ジャパン・オープンの土曜日を観戦したので、その簡単なレポートを書いてみたい。

【観客について】
2010年も2011年も土曜日に観戦したが、今年は客の入りが倍近い感じだった。去年は海外の選手が少なく、中国選手は参加せず、ヨーロッパの強い選手もコルベルぐらいだったので、あまり客の入りがよくなかったのかもしれない。今年も中国選手は出場しなかったものの、ボル、メイズ、シバエフ、マテネ、パーソン、プリモラッツ、コルベルといったヨーロッパ選手、韓国のトップ選手と若手、荘智淵、ガオ・ニン、ジャン・ジェン(詹健)、唐鵬といったアジアの選手が出場してくれたからか、客席の7割近くが埋まっていたと思う。ただ、年齢層に偏りが感じられた。中高年と子供ばかりなのである。10代後半から20代の卓球愛好者は少ない。この年代の卓球愛好者を増やすことが卓球の課題だと感じた。

それから「サインくれくれ」少年たちが少し減ったような気がする。もちろん観戦そっちのけで有名人が客席に姿を見せるとすぐに嗅ぎつけて、わらわらと集まってくるが、去年よりはマシだった。また、選手席にまで闖入してサインをねだるマナーの悪い子供もいなかったように思う。

去年は日本選手と外国選手がプレーしている時、外国選手が素晴らしいプレーをしても、拍手が全く起こらなかったが、今回は少ないながらも外国選手の好プレーに対して拍手を送っていた。

まとめ:今年の観客はマナーが向上し、数も増えた。成功だったと思う。

【出店について】
ニッタク:正面入口前の目立つ場所に出店しており、高級ラケットにラバーを貼って試打させてくれたり、シューズの試履やアンケートに答えて石川佳純選手のファイルをもらえたり、またユニフォームの安売り(最安1500円)をしていたりして、なかなか盛り上がっていた。

TSP:ここが一番盛り上がっていた。Tシャツ3枚1000円という投げ売り状態のコーナーや激安ユニフォームなどがあり(2枚で3000円)、関西企業の面目躍如だった。

ジュウイック:ユニフォームの安売り(1枚1500円)をしていたので、なかなか繁盛していた。

バタフライ:隅っこで地味に販売していた。特売や企画もなかったので、ほとんど客がいなかった。
ヤサカ:地味だったが、ユニフォームの安売り(1枚1000円)があったので、客がチラホラはいっていた。
ミズノ:ほとんど客がいなかった。
ヨーラ:ほとんど客がいなかった。

まとめ:ユニフォームが格安で買える店が多かったので、とても楽しめた。普通に買ったら一番安いユニフォームでも3000円近くするので、とてもお得だった。次回の出店も定価販売でなく、特売コーナーを設置してほしい。

【試合について】
ボル、プリモラッツ、パーソン、コルベルといった選手たちが早い時期に敗退していたのは残念だったが、非常に見所が多かった。
まず感じたのが韓国勢の層の厚さである。

男子
鄭栄植(ボルを撃破) 李廷佑 李尚洙(先月、馬龍を撃破) 呉尚垠 柳承敏 金ミンソク 朱世赫 徐賢徳


女子
ソク・ハジュン(石賀浄) ヤン・ハウン(梁夏銀) キム・キョンア タン・イェソ

男子は呉尚垠と鄭栄植、朱世赫と李廷佑が同士討ちをしたため、4強に残ったのは呉尚垠のみだが、女子はあわや4強を独占されかねない状況だった。福原愛選手とシェン・イエンフェイ選手が辛うじて韓国選手を破ったため、キム・キョンア、タン・イェソ両選手が4強に進んだが、中国選手が出場しなければ、韓国選手が4強を独占するという可能性もあると感じた。

印象に残ったことを思い出すままに書き記すと、
唐鵬選手のバックハンドがすごかった。唐選手はバック表の選手だが、非常にスピードのあるバックハンドを安定して打つのでしびれた。フォアハンドのドライブもとても速い。ただ、マナーが悪く、入らなかったときは、卓球台を蹴ったりしていた。いくら上手でもこれでは興ざめである。
ガオ・ニン選手はその唐鵬選手のすさまじい攻勢に辛抱強く耐え、準決勝まで進んだ。地味な選手だが、世界ランキング10位台の実力(2012年6月は16位)を感じさせるうまさだった。さらに格上で、最近好調の荘智淵選手をも撃破してしまった。二人の打ち合いは派手で見所があった。
メイス選手はルックスが際立っている。ノースリーブのユニフォームにヘッドバンド、利き腕いっぱいのタトゥー。卓球選手よりもテニス選手に見える。彼のような選手が増えると、卓球のイメージも変わってくるのではないか。ただ、彼もマナーが悪く、水谷選手に完敗すると、ラケットを放り投げていた。
シバエフ選手は体格がよく、丹羽選手と対戦したときは、大人と子供というより、巨人と子供といった感じに見えた。その巨体から繰り出すドライブは強烈で、丹羽選手も朱世赫選手も打ちぬかれていた。彼にまともに打たせるのは恐ろしいと思った。
崔文英選手はかわいかった。
丹羽選手はまったくいいとこなしでシバエフ選手に敗れた。牛若丸と弁慶のような対決を期待していたのに。
水谷隼選手は柳承敏選手をフルセットの末、ギリギリで破った。すばらしい試合だった。ここ数ヶ月いい結果を残せていたなかった水谷選手だが、やはり日本で一番強い選手は水谷選手だと再確認した。実力や才能が有る選手はたくさんいるが、フルセットの8-8のような場面で多くの日本選手は試合を落としてしまう。しかし水谷選手はそんな場面でもきっちり勝ってくれた。バックハンドのナックル性プッシュもよく効いていた。
どうでもいい話だが、今大会、水谷選手は茶髪だった。なかなか似合っていた。
上田仁選手のU-21の決勝戦もいい試合だった。一進一退の末、フルセットにもつれ込み、最後の最後で鄭栄植選手に破れてしまった。このように最後の最後で日本選手が敗れる確率は高いと感じる。

キム・キョンア選手はカットで耐えるだけでなく、強力ではないものの、しばしば反撃に出るので、多くの選手が面食らっていた。攻撃型の選手の攻撃にはめっぽうつよいフォン選手のような選手がカットの合間に放たれるゆるいドライブに目を白黒させていた。キム選手はあまり強そうに見えないのだが、ミスをほとんどしないので非常に強いと思った。
福原愛選手とソク・ハジュン選手の試合には驚かされた。福原選手は緊迫した場面ではミスを連発したりするイメージがあるのだが、この試合では際どいボールもすばらしく返球できていた。逆にソク・ハジュン選手は実力はあるのにミスが多く、惜しくも福原選手に敗れた。福原選手がこのようなミスの少ない試合ができれば、オリンピックでいい結果が出せるのではないかと期待が持てた。

シェン・イェンフェイ選手は前から強いと思っていたが、今大会でも強さを発揮した。フォア面表でペシペシ叩くというイメージがあるが、彼女の返球のほとんどは小さいスイングのバックハンドである。これが恐ろしく安定している。もっとフォアを使って派手な試合を見せてほしいが、このバックハンドの手堅さが彼女の強さを支えているようだ。
石川佳純選手はユー・モンユ選手に敗れた。ユー選手の速いラリーでの強さはすごかった。あのような選手に正面から向かって行くと石川選手の速いピッチの攻撃でも負けてしまうようだ。そのユー選手も同じタイプのタン・イェソ選手に負けてしまった。諸行無常である。
松澤茉里奈選手が大活躍だった。ヤン・ハウン選手を破るという大健闘だった。非常に安定して速いピッチのラリーをこなしていた。これからの活躍に期待である。

【まとめ】
今年のジャパン・オープンは去年にも増して楽しいイベントだった。上位進出した日本選手が少なかったのが惜しまれるところである。

追記:今、水谷-シバエフ戦をネットでライブで観ているのだが、さすが水谷選手だと思った。フルセットでリードされた苦しい場面を盛り返し、劇的な11-9で勝利した!すばらしい精神力!