前記事「粘着(中国)ラバーってどうなんだろう」で粘着ラバーを使いこなすには良いフォームで力のこもった打球をしないといけないということがわかった。力のこもらない中途半端な打ち方だと、粘着ラバーは良いボールが出ない。ここからテンションラバーの特徴を逆照射すると、テンションラバーは反対に中途半端な力で打つのが一番効率が良いとは言えないだろうか。

半分冗談だが、半分本気である。
tenergy hard
テナジーハードとか、粘着テンションとか、
そういう中間的なラバーのことは考えないことにする。


以下、根拠のない数字を例に出してみる。私の頭の中でイメージしたことなので、単なる仮説である。

例えばどちらのラバーも同じ30%の力で打った場合(上級者ではなく、初中級者の打球を想定している)

テ:力30 威40
粘:力30 威20

のようにテンションラバーは威力を上げ底したボールが出るのに対して、粘着ラバーは加えた力よりもむしろ威力が低く出力される。

テ:力50 威70
粘:力50 威50

次にもっと良い体勢で打った場合もテンションは入力よりもいいボールを出力できるのに対して粘着ラバーは入力と同じ威力しか出力されない。

テ:力70 威80
粘:力70 威80

さらに力を加えると、テンションは出力の伸びが鈍ってくるのに対して粘着はやや良いボールが出るようになってくる。

テ:力90 威90
粘:力90 威110

そして自分のMAXに近い力で打ったときにテンションでは威力の伸びが限界に達するのに対して粘着は入力以上の威力が出る…。

こういう違いなのではないか。何度も言うが、検証したわけではないので、私の単なるイメージである。

私の仮説が正しいとすると、テンションラバーでドライブを打つときは50~60%ぐらいの力で打つのが最もエネルギーの伝達効率がいいということになる(いや、だから上級者が打った場合はまた違う結果になるのだろうが)

粘着ラバーは生半可な力で打ってもいいボールが出ないということなので、常に最高のフォームとタイミングで打ち続けるのが理想である。しかし、体力に満ち溢れた若い人のように切れの良い動きができない中高年には粘着ラバーは要求が高すぎる。ワンコースの練習ならともかく、常に動きながら全力に近い打球を打ち続けるなんて果たして中高年にできるだろうか。そこでテンションラバーを中途半端な――よく言えばリラックスした軽い力でキュッと小さなスイングで打つのが中高年にふさわしい卓球のスタイルなのではあるまいか。

…というふうに自分を納得させてテンションラバーのままでやっていこうと決心した。台上における粘着のアドバンテージは確かに魅力なのだが…。