ツイッターを見ていたら、こんな動画を見つけた。
継科腰

韓国オープンでの張継科選手のプレー。身長178センチの張選手のヘソの位置がちょうど台と同じ高さになっている。私は張選手よりも身長が低いが、プレー中のヘソの位置は台より高い。178センチといえば、日本人なら長身の部類に入るだろう。この身長にしてこの低さ。意識的に訓練しないとこうはならないだろう。

身長177センチの吉村真晴選手の動画もあったので、それを見ると、やはりヘソの位置は台の高さと同じか、それよりも低い位置に見える。
真晴腰
手前が吉村選手


ヘソの位置が台と同じ(かそれ以下の)高さというのは、おそらく卓球に適した姿勢なのだろうが、年を取ると低い姿勢がしんどくなってくる。170センチ以上の身長でヘソの高さが台と同じというのは想像以上に足を開き、ヒザを曲げなければならない。
卓球では低い姿勢が推奨されるが、本当にこんな低い姿勢が必要なものなのだろうか。私は納得できない。棒立ちはよくないと思うが、台とヘソが同じ高さというのは成人男性には不自然な姿勢である。台が腰(ヒップ)ぐらいの高さでもいいではないか。

そもそもペンとシェークでは力の入る位置が違うと思う。シェークはヘッドが上を向いているので顔の高さあたりでボールを打つと力が入りやすいが、ペンはヘッドが下がっているので、胸の高さあたりでボールを打つと力が入りやすい(と思う)。そうするとペンはシェークに比べてやや高い姿勢のほうが力が入りやすいのではないか。

たしかにヘソの位置が台の高さだと、台上プレーで台の奥深くまで入れるというメリットがあり、素早く動くのにも適しているのかもしれないが、オジサンの草卓球のレベルでそんなに姿勢の低さにこだわることはないのではなかろうか。

とはいうものの、卓球の上手な人はたいてい姿勢(あるいは背)が低い、気がする。姿勢が低いとメリットが多いのだろうか…そんなことを考えて、台の高さをヘソの高さにする低姿勢卓球を私なりに検証してみた(最近忙しくてあまり練習できないので1~2回の練習で試した感想である)

フットワークの素早さは…う~ん、ちょっと速くなったかもしれない。
フォアドライブの威力は…あまり違いが分からなかった。
台上のやりやすさは…これは予想していた通り、やりやすかった。

それよりも大きな違いを感じたのは、姿勢が低いと、スイングが横方向に振りやすいということである。姿勢が高いとどうしてもラケットが下から上に出がちである。もちろん横方向にも振れるのだが、低いボールの時は上下方向の動きが大きくなるので、身体が斜め方向へ動きがちである。一方姿勢が低いと自然とヒジが横に張り出し、スイングの上下方向の動きが小さくなり、左右方向の動きが大きくなり、より水平に近いスイングになる。

そして姿勢を低くするためには足を大きく開かなければならない。

開脚の大きさ+スイングの左右方向への動きの大きさ=体幹の回りやすさ

なのである。

今までは足の開き方が肩幅よりやや広いぐらいだったのだが、姿勢を低くするために足をガバッと開き、肩幅の倍ぐらい(たぶん)にしてみたところ、体幹がまわるまわる。

他にもメリットがあるのかもしれないが、私が低い姿勢を試してみて一番大きなメリットだと感じたのはこの体幹の回しやすさである。

【付記】
「回る」というのは「舞う」の自発の意味なのではないかと思って辞書で調べてみたところ、「まわる」と「まう」は同語源とのことである。「おどる」が上下運動を意味するのに対して「まう」は旋回運動を意味するのだという。「めまいがする」というのは「目がグルグルまわる」という意味である。
英一蝶

【追記】180818
今週の練習でフォア側・バック側をフォアハンドで大きく動くフットワークの練習をした。
ブロックで回してくれる人が、かなり広角にボールを送ってくれるので、ゆっくりしたボールでも間に合わないことが多かった。こんな大きく動き回る練習は最近あまりしていなかったのだが、自分のキャパを超えるフットワーク練習をすると、自然に姿勢が低くなることが分かった。低い姿勢でないと間に合わないのである。低い姿勢は大きなフットワークにも有効だと分かった。