シェークのグリップではどの指に力を入れるかが人によって違い、大きく2つのタイプに分かれるという。(「二本で握る?三本で握る?」)
一つは人差し指と親指に力を入れて握るタイプ。もう一つは小指と薬指(と中指)に力を入れるタイプ。
前者は角度が安定するので繊細なプレーがやりやすく(台上とか)、後者は威力が出やすいので、ラリーでの優位性があるのだという。

ペンホルダーの場合はどの指に力を入れるべきか。
ペンホルダーの場合、フォアとバックとで力を入れる指が変わるのがふつうだが、フォアハンドなら人差し指と親指と中指の3本で握る人が多いかもしれない。私は以前はフォアハンドで親指と中指の2本で板を挟むように力を込めていた(人差し指は遊ばせる)のだが、最近グリップを変えた。5本の指に力を入れないことにしたのである。

「指に力を入れない?どういうことだ!?」と意外に思われる方もいるかもしれない。以下に私のグリップについて述べたいと思う。

前記事「手首・肘・肩 支点のバックドライブ」で新井卓将氏のバックハンドを紹介したが、その延長でタクショー氏のフリッカー・バックハンドの動画を見ていて、どうしてもフリッカー・バックハンドを習得したいと思い、少し練習してみた。が、私には難しすぎて習得できなかった。


「一撃で決める!フリッカーバックハンド」

しかし、その副産物として私は「付け根グリップ」を会得したのである。

付け根グリップ

タクショー氏がフリッカーバックハンドを打つときは、どうやら指で握っていないらしい。指の付け根で握るのである。こうすると、ラケットと指の接地面積が極端に小さくなる。その結果、ラケットはグラグラになってしまう。

この「付け根グリップ」をフォアハンドで使ってみるとフォアハンドの威力が増すような気がするのである。シェークのグリップの下三本グリップ(小指と薬指、中指に力を入れるグリップ)に近いと思う。下三本グリップは上二本グリップ(親指と人差指に力を入れるグリップ)よりもラケットとの接地面積がずっと小さくなることによってラケットがグラグラになり、威力のあるドライブが打てる。ペンホルダーでも同様だと思うのである。

子供の頃に2本の指で鉛筆を握り、これを上下に振ることによって鉛筆が曲がって見えるという錯覚で遊んだ経験は誰にでもあるだろう。

rubber pencil

これを3本以上の指で握ると、あまり曲がらない。2本の指でグラグラに握るからこそ、先端が非常に速く動くのである。また、鉛筆の先の方を握るよりも、後ろの方を握ったほうがよく曲がる。つまり、2点で後ろの方を軽く握ると先端がよく回るということなのである。ペンホルダーの付け根グリップはこの条件をどちらも満たしている。

ハンドサイン

付け根グリップのフォアハンドドライブでは、上の図のように人差し指を伸ばすのがいいと思う(完全にまっすぐ伸ばすのは難しいが)。伸ばすことによって付け根のほうに力が入り、ラケットのヘッドがよく回るからである。