最近よく耳にする言葉、インパクト。
下の動画によると強いインパクトが出れば「インパクトドライブ」というすごいスピードで相手コートに突き刺さるようなドライブが打てるらしい。硬い上級者向けのラバーは強いインパクトが必須だというし、とにかくインパクトが強ければ何でも解決するような雰囲気がある。
本当にそうなのか?
インパクトというのは、ボールとラケットのぶつかる衝撃のことを指しているのだろうか。
だとしたら納得が行かない。
「インパクトドライブ」というのは「弾いて」打つドライブなのだという。しかしボールとラケットを強くぶつけたら、ラバーがボールをつかむ前にボールが飛んでいってしまい、しっかり回転がかからず
ミスしてしまうではないか。ラバーにひっかけるのではなく、「スピンのメカニズム」で解説されているボールをつぶす方法で強くぶつけて回転をかけるということだろうか?
「インパクトの強さ」という言葉が何を指すかよく分からない。ラバーを完全に押しつぶして、ボールを板で打つような打ち方が強いインパクトの打ち方なのだろうか。
そうではなく、私の考えるインパクトの強さというのは、ある程度は板にぶつけるが、それよりもむしろラバーにしっかりと押し付ける強さである。インパクトの強さというのも、いくつかの種類があるのではないだろうか。
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私は団体戦で2-2の5番目で回ってきたときの苦い思い出がある。
私はサーブからの3球目がうまくいかないと、試合で全く勝てないのだが、その日はサーブの調子が悪く、ミスを連発していた。そして大事な5番で試合に出る段になって、緊張しすぎて手が震え、全くサービスが入らない。しょっぱなから2連続サーブミスである。しかたがないので、安定性重視の下回転のような、ナックルのようなヘナチョコショートサーブを出さざるを得なくなった。ヘナチョコなりに、同じモーションから速いロングサーブが出せれば相手も的を絞れず、こちらの展開になる目もあったのだが、速いロングサーブは入る気がしない。そして私はその日裏面バックハンドが入らず、ミスを連発していた。相手は私のバックドライブが入らないと見るや、全部こちらのバックにつっついてくる。「さあ、バックを振ってくれ」と言わんばかりである。決して厳しいツッツキではない。来るコースも分かっている。にもかかわらず、バックドライブが入らない…。ゆるいツッツキに対してこちらの渾身の力を込めたバックドライブが何度もネットを直撃した。結果、私のせいでチームは惜しくも敗れてしまった。
こういう絶対に下回転を落とせない場面で、バックドライブを入れられる自信が、今ならある。それは私が「インパクトの強さ」を獲得したからなのである。といっても、特別なトレーニングをしたわけではない。インパクトを強くする簡単な方法を発見したのである。
それは、右足を前にして、一度体重を左足にかけてから、反動を使って身体ごと右足に体重を移動させてバックハンドドライブを打つという方法である(前記事「反動」参照)。バックドライブでのこういう体重移動は誰もが無意識にやっているかもしれないが、それを意識的に大きくやってみるのである。
最近の卓球はスピード(ボールのスピードではなく、ピッチの早さ)が重視されているという。常に旋回運動で体幹をねじりながら、素早く戻って連打するという卓球が推奨されている(と思う)。だから、身体を前後に揺さぶってドライブを打つなんて古くさい卓球なのかもしれない。しかし、この打ち方ならたしかに威力が出る。インパクトが強いので、下回転をネットにかけにくい。もちろん早いラリーの最中にこんな動きをする余裕はないかもしれないが、台上からの3球目なら、時間の余裕もあり、こういう後ろに体重をかけてから前にタックルするような打ちかたもできると思う。
野球でピッチャーが投げる前に体重を後ろにかけてから、一気に体重を前に移動させて投げるイメージに近い。
3コマ目で一度体重を後ろにかけてから、投げているのが分かる。
この打ち方なら緊張した場面でも強いインパクトで打球できるだろう。
コメント
コメント一覧 (5)
インパクトの強さなんですがラバー、スポンジ、スポンジの厚さ、ラケットの硬さなどで自分のインパクトの強さに合う組み合わせにして強くインパクトしてもしっかりボールをつかんで弾く。ということではないでしょうか?
コメントありがとうございます。
「インパクトの強さ」が何を指すのか、私の中であいまいなので、私のインパクトの理解で記事を書きました。私の中で「ボールをつかむ」と「ボールを弾く」は矛盾することなので、分からなくて困っています。Liliの人たちの言っていることは、もちろん間違っていないと思うのですが、弾いたら、つかめないんじゃないでしょうか…。やっぱり分かりません。
卓球のボールに回転をあたえるのは、ピン球がラバーに当たったとき、ラバー上層にあるシートが引き攣れ、それが戻ろうとする力でピン球に回転を与える。前方向への推進力は、ラケットが後ろから前へと移動する力と、相手のボールの勢いに対する反発力のため、前方向へのベクトルが生まれる。(ピン球はその軽さと材質の硬さから強打しても、多少変形することはあっても潰れていないと思います。WRMでスーパースロー動画がありましたが、軽打ではありましたがボールの変形は見られませんでした。)
では、スポンジはどうか。シートが引き攣れる、つまりはその土台であるスポンジが柔らかければちじみやすく、硬いとそれが出来にくい。でも、硬いスポンジをちじめることができれば、その反発は強くなる。これが、硬度の高いラバーにはインパクト=ちじめる力が必要な理由だと思っています。
上回転はラバーに当たったとき、その回転で引き攣れが起きやすく、スイングスピードや反発力を考慮しなくても回転をかけ直しやく、上方向に飛びやすい。
下回転のボールをドライブで打つということは、ラバーに当たったとき、下に行こうとするボールに「インパクトドライブ」でもって、引き攣れが起きにくい下回転に対して、スポンジに食い込ませることで引き攣れを起こし、ボールにさらなる下回転を加えて上昇する力を与え、かつ、ボール後ろを後ろから前へのスイングで押し出すことでネットを越える。つかむと弾くとを両立しながら下回転ボールを相手コートにドライブ回転で送るのがインパクトドライブなのではないでしょうか。
長文並びに思い込み激しい文章で失礼いたしました。
インパクトの強さについてのご意見、ありがとうございます。
硬いラバーだけができる打法ということでしょうか。
参考にさせていただきます。