「兄さんは今日の次は当たり前のように明日が来るって思ってるでしょ。
今週の次は来週。今月の次は来月。今年の次は来年。私にはそれがないの。
今日、眠ったら明日は目覚めないかもしれない。…」

takako

ある日、当たり前のことが当たり前でなくなることがある。

今まで当たり前に出していた下回転サーブが急に入らなくなったり、ブロックがちっとも止まらなくなったり。

私の場合は、急に裏面の使い方が分からなくなった。今まで無意識にできていた裏面が最近ちっとも入らない。下回転を持ち上げられる自信がない。力が伝わっている感触もない。いったいどうしたらいいのだろう?

しかし、このような状況は自分のプレーを見直すいいチャンスだと肯定的に捉えたい。下回転サーブが入らなくなったとき、今まで意識していなかった打球ポイントを意識するようになり、それまでよりもずっと下回転サーブが切れるようになった。ブロックも自エンドでバウンドしてからの距離を見直すことによって前よりも安定して入るようになった。

今度は自分の裏面バックハンドを見直すいい機会が訪れたのだと思う。

上手な人のバックハンドをいろいろ観察して分かったことがある。上手な人のバックハンドは見ていてミスする気がしない。いかにも入りそうな打ち方をしている。それがどういう打ち方なのかというと、あまり摩擦に頼っていないのである。

インターハイに出ている選手のバックハンド(シェークだが)を観察してみると、高い打点でボールに対して後ろ(対下回転)からしっかり当てているように見える。たとえ振らなくてもそのまま当てるだけでボールが入りそうな角度である。私の裏面と比べて面がかなり立っている。その角度から当てながらこすっている感じである。まったくボールが落ちる気配がない。

一方、あまり上手じゃない人(=私)のバックハンドはボールに対してかなり面を寝かせていて、摩擦の力で上にこすり上げている感じである。こすらず、そのまま当てたら、ななめ下に落ちてしまう不安定な角度である。しっかりと体を使って力を込めて振れば、摩擦の力だけでも回転のよくかかった低いショットが打てるのだが、少しでもタイミングがずれるとネットに直撃である。

まずはボールの後ろをしっかり捉えて打たなければと思った。

面をあまり寝かせずに当てると、小さなスイングでも下回転が持ち上がる。ボールの後ろを捉えて、上方向ではなく、横方向に振るのが安定するコツなのではないか、と今のところ考えている。

シェークのバックハンドは面の角度を見失いにくいと思う。シェークのバックハンドの面は(偏ったグリップでなければ)手の甲の角度とほぼ同じだから、ボールに対して手の甲を当てるような感じで面の角度を作ったらいいと思う。しかし、ペンの場合はそのような角度のガイドとなるものがない。それでペンの裏面を打つときは面の角度を見失ってしまい、ボールに対して面が寝すぎていたり、ボールの左側を取りすぎて、自分が思っているよりも右にボールを飛ばしてしまったりする。ペンでも角度を作る際のガイドとなるものがあればいいのだが…いや、ある!グリップのレンズである。

grip lens
最近は右の細長いタイプのレンズがはやりだが、私は左の丸っこいレンズのほうが好みだ

グリップのレンズをボールの後ろに当てるような角度で面を作ればおのずからラケット面もボールの正面をとらえることができる。ついつい面を寝かせすぎてしまっていたり、面が右を向きすぎてしまっていたりするときに、このレンズの向いている方向を思い出せば、角度を補正することができる。

グリップレンズがまるで目のように私のラケット面を監視してくれているようで頼もしい。

evileye

用途は違うが、トルコ土産にもらったことがあるイーブルアイにどこか通じるものがある。

以上、グリップレンズの向きをガイドにして面の角度を作ってみるというアイディアである。