今回、ご寄稿いただいたのは茨城県の玄米茶氏である。
氏は長年ペン表でプレーされていたが、シェーク裏裏に転向され、今に至っている。
ペンとシェークのグリップの違いを比較しているうちにペンホルダーの選手の多くが、ラリーが終わった後のポイント間にシェーク持ちに変える現象に気づかれたとのことである。
王皓選手もご覧の通り、ポイントが終わった後はシェーク持ちである。
私も以前からぼんやりと気になっていた。
「ペンホルダーであることにコンプレックスでもあるのだろうか…」などと思ったこともあったが、ペンホルダーであることに誇りを持ちこそすれ、コンプレックスを持つことなどあるはずがない。では一体どうしてみんなラリーが終わるとシェークに持ち替えるのか。
玄米茶氏の主張を拝読して、なるほどと思うと同時に私には別の理由もあるのではないかと思うようになった。ペンホルダーは裏面を中指で支えなければならず、長時間プレーしていると中指が痛くなってくる。その「指休め」のためという側面もあるのではないか。人によっては他の理由もあるかもしれない。
プレー間のラケットの持ち替えに焦点を当てて考察できる人は珍しい。ドライブの打ち方やブロックのコツといった雑誌やブログでよく見るトピックではなく、ラケットの持ち替えをトピックに選んだ視点は新鮮で、ユニークなものである。私もありふれたトピックではなく、あまり注目されていないトピックを選んだほうが意味のある記事になるのではないかと考えさせられた。玄米茶氏の記事のように、みなが何となく気づいていることでも、通り過ぎてしまわず、考察してみるという態度は見習うべきものだと思う。
今年はこの記事をもって拙ブログの書き納めとなる。来年もどうぞよろしくおねがいします。
以下、玄米茶氏のご寄稿である。
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○ペンの選手がラリーが終わるとシェークに持ち変える現象
ペンホルダーの選手は、ラリーが終わるとシェークに持ち変えることがあります。全員でありませんが、相当な数の選手がやっていることだと思います。
一見無駄なことをやっているようですが、なぜそんなことをするのか仮説を立ててみます。
彼らが持ち替える理由、それはボールを拾うため ではないでしょうか。
ラリーが終わり、フロア上でバウンドしているボールを拾うとき、ほとんどの選手はラケットでボールを床に叩きつけ、高く上がったところをキャッチします。
この方法でボールを拾うときにペンではやりにくいのではないでしょうか。
具体的には、ペンの表面でボールを叩こうとすると、かなり大きく腕をひねらなければいけません。ペンのラケットを持つと、フォア面は自然と上を向きます。これを床に向けるには約180度回転させなければいけません。肘の外側が真上を向く、不自然な体勢です。では裏面ではどうでしょう。こちらはもともと床を向いているので一見簡単に思えますが、しかし、ペンの裏面というものはなかなか綺麗に真下を向いてはくれず、自然と自分の体のほうを向いてしまうものです。うかつにそのままボールを叩きつけると、ボールは股を抜けて背後に飛んでいったり、自分のシューズに当たって明後日の方向に飛んでいったりしてしまいます。
もちろん、表面も裏面も、面を作ってボールを拾うことはできないわけではありません(現に、持ち替えずにボールを拾っている選手はゴマンといます)。しかし、なんとなくやりにくいのです。このやりにくさを厭った選手が、シェークハンドに持ち替えてボールを拾うのではないでしょうか。
またポーランドのワン・ゼンイという選手はペンですが、ロビング打ちをするときにシェークに持ち変えます。これも前述した「真下にフォア面を向けにくい」特性を克服するための技術だと思われます。
一方でシェークハンドは、何の苦もなく真下に面を向けることができます。ロビング打ちも楽楽です。シェークと比較したペンの欠点は、一般にバックハンドの弱さが挙げられることが多いですが、この「真下にフォア面を向けにくい」という点もペンホルダーの隠れた欠点なのではないかと思います。
【追記】
文字色の設定がおかしくなっていて、玄米茶氏の本文のテクストの色が黒になっていたので、デフォルトに戻した。失礼しました。
(参考動画)
・王皓は、9:16以降のラリーで持ち変えています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZPmwJ6wG-Ao
・中ペン裏裏の王建軍。4:08以降のラリーで持ち変えています
https://www.youtube.com/watch?time_continue=346&v=aWiOz9u2EFY
・日ペン裏裏の松下大星選手は1点毎に持ち替えています
https://www.youtube.com/watch?v=pc2pxBZuTMY
・ワン・ゼンイは1:02以降のロビング打ちで数回シェークに持ち替えています
https://www.youtube.com/watch?v=O2reXTRwpoQ
氏は長年ペン表でプレーされていたが、シェーク裏裏に転向され、今に至っている。
ペンとシェークのグリップの違いを比較しているうちにペンホルダーの選手の多くが、ラリーが終わった後のポイント間にシェーク持ちに変える現象に気づかれたとのことである。
王皓選手もご覧の通り、ポイントが終わった後はシェーク持ちである。
私も以前からぼんやりと気になっていた。
「ペンホルダーであることにコンプレックスでもあるのだろうか…」などと思ったこともあったが、ペンホルダーであることに誇りを持ちこそすれ、コンプレックスを持つことなどあるはずがない。では一体どうしてみんなラリーが終わるとシェークに持ち替えるのか。
玄米茶氏の主張を拝読して、なるほどと思うと同時に私には別の理由もあるのではないかと思うようになった。ペンホルダーは裏面を中指で支えなければならず、長時間プレーしていると中指が痛くなってくる。その「指休め」のためという側面もあるのではないか。人によっては他の理由もあるかもしれない。
プレー間のラケットの持ち替えに焦点を当てて考察できる人は珍しい。ドライブの打ち方やブロックのコツといった雑誌やブログでよく見るトピックではなく、ラケットの持ち替えをトピックに選んだ視点は新鮮で、ユニークなものである。私もありふれたトピックではなく、あまり注目されていないトピックを選んだほうが意味のある記事になるのではないかと考えさせられた。玄米茶氏の記事のように、みなが何となく気づいていることでも、通り過ぎてしまわず、考察してみるという態度は見習うべきものだと思う。
今年はこの記事をもって拙ブログの書き納めとなる。来年もどうぞよろしくおねがいします。
以下、玄米茶氏のご寄稿である。
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○ペンの選手がラリーが終わるとシェークに持ち変える現象
ペンホルダーの選手は、
一見無駄なことをやっているようですが、
彼らが持ち替える理由、それはボールを拾うため ではないでしょうか。
ラリーが終わり、フロア上でバウンドしているボールを拾うとき、
この方法でボールを拾うときにペンではやりにくいのではないでし
具体的には、ペンの表面でボールを叩こうとすると、
もちろん、表面も裏面も、
またポーランドのワン・ゼンイという選手はペンですが、
一方でシェークハンドは、
【追記】
文字色の設定がおかしくなっていて、玄米茶氏の本文のテクストの色が黒になっていたので、デフォルトに戻した。失礼しました。
(参考動画)
・王皓は、9:16以降のラリーで持ち変えています。
https://www.youtube.com/watch?
・中ペン裏裏の王建軍。4:08以降のラリーで持ち変えています
https://www.youtube.com/watch?
・日ペン裏裏の松下大星選手は1点毎に持ち替えています
https://www.youtube.com/watch?
・ワン・ゼンイは1:
https://www.youtube.com/watch?
コメント
コメント一覧 (7)
人差し指にペンだこができているので休めないと痛くなります。
今はサランラップも毎回巻いています。
シロノ タツミ
がしました
コメントありがとうございます。
サランラップというのは、指に巻くのでしょうか?
そういう指の保護法もあるのですね。
シロノ タツミ
がしました
多分指休めのために行うのでしょうね。特に中ペンは重いですし、支える指にもかなり負担が掛かるのでしょう。
シロノ タツミ
がしました
コメントありがとうございます。
特に日ペンは人差し指をしっかりひっかける人が多いので、持ち替える人が少ないかも知れませんね。中ペンは本当に多いです。私はあまり持ち替えませんが。
シロノ タツミ
がしました
ダブルスの際にはシェーク持ちでサービスを出して、何事も無かったかのようにペンに持ち直してプレーする離れ業をやってくれてます。
シングルスではペン持ちのままサーブするんですけどね。
シロノ タツミ
がしました
コメントありがとうございます。
ダブルなら、ペンをシェーク持ちしても時間の余裕があるということですね。
ペンもシェークのようにサーブのときに持ち替えたほうが多彩なサーブが出せそうですね。
シロノ タツミ
がしました
構造上仕方ないですが
シェイクだと握るだけで良いので本当に持ちやすいペンに拘らなければ大多数はシェイクハンドでシェイク持ちに流れてしまいます
シロノ タツミ
がしました