例年、年末は卓球についての思いの丈を述べたりしていたが、今年は一年の自身の歩みを振り返ってまとめてみたいと思う。技術的な考え方や意識の変遷に関する記事のみをたどっているので、試合や動画の感想や用具、指導法などについての記事は省いた。
京都で除夜の鐘といえば、知恩院の鐘。本当に大きい。
1月
「卓球のセンス」
水谷選手の言葉からセンスのある卓球について考えてみた。目のさめるような強打が打てるのではなく、ボールの威力はなくてもいいが、どんなボールにも無理なく対応し、崩れない、持続可能なスタイルが私にとっての「センスのある卓球」だという結論。
「卓球の力の抜き方」
打球時に力んでしまうことでボールが走らなかったり、ミスを連発したりする。どうすればリラックスして力が抜けるのか。私の答えは基本技術を安定させて、「打たれてもなんとかなる」という心の余裕を持つこと。
「ストップを早くする」
ボールがバウンドしてすぐを狙ってストップするのでは遅い。ボールのバウンド地点めがけてラケットを出せば早くて短いストップができる。世間の指導書や雑誌でもよく目にするコツだが、それを身をもって「発見」した顛末を記した。
「ボールが落ちるのはラバーのせい?」
下回転が持ち上がらないとき、ラケットの角度やスイングスピードといった手の辺りに原因を求めがちだが、足元の瞬間的な踏ん張りが手の先端のラケットにまで影響するのではないかという主張。
2月
「フォロースルーは何のため?」
打球には影響のないフォロースルーは必要なのか。必要だとしたらどういうフォロースルーがいいのか。そんなことをLiliの動画を見て考えた。結論としては狐における尻尾の役割と同様、崩れかけた体をリカバーしたり、次の移動につなげたりするためにフォロースルーは効果的なのではないかという結論。
「レシーブは足」
フットワークと言うと、左右の大きな動きを連想するが、レシーブ時のほんの10センチほどの小さなフットワークがプレーに与える影響は意外に大きい。10センチ踏み込まなかった(あるいは戻らなかった)ためにいいプレーができないということもある。
「身体のバランス」
氷上でバランスを取るスケートは卓球にも益するところがある。身体の先端ではなく、中心から脚や腕を操作する感覚、姿勢の低さなど、バランス感覚を向上させるのに効果がある。
そろそろ目が疲れてきた。まだ2月の半ばか…。以下、ざっとポイントだけ列挙する。
「フォア・バック足りてフットワークを知る」
バドミントンの動画の教え。進行方向の反対の足の拇指球でフロアを蹴る(外側に蹴る)ことによって素早く動くことができる。
3月
「機の感覚」
対戦相手と呼吸をシンクロさせる武道の極意が卓球にも応用できるのではないか。
「難しいサービス」
相手にとって処理の難しい切れたサーブを出して、返球された時、自分も持て余してしまう。
「あわせ技」
技術は単体ではなく、文脈の中で考えるべきだ。
4月
「つなぎのボール」
絶好球に対する強打を磨くのではなく、難しいボールに対するつなぎのボールの質を高めるべきだ。
「打つ練習と打たれる練習」
相手の強打を止める練習は、一見相手のための練習に見えるが、自分の動きの無駄をなくし、処理速度を高める役に立つ。
「技と技の間」
卓球の「基礎スペック」をまんべんなく高めると、自ずと応用技術のレベルも上がっている。
「木造勇人選手によるバックハンドのコツ」
はたから見ると、手首に力を入れているように見えるが、当の本人はそのような意識がまったくない。見た目と実際のギャップについて考えた。
「僕らはみんな振り遅れ」(前)
バック対オールの練習で相手のラケットをほぼずっと見続けると、相手の返球に間に合い、ラリーが続く。
5月
「僕らはみんな振り遅れ」(後)
強いショットを打つために打点を犠牲にすべきか、高い打点で打つためにショットの威力を犠牲にすべきかという選択で後者をこそ優先すべきだという考え。
「貫く棒の如きもの」
体軸についてグダグダ考えた。
「動いて、考えて、また動く」
頭でっかちを戒める記事。世間の指導理論などはいったん忘れて、自身の身体に一番合う打ち方を内観し、模索すべきだ。
6月
「仕掛けと予測」
仕掛けによって予測の幅が広がるという発見。
「台との距離」
つまらされないコツはボールが自コートのエンドラインに落ちると想定しておくこと。
「反動」
強い力を発生させるには、一度逆方向に力を入れてから、順方向に力を入れるといい。
「ボールを当てる位置」
バックハンドを安定させるには、ボールをラケットのグリップ寄りに当てるといい。
やっと半年分か。過去の記事を読み返すのも大変だ。
7月
「卓球の緻密さについて」
サービスのバウンドする位置をコントロールして、数センチ単位で正確に同じところに出せるようにすべきだ。また、フットワークは自分がフォアで動く範囲を決めて(把握して)おくべきだ。
「守備練習のありがたさ」
相手のフットワーク練習のためにひたすらブロックすることで守備技術が身につき、卓球が底上げされる。
8月
「舞はる舞はる」
姿勢を低くすると、体幹が回りやすくなり、スイングの上下方向の動きが抑制されて、左右方向に動かしやすくなる。
「僕は切り替えができない」
切り替えのコツは、打球後にすぐ次にボールが来る方へ寄っておくこと。
「しっとりとした打球」
インパクト寸前まで力を入れず、インパクトのときに一気に力を入れるようにするとボールが落ちず、威力のあるショットが打てる。
「筋書きのある展開」
サーブの前に間を置く人がいる。それはサーブ後のラリーのイメージを頭の中でなぞっているのである。
9月
動画を観た感想など。
10月
「レシーブの耐えられない単調さ」
レシーブは速くて低いボールだけでなく、緩急をつけたほうが打たれにくい。
「低いは正義!…か」
上の記事と同工異曲。
「必要にして十分」
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」
ボールの威力はもう十分あるのだから、コントロールや回転など、もっと他の方面に意を用いるべきだ。
11月
「力加減の予測」
足裏の前のほうに重心を置くと、意識・反応が早くなる。
「ブルン!」
身体を小さく揺すぶるようにしてバックハンドを打つと、いいショットが打てる。
12月
「どうしてもバックハンドドライブが入らないとき」
一度左足に体重をかけて踏ん張ってから、右足に体重移動すると、強いバックハンドが打てる。
「そうだったのか!回り込み」
回り込みは台のエンドに平行に移動してはいけない。打球の軌道を直角に横切るように移動するのがいい。
「バウンド前行動」
自分のサーブやレシーブが相手のコートにバウンドする前にこちらの動きを始めなければ次球に間に合わない。
「柚子の木のトゲは痛いよ」
ペンホールドグリップで親指を外すと、自由度が増し、ツッツキやショートがやりやすい。
「打てるとき、打てないとき」
自分のショットに仕掛けの意識を持たせると、次に攻撃しやすい。
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「ボールが落ちるのはラバーのせい?」と「反動」、「どうしてもバックハンドドライブが入らないとき」は同じように足元の踏ん張りに関するもの。「ブルン!」「どうしてもバックハンドドライブが入らないとき」はバックハンドに関するもの。「仕掛けと予測」「打てるとき、打てないとき」は仕掛けに関するもの。脳が衰えているので、以前主張したことを忘れて、もう一度記事にしてしまっている。老人に繰り言が多いのが分かる気がする。
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しかし、世間は確実に変化しているのを実感した。
この冬、我が家にやってきたEcho dotというスマートスピーカーを使ってみた感想である。
「アレクサ、今日の天気は?」「今日の京都の天気は曇りのち晴れ…」
「アレクサ、『冬景色』をかけて」「アマゾン・ミュージックから石川さゆり『津軽海峡冬景色』を再生します。」(唱歌のほうを聴きたかったのだが…)
「アレクサ、デフレーションって何?」「こんな説明が見つかりました。デフレーションとは…」
「アレクサ、この近くのピザ屋を教えて」
10年後はこの手の人工知能がどれだけ進化していることだろう。10年後は誰もが公平に自分自身の可能性を試すことができるという理想的な社会に近づいているかもしれないが、オフィスで働く人はほとんど必要なくなり、人工知能の使い走りのような仕事ばかりを人間がすることになるかもしれない。まるでSFの世界である。インターネットがなかった昭和の時代には考えられなかったことである。平成ももうすぐ終わり。未来はもうそこまで来ている。
京都で除夜の鐘といえば、知恩院の鐘。本当に大きい。
1月
「卓球のセンス」
水谷選手の言葉からセンスのある卓球について考えてみた。目のさめるような強打が打てるのではなく、ボールの威力はなくてもいいが、どんなボールにも無理なく対応し、崩れない、持続可能なスタイルが私にとっての「センスのある卓球」だという結論。
「卓球の力の抜き方」
打球時に力んでしまうことでボールが走らなかったり、ミスを連発したりする。どうすればリラックスして力が抜けるのか。私の答えは基本技術を安定させて、「打たれてもなんとかなる」という心の余裕を持つこと。
「ストップを早くする」
ボールがバウンドしてすぐを狙ってストップするのでは遅い。ボールのバウンド地点めがけてラケットを出せば早くて短いストップができる。世間の指導書や雑誌でもよく目にするコツだが、それを身をもって「発見」した顛末を記した。
「ボールが落ちるのはラバーのせい?」
下回転が持ち上がらないとき、ラケットの角度やスイングスピードといった手の辺りに原因を求めがちだが、足元の瞬間的な踏ん張りが手の先端のラケットにまで影響するのではないかという主張。
2月
「フォロースルーは何のため?」
打球には影響のないフォロースルーは必要なのか。必要だとしたらどういうフォロースルーがいいのか。そんなことをLiliの動画を見て考えた。結論としては狐における尻尾の役割と同様、崩れかけた体をリカバーしたり、次の移動につなげたりするためにフォロースルーは効果的なのではないかという結論。
「レシーブは足」
フットワークと言うと、左右の大きな動きを連想するが、レシーブ時のほんの10センチほどの小さなフットワークがプレーに与える影響は意外に大きい。10センチ踏み込まなかった(あるいは戻らなかった)ためにいいプレーができないということもある。
「身体のバランス」
氷上でバランスを取るスケートは卓球にも益するところがある。身体の先端ではなく、中心から脚や腕を操作する感覚、姿勢の低さなど、バランス感覚を向上させるのに効果がある。
そろそろ目が疲れてきた。まだ2月の半ばか…。以下、ざっとポイントだけ列挙する。
「フォア・バック足りてフットワークを知る」
バドミントンの動画の教え。進行方向の反対の足の拇指球でフロアを蹴る(外側に蹴る)ことによって素早く動くことができる。
3月
「機の感覚」
対戦相手と呼吸をシンクロさせる武道の極意が卓球にも応用できるのではないか。
「難しいサービス」
相手にとって処理の難しい切れたサーブを出して、返球された時、自分も持て余してしまう。
「あわせ技」
技術は単体ではなく、文脈の中で考えるべきだ。
4月
「つなぎのボール」
絶好球に対する強打を磨くのではなく、難しいボールに対するつなぎのボールの質を高めるべきだ。
「打つ練習と打たれる練習」
相手の強打を止める練習は、一見相手のための練習に見えるが、自分の動きの無駄をなくし、処理速度を高める役に立つ。
「技と技の間」
卓球の「基礎スペック」をまんべんなく高めると、自ずと応用技術のレベルも上がっている。
「木造勇人選手によるバックハンドのコツ」
はたから見ると、手首に力を入れているように見えるが、当の本人はそのような意識がまったくない。見た目と実際のギャップについて考えた。
「僕らはみんな振り遅れ」(前)
バック対オールの練習で相手のラケットをほぼずっと見続けると、相手の返球に間に合い、ラリーが続く。
5月
「僕らはみんな振り遅れ」(後)
強いショットを打つために打点を犠牲にすべきか、高い打点で打つためにショットの威力を犠牲にすべきかという選択で後者をこそ優先すべきだという考え。
「貫く棒の如きもの」
体軸についてグダグダ考えた。
「動いて、考えて、また動く」
頭でっかちを戒める記事。世間の指導理論などはいったん忘れて、自身の身体に一番合う打ち方を内観し、模索すべきだ。
6月
「仕掛けと予測」
仕掛けによって予測の幅が広がるという発見。
「台との距離」
つまらされないコツはボールが自コートのエンドラインに落ちると想定しておくこと。
「反動」
強い力を発生させるには、一度逆方向に力を入れてから、順方向に力を入れるといい。
「ボールを当てる位置」
バックハンドを安定させるには、ボールをラケットのグリップ寄りに当てるといい。
やっと半年分か。過去の記事を読み返すのも大変だ。
7月
「卓球の緻密さについて」
サービスのバウンドする位置をコントロールして、数センチ単位で正確に同じところに出せるようにすべきだ。また、フットワークは自分がフォアで動く範囲を決めて(把握して)おくべきだ。
「守備練習のありがたさ」
相手のフットワーク練習のためにひたすらブロックすることで守備技術が身につき、卓球が底上げされる。
8月
「舞はる舞はる」
姿勢を低くすると、体幹が回りやすくなり、スイングの上下方向の動きが抑制されて、左右方向に動かしやすくなる。
「僕は切り替えができない」
切り替えのコツは、打球後にすぐ次にボールが来る方へ寄っておくこと。
「しっとりとした打球」
インパクト寸前まで力を入れず、インパクトのときに一気に力を入れるようにするとボールが落ちず、威力のあるショットが打てる。
「筋書きのある展開」
サーブの前に間を置く人がいる。それはサーブ後のラリーのイメージを頭の中でなぞっているのである。
9月
動画を観た感想など。
10月
「レシーブの耐えられない単調さ」
レシーブは速くて低いボールだけでなく、緩急をつけたほうが打たれにくい。
「低いは正義!…か」
上の記事と同工異曲。
「必要にして十分」
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」
ボールの威力はもう十分あるのだから、コントロールや回転など、もっと他の方面に意を用いるべきだ。
11月
「力加減の予測」
足裏の前のほうに重心を置くと、意識・反応が早くなる。
「ブルン!」
身体を小さく揺すぶるようにしてバックハンドを打つと、いいショットが打てる。
12月
「どうしてもバックハンドドライブが入らないとき」
一度左足に体重をかけて踏ん張ってから、右足に体重移動すると、強いバックハンドが打てる。
「そうだったのか!回り込み」
回り込みは台のエンドに平行に移動してはいけない。打球の軌道を直角に横切るように移動するのがいい。
「バウンド前行動」
自分のサーブやレシーブが相手のコートにバウンドする前にこちらの動きを始めなければ次球に間に合わない。
「柚子の木のトゲは痛いよ」
ペンホールドグリップで親指を外すと、自由度が増し、ツッツキやショートがやりやすい。
「打てるとき、打てないとき」
自分のショットに仕掛けの意識を持たせると、次に攻撃しやすい。
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以上、今年一年の私の卓球技術に関する気づきや考察を追ってみたが、重複するような主張もあった。
「ボールが落ちるのはラバーのせい?」と「反動」、「どうしてもバックハンドドライブが入らないとき」は同じように足元の踏ん張りに関するもの。「ブルン!」「どうしてもバックハンドドライブが入らないとき」はバックハンドに関するもの。「仕掛けと予測」「打てるとき、打てないとき」は仕掛けに関するもの。脳が衰えているので、以前主張したことを忘れて、もう一度記事にしてしまっている。老人に繰り言が多いのが分かる気がする。
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今年一年もあっという間だった。この一年で私の卓球も少しは進歩したと信じたい。こんなふうに来年も平穏無事な毎日が続いてほしい。--------------
しかし、世間は確実に変化しているのを実感した。
この冬、我が家にやってきたEcho dotというスマートスピーカーを使ってみた感想である。
でっかいおにぎりぐらいの大きさで、日本語が認識できる。
「アレクサ、今日の天気は?」「今日の京都の天気は曇りのち晴れ…」
「アレクサ、『冬景色』をかけて」「アマゾン・ミュージックから石川さゆり『津軽海峡冬景色』を再生します。」(唱歌のほうを聴きたかったのだが…)
「アレクサ、デフレーションって何?」「こんな説明が見つかりました。デフレーションとは…」
「アレクサ、この近くのピザ屋を教えて」
なぞなぞや本日のニュース、NHKラジオ、アマゾンでの商品の注文、簡単な英語の勉強、タイマーやアラーム、リマインダー、電卓…。スマートフォンならぬ、スマートラジオといったところである。
身体が不自由な人や介護が必要な人にとっては非常に便利なガジェットである一方、こういう方向性は将来的に個人主義というか、他者や社会への無関心を助長することにはならないか。人間同士の交流を減らし、社交性を退化させてしまうのではないかと心配になる。
10年後はこの手の人工知能がどれだけ進化していることだろう。10年後は誰もが公平に自分自身の可能性を試すことができるという理想的な社会に近づいているかもしれないが、オフィスで働く人はほとんど必要なくなり、人工知能の使い走りのような仕事ばかりを人間がすることになるかもしれない。まるでSFの世界である。インターネットがなかった昭和の時代には考えられなかったことである。平成ももうすぐ終わり。未来はもうそこまで来ている。
コメント
コメント一覧 (2)
シロノ タツミ
がしました
いつもご愛顧ありがとうございます。
応援、はげみになります。
来年もどうぞよろしくおねがいします。
シロノ タツミ
がしました