最近、卓球を取り上げた番組をいくつか見たので、感想などを書いてみたい。

お正月の番組、「消えた天才」で卓球選手の宇土弘恵氏と坂本竜介氏が取り上げられていて、興味深く視聴した。


宇土弘恵氏はなんともおおらかで愛嬌のある人のようだ(仕事の時は別の顔かもしれないが)。今は半ば忘れらてしまった彼女だが、現在の人生を存分に楽しんでいるのがよく分かる。選手としては一区切りついたが、彼女の選んだ道はもしかしたら正解だったのかもしれない。宇土氏の人生に幸あれ。

それから坂本竜介氏の現在の活動に驚いた。卓球教室を経営しているのは知っていたが、なんとイベントディレクターという仕事をしているのだという。

卓球イベントディレクター

そういえば、最近、イオン・モールで有名選手による卓球イベントがよく行われているが、あれは坂本氏の手に成るものだったのか。テレビで卓球のプレーが放送されることが増えたとはいえ、やはり生で見るプレーには遠く及ばない。ショッピングモールで無料で一流のプレーを見ることが卓球普及にどれだけ貢献するかは言を俟たない。モール側としても、安価?で満足度の高いイベントが開けるなら、ありがたいはずだ。ちょっと客寄せにイベントを開きたい企業あって、その会社の人が坂本氏に依頼すれば、坂本氏の顔でいろいろな有名選手が集まってくる。坂本氏の能力をいかんなく発揮できる天職ではないだろうか。こんな仕事があったとは。坂本氏のさらなる活躍に期待したい。

この番組はバラエティー番組らしい脚色もあったが、取り上げた人物と、まとめ方がうまかった。


NHKの「TOKYO アスリート」という番組で伊藤美誠選手が取り上げられていた。
伊藤選手は才気あふれるユニークなプレーで国際大会でも活躍していたが、活躍するにつれて研究され、背の低い伊藤選手は広角に振られると弱いという弱点を見つけられてしまう。そこを攻められ、2017年の戦績は思わしいものではなかった。そこで身長のハンデをフットワークで補うために伊藤選手は科学的なトレーニングによって下半身の強化をするという内容である。

その中で印象に残ったセリフがある。

「しんどい。きついけど楽しい。楽しくないと強くなれない。楽しいのが一番最初。…結局楽しいってなれたら勝手に強くなれるから。」

まさにその通りである。楽しくないことを無理してやって、それでも楽しくならなかったら、上手になれるわけがない。勉強だって、仕事だってそうである。楽しいと感じている間は、本当に「勝手に」上手になる。逆に楽しくないと感じるようになったら、いくらがんばっても、成長しない。あぁ、まったくその通りだなぁ(自分のこれまでを振り返って)


テレビ番組ではないが、「卓球王国WEB」の「伝説のプレーヤーたち 高橋浩」が最高におもしろかった。当時の世界チャンピオン荘則棟に勝った人ということだけは知っていたのだが、その人生のなんと波乱に満ちていたことか。

荻村伊智朗の理想主義から学び、氏の理想主義を超えて、日本卓球界の趨勢に抗った高橋氏の独特の思想などがドラマチックに綴られている。未読の方にはぜひ読んでいただきたい。