どうして自分は東山高校卓球部を出ていないんだ。いや、別に東山高校でなくてもいい。どうして関西学生リーグ1部や2部の大学の卓球部を出ていないんだ。そんなことを試合後に考えたりもする。強豪校出身の学生の卓球、それはたとえレギュラーでなかったとしても、彼らの卓球は私たちの卓球とは全く次元が違う、ということを試合に出るだびに思い知らされる。私が一生卓球を続けても到達できない地点に彼らはいる。
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イメージです。
先日久しぶりに試合に出て、さんざんな結果だったのだが、明らかに私の卓球とは次元の違う卓球をしている大学生たちがいた。ほとんどフォアで動き回り、台から離れて豪快な打ち合いをする卓球である(といっても全日学とかに出られるレベルではない)。
そういう生きの良い学生たちに60代の老練な片面ペンのオジサンが勝ってしまったりするのも、卓球のおもしろいところである。
試合後、そのオジサンと話をする機会があって、どうしてあんな化け物(私のレベルから見ると)みたいな学生に勝つことができるのかを聞いてみた。
オジサン曰く、
「そらぁ、ボールの威力とかはとんでもないで、回転もすごいしな。我ながら、あんなドライブ打たれて、ようブロックが止まったもんや。サーブもめっちゃ切れてるんや。ちょっと触ったらピュンと飛んでまいよる。それをあっちは回り込んで、フォアドライブでズドンッや。」
「しかしな、あいつは自分がサーブにどんな回転をかけてるか分かってへん。とにかく目一杯切れば切るほどいいと思っとるから、こっちのレシーブが予想したところに返ってこーへんで、びっくりしたりしよる。オレは自分がサービスにどんな回転をどのぐらいかけとるかちゃんと把握しとるから、レシーブもどんなもんが返ってくるかだいたい分かる。それでミスが少なくなる。あいつはそういうところがまだ分かっとらんさかい、オレに負けるんや。」
サーブは切れていれば切れているほどいいし、ツッツキもドライブも、回転がかかって、スピードが速ければ速いほどいい、と私は思っていたのだが、強すぎる回転や速すぎるボールは時には自分のプレーを損ねかねない諸刃の剣になりうるのである。自分の対応できる範囲を超えた回転やスピードは、こちらの想定を超えた返球を招いてしまい、時にはミスにも繋がる。
この話を聞いて思い当たることがある。
私も同じようにサーブに回転をかけすぎて、相手のレシーブがこちらのエンドぎりぎりの高いボールだったり、自分のかけた横下回転サーブをつっつかれて、回転がそのまま返ってきてしまい、打とうにも打てなかったり、ということがある。全力のドライブを打ったはいいが、体勢が崩れてしまい、次のボールに対応できなかったり、台上で低くて速いフリックを打ったが、コースが甘く、鋭いブロックが返ってきて返球できなかったり。というか、そもそも自分の限界近いボールを出そうとすれば、ミスする可能性もおのずから高くなる(前記事「軽打礼讃」)。
練習のときは夢中になって限界近くまでスピードやスピンを追求するのもいいが、試合の時は節制をこととすべきである。自分の限界からある程度マージンをとることで、相手のボールも予想しやすくなり、ミスも減る。自分の打ったボールが相手にどのような影響を与えるのか、相手がどのようなレシーブをしやすいのかを把握できないようなショットは試合においては慎まねばならない。
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先日久しぶりに試合に出て、さんざんな結果だったのだが、明らかに私の卓球とは次元の違う卓球をしている大学生たちがいた。ほとんどフォアで動き回り、台から離れて豪快な打ち合いをする卓球である(といっても全日学とかに出られるレベルではない)。
そういう生きの良い学生たちに60代の老練な片面ペンのオジサンが勝ってしまったりするのも、卓球のおもしろいところである。
試合後、そのオジサンと話をする機会があって、どうしてあんな化け物(私のレベルから見ると)みたいな学生に勝つことができるのかを聞いてみた。
オジサン曰く、
「そらぁ、ボールの威力とかはとんでもないで、回転もすごいしな。我ながら、あんなドライブ打たれて、ようブロックが止まったもんや。サーブもめっちゃ切れてるんや。ちょっと触ったらピュンと飛んでまいよる。それをあっちは回り込んで、フォアドライブでズドンッや。」
「しかしな、あいつは自分がサーブにどんな回転をかけてるか分かってへん。とにかく目一杯切れば切るほどいいと思っとるから、こっちのレシーブが予想したところに返ってこーへんで、びっくりしたりしよる。オレは自分がサービスにどんな回転をどのぐらいかけとるかちゃんと把握しとるから、レシーブもどんなもんが返ってくるかだいたい分かる。それでミスが少なくなる。あいつはそういうところがまだ分かっとらんさかい、オレに負けるんや。」
サーブは切れていれば切れているほどいいし、ツッツキもドライブも、回転がかかって、スピードが速ければ速いほどいい、と私は思っていたのだが、強すぎる回転や速すぎるボールは時には自分のプレーを損ねかねない諸刃の剣になりうるのである。自分の対応できる範囲を超えた回転やスピードは、こちらの想定を超えた返球を招いてしまい、時にはミスにも繋がる。
この話を聞いて思い当たることがある。
私も同じようにサーブに回転をかけすぎて、相手のレシーブがこちらのエンドぎりぎりの高いボールだったり、自分のかけた横下回転サーブをつっつかれて、回転がそのまま返ってきてしまい、打とうにも打てなかったり、ということがある。全力のドライブを打ったはいいが、体勢が崩れてしまい、次のボールに対応できなかったり、台上で低くて速いフリックを打ったが、コースが甘く、鋭いブロックが返ってきて返球できなかったり。というか、そもそも自分の限界近いボールを出そうとすれば、ミスする可能性もおのずから高くなる(前記事「軽打礼讃」)。
練習のときは夢中になって限界近くまでスピードやスピンを追求するのもいいが、試合の時は節制をこととすべきである。自分の限界からある程度マージンをとることで、相手のボールも予想しやすくなり、ミスも減る。自分の打ったボールが相手にどのような影響を与えるのか、相手がどのようなレシーブをしやすいのかを把握できないようなショットは試合においては慎まねばならない。
コメント
コメント一覧 (4)
おはようございます。
"節制"は必要だと私も思うのですが、出来ることなら
もうそれを"節制"だと意識しないほうが良いと私は考えます。
節制した状態、大体6割くらいの力を発揮している状態をニュートラルとして、
その状態でプレーするのが全くもって普通であるという姿勢が良いと思います。
シロノ タツミ
がしました
お久しぶりです!
コメントありがとうございます。
おそらく、自分の限界付近の卓球をしてしまうのは、何かを期待していたり、勘違いしていたりするのが原因かなと思います。
全力のショットを打っていることに気づかず「自分はもっとすごいショットが打てるはず」とか「これが自分の通常運転だ」とか、そんなナイーブな意識があるのかなと思います。
試合巧者は「そんな強いショットは必要ない」とか「ここで無理をしたらミスする」のような冷徹な自己分析がきちんとできているのかなと思います。
私も試合でたくさん負けて、自分の掛け値なしの実力が分かってきました。たぶん以前に比べたら「節制」を意識せずに「節制」できていると思うのですが、上級者から見ると、まだまだ「節制」が足りないと思われるかもしれません。
シロノ タツミ
がしました
ご返信ありがとうございます。
おっしゃる通り、試合巧者と呼ばれる方たちは
現状把握や自己分析が冷徹ですね。
冷酷・冷淡だとも言えると思います。
そしてそもそも、要求が低いですね。
私が常々大事にしている言葉があります。
新井 卓将さんの
「レベルを上げるというよりも要求を少し下げる」
という言葉です。
https://youtu.be/17_HCgTJeJc?t=143s
私はいつも、この言葉を心に留め置いております。
シロノ タツミ
がしました
ご返信ありがとうございます。
新井氏のビデオを見てみました。粒高のビデオなのであまり興味がなかったのですが、上級者の考え方が聞けて興味深いです。
「要求を少し下げる」
私も肝に銘じておきたいと思います。
シロノ タツミ
がしました