゆっくり目のボールになっている。ジワジワと相手を守勢に追い込んで、最後に決め球のフォアドライブをサイドを切る厳しいコースへ。

なるほど。プロはこんなコースどりをするのか。この「ジワジワ」というのがプロフェッショナルな気がする。2球目と6球目はややスピードを抑えて次のボールに繋がるように工夫しているのだ。

このラリーを実際に真似してみるのである。たとえば上のラリーだったら、相手にガルドス選手役、自分が王皓選手役になって、サービスから何からすべて同じ展開にするのである。もちろんボールのスピードや威力は素人のそれになってしまうが、雰囲気は味わえるだろう。何度もこのラリーをまねしてみると、かなり忠実なコピーができるようになり、その結果いろいろ気づくことも多いかもしれない。傍観者として観ているのと、自分で実際にその立場に立ってみるのとではずいぶん見え方が違うはずである。

日本の学校には芸術科目として音楽と美術というのが一般的だが、欧米の学校にはドラマという科目があるという。名作映画の有名なシーンを再現するのか、あるいは古代ギリシアの悲劇等を演じるのか詳細は分からないが、そういうことを日本の学校でもやってみたら、人格形成にいいと思われる。

今まではドラマといえば、評価する側だった生徒が評価される側に立った時、どのように感じるだろう。

「セリフがぎこちないし、声が小さくて聞こえない」
「変に感情がこもりすぎて、空回りしている」

といった容赦のない同級生の評価にさらされて、演じている生徒たちはどう感じるのだろうか。立場が変わることによって学べることは多い。

人格形成はさておき、ドラマの授業を通じて生徒たちは、どうすればこのシーンを効果的に演じることができるのか、自分なりの個性的な解釈をどう加えるか、そんなことを自分で考えることができるだろう。

上の王皓選手のラリーを何度も繰り返し、完全にモノにすることができたなら、今度は自分なりのアレンジを加えてみるのもいいかもしれない。そうすると、トップ選手のプレーがいかに無駄のない、理にかなったものかを学べるに違いない。

トップ選手の打法やフォームを真似るというのはよくあるが、ラリーを「演じてみる」のも、得るものが多いのではないだろうか。

【追記】150224
「王皓選手の3球目は …」などと書いてしまったが、2球目の間違いだった。そのあとの球数も間違っていたので訂正しました。

「中間フットワーク」のすすめ――どうしても足が動かない人のために

フットワークが大切だということは分かりきっていることだが、なかなか足が動かないという人は多い(前記事「足が動かない」)。おそらく初中級者の大半が、頭では「足を動かさなきゃ」と思っていても、とっさに足を動かせないのではないだろうか。

前記事「仕事とは…」で、常に足をアイドル状態にしておけば動きやすいと書いたが、それでもとっさに動けない時が多い。どうして初中級者はとっさに動けないのだろうか。おそらく両足を動かすというのがハードルが高いのではないだろうか。とっさに1歩なら動ける。しかし、その後が続かない。左右の足を順番に素早く動かすというのは頭で考える以上に難しい(しかも下半身と連動させて上半身も動かさなければならない)。

そこで、開き直って1歩だけで妥協したらどうかというのが私の提案である。

例えば右利きの場合、フォア側に動くなら、 左足に重心を置いたまま動かさず、右足だけ1歩出して打つのである。逆にバック側に動くなら、右足に重心を置いたままにして、左足だけ1歩出すのである。これなら割と簡単に足が動く。しかも重心をもう片方の足に残したままなので、身体が流れず、戻りも早い(前記事「回り込みの足運び」)。
もちろん最終的には2歩以上動けるようになるのが目標だが、はじめから2歩、3歩と動かそうとすると、結局1歩も動けないことになりかねないので、まず「フットワークの第一歩」を踏み出すために片足1歩だけに限定して動いてみるというのも「手」ではないだろうか。これを完全なフットワークまでの通過点である中間段階のフットワークという意味で、「中間フットワーク」と名づけた。

E1393395950106_1

この片足だけのフットワークは近いボールなら問題ないのだが、ちょっと遠いボールになると、やはり届かない。それで次の「ステップ」として、今度は残した足の重心を、出したほうの足に移動するようにしてみる。フォア側のちょっと遠いボールを打つ時、左足重心をゆるめて、右足と左足の重心を半々ぐらいにしてみる。そんなことを続けていると、だんだん重心が出した方の足に移っていくようになる。そうすると、残したほうの足も自然に引っ張られて、2歩、3歩とフットワークをつなげるようになる(たぶん)。

【まとめ】
この練習法は私が自分でやってみてわりと効果があると感じたので紹介したが、私は指導者ではないので、他の人にも効果があるかどうか自信がない。
足がまったく動かない人がはじめから教科書通りに左右の足を連続して動そうとするから挫折するのである。そこでまず1歩だけでも動かす習慣を身に付ければ、あとは自然に2歩、3歩が踏み出せるのではないかというのが私の提案である。勉強でも仕事でも同じだが、まず第一歩が踏み出せれば、あとはおのずから「進歩」していくものである。しかし、その第一歩がなかなか踏み出せない。そこで中間フットワークである。「千里の道も一歩から」なのである。

フィットネス器具を試してみた

最近、あちこちにできているスポーツジム。
image_head_personal

こんなのにどうして多くの大人が夢中になっているのか不思議でならない。
わざわざお金を払って単調な反復運動をするぐらいなら、ジョギングをしたほうが風景が変わっておもしろいし、すがすがしい。
4e1a29361f2a20bba89e307806051ebf

腕力を鍛えたいなら、腕立てをすればいいではないか。
c6596ae4

わざわざ高い金を払ってよそに出かけて行かなくても、筋トレなんてどこででもできる。どうしてスポーツジムはそんなにもてはやされているのか。

しかし、最近ヨドバシカメラに行って、そういう気持ちも分からないではないという気がしてきた。
京都のヨドバシカメラにはフィットネス器具売り場があり、そこでいろいろな器具を試すことができる。

100000001002187031_10204
マルチコンパクトジムNeo
上の腹筋用の椅子だが、背もたれが180度以上倒れる。そうすると、ふだん使っていない筋肉が伸びて、そこが疲れるのを感じる。今まであまり感じたことのない感覚だった。おまけにこんな大仰な器具が1万円以下で買えるらしいのだ。


100000001001483531_10204

レッグマジックX

これは左右のステップに乗り、足を内側に引き寄せる器具である。不思議な感覚だが、内股の筋肉が疲れる。
ちなみにこれも1万以下である。


100000001001097421_10204
ステッパーという器具らしい。これを左右に踏むことによって膝が鍛えられるようだ。ただ、2万以上するし、美しくないし、買おうという気にならない。



100000001002123079_10204
クビレディ
バランスチェアというもので、これに座ってグラグラすることによって深層の腹筋が鍛えられるのだという。8000円強と、やや高いのだが、邪魔にならず、ちょっとした椅子のかわりとしても使える。



100000001002293462_10204
ボディメイクシート スタイル
これを普通の椅子の上に置くだけで、背筋の伸びた美しい姿勢に矯正されるというもの。筋トレとはちょっと違うかもしれないが、姿勢が正しくなれば、結果として腰回りの筋肉も鍛えられそう。着座姿勢の悪い子供にも使ってほしい。

う~ん、フィットネス器具、ちょっとほしいかも。


100000001001851375_10204_001
一方、自転車みたいなマシンや、ルームランナーのような高価でかさばるものは困るが、座るだけで筋トレにもなるという製品にはちょっと食指が動く。

卓球で私も筋力不足を感じることがある。それは腕力ではなく、主に腰のあたり、背中の辺りと、膝の辺りの筋肉である。私の場合、腹に力を入れて腹筋をこわばらせた状態で、腹筋と背筋を使ってスイングすると、素早く安定したスイングができるということが分かっている。しかし、そのあたりの筋肉が貧弱なものだから、ついつい腕に頼ってしまう。もし腹筋・背筋がしっかりしていたら、どんな姿勢でも身体の幹を使って力強いスイングができるのではないかと思う(マルチコンパクトジムneoが効きそうだ)。そして膝(あるいは腿か)のあたりの筋肉も貧弱なために素早くフットワークをするときに足がもつれたりする。膝のあたりの筋肉がしっかりついていれば、フットワークの際に姿勢を低くして、しっかりと床を踏ん張れるのではないか(レッグマジックXか)

おそらく私は買わないと思うが、今度ヨドバシに行ったときにまた試してみたいなぁと思う。

フォア打ちでミスしない方法――単純な練習から見えてくるもの

先日、集中してフォア打ちを続けてみた。

昔、部活をしていたころは、毎日の練習メニューとして、フォア打ち往復50回などというのがあったので、けっこう集中してやっていたが、最近は単なる肩慣らし的な意味しかないので、なおざりに打ってしまう。
フォア打ちは偶然が大きく左右するので、運が良ければ往復100回ぐらい簡単に達成できるが、運が悪ければミスを連続してしまい、何度もやり直さなければならない。

しかし、よく考えてみると、フォア打ちがミスなく続けられるのは、本当に単なる偶然なのだろうか。

先日の練習では、練習相手が上手な人だったので、こちらも迷惑をかけないようにミスしないよう努めた。すると、あちらも全くミスをしない。上手な人といっても、フォア打ちなんだから、運次第でミスをするかと思ったのだが、一向にミスしない。黙々とフォア打ちが続く。
どうやらあちらも集中してフォア打ちをしてくれているらしい。往復50回を超えたあたりで考えた。フォア打ちでミスするのは単に運が悪かったわけじゃないと。フォア打ちでミスをするのは、たいていの場合、ミスするべくしてミスしているのではないか。

もちろんプロの選手でも、試合前のウォームアップとしてのフォア打ちでよくミスをする。しかし、上級者が集中してフォア打ちをした場合、そうそうミスしないのではないだろうか。それはつまりボールをどんなふうに打ったらコントロールを失いやすいかを上級者は知っているのだと思う。

フォア打ちをしながら、どうすればミスしないか考えてみた。
力を抜いて軽く打つというのは言うまでもないことだが、まず、あまり腕を伸ばさないほうが良さそうだ。腕を伸ばした状態でフォア打ちをすると、だんだん腕が疲れてきて、精度が落ちる。ふだんのフォアハンドロングよりも腕をたたんで打ったほうがいいだろう。
そして上半身の正面の向きを横から前に移動させて、腕の振りを最小限に抑える。

横を向く:バックスイング
前を向く:スイング

この対応関係を維持するのである。

さらにボールの上半分を打ち、そっとラバーで引っ掛けるように打つ。

逆にボールを後ろから叩いてしまうと、ボールが直線的になり、安定しない。初めのうちは力加減を一定にして打つので問題ないのだが、1分ぐらい打ち続けていると、腕が疲れてきて、力加減を一定させにくくなる。

フォア打ち

さらに疲れてくると、だんだんラケットが下から出てくるようになってしまい、ミスをしやすい気がする。

今までフォア打ちは肩慣らし的に惰性で打っていたが、チェックポイントがいくつかあり、それらに注意して打てば、安定し、ミスが減ると思われる。

・ボールの後ろから叩かないようにして、やさしくかぶせるように打つ。
・スイングはあまり大きくせず、楕円を描くようにする。
そうそう、
・前記事「フォア打ちから見なおしてみる」にあったように重心移動をしっかりとする。
・身体の軸がブレないように―上半身が上下に動かないように注意して、一定のリズムでロスなく動くようにする。

こうすると、ボールのスピードや軌道が一定になり、ミスがなくなる。相手も同じように慎重に一定のスピードで打ってくれる。まるで精密機器のよう。

こんなことを黙々と続けていると、意識はおのずからボールタッチや打球タイミングへと向かう。

「あ!今のはちょっと力を入れすぎたか」
「少し早い打球点で打ってしまった」

などと、打球の微妙なところまで感じられるようになってくる。そして一球一球細心の注意を払って一定のペースで打球していると、 フォアロングにはいろいろなボールタッチが可能だということがわかってくる。たかがフォアロングだが、薄く当てたり、厚く当てたり、ブレードの打球ポイントのどこで打つのが安定するかや身体の前面寄りで打つか、側面寄りで打つかで安定性に差が出る等、さまざまな打ち方のあることが分かってくる。

両者ともに緊張しながら打っているとはいえ、時にはイレギュラーなボールも打ってしまう。コースがややサイド寄りになってしまったり、相手コートの深いところにバウンドさせてしまったり。そんなときに元の一定のリズムに戻すにはちょっと打ち方を変えなければならない。腕を伸ばし気味にしてみたり、少しこすりを弱くして、当てを強くしてみたり、フットワークを使ったり等。こんなことをいろいろ試行錯誤していると、フォア打ちがけっこう楽しい。


【まとめ】
フォア打ちといえども様々な打ち方ができ、ボールに応じて打ち方を変えなければならない。フォア打ちは単純な練習であり、単なる肩慣らしに過ぎないと思っていたが、単純な練習だからこそ、ふだんはあまり意識しないことを意識する余裕が生まれる。複雑な練習もいいが、単純な練習を集中して続けてみると、ふだん気づかないことに気づくこともあるかもしれない。

 

常住卓球――ウォーキングを中心に 《本題》

本記事は前記事「常住卓球――離台練習のすすめ 《前口上》」の続き、実践例である。

どうやって卓球台もない、普段の生活の中で卓球の練習ができるのか。
私が今実践しているのは以下のような「練習」である。

この練習法がどの程度有効なのかまったく分からない。手探り状態で私なりに編み出した練習法である。もしかしたら何の意味もない練習かもしれないが、私はこれによってプレー中に足が動き、腰が回るようになってきた気がする。ご参考までに以下に紹介したい。

この練習は、ともするとバラバラに動かしがちの身体全体をシンクロさせる――足先から手先まで効率よく力を伝達させるための練習である。

卓球で「手打ち」をしている人が多いように、歩くときには「足歩き」をしている人が多いと思う。「足歩き」というのは「足だけで歩く」ことである。つまり、骨盤を旋回させずに歩くことである。私は自分が「足歩き」をしていることに気づいてからは、極力身体全体を使って歩くことを心がけている。身体全体を使って歩くというのは、以下のようなことである。

レベル☆
まず、足裏の感覚である。地面に足が接地するとき、かかとに重心を置き、その重心を少しずつ前に移動させ、最後に足指でしっかり地面をグリップして地面を蹴って身体を前に進ませる。これは前記事「感覚を味わう」で述べたように足裏の感覚を研ぎ澄ますことにより、身体の動きを対象化し、集中力を高めるという効果もあるのだが、それとともに重心移動を明確に意識しようという意図からである。移動中に身体のバランスが崩れるのは足先でしっかりふんばれないからだと思われる。足先で重心移動を明確に意識し、しっかりと踏ん張ることで最も基礎の土台がしっかりすることになる。
私は今までは最初から最後までかかとに重心を置いたまま、足を蹴っていた。もちろんつま先も地面に接地することはするのだが、重心は最後までかかとだった。しかし足裏の重心移動を意識するようになってから、歩きのキレがよくなった(気がする)

4-lesson1

二宮町サイトより。拇指球で蹴りだすのが一般的なようである。

注意すべきは重心移動によってつま先でしっかり地面を蹴って身体全体を前に進ませるように留意することである。「足歩き」になってはいけない。

レベル☆☆
次に腰をしっかり左右に動かしながら左右の重心移動と、足裏の重心移動を意識する。
骨盤というのはしょっちゅう動かさないと錆びついて回りにくくなる(たぶん)。そこで普段から骨盤を旋回させることで骨盤を普段から「ゆるい」状態にしておき、軽い刺激ですぐ回ってしまうようにしようという意図である。

骨盤が滑らかに動くようになると、足を出すのと腰を旋回させるのがシンクロしてくる。自分は腰を動かしているのか、足を動かしているのか分からなくなってくる。喩えて言えばボートを漕いでいるような感覚である。

takeda

次第に足が自動的に動くようになり、腰だけで歩いているような錯覚に襲われる。この時も重心移動に留意し、キレのある動きを心がけなければならない。

レベル☆☆☆
次のステップが難しいのだが、しっかり腕を振りながら(やや肘を曲げる)、足裏の重心移動、骨盤の旋回とシンクロさせる。右足を前に出したら、左手を前にしっかり出すと、その反動で上半身と下半身がほどよくねじれて骨盤がさらに旋回しやすくなる。
前の2つのステップ「足裏重心移動」「骨盤旋回」と、この「腕の振り」の3つを同時にやってみると、初めは腕が遅れがちになると思う。そこで腕が遅れないようにしっかり振るためには手から出さず、肩から前に出すといい。
さらに余裕があれば利き腕を前に差し出した時に手を握ってみる。卓球では打球時にグリップを強く握るといいと言われているからである。ついでに呼吸を整えるのもいいだろう。規則正しい呼吸と足裏、腰、腕、指の動きがすべてシンクロした時、ウォーキングが得も言われず楽しくなってくる。

kouho
腰を使いすぎると、競歩になってしまう

この歩き方を普段からやっていると、腰を使ってしっかりと上半身がねじれる感覚が養われ、さらに腰と腕の同期のタイミングが身につくのではないか(たぶん)。足先から指先までの連動というのは難しい。力をつま先から腰を通って指先までダイレクトにスムースに伝えるには修練が必要だ。たいていどこかで力の流れが中断してしまう。時には脚が振り遅れたり、時には腕が先行してしまい、下半身の力が十分腕に伝わらなかったりしてしまいがちだ。

レベル☆☆☆☆
フォア側(右)に移動してフォアハンドを打つときを想定して、右足と右手を同時に出す歩き方を試したり、より卓球の動きに近づけて、腕を振る時には肩甲骨を寄せては開き、をしてみると、さらに全身が使えて練習になる。


レベル☆☆☆☆☆
ここまでくると、はたから見て立派な不審者なので、もう何もためらうことはない。毒を食らわば皿までである。私はまだ試したことはないのだが、実際にラケットを握って素振りをしながら歩いてみるといいだろう。ダンベルでもいいかもしれない(前記事「ダンベル・トレーニング」)。そして歩くときは膝の屈伸もとりいれたい。「足裏」「腰」「腕」「指」「呼吸」「肩甲骨」をすべてシンクロさせるのは少し練習すれば達成できると思うが、これらにさらに「膝」をシンクロさせるのは至難の業だ。しかし、ここまで極めた人ならそこまでやってみてほしい。このレベルともなると、もはや前に歩く必要さえないのかもしれない。横歩きになってラケットを振りながら完全に卓球のフットワークをすればいいのである。ただし、近所の人に本人と特定されないよう、サングラスやマスクの着用を勧めたい。

【まとめ】
私の提案する離台練習は以上である。
ふだんの移動――たとえば最寄り駅までの移動等を利用して、つま先から指先、果ては呼吸や膝までを有機的に統合し、融通無碍な力の伝達を目指すというものである。
球撞きや筋トレなどの独り練習も有効だと思うが、それらを仕事中にやってみるのはなかなか難しい。それにくらべてウォーキングを利用した腰の旋回、手足の同期等の鍛錬は普段の生活の中で取り組みやすく、効果があると信じている。

しかしくれぐれもやり過ぎは慎まねばならない。白昼堂々とやるならレベル☆☆☆までに止めたい。


常住卓球――離台練習のすすめ 《前口上》

練習時間が多ければ多いほど、上達するなら話は簡単である。
その考え方が有効だとすると、平日は毎日5~6時間練習し、週末や休日等は一日12時間ぐらい練習すれば、練習量では全国有数のレベルなのではないだろうか。しかし、もちろんそれで全国トップレベルになれるわけではないだろう。下手な練習をいくら長時間したところで上達するとは思えない。受験勉強でも毎日うちで3~4時間以上もダラダラと勉強するよりは、制限を設け、1~2時間の勉強にとどめておいたほうが効率が良さそうだ。量より質である。

以下のブログにおもしろいことが書いてあった。

トップ選手と一般人との違い

曰く、上のブログで管理人の友人が「トップ選手は大して努力していない、せいぜい一般人の1.5倍程度にすぎない」と主張しているというのだ。
しかし、この「努力」というのが何を意味するのか曖昧である。練習場で汗水たらして動き回っているのだけが努力とは言えない。トップ選手ともなると、「これをやれば確実に強くなる」という上達法が確立しているわけではないだろう。むしろ「何をしたら強くなるのか?」という模索状態なのではないだろうか。ランニングを毎日30分から2時間に増やせば4倍フットワークが良くなるというものでもないだろうし、筋トレを今までの3倍にすれば、ボールのスピードも3倍になるというものでもない。

私はトップ選手の考えていることは分からないが、トップ選手の練習は、おそらく「どういう練習をすれば強くなるのか?」ということを考えることから始まるのだと思う。そうやって練習メニューを模索している時間が半分以上で、実際にそれを試してみる時間はそれほど多くはない(といっても、毎日数時間はやっていると思うが)のではなかろうか。それでたとえば実際に練習している時間(台前の練習)は毎日3時間であっても、練習メニューを考えたり、相手選手のビデオを観て分析したりする時間(離台の努力)が4時間あったとしたら、その選手の「努力」は、何も考えずに毎日2時間練習している一般の選手の「努力」の3倍以上ということになる。目に見える練習だけが「努力」とは限らないわけである。

決まったことをなぞるだけの練習はむしろ楽であり、そんな練習よりも「どうすれば他の選手に勝てるのか」「有効な練習メニューは何なのか」を考えることのほうが選手としては辛いのではないだろうか(そういうのは指導者だけの仕事だろうか?)。というのは、自分で考え出した練習メニューが実際に試合に役に立つかどうか分からないからである。役に立つかどうかの保証のない努力ほど苦痛なものはない。せっかく考えだした練習メニューに沿って練習してきたのに一向に強くならない、というのでは、「無駄な努力をした」「何をやっても強くなれない」という「燃え尽き症候群」に陥ってしまう。こうなるぐらいなら、練習しないほうがマシだとさえ言える。

…かなり話が脱線したが、ようするに卓球台を使って相手と打ち合う「練習らしい練習」だけでなく、あまり「練習らしくない練習」(離台の練習)というのも重要ではないかと主張したいのである。前記事「観て上達」もそういう練習法の提案だったのだが、今回も「練習らしくない練習」を提案したいと思っている。もちろん、練習時間の限られた我々中高年の初中級者向けである。

毎週1~2回ほどしか練習できない、しかも相手を選べないというのが社会人の悩みである。こういう環境の我々は台に就いてボールを打てる時間を最大限に活用したい。最高の状態で台に就きたい。となると、上に挙げた「離台の練習」に時間をかけなければならない。

私が最近注目しているのはウォーキングである。

ダウンロード

といっても屋外を何キロも歩くわけではない。数十メートルでも実践できる練習である。この「どこでもウォーキング」ならどんなに忙しい社会人でも暇を見つけて実践できる練習法である。オフィスで働いているデスクワーカーでも、ちょっとトイレにいく時等に気をつければ実践できる手軽な練習法である。

およそ卓球人たるもの、毎日どこにいても卓球に対して意を用いなければならない。

いわば「常住、卓球」である。

ずいぶん長口上になってしまったので、実践例はのちほど。
最新記事
記事検索
プロフィール

シロノ タツミ

カテゴリ別アーカイブ