今回は卓球とは無関係な私の週末漫歩ばなしである。

もう11月も終わり。そういえば最近出かけていないなぁ。外国人観光客がほとんどいない現在、京都の観光地は空いていて、かなり快適だろうと思い、盛りを逸してしまったが、紅葉狩りにでも出かけてみようと思い立った。

京都の紅葉の名所というと、いろいろなところがあるが、うちから近いところでは、永観堂(禅林寺)が有名である。紅葉の名所としては東福寺と並び、ド定番なのだが、今なら観光客が少なく、ゆっくりできるはずである。

他府県から来る人のために地理的な説明をすると、
地下鉄路線図

地下鉄京都駅から北に3つ目の駅「烏丸御池」で東西線に乗り換え、六地蔵行きに乗って4つ目の駅が「蹴上(けあげ)」である。京都駅から30分ぐらいだろうか。蹴上駅前には京都で最も格が高い(高かった?)ホテル、みやこホテルがある。
みやこホテル
左に見えるのが、みやこホテル。今は外資に買収?されてウェスティン・みやこホテル京都と名前が変わったようだ。

京都の観光地といえば、京都駅から見て北東に集中している。京都の中心部、三条・四条のあたりにも見るべきところは多いのだが、京都らしさを味わいたいなら、京都駅の北東部を中心に観光するのがいいかもしれない。この辺に泊まれば京都情緒を味わうことができるかもしれないが、買い物やあちこちへの移動などを考えると、宿は、このへんではなく、交通の便利な烏丸御池あたりにとったほうがいいと思う。

地下鉄の蹴上(けあげ)駅から100mほど歩くと、「ねじりまんぽ」というトンネルがある。

ねじりまんぽ1

「まんぽ」とはトンネルという意味らしい。中のレンガが、らせん状に組まれていることからこう呼ばれている。
ねじりまんぽ2

このトンネルの上を琵琶湖から荷物を運ぶ船が通るため、その重みに耐えられるようにらせん状にレンガを組んであるのだという。

「船が通る重み?」

これだけでは意味が分からないのは当然である。このあたりでは船をトロッコに乗せて鉄道の上を走らせていたのである。

船
琵琶湖から運ばれる船と、その台車

琵琶湖沿岸から荷物を輸送する際、荷車や馬では膨大な労力がかかるため、あるいは京都の水道水の供給不足を解消するため、近代に入ってから琵琶湖に隣接する山にトンネルを通し、水を引き、船で京都まで楽々荷物を運ぶという方法が考案された。途中、船が通れないところをトロッコに乗せて運ぶわけである。今の感覚からすると「ふ~ん」ぐらいの感動しかないが、明治半ばの土木技術で琵琶湖から京都まで運河を掘るというのは未曽有の大事業だったようだ(「びわ湖疎水船」)。
船がトンネルの上を通るというのはそういうわけなのである。

トンネル抜けて

ねじりまんぽを潜り抜けると、静かな築地塀のつづく細い通りに出る。コンビニなどもなく、金持ちの別荘のような立派な日本建築の建物と庭が連なっている。やがて金地院という寺が現れる。歴史を感じさせられる。

金地院

鴨川の西側に住んでいると、普段は意識しないが、これが京都らしさというものなのかもしれない。
そんな通りを数分歩くと、南禅寺の敷地に入る。観光客は控えめだ。
南禅寺

歌舞伎の中で、そこに登って石川五右衛門が「絶景かな」と叫んだ南禅寺の三門。
五右衛門

南禅寺も風情があっていいのだが、その奥にある永観堂が今日の目的地である。
私は興味がないが、途中、能と茶道関連の美術品が見られる野村美術館というところを通る。
野村美術館

そして卓球人にとって、忘れてはならない東山高校も、この途中にある。
東山高校
風光明媚な地区のど真ん中に位置している。なんとも恵まれた環境である。東山高校は浄土宗の総本山、知恩院系の高校である。東山高校に行くには、地下鉄東山駅で降りてはいけない。蹴上で降りるのである。

永観堂
そしてその隣が永観堂である。

拝観料は大人1000円、中高生以下400円。ちょっと高いがこれだけの美しい景観を維持していてくれるのだから、多少値が張るのは仕方がない。

それほど広い敷地ではないが、渡り廊下でいくつかの建物とつながっていて、歩きがいがある。

渡り廊下

落ち葉

落ち葉2

落ち葉3

もみじはほとんど散り落ちていて、残った紅葉もくすんでいて、あまり輝きがない。

なんだか今の日本社会を見ているようである。かつては生気にあふれ、輝いていた世の中も今はすっかり紅葉の散った寺の境内のよう。

観光客だらけで落ち着かなくても、紅葉はやはり盛りに行くのがいいと身をもって知った。