先日、若い人と一緒に木屋町(京都の飲み屋街)のパブに行った。
私は飲みに行くというと、居酒屋で飲み放題、コース料理付き3000~4000円が一般的なのだが、今回は若い人の希望もあってパブに行ったのだった。昔、ロンドンに行ったとき、せっかくだからとパブに行って本場の雰囲気を味わったことがあるのだが、木屋町のパブもロンドンと同じような感じだった。

まず、入ってすぐのカウンターでドリンクを注文する。
ビールやらカクテルやらを1杯500円ぐらいで注文する。高い。私は一番コスパが高そうな瓶ビール(中)600円を注文した。すぐにキリンの一番搾りの中瓶が渡された。

「え?瓶。コップは…?」

どうやら瓶のままラッパ飲みをするのがここのスタイルらしい。カウンターの前にサインがあって、こう書いてある。

「せめて1ドリンク注文してください(泣)」

どういうことだ。注文しない人が多いということだろうか。

そこから大音量の音楽が流れるフロアに入って、若い連れとおしゃべりに興じる。

「今日はDJが休みですね。」

DJというと、あれか。レコードをキュキュキュっとやる人だな。

「今はレコードは使いませんよ。パソコンと専用のコントローラーですよ。」

DDJ-RB

しばらくして、ビールを飲み干したが、別に店員が注文を聞きに来るわけでもない(当たり前か?)。連れの若い人たちも一向に追加注文する様子はない。そういうことか。つまり、この店は初めに500~600円ぐらい払えば、そのままいくらでも店にいてもいいというしくみなのだ。朝の5時までやっているというから、へたをすると(?)、500円で10時間ぐらいい続けることもできるわけだ。安い!居酒屋なら2時間ぐらいで3000~4000円かかるが、ここなら一晩わずか500円!

そのうち連れがキャーという歓声を上げる。知り合いに偶然会ったらしいのだ。ハグしながら近況を報告し合っている。

その知り合いが奥の席に去った後、尋ねてみた。

「どういう知り合い?」
「このパブで知り合った人です。」
「知らない人に話しかけられたの?」
「ここで知らない人と友達になるのは普通のことですよ。遅い時間になると、歌ったり踊ったりしている人とかもいて、みんな気分が高揚してくるので、誰とでも友達になれるんです。知らない人に私はよくおごってもらいます。」

「しろのさんは、どうしてこういう店で飲まないんですか?」
「私はオジサンだし、お酒が飲みたければ、スーパーで買って、うちで飲んだほうが安いし…」
「さびしくないですか?私はほぼ毎晩ここに来るので、店の客に知り合いが多いです。」

なんと!パブというのはそういう出会いの場でもあったのか。店員さんはときどき飲み終わったグラスを片付けに来るが、「注文しないなら帰れ」というプレッシャーはない。誰もが注文しないでたむろっているのが当然という雰囲気である。そういえばカウンターに「せめて1ドリンク…」と書いてあったのは、注文もしないで毎日来て、なじみの客同士で騒いでいる人が多いということか。

500~600円で毎晩なじみの店に行って、知らない人とおしゃべりに興じるというのがここに来る若い人たちのライフスタイルらしい。これで店内に卓球台なんかがあったらなぁ。あぁ、そういう店が卓球バーか。卓球バーというと、一晩で4000~5000円ぐらいかかりそうで、頻繁に訪れるという気にはならないが、たとえばドリンクを注文して1500円ぐらいで何時間もいられて、知らない人と打つことができるなら、私も毎週訪れるかもしれない。

閑話休題

それはそうと、卓球がなかなかできない憂さを晴らすべく、卓球動画を観ていたら、おもしろい動画を見つけた。



「切り返しのポイントは?羽田コーチのレッスンを受けてみた」

自称「初心者」のピンクレモネードさんがLili 卓球教室でコーチの個人レッスンを受けるという動画である。ピさんは卓球歴4~5年の30代の男性ということだが、初心者という割にはフォームがしっかりしている。基本的なフォア、バックは部活経験者と変わらない感じである。

pink FD

ピ「ドライブ、何割ぐらいの力で打ってる?」
コーチ「5割ぐらい…続けるのであれば、5割ぐらい」
ピ「そうかぁ。」

きれいなフォームでワンコースのドライブを続けるピさん。ピさんは卓球経験は少ないものの、運動は得意な人のようである。しかし、フォア半面でボールを散らされると、なかなか続かず、ミスしてしまう。

pink miss
「あ~!脚が動かない!」
「ミドルが弱すぎる!」
「独り言多すぎ!」

それに羽田コーチはすかさずツッコむ。
自己解決

「(全部)自己解決するから、アドバイスする言葉がない(笑)」

ピさんは運動だけでなく、頭もいい人のようだ。こういう個人レッスンのときに何も言わず黙ってコーチの言うことに耳を傾けている人というのは、教える側にしたらやりにくい。何がうまくできないのか分からないからである。その点、ピさんは自分のうまくできないことをすぐに言葉にしてくれるので、分かりやすく、羽田コーチもつい笑顔がこぼれてしまう。いい雰囲気を作るのがうまい。ピさんはとても社交的な人のようである。

そして羽田コーチも、卓球がうまいのはもちろんだが、いつも笑顔で適度に話しかけてくれる。この人も人間関係を作るのがうまい。たとえ卓球以外の仕事に就いたとしても出世するタイプだ。

次に切り替え、バックハンドの練習と続くが、楽しそうである。ピさんは今、どんどん上達しているので、卓球が楽しくてたまらないのだろう。そういうオーラが出ている。羽田コーチの個人レッスンがどんな感じなのか、よく分かる動画だった。私もこんなレッスンを受けてみたい。が、1時間で5500円か…。いつか金持ちになったときに申し込むことにしよう。


次に同じLili の動画でバックブロックの動画も観た。
ブロック中級



村田コーチと櫻井コーチが止めるブロック、押すブロック、カウンターと丁寧に説明してくれる。時間は長いが、その分詳しく実演してくれている。

ブロックの基本図

ブロックが苦手な人に多いのが、上の図の(A)で、ラケットの真ん中のあたりにボールを当て、前や上に押してボールをすっとばしてしまう人。安定したブロックのためには、(B)のように上からかぶせるというか、引っ掛けるように斜め下に押さなければならない。【追記】同スタジオのフォアブロック動画では「自分から振らず、バウンド直後でボールの勢いを利用する」「ボールの上をとらず、後ろをとる」ことを強調している。私の「かぶせる」という説明は誤解を招くかもしれない。ブレードの角度はかなり立て気味で、フォア打ちと同じぐらいの角度である。

楽しいブロック

こういう上からかぶせるブロックは、ラケットを縦に使えるシェークが羨ましい。ペンではどうしてもラケットを横にしなければならず、安定性がシェークに比べて落ちる。

村田コーチがペンのブロックも実演してくれているので、非常に参考になる。
裏面ブロック

時間が長いだけにこの動画を観ただけで個人レッスンを受けたような充実感がある。

神楽坂Lili卓球スタジオの動画を観て、他の動画とちょっと違うなと感じることがある。みんな楽しそうに生き生きしていることである。

ふつうの卓球教室なら、年配の代表がいて、若いコーチは礼儀正しく、優等生的にふるまっているが、Lili卓球スタジオでは代表の村田コーチが30代。若い。教室の雰囲気が非常に自由で明るい感じである。そしてコーチ陣がみんな(といっても登場する3名)社交的でフレンドリーな感じである(会ったことがないので想像だが)

いや、ウェブサイトをよく見ると、ここは卓球教室というより、昼は卓球カフェ、夜は卓球バーらしい。なるほど、道理でみんな社交的なわけだ。コーヒー450円、ビールが500円。台貸しが1時間2000円か。2人で台を借りて、ビールを1杯注文したら、1500円ということになる。もし、私が訪れた木屋町のパブのような雰囲気で、3時間でも4時間でもい続けられるというなら、非常にお得だが、神楽坂というのはシャレたレストランがあって、デートとかに使われる街らしいから、テナント料も高いだろうし、私の期待するパブのような雰囲気とは違うんだろうな。

Lili卓球スタジオは今までの卓球教室とはずいぶん違った雰囲気である。卓球が暗い、ダサいと言われていた時代を過去のものにしてしまいそうな明るさがある。若いってすばらしい!