なんだか足裏に違和感があると思ったら、マメができてるよ。

練習ができないときは、前記事「四の五の言わず、フットワーク練習」で紹介した、シャドー・フットワークを自宅でするようにしているのだが、リビングで裸足でオールフォア1本1本とかをやっていたため、摩擦で足裏にマメができてしまったというわけなのである。シャドー・フットワークでなく、台で練習したいなぁ。

東京には24時間マシンで練習できる環境があるという。もしうちの近所にあるなら月1万円でも入会したい…。
前後のフットワーク
前後のフットワーク。夜、寝る前にこんな練習をしてグッスリ寝てみたい。

https://www.youtube.com/watch?v=tMaqBVpwufg

それにしても、フットワーク練習はいろいろな発見がある。

1本1本なら、バック側で打球した[つもりの]あと、フォア側に素早く移動しなければならないのだが、そのときに左足の踏ん張り(と蹴り)をほとんど使っていなかったことに気づかされた。これじゃ飛びつきが遅れるわけだ。それだけでなく、腰のひねりも十分使っていなかったこともよく分かった。腎臓のあたりの背中の皮がねじれる感覚があると、しっかりフォアが振れて、すばやく移動できる。バック側の打球時にしっかりと左足を踏ん張って、腰をひねって打つと…腹筋というか、体幹に負担がかかるのが感じられる。あぁ、こういう部分を鍛えなければならないんだなぁ。

今まではツッツキの角度だの、ドライブのときの腕の振り方だのといった、上半身の使い方にばかり意識が行っていたのが、最近は下半身の使い方にも意識が行くようになった。フットワーク練習を通してこういう「基礎」の部分に自分がいかに無頓着だったかに気づかされた。

あれ?でもツッツキとかドライブも卓球の「基本」のはずである。「基礎」と「基本」は何が違うのだろう?

う~ん。

「基礎を築く 」とは言えるが「基本を築く」は微妙な感じだ。「基礎研究」といえば、それだけでは目に見える成果(製品化)になりにくい、地味な研究を意味するし、「基礎知識」といえば、それを使って何かを生産する土台のような、根拠のような知識を指す。

それに対して「基本を忘れる」とは言えるが「基礎を忘れる」は微妙な感じだ。「基本打法」とは言うが、「基礎打法」とは言わない。「基本方針」というのは、例外はあるものの、たいていの場合に使える考え方を指し、「基本的人権」といえば、ふつうの人が持っている生存権・社会権を指す。


これらのことから「基礎」というのは「完成品」に対するもので、自らの中に築かれる、目には見えない働きのようなものかなと思う。一方「基本」は知識のように習得するもので、具体的にこれと指して取り上げることができる「完成品」のうち、主要なものなのかなと思う。

ランニングを続けていれば、「基礎」ができるし、フォア打ちとかブロックとかは「基本」の技術である。

そうそう、思い出した!前記事「技と技の間」で、かつて「基礎力」というものについて考えてみたのだった。たとえチキータの練習を熱心にしなくても、素早い判断、身体の使い方、正しい打球タイミングといった「基礎力」を高めれば、おのずからチキータの質が上がる。フットワーク練習で自らのうちに「基礎」を築けば、個々の「基本」技術の底上げにつながるのである。

初心者・初級者のころは多様な質のボールを安定して打てなかったので、とりあえず「基本」を身に付ける必要があった。しかし、中級者になって10年以上経っている現在、ある程度「基本」が安定してきているので、これからは「基本」よりも「基礎」の構築に重点を移す必要があるように思われる。

最近見た、動画からもう一つ分かりやすい例を。
「上田仁選手の下回転に対するフォアドライブ強打のコツ」
https://www.youtube.com/watch?v=GOsPe0uGrCs

沈み込む

え?姿勢が低い…。
上田選手は身長が171センチあるそうだが、バックスイング時のフリーハンドが台の高さと同じである。

姿勢を低く
まるで卓球台にもたれかかっているように見える。

脇息

この姿勢の低さで下回転ボールを打てば、ボールの触る位置が3時近くになり、安定することまちがいない。この姿勢の低さを実現するためには足をガバっと開いて、膝を90°ぐらいに曲げた状態のまま踏ん張らなければならない。太ももの筋肉をかなり鍛える必要があるだろう。この姿勢の低さが自然に出てくるというのがまさに上級者の持つ基礎力なのだと思われる(上田選手は上級者を超えた超上級者だが)

【追記】201118
参考までに過去の卓球王国にこんな記述があった。

「卓球のミスの原因は、どう考えても足しかない」
『卓球王国』19年12月号「編集後記」より

卓球王国の「「脱・手打ち」のスイング改造術」

「良い位置取りで、しっかり重心移動ができれば簡単にミスはしない。ラケットの角度とか、根本的な要因は下半身にあります」