ここのところ、ずっと中国ラバーを使っているのだが、なんといっても硬い。ドライブでは勢いよくぶつけないとしっかり打っている感触がない。しかし、中国ラバーはぶつけるのではなく、シートでこすって飛ばせと聞いたことがある。とすると、勢いよくぶつける打ち方というのは中国ラバーの特性を活かせない打ち方なのだろうか。

1ヶ月ほど前、練習相手に「中国ラバーになってからボールが軽くなりましたね」と言われた。以前、テンションラバーを使っていた頃のほうがボールに回転がかかっていて、ドライブが重かったというのだ。そのことを思い出して、先週はなんとなくテンションラバーに戻してドライブを打ってみた。練習相手(先月とは別の人)に聞いてみた、「今日の私のドライブは重くなかったですか?テンションラバーに戻してみたんですが。」。すると、

「いやぁ、あんまり感じませんでしたね。というか、いつもの中国ラバーのほうがバウンドしてから2速が伸びてきて、回転がよくかかっていたと思いますよ。今日のドライブはずいぶん軽く感じました。」

う~ん。やっぱりな。たしかに打っているときにあんまり引っかかっている感触がなかったのだ。

中国ラバーにしたらテンションのほうがドライブが重かったと言われ、テンションラバーに戻したら中国ラバーのほうが重かったと言われてしまう。一体どういうことなんだ?

私の出した結論というのはこうである。
中国ラバーにしても、テンションラバーにしても、そのラバーが最も回転やスピードが出せる打ち方というのがあって、力を入れるタイミングとか、当て具合(厚さ)がそれぞれ異なるということである。したがってテンションラバーで最も威力の出る打ち方で中国ラバーを打ったら、「軽い」と言われ、中国ラバーに最も適した打ち方でテンションラバーを打ったら「軽い」と言われてしまう。先月の私は中国ラバーに適した打ち方ができていなかったので「軽い」と言われ、今月は中国ラバーにかなり順応してきたので、テンションラバーに一時的に戻したら「軽い」と言われてしまったわけである。

これは中国ラバーとテンションラバーというかなり性質の異なるラバーの話だが、同じ中国ラバー同士でも、あるいはテンションラバー同士でも、威力の出る打ち方が異なり、そのラバーが持つ性能を100%引き出すには数ヶ月単位で打ち方をあれこれ試行錯誤しなければならないのではないだろうか。

テナジー05に適した打ち方、ファスタークG1に適した打ち方というのが違っているとしたら、テナジーを使い慣れている人がG1を打ったときに「全然回転もかからないし、飛ばない」という印象を受け、逆にG1を使い慣れている人がテナジーを打ったとき、「ボールが軽い」といった印象を受けたりするのではないだろうか。最近流行りの粘着テンション09CとかZを使った場合も同様で、ふだんの打ち方に合わないラバーだと「ボールが落ちる」とか「棒球になる」といった評価になるのではないか。

そう考えると、たかだか数時間から数日試打しただけの用具レビューというのは全く意味がなくなってしまう。同じラバーでも打ち方によって回転がかかったり、かからなかったりして、そのラバーの本来の性能を発揮するような打ち方を身につけるには、数週間から数ヶ月試行錯誤しなければならないからだ。それはラバーだけでなく、ラケットでも似たようなことが言えるかもしれない。

これは私の狭い経験から導き出した仮説に過ぎない。世の中には私の仮説を覆すような、「どんな打ち方をしてもよく回転がかかり、スピードの出るラバー」と、「どんな打ち方をしてもイマイチのラバー」というのがあるのかもしれない。しかし、中級者レベル以下のレベルで考えれば、ある程度評判のいいラバーなら、どれでも打ち方を工夫すれば満足の行くショットが打てるのではないかと思う。

というようなことを下の動画を見て考えた。
無題

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