上回転の打法は種類が豊富で、人々の関心も高い。

代表格のドライブで言えば、スピードドライブ、ループドライブ、パワードライブ、カーブドライブ、シュートドライブ、ナックルドライブ、カウンタードライブ、チョリドラ等。

その他の打法でも、ミート打ち、スマッシュ、プッシュ、ショート、ロング、ブロック、フリック、チキータ、逆チキータ、フィッシュ、ロビング等。

一方、下回転の打法はといえば、かなり種類が少ない。
ツッツキ、サイドスピンツッツキ、ストップ、カット、ナックルカット、カットブロック…

だが、一口にカットといっても、いろいろな種類があり、カットマンはそれを区別しているはずである。私はカットマンではないので分からないが、私もよく使うツッツキで考えると、ツッツキにもたくさんのバリエーションがある。

たとえば、ラケット面を45度ぐらいに開いて、頂点前の打点を後ろから前に押すように打つ、通常のツッツキ(レギュラーツッツキ)に対して、下の動画のように早い打点で勢いよく押すツッツキがある。



これは上回転で言えば、ミート打ちに相当するだろうか。

ツッツキは、ストレートに打つとき、あまりスピードが出ないが、頂点を斜め上からガツンと切り下ろすようにクロスに打つと、下手なフリックよりも早くて切れたツッツキが出る。これは上回転で言えば、スピードドライブに相当する。いわば、スピードツッツキである。

では、ループドライブに相当するツッツキはないのだろうか。ラケット面を水平に近くして、下回転のボールのほぼ真下をとらえて、ラケットがボールを追い越すように切るツッツキがある。これはスイングスピードの速さに比して、ボールが遅く飛ぶので、相手のタイミングを狂わすことができる。ツッツキの時、私はボールよりもむしろ相手の腕の動きを見ているので、速いスイングでツッツキされると、速くて深いボールがくると身構えてしまう。ところが、ボールの下からラケットが抜けるようなツッツキは、前進力が弱く、ボールはフワッと浮いて、全く飛んでこない。それでいて切れているので、多少高いボールでも打ちあぐねてしまう。台上でツーバウンドすることも多いので、ストップになる場合もある。これはループドライブに近いツッツキかなと思う。

パワードライブはどうだろう?
頂点を過ぎたボールをしっかり引き付けてガツンと切るようなツッツキは、いわば「パワーツッツキ」である。勢いも回転もあり、深い。下からしっかりドライブをかけないと、持ち上がらない。

カーブドライブに相当するのは、カーブツッツキ。相手の順横下回転サーブを逆回転で返すツッツキ。巻き込みサーブのように返球するツッツキである。シュートドライブはカーブツッツキの逆で、逆横下回転サーブを逆回転で返すツッツキ。

ナックルツッツキというのは切らずに単に押すツッツキでもいいし、ボールの下を触って持ち上げ、ラケットの上を転がすようにして、相手の下回転を残しつつ返球する(相手にとっては順回転気味で返っていく)ツッツキでもいい。

他に上回転に比定できるものとしては、逆チキータ(これは下回転の場合もあるので、上回転の打法かどうか微妙だが)があるだろう。ペンなら、バックツッツキで、ボールの下をとらえて、相手のフォア側に流すようなツッツキである。

台上技術はペンのシェークに対する数少ないアドバンテージなのだから、これを活用しない手はない。以上のような多様なツッツキを使いこなせるようになれば、試合を有利にすすめることができるだろう。
ツッツキ