あっという間に年末だ。
除夜の鐘

今回は毎年恒例の一年の振り返り記事である。
1年分の記事を読み返すのはかなり骨が折れる。しかし、これをやっておかないと、この1年に気づいたことや、私なりの「発見」が定着しないまま消えてなくなってしまう。特に最近は脳が壊れかけているので、物忘れが激しい。忘れる前にもう一度リハーサルしなければならない。読者諸氏もこの1年の拙ブログの歩みをもう一度振り返っていただきたい。

拙ブログの記事のうち、卓球練習における発見や技術的な気づき、卓球に対する考え方などをまとめた。私のレベルでの「発見」や「気づき」なので正しいかどうか保証できない。おそらく上級者やプロの指導者から見たら、納得できない主張も多々あることだろう。
基本的に用具関係、試合観戦、その他のどうでもいいつぶやきなどは無視した。私の自身の卓球に対する意識がどの程度変わり、進んだのかを確認するための作業である。

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1月
「軸を作る――新年の抱負」
自分のプレーの軸になる得意技術を作りたい。ストップやツッツキが上手になりたいが、それらが上手になると、攻撃のためにドライブもセットで上達させなければならない。あるいは攻撃されたときのためにブロックやカウンターも上達させなければならない。それぞれの技術が有機的につながっているので、結局一つの技術だけを磨くのは意味がない。


「用具の「性能」とは」
用具の性能の違いというのは、結局のところ、限界近くまで性能を引き出せるような力のある人でなければ意味がないのではないか。ということは、限界よりもはるかに低い性能しか引き出せない初中級者層にとっては、同価格帯のラバーの性能の違いを感じることはできないということにならないか。


「「孤独力」――自分と向き合う」
自分の卓球が行き詰まっているとき、情報を遮断して一人卓球についてじっくり考えてみるといい。どうして自分はいつも先手を取られるのか。上級者のプレート何が違うのかなどを一人で考えてみるのは、がむしゃらに練習するよりも有意義な時間になる。


「イメージを持ったサーブ練習」
サーブ練習は理想のイメージを持って練習しなければ意味がない。
長さ、軌道、高さ、回転量等を理想のイメージに近づけるようにサーブ練習をするならば、1分に2~3球しかサーブを出せない。量より質を重視し、1球ごとに集中してサーブ練習をしなければ意味がない。


「裏面の角度が分からなくなった」
裏面ドライブを打つ際、摩擦に頼らず、しっかりと角度を作ってボールの後ろから押すように打つのが安定するコツではないか。ペンの場合、角度を作るガイドとしてラケットのレンズを意識するといい。


2月
「もう一つの「戻り」――岡田崚選手の卓球論から」
岡田選手の「ニュートラル」と「戻り」の再定義によって自分のプレーがどこで遅れているかが明確に理解できるようになった。自分の打球が相手コートにつく前にフォロースルーを終えていなければならない。


「威力と早さのジレンマ――フォア打ちで練習する」
姿勢だの、体幹だの、下半身だのといった身体の基本的な使い方を意識するには、最も単純な練習――フォア打ちが適している。打球に意識のリソースを使わずに済むので、身体が上手に使えているかどうかに意識を集中させることができる。


「回転軸の転換」
今まで回転軸を縦軸と横軸の2つだけで考えていたが、前後軸も考慮しないと現実のプレーで不可思議なミスが起こってしまう。逆に前後軸を考慮に入れることで相手のミスを誘ったり、先手を取れたりする場合もある。


3月
「ツッツキは大切ですか?――早い人と戦う場合」
ツッツキが試合でどのように有効かという問いに対する一つの解答。
早いリズムの人と戦う場合は、相手の得意な打ち合いにもっていかず、ツッツキを多用して、試合の流れにいわばブレーキを掛けるような戦術が有効である。

「打球タイミングの取り方――初心者への指導のために」
初心者にはフォームや体の使い方よりも、打球タイミングを優先して教えるべき。藤井氏の考え方によると、「相手の打球の瞬間」と「自分のタメ(腹をへこます)」が同時で、「自コートにバウンドした瞬間」と「自分のスイングのスタート」が同時。


4月
「ショートってすごい!――ペンホルダーならではの技術」
ペンのバックハンドは、裏面のほうが一般的だが、表面ショートには、裏面にはない良さがある。打点の速さ、台上で押せる、ナックル気味の球が出る、などメリットがあるが、最も大きなメリットは戻りの早さだと感じる。

「いったん立ち止まって…レクリエーション」
練習を休んで、心をいったんリセットし、改めて練習に取り組めば、新鮮な気持ちで卓球に向き合えるのではないか。

「ショットの強弱の使い分け」
ショットの力の入れ具合を、強弱の2つではなく、その間の「中」が使えるようになれば、安定性が増す。また力の入れ具合だけでなく、当ての厚さやスイングの大きさ、なども「中」が使えるようになれば、卓球の幅が広がる。


5月
「膾炙練習――「無駄な」練習時間を取り戻す」
youtubeなどで「コツ」を学び、練習で何度も試して習得する、という順序は本来逆なのではないか。一見効率的な習得方法に思えるが、いきなり「正解」を学んでそれを繰り返して定着させるというやり方では、その技術は、定着したように見えても、本当の意味では身についていないのではないか。なぜなら失敗を修正するというプロセスを経ないからである。


「日ごろは何とも覚えぬラケットが… ――ランニングから学ぶ」
ランニングで脇を締めて走ると力が逃げずに前に向かう。これはフォアドライブ時に左半身で壁を作るのに似ている。ランニングの体の使い方の中にも卓球に応用できるものがある。


6月
「もう一つの「理解」」
理解には知的理解と、感覚的理解とがある。頭で、論理で理解するのと、身体で理解することである。だが、理解の方法とはこの2つに尽きるのだろうか?他の理解の方法はないのだろうか?

7月
「直感は告げる――卓球練習で大切なこと」
ミスしないように、ボールの高さを気にする人が多いが、深さを気にする人はまれだ。練習中にボールの深さを意識するようにすればミスが減る。

「おなかの力はすごい――感覚の開発」
腕を伸ばせなくなったので、腕を使わず、お腹を突き出すようにバックドライブを打つと、力を入れずに安定したドライブが打てる。それに膝の屈伸を加えれば、さらに安定する。

「一点、一瞬、集中力」
打球時にラケットのどのへんで打つか、身体との距離はどれぐらいか、などをあいまいにすると、いいショットが打てない。ボールとラケットが当たる点を意識することが必要である。打球時に力を入れる時間も、ダラダラと力を入れるのではなく、当たる瞬間まで脱力し、瞬間的に力を入れるといい。プレー中、ずっと集中していると疲れてしまうから、集中力は相手が打球する瞬間にマックスにするといい。


8月
「スケール・メリット――テニスと卓球の比較」
テニスでは歩くように上半身と下半身をひねってショットを打つのが推奨されている。これはそのまま卓球のショットにも適応できるだろう。フォアハンドは右足に体重が乗っている状態でスイングをはじめ、左足に体重が乗り切る前に打球するのがいい。また、テニスでは打球する瞬間にラケットを引くような打ち方がいいのだという。

「手首って使うの?使わないの?――プロネーションを使う」
前回に引き続き、テニスとの比較。
テニスではプロネーション(回内)という運動を使ってラケットヘッドを素早く回す。卓球でもこのテクニックが応用できないか。高島氏の提唱する8の字打法はこれに相当するかもしれない。


「四の五の言わず、フットワーク練習」
フットワーク練習は、上手にブロックしてくれる相手が必要だが、家でシャドープレーをすれば、フットワーク練習と似たような効果が得られる。


9月
「動きを止めないシンプルな方法」
一つ一つのアクションが終わって、反対方向に切り返す場面というのは卓球のあらゆる場面で起こっている。この時、反動という力がわずかに働くが、この反動を意識的に利用するかどうかで動きの滑らかさが変わってくる。

「調整打――流れが悪いときにとりあえずすること」
難しいボールが返球されてきたとき、無理に強打で打ち抜こうとしないで、1球つなぐドライブやツッツキを入れて、安全に行った後に強打を打つべきだ。レベルの低いプレーヤーはこれができずに難しいボールを無理に打ち抜こうとする。

「シェークの人の視点」
ペンのフォアドライブはヘッド側ではなく、グリップエンドを前にして振ると面が開けて、回転がかかりやすい。


10月
「カットマンの嫌がること──攻撃型の視点から」
ツッツキのような、次に相手に打たれるのが分かるショットを打つときは、打つ前から後ろに下がる準備をしておくといい。そうすると次の相手の強打を止められたり、こちらが打ちに行けたりする可能性が高まる。

「踊るように 歌うように」
基本練習を延々と続けることによって、タイミングの遅れや打球ポイントのずれが確かめられる。

「初中級者が見落としがちなこと――ボールを触る位置について」
ボールの2時ぐらいの位置を触って下回転を持ち上げようとしても安定しない。3時あたりを触ってドライブをかければ、さして力を入れずとも安定する。


11月
「「基本」から「基礎」へ」
中級後半になったら、ドライブ、ブロックといった「基本」打法の習得よりも、素早い判断、身体の使い方、正しい打球タイミングといった「基礎」力の養成に力を入れるべきである。

「おじさんでも多球練習」
効率的にたくさんのボールを打つには多球練習がいい。対人課題練習だと、お互いにミスをするので効率が悪い。また、多球練習は試したい技術のパラメータを少しずつ変えることによって科学的に最適の打ちかたに近づけることができる。


12月
「名前のない技術」
一見すると、同じ打法に見えるが、上級者と初中級者では細かい点で大きく異なる。上級者は名前のない数々の地味な技術に支えられて安定した打球ができるのに対して初中級者は、そのような地味な技術を持っていない。上級者のうわべだけをまねするのではなく、目立たない地味な技術にも目を向けななければならない。

「卓球一人練習――フットワークとバックドライブ」
板とまな板立てを使ってリターンボード的な一人練習ができる。またメトロノームを使えばフットワークのシャドープレーがより効果的なものになる。

「足元の暖まる暇もない――ファルケンベリ実践記」
ファルケンベリフットワークの実践記。判断や反応速度がはやくなった。


「飽識の時代だからこそ、断識」
卓球情報はほどほどにしないと、情報に振り回されて自分のプレーを見つめなおすことができなくなってしまう。youtube動画などの卓球情報は適度に利用すれば薬になるが、知りすぎは毒になる。

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以上、34本の記事を取り上げた(追記:6月分は間違って去年のものを取り上げていたので、修正した)。疲れた。頭が痛くなってきた。
しかし、すっかり忘れていたことを思い出せてよかった。特に「もう一つの「戻り」――岡田崚選手の卓球論から」「手首って使うの?使わないの?――プロネーションを使う」はもっと考えを進める余地があると思われる。

今年4月(3月末?)からの自粛期間のせいで卓球がまったくできなくなったのは大きな出来事だった。終わってみれば「ああいう充電期間もたまにはいいものだ」などと思えるが、その最中は気が気ではなかった。そして現在、またコロナ禍がぶりかえしそうな不安な年末である…

来年は平穏無事な通常の生活が戻ってきますように。

来年も「しろのたつみ」をどうぞよろしくおねがいします。