前記事「ボールが落ちるのはラバーのせい?」でドライブを打つときにボールが落ちるのは打つ瞬間に足元を安定させていないからではないかと、ぼんやりと感じていたことを独り言のように書いてみた。

いつもと違って肩の力を抜き、結論もあいまいなまま書いてみたのだが、このトピックが多くの人にとって関心があるからなのか、その中途半端な書きぶりが読者を刺激したのか、いろいろコメントをいただき、たいへん参考になった。私が独りよがりに下手な論理を一方的に振り回すよりも、今回のような問題提起のような記事のほうが実りの多い議論になるのかもしれない。

そのコメントの中に、深く考えさせられるものがあり、これは読者に伝えなければと思い、勝手に紹介させていただく。

その具眼の士の名はMr.Smith氏。おそらく長年真剣に指導に携わっている方だと思われる。
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イメージです
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Mr.Smith
以前コメント投稿させていただいた者です。 以前のコメントにも書きましたが、教える側、教わる側でそもそも持ち合わせている「感覚」に違いがあるというのが、私の持論でして、 「突っ張る」という感覚、「踏ん張らない」の感覚というのが、私たちの持っている(考えている)度合いと、卓球Youtuberたちの度合いが違うのではないかと思うのです。 例えば、全ての感覚の「力み具合」を10段階に区分したとき、 私たちの「踏ん張らない」感覚は、0とか1のフラフラしてる状態を思い浮かべるかもしれませんが、Xiaさんからしたら「10ほどは踏ん張らない。」という意味合いで、本人の感覚では3とか4は力を入れているかもしれません。 「突っ張る」という感覚も、教えてくれた方の感覚では5の具合のつもりだったけど、受け取り側が10も突っ張っていれば、教える側からしたら「それは突っ張りすぎだよ(笑)」となると思うのです。 「~する」「~しない」という抽象的な言葉を、1か0だけで判断してしまうのは、とても危ないことなのかなと。

 少し話が逸れますが、人間の身体というのは、とある一部分が力むだけでも他のところも影響を受けてしまう性質があります。 下半身をがっつりと力ませたら、ゆっくり腕を上げようとしてもスムーズにいかない…など。 下半身を突っ張ることで、そこで生まれた力が「上半身→ラケット」と上手く伝われば、良いボールが打てるかもしれませんが、 下半身の突っ張り具合が強すぎると今度は腕の動きがぎこちなくなるために、下半身の力が全く伝わらないことが起きているかもしれません。 逆に、突っ張らなすぎたら「下半身の力」そのものが生まれないかもしれませんし。 そのバランス感覚というのも、技術を実行するために必要なものだと私は考えます。 しろのさんの「突っ張る」というのがどの程度のものなのか?Xiaさんの「踏み込まない」というのはどのくらいの加減なのか?というのを見直してみると、新しい発見が生まれるかもしれません。 古武術学んで感じることは、「何をするにも、1 or 0では無いな!」ということです。小数点以下の感覚があって、動作は成り立ってるんだなと感じるようになりました。(出来ているかは定かではありませんが…)



【以前のコメント】(前記事「安定性とボールの質」)
(前略)私たちのような輩には、シェークハンズの平岡さんのように「肩甲骨使ってスイングしましょう」というアプローチ方法が最適であり、バックハンドを振るための本質として肩甲骨を使う感覚を養うことが正しいと私は思っていますが、
超人さんたちは肩甲骨を使っている意識がないために、ラケットの角度だったり、スイングの軌道だったりと、肩甲骨とかけ離れた説明をします。卓球レポートでは「肘から先を支点に…」という説明もありました。
(肩甲骨で引っ張った後に、腕のしなりで打球するという意味合いでは間違いないのですが。。。)

このように、凡人と超人で「身体操作の感覚」に隔たりがあるために、超人の説明の通りやれば上手くなれるわけではないんだなぁと思いました。(後略)


言葉だけによる指導、あるいは技術解説は誤解を生みやすい。
私が「足を突っ張って」という言葉でイメージしたのは、一瞬だけグッと、たぶん2~3割の力で踏ん張ることだったのだが、7~8割の力で踏ん張ると理解した読者もいることだろう。しかし、言葉で簡単に説明すると、「する」か「しない」かだけになってしまう。
この事実は多くの指導者にとっての戒めになるのではないだろうか。

また、身体各部は有機的につながっており、どこかに力を入れると、他の部分も影響を受けるという指摘も示唆に富むものだった。それは卑近な例で言えば、初中級者が腕に力を入れすぎることによって、他の部分の動きが妨げられてしまうといった事実に如実に現れている。力を入れること自体は悪いことではないと思うが、その力を下半身から上半身に伝えず、初めから終わりまでずっと腕だけに力が入ったままというのが問題になるのだと思う。

気の利いた指導者なら、レベルの低い私のブログなど、まず読まないだろう。Mr.Smith 氏のようなレベルの高い指導者が拙ブログを読んでくださるというのは非常にありがたいことなのである。これまで何度も書いているが、読者はこのブログに書いてあることよりも、むしろコメント欄の鋭い指摘のほうに注目してほしいと思う。