ヨーラの新製品のTシャツ「コンペティション」。

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国内メーカーにはない、シャレた味わいのあるTシャツで、欲しくなってしまった。国際卓球で3000円強なので、安い店なら3000円弱ぐらいで売っている。

それほど高くはない。が、買うわけにはいかない。

うちのタンスはまだ未開封のユニフォームやらTシャツやらでいっぱいなのである。
なぜこんなにシャツが多いかというと、最近の卓球用具の価格破壊で特価品を買いすぎたことが原因である。

新作ユニフォームの定価は6~8000円ほど。しかし、2~3割引きが普通なので、5000~7000円ぐらいになる。高い。こういうユニフォームをどんな人が買うのだろうか。

ユニクロをはじめとする庶民ブランドの洗練度が上がった今、衣服の低価格化が進んでいる。昔は高級ブランドの5000円ぐらいのTシャツを高くないと感じていた人も、今は「Tシャツに5000円はちょっと…。ユニクロでもいいかな」となるのではないだろうか。

私が田舎の中学生だった頃はよく行ったショップの値引きも1割ほどで、デザインも単色が基本の素朴なものがほとんどだった。せいぜい色で個性を出すしかないという時代だった。

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80年前後のユニフォームはこんな感じが多かった。

そういう時代にユニフォームが4000円弱といっても、高いとは感じなかった。試合という晴れの舞台には卓球専門メーカーのシャツこそふさわしいと思っていた。卓球用のユニフォームなのだから、そのへんのスーパーで売っているTシャツとはちがって、生地も厚く、しっかりした作りだった。

だが、現代はどうだ。型落ちのユニフォームなら、ネットショップで2000円以下でいくらでも売っている。デザイン的に時代遅れという感じでもない。メルカリなどの中古品なら卓球のユニフォームは送料込みで1枚1000円強が相場である。

6000円の新作ユニフォームか、型落ちの2000円以下の新品か(または1000円の古着か)。

よほどそのデザインが気に入っているか、裕福な人でなければ、「型落ちでいいか」となるのではないだろうか。新作だからといってデザイン的に洗練されているというわけではないのである。
スピネードシャツ

ニッタクの新作。
このデザインはヤケクソになって作ったとしか思えない。


こういうわけで我が家のタンスには新品や中古の数多くのシャツが眠っているのである。

おそらく6000円ほどの新作ユニフォームを買う人は、部活などで強制的に買わされる場合が多いのではないだろうか。そういう人が部活を卒業したときに、ほとんど着ていない、状態のいいユニフォームを中古品として処分するので、安価な中古品が市場に数多く出回ることになる。それが新品のシャツの値段を押し下げることになり、新作ユニフォームはますます売れなくなってくる。メーカーにとってさらに都合の悪いことに、シャツは頻繁に着なければ、20年ぐらいは平気でもってしまうことだ。

シャツだけの話ではない。ラケットなども定価は高くなっているが、実売価格はむしろ安くなっているように感じる(最近は特売でラバーが2000円以下も珍しくない)。3割、4割引は当たり前になってきたし、中古品もたくさんある。私は経済には疎いが、こういう状態が続くと、メーカーの経営状態が心配になってくる。今は卓球ブームでメーカーの業績もいいと聞くが、このブームが去ったとき、卓球メーカーの経営は大丈夫だろうか。質のいい中古品が市場にあふれているのだから、新品を買おうという人は減ってこないだろうか。

いいものが高い値段で売られ、消費者がそれを大事に使うという風潮が失われると、時間をかけた丁寧なモノ作りが駆逐され、質より量の、雑な商品ばかりが氾濫するということにならないだろうか(出版業界のように)

私の杞憂ならいいのだが。