WTC-2018

口上

このGWに世界卓球がスウェーデンで開かれている。現在予選リーグが進行中である。本戦は女子が5/2から、男子が5/3から6日まで。

今大会の日本男子チームの試合は予選からかなりアツい。卓球人ならもちろん、非卓球人にもこのおもしろさを是非知ってほしいと思い、私なりに観戦ガイドを書いてみようと思った。できるだけシンプルに書きたいのだが、つい情報が多くなってしまった。

前記事「卓球の見方、楽しみ方」で非卓球人の卓球についての疑問に答えてみたので、卓球をあまり知らない方はこちらもご参照いただきたい。



世界卓球とは
正式名称は世界卓球選手権。卓球の国際大会の中で最も権威のある大会。卓球選手の多くは世界卓球かオリンピックでメダルを取ることを目標にしている人が多い。

個人戦と団体戦が交互に毎年行われ、今大会は団体戦。ダブルの試合はなく、すべてシングルの試合。国同士の対戦はシングル(3ゲーム先取)の5試合が行われ、3試合を先取した国が勝利。団体戦は各試合、5名の選手の中から3名の選手が出場できる(2名はベンチ)。組み合わせは次のようになる。

A--X
B--Y
C--Z
A--Y
B--X

AB(あるいはXY)の2名の選手が2回出場し、C(あるいはZ)の選手が1回出場する。際立って強い選手が2人いれば、残りの選手が弱くてもチームは勝てる。しかし、際立って強い選手が1人と、かなり強い選手が1人か2人というチームが多い。



各国の強さ
日本は50~60年代にかけて団体優勝を数多くなしとげたが、80~90年代に低迷。メダルに届かなくなった。しかし00年代から現在に至るまで男女ともにメダルに手が届くようになってきた。前回のクァラ・ルンプールの大会では男女ともに銀メダル。

現在の各国の強さを私なりに示すと以下のようになる(あくまで主観)。

男子
(甲)中国


(乙)日本 ドイツ 韓国
(丙)イギリス フランス 香港 台湾 
(丁)ブラジル インド ポルトガル等

中国が圧倒的に強い。次のグループに日本がつけているが、中国以外の国々はそれほど実力差がないので、コンディション次第では(丙)(丁)のグループが(乙)のグループに勝つ下剋上も十分ありうる。しかし、中国と(乙)の間にはかなり差があり、偶然が何度も重なり、運がよくないと、中国には勝てない気がする。

女子
(甲)中国

(乙)日本
(丙)香港 台湾 北朝鮮 シンガポール 
(丁)韓国 ドイツ オーストリア オランダ等

中国が強いのはもちろんだが、日本も中国の背中に手が届くような位置にいる。が、(乙)(丙)間の差もあまりないので、日本が実力を出しきれない場合は(丙)のグループに負けることもありうる。
逆に日本選手がみな調子がよく、中国選手が極度の緊張や故障などで本来の実力が出せない場合、日本が中国に勝つこともありうるのではないか。

非常に権威のある大会なので、選手はいつも以上に緊張しており、ふだんの実力が出せないこともよくある。また、今大会の水谷選手のように故障を抱えている場合もあり、例年、格下が格上を倒すケースもあるのだが、中国選手に限って言えば、大きな大会では格下の選手にめったに負けない。リオ・オリンピックで水谷選手が中国選手を破ったのは、その稀な例外である(それでも日本は1-3で中国に敗北)。運や調子が悪くても、とりあえず勝てるぐらいの実力差が中国選手とそれ以外の国の選手との間にはある。


どうやって観るか
現地に行かず、試合を観る方法としては、テレビとネットがある。ただし、ネットでは日本選手のライブ中継は行われない(Paraviというサイトでネット中継をするらしいが、有料かもしれない)。試合の翌日に録画をyoutubeで観られるのみである。結果がわかった上で観戦するのはおもしろさ半減なので、ぜひテレビで観てほしい。

テレビ東京系列(あるいはBSジャパン) 放送スケジュール

ネット上の過去の試合動画 テレビ東京卓球チャンネル

ネットの動画は数分のダイジェスト版と20~50分ほどの完全版がある。テレビ東京の動画は専門家の解説があり、分かりやすいので、オススメである。

テレビ東京が世界卓球の放映権を買っていることに対して「テレビ東京のせいでネットで生中継が観られない」と批判的な人がいるが、私は「テレビ東京のおかげでGWにテレビで卓球が観られる」という立場である。人によって意見が異なる。


出場選手
各選手についての私の個人的な見立てなので、主観が多分に含まれているが、無味乾燥なデータよりは分かりやすいと思う。なお、現在の世界ランキングは、新システムに移行した直後で、実際の実力を反映していないため、あえて記さなかった。掲載順は私の現在の評価順である。

日本代表

男子
水谷隼  選手:
28歳。総合力では世界でもトップレベル。そうそう負けないが、今大会では腰を痛めているので本来の実力が発揮できないおそれも。

張本智和 選手:
14歳。ポテンシャルは世界有数。特にバックハンドの強さに定評がある。日本では強いが、経験不足のためか世界ではときどき負ける。

丹羽孝希 選手:
23歳。サーブと前陣での早いプレーが持ち味。調子に波があり(あるいは相性で試合が左右されがちで)、格下にあっけなく負けるときもあるが、調子(あるいは相性)が良いときは大物食いをする。

松平健太 選手:
27歳。芸能人はだしのイケメン。天才的なセンスを持つが、最近はこれといった結果を残せていない。

大島祐哉 選手:
24歳。イケメン+ポテンシャル。運動能力の高さで評価が高いが、現在プレースタイルを改革中で、最近はよく負けている。

女子
石川佳純 選手:
25歳。去年は「2000年トリオ」に押されていたが、今年はより強くなったように感じる。実力と安定感は世界でもトップレベル。今大会では中国選手に勝つ可能性が一番高そう。

伊藤美誠 選手:
18歳。意外性のあるプレーを持ち味とする現在の全日本選手権保持者。今大会でも調子がよさそう。スマッシュ(こすらないで叩くショット)が得意。

平野美宇 選手:
18歳。去年の前半に全日本優勝、中国トップを3人破ってのアジア大会優勝という快挙を成し遂げたが、去年の後半は低迷。今大会では調子がよさそう。前陣での高速連続ドライブ(こすって回転をかけるショット)が得意。

早田ひな 選手:
18歳。中国選手にも対抗できるパワフルなプレーが持ち味。実力的には伊藤、平野選手よりやや劣るが、今大会では両選手に劣らないような、いいプレーを見せてくれた。「2000年トリオ」の一人。

長崎美柚 選手:
15歳。次代を担うとされている有望な選手。実力的には上の4選手より劣るため、今大会ではおそらく出場の機会はないだろう。
































…しかし、女子日本代表の顔面偏差値の高さが気になる。

busu05
ダヴィンチ・ニュース「朝起きたらブスだった」より