今日は祝日なので、ゆっくりできる。特に予定もないし、いっちょブログでも更新してみよう。
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うちにニッタクがかつて販売していた紅双喜の王晧というラケットがある。
王晧

たしかブレードサイズは165×151だったと思う。攻撃用としては最大のブレードサイズになるだろう。
グリップもでかく、そしてけっこう平べったい。持った感触は悪くないのだが、ラバーの好き嫌いが激しく、かなり扱いにくい。
一般的なテンションラバーを貼ると、カポーンという打球感で力がボールにこもらない感じがする。粘着ラバーを貼っても私にはあまり合わなかった。いろいろなラバーを貼ってみたが、どれも打球感が非常に悪い(私のラケットの評価基準は打球感と見た目である)。しかし、以前ヨーラのリズム375を貼った時だけは驚くほど打球感がよくなって、気に入って使い続けていたのだが、古くなって他のラバーに替えたら、またあの気の抜けたような打球感に戻ってしまったので、しばらく放置していた。

ある日、ふと思い出して
「あんなにブレードがでかいんだから、粒高とかを貼ったら合うのではないだろうか?」
早速王晧を引っ張り出してきて、粒高を貼って打ってみたところ、やっぱりダメだった。弾まないと言っても、いちおう攻撃用のラケットなので、粒高はボールが飛びすぎてしまう。

そうやってお蔵入りしていたのだが、ふと思い出して、
「深く握ってみたらどうだろう?」
ペンは特にグリップの握り方がプレーに大きく影響する。私は普段は浅めに握っているのだが、王晧を使うときは限界まで深く握り、裏面の指もガッツリ伸ばしてみたらどうだろう?…少し打球感が改善したものの、やっぱりイマイチである。

世間にはラバーを選ばず、どんなラバーとも相性がいいラケットというのがある。たとえばSK7とか、インナーフォースとか、アコースティックとか。そういうラケットの打球感が100点だとすると、王晧は50点ぐらいである(私にとっては)。しかし、いろいろラバーを替えて、70~80点ぐらいになることもある。リズム375のときは100点だった。そうやっていろいろラバーを替えたり、自分の打ち方を変えてみたりして、打球感を調整していくというのは、もしかしたら楽しいことなのかもしれない。そして自分に合わないラケットだからこそ、そのラケットでプレーを安定させることができるようになれば、自分のプレーの弱点も克服できるのではないだろうか。

私は現在、裏面での下回転打ちに不安を抱えている。お気に入りの用具ならある程度入るのだが、王晧で裏面ドライブを打つとかなりの確率でミスる。それで王晧を使わなくなったのだが、そうやって気に入った用具に「逃げる」のは、自分の弱点にきちんと向き合えていないということではないだろうか。最も扱いにくい用具でさえ安定してボールが入るようになれば、それは弱点を克服できたといっていいだろう。

よく「用具で自分の弱点を補う」などと言われるが、それは間違った打ち方のまま弱点から目を背けているということにならないだろうか。

そういう意味で王晧は私にとって貴重なラケットである。イエスマンばかりの用具の中で一人だけ口うるさいラケットがいるというのもおもしろい。ただ、いつも使っていると疲れるので、ちょっと気分転換に使ってみて「叱ってもらう」ぐらいがちょうどいいかもしれない。