今、私は自分と戦っている。
このラケットに一目ぼれしてしまったからなのだ。
ノスタルジック・オールラウンド PAC
スティガの中ペンって、ブレードが大きくて、グリップがぶっとく、日本人の手には大きすぎるんじゃないかと思って敬遠していたのだが、このPACというグリップは細くて握りやすそうではないか。
ブレードの大きさも極端に大きいわけではない。国際卓球のページによるとブレードの大きさは160mm×150mm。私はアコースティック・カーボン・インナーCを所有しているが、それよりもブレードが1ミリずつ小さい。SK7-CSやインナーフォース・レイヤーALC-CSよりも縦が1ミリ小さい。むやみにブレードが大きいわけではない(ちなみにアコースティック・カーボン・インナーの打球感は、手に響かず、最高である)。
そして色遣いのなんと上品なことよ。実物は分からないが、写真で見る限り、実売8000円ほどのラケットには見えない。実売1万円以上の高級ラケットに見える。しかも、ネットの評判や試打動画などをみると、このオールラウンドは好評である。さらに卓球応援団で28日までセールをやっているではないか。スティガのラケット4割引き!これはチャンスである。
待て待て!今まで何回これを繰り返してきたんだ?うちにどれだけラケットがお蔵入りしていると思ってるんだ!アコースティック・カーボン・インナーCも4~5回打っただけじゃないか。和の極み蒼だってそうだ。インナーフォース・レイヤーZLCにいたっては一度もラバーを貼らず箱に入ったままだぞ!他にも何本ラケットが眠っていると思ってるんだ!
それはそうなのだが、ちょうどF面のラバーを買い替えたいと思っていたし、接着剤ももうすぐなくなるし…ついでにノスタルジックを買ったらお得なんじゃなかろうか。ラバーも白茶けてきたし、接着剤とかラバークリーナーはどうせ要るものだし…。
卓球人の物欲は果てしない。ラケットが10本あれば実用的には十分すぎるほどだが、それでもカッコいいラケットが出れば買ってみたいというのが人情である。ラケットが1本5万円とか、10万円となると、それほどたくさんほしいとは思わないが、1本数千円~1万円という手の届く価格帯なら庶民の物欲を大いに掻き立てる。
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前記事「俺たちのTリーグ」では、地方の社会人の動画を取り上げたが、今回は本物のTリーグ・プレミアについての記事である。ツイッターを見ていると、Tリーグについて心ある人は警鐘を鳴らしている。
たとえば、LILIの村田氏
https://twitter.com/yuhei25lili/status/1033630981670887424
たとえば、坂本竜介氏
https://twitter.com/ryusukesakamoto/status/1030381012549685249
Tリーグが初年度で大いに盛り上がり、メディアに注目され、観客がたくさん入れば、今様子見をしている選手やら企業やらも雪崩を打って参入してくるに違いない。逆に初年度で鳴かず飛ばずだったら、様子見している人は興味を失うだろう。
もし、Tリーグの興行が失敗した場合、誰が責任を取るんだろうか。
「がんばったけど、うまく行かなかったね。」
で終わり?
結局誰も責任を取らないままフェードアウトしてしまうのだろうか。
前記事「卓球プロリーグについて」でも述べたが、私は一流選手を集めただけで観客が呼べるかどうか疑わしいと思っている。多くの卓球人は自分の卓球に役立つものなら興味を持つが、雲の上のトップ選手の試合にはさほど興味がないという人が多いのではないかと思う。初めは物珍しさで1~2回観に行く人も多いかもしれないが、3回以上会場に足を運ぶ人がどれほどいるのだろうか。というか、村田氏の言うように卓球人以外の層を取り込まなければ成功したとはとても言えないだろう。
「なんとかなるさ」
でいいのか?
今、日本は卓球ブームだというが、この程度で満足していていいものだろうか。もしTリーグがこけたら、卓球ブームも頭打ちになり、これ以上は盛り上がらないだろう。逆にTリーグがうまくいけば、卓球ブームはさらに広い層にまで浸透するに違いない。このチャンスを逃したら、この先30年はプロリーグなんてできないだろう。今がチャンスなのである。これに乗らずしてどうする、卓球メーカーさん!
私は資金援助はできないが、アイディアで支援したいと思う。
もし、会場に卓球メーカーのブースが並び、「全品40%引き!」となっていたら、どうなるか。
「そういえば、欲しいラケットがあったんだよなぁ。ラバーもくたびれてきたし。Tリーグを観に行くついでに用具を買ってこよう。」
という人も多いのではないだろうか。庶民は「ついで」とか「お得」という言葉に弱いものである。Tリーグに3000円(と交通費)を払っても、欲しい用具が4割引きで買えるなら、「お得」だと感じるはずである。そうやってとにかく観客に足を運ばせることができれば、定着するファンも増えるかもしれない。卓球メーカーさんとしては4割引きというのはいろいろ厳しいかと思うが、先行投資だと思って卓球界を挙げてTリーグの盛り上げに協力してほしいものである。
でも、これだけでは、卓球人には訴えることができるかもしれないが、非卓球人には訴えることができない。非卓球人に訴えるために会場内で全農が国産野菜格安セールをするとか、スヴェンソンが無料育毛診断をしてくれるとか、村田氏の言うように人気グループに司会を任すといった「お得」があれば、「ついで」に卓球を見てもいいという人も多いだろう。
以上、私なりにTリーグの成功のためにまじめに考えてみたのだが、いかがだろうか。
コメント
コメント一覧 (6)
そもそも、客はスポーツ観戦に何を求めてるのかということです。
代表的な野球やサッカーから考察すると、プレイの内容なんか対して興味ない人が多いんじゃないですかね。豆粒みたいな選手を見て、あの球はスライダーだから空振りしたんだなとか、サッカーなら今のはすごいフェイントだなとか分からないはずです。しかも、家族連れや野球未経験者(女性など)はなおさらそうでしょう。
では、何を求めているかというとお祭り気分だと思います。選手が必死に頑張ってるのを横目に一緒に来た人と応援して騒いだり球場メシとビールに舌鼓を打ちながら観戦する。また球場のそのザワザワ感が心地いい。騒いでストレス発散できる。
今日、花火大会に行きました。花火を食い入るように見る人がいる中で、花火そっちのけで友達と雑談したり屋台で美味しい食べ物を買う。大きい花火が上がりドーンと音が聞こえた時だけ振り向く。そういう人たくさんおられました。それとも似てると思います。
そういった雰囲気を出せるかどうか。卓球を魅せることばかりでは絶対成功しないでしょう。
私ならプレー以外でもプレー中でもずっとノリのいい音楽を流し、プレー中でも雑談出来るようなざわざわ感を作り、うまいものを食べながら騒げるような空間を演出します。卓球観戦は半分祭りみたいなもんで楽しいよ、そういう風にしないとダメだと思います。これが興行だと思います。
テニスみたいな派手なスポーツでさえ世界トップレベルの試合でも観戦しに行くとシーンと静かな空間でポコーンポコーンと打ち合う。最初はプロのショットに驚きましたが、単調ですぐ飽きました。居眠りしてる人結構いました。
「卓球を魅せる」という発想にとらわれては失敗の元になると思います。
卓球経験者だけ呼んでも興行的には厳しいでしょう。
まったくもってその通りだと思いました。私の考えた「ついで」「お得」戦術などよりもずっと核心を突いていると思います。
卓球のプロツアーをネット動画で見ていると、試合観戦などせずにスマホをいじっている人をよく見かけます。選手の技術レベルの高さだけでは観客を惹きつけるのに限界があるんですよね。T2PACが、あれほど高いレベルの選手を集め、しゃれたウェアや独自ルール等、いろいろなアイディアが詰め込まれていたにもかかわらず、行き詰ってしまったのは観客を巻き込んだ「お祭り感」を初めから排除していたからというのもあるんじゃないでしょうか。
試合中に音楽を流して盛り上げるというのも、いいアイディアだと思いますし、子供が喜ぶように屋台っぽいものを出すとか、選手が客席を巡回して観客と軽くコミュニケーションをとるといった「お祭り感」を出すことこそが成功のカギだと私も思うようになりました。松平賢二選手とか、神巧也選手のように楽しいトークができる選手がたくさんいればいいんですけどね。
「卓球のことはよく分からないけど、ジンタクくんとハマちゃんは応援しちゃう!」
という一般層をどれだけ増やせるかが成功のカギだと思いました。
ただ、このハンドルネームはやめてください。
なんだかバカにされているようでイヤです。
しろのたつみさんはこの記事で、卓球の試合にプラスアルファの、観客が楽しく観戦できる要素が必要であると言われていて、そのとおりだと思います。
私は卓球経験者ですが、自分が大会を見に行って「来てよかった」と思えるのは、ハイレベルなラリーを見れたときは当然ですが、
・大会限定グッズ(Tシャツなど)を入手できた
・有名選手のファンサービスが良かった(色紙サインや、ボールを観客席に打ち込む、試合の大勢が決したときの面白プレーなど)
・卓球通の人と知り合えた
といった、副次的な楽しみもあります。
いっぽう未経験者の人たちは観戦だけではつまらないでしょうから、
・未経験者が卓球をできるスペースを作って実際に打ってもらう。
・可能であればトップ選手の球を受けてもらって「卓球の球ってこんなに速い&回転しているのか!」と驚いてもらう。
・「この地域ではこんな場所で卓球ができます」というビラか何かを配って、卓球にふれる機会を増やしてもらう。
などして、リピーターを増やす努力が重要だと思います。
逆に、観客を飽きさせないルールづくりも必要だと考えます。
東京の世界卓球で石垣がカットマンと対戦し、延々とツッツキ対ツッツキをして促進ルールに突入したことがありました。あれをTリーグで再現したら、それを見た客はもう二度とこないと思います。スピーディーな進行のために、時間制限が必要かもしれません。
長々と申し訳ありませんでしたが、Tリーグの成功を祈って書き込みました。
コメントありがとうございます。
経験者と未経験者の求めるものが違うというのを主催者側は意識しなければなりませんね(もちろん、意識しているはずですが)。
・大会限定グッズ
・ファンサービス
・卓球人との出会い
経験者にとってはどれも楽しそうです。
・卓球できるスペースの開放
・トップ選手の球を受ける
・卓球入門情報
未経験者もこういうところから卓球人への道へ進んでいってほしいですね。
魅せるためのルール変更はどしどしやってほしいと思います。5ゲームマッチだと、なかなか番狂わせが起こりにくいので、3ゲームマッチにして試合数を増やすというほうがおもしろいのではないかと個人的には思います。
卓球は初級者に厳しいと感じています。
卓球界はジュニアとトップの強化にしか興味がないように思えます。
コメントありがとうございます。
硬式卓球よりもラージボール卓球のほうが多くの人にとって楽しめるかもしれません。
硬式卓球は、我流ではどうしても上手くなれないと個人的には思います。
フォア打ちをしたり、乱打する程度なら我流でも行けますが、卓球らしい卓球をしようとすると、硬式卓球は難しすぎると思います。
非経験者や初級者向けにもっとラージボール卓球が認知されてくれればと思います。温泉卓球なら絶対ラージのほうがふさわしいと思います。