用具の評価
2年ぐらい前までは私はインナーカーボンのラケットを使っていた。そのころはラケットになんの不満も感じていなかったのだが、あるとき、特殊素材なしの7枚合板を使ってみて、その、すがすがしい?抜けるような打球感に惹かれ、ずっと7枚合板を使っている。先日、久しぶりにインナーカーボンのラケットを使ってみたところ、その硬い打球感にびっくりした。

「インナーカーボンってこんなに硬かったっけ?」

昔使っていたころは硬いなどと感じたことはなかったのだが、今では堪えられないほど硬く感じる。すぐもとの7枚合板に戻した。

私は用具音痴(前記事「ヤサカの新作ラバー ライガン」)なので、一般的な人より感じ方が極端なのかもしれないが、多かれ少なかれこのようなことは多くの人が経験していることではないだろうか。

たとえばふつうの人がキョウヒョウなどの中国ラバーを打ってみると、「硬すぎる」と感じるだろうが、子供のころから中国ラバーを使っている人が、一般的なテンションラバーを打ってみると、硬めのテナジー05やファスタークG1でも「柔らかい」と感じるのではないだろうか。逆に柔らかいヴェガ・ヨーロッパとか、ラクザ7ソフトなどを使っている人が05やG1を使ったら「硬い」と感じることだろう。ラケットでも、私とは逆にアウターカーボンのラケットを使っている人がインナーカーボンのラケットを打つと、「柔らかい」と感じるに違いない。

ということは、世間一般に「硬い/柔らかい」「弾む/弾まない」「球持ちが いい/悪い」などと言われている用具は、その人が普段使っている用具が何かが分からなければ、人によって正反対の評価になってしまうということである。数多くの用具を使った経験のある人なら、ある程度妥当な評価ができるのだろうが、用具に詳しくない人の評価は当てにならない。

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用具と慣れ
「住めば都」という言葉があるが、用具の違いの多くの部分は「慣れ」によって解消できるような気がする。初めてインナーカーボンのラケットを打った時の感想は、「球持ちがいい」だった。それまで使っていた5枚合板と比べてそれほど違和感なく移行できた気がする。そしてしばらく使っていると、どのタイミングで力を入れればいいボールが打てるかというのがだんだん分かってきた。言葉では説明しにくいが、ラケットがボールを受けてミクロレベルで少しへこみ、それが復元してボールを弾き飛ばすような感覚が感じられるようになってきたのだと思う。5枚合板でも同様にラケットが衝撃を吸収して、弾き返すようなプロセスがあるが、インナーカーボンとはそのタイミングが微妙に違う。そういう微妙なタイミングを体で覚えると、用具を替えた時の違和感がなくなり、たいていの用具がしっくりくるようになると思う。用具を替えて、2~3回練習して「合わない」と投げ出すのは早計で、用具のクセのようなものを感じ取れるまでにならなければその用具の良さは分からない。数か月使い続ければ、たいていの用具は良き相棒になってくれると思う。

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女性向けラケット
卓球王国のウェブサイトを見ていたら、スティガの「アゼリア」というラケットが目に留まった。

アゼリア

女性をターゲットにしたラケットということである。きっとグリップが細くて、軽いラケットなのだろう。女性向けのラケットは、ニッタクが「ミグノン」とか「フェミニスト」とかを出していたが、他メーカーの用具ではあまり記憶にない。バタフライの劉詩文や福原愛PROは女性をターゲットにしているのかもしれないが、高いし、あまりかわいくない。それに比べてアゼリアはピンクの色遣いがとてもかわいい。
前記事「女性の視点が…」でラケットの相談をしてきた女子中学生が、「友達がラケットを替えたがっている」とまた相談にきた。その友達がどんな用具を使っているか聞いてみたところ、分からないということだった。どんなタイプのラケットが好きなのか、どんなプレースタイルなのかも聞いてみたのだが、女子部員はみんな自分のラケット名前すら知らないので答えられない。

「プレースタイルは知ってるでしょ?」
「う~ん。ふつうかなぁ…」

カットマンや異質ではないらしい。たぶん「住めば都」で、与えられたものにあまり不満を感じないで使える子なのだろう。よく分からないが、このアゼリアなんかよさそうだ。6月まで待てて、かつ安かったら勧めてみよう。ちなみにアゼリアはツツジという意味だそうだ。