ニッタクの新製品「テナリーアコースティックカーボンインナー」(名前が長い…)が11月に発売されると知った。
未発売なので、もちろん使ったことはない。レビュー記事でないことを予めお断りしておく。


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久々のテナリーシリーズの新作が出たことは喜ばしいが、値段は残念である。
テナリーアコースティックが国際卓球で12,960円(税込)。アコースティックカーボンが 17,280円(税込)ということで、約5000円の値上げということになる。FEカーボンというのが2枚挟まっているのがこの値段の根拠らしい。カーボンが入っていなくてもいいから、このグリップの色でふつうのテナリーアコースティックがほしい。

最近、カーボンを入れたバージョンで価格が3割増とか、そういうラケットが目立つ。
アコースティックカーボンはモロその例だし、SKカーボンとか、セプティアーカーボンとか、佳純スペシャルとかバイオリンカーボンとか…なんだかニッタク製品が多いなぁ。ヤサカもギャラクシャとかデュラングルで同じ売り方をしている。海外のメーカーではこういう商法はそれほど多くないようだ。
SK7とかセプティアとか、木材で評判のよかったラケットにカーボンを挟んで、お値段2~3割増。佳純スペシャルとかラティカカーボンに至ってはお値段10割増以上である。

おそらくそれだけの価値があるのだろうが、邪推すれば、既存の特殊素材を入れるというのが単に価格を上げるためのお手軽な手段となっているようにも見える。

ラケットの値段を上げれば儲かるので、メーカーとしてはなんとしてもラケットの価格を上げたいところだろう。しかし私は特殊素材が苦手なので、できれば他の方法で値段を上げてもらいたいものである。

ラケットの価値はどのように上げることができるのか。新たな特殊素材を開発するというのは時間もお金もかかるだろうから、もっと簡単に価値を創造できないものだろうか。

伝統的なのは「有名選手の名前を冠する」である。ヤサカのガシアンエキストラに少し変更を加えて馬林選手の名前を冠した「馬林エキストラオフェンシブ」(通称マリエキ)が大ヒットしたことは記憶に新しい。

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選手本人が愛用し続けていればなおよい。

他には、限定品である。
吉村真晴選手の限定ラケット「吉村真晴LIMITED EDITION」
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試作品のようでグリップはあまりかっこよくないが、 国際卓球で26,244円(税込)という値段にもかかわらず、早くも品切れとなっている。

カーボンを入れるよりも、こういう「今しか手に入らない」+「出回っている数が少ない」という限定品にしたら、ラケットの価格が高くなっても納得である。

「品質にこだわる」というのもいいかもしれない。
アンドロの「和の極み」が売れたのは目利きの家具職人が選んだ品質の高い木材を使用したという価値があったからだと思われる。ドイツのメーカーなのに日本製というのも好印象だったのだろう。

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「和の極み」にはもう一つの特徴がある。他業種とのコラボレーションという特徴である。
この価値は、ユニクロのTシャツなどで知られているが、卓球ラケットではまだ未開拓である。卓球メーカーも「○○大学の研究室と共同で人間工学に基づいた…」とか、「グリップデザインは文具メーカーの○○が担当」とか、そんなことをやったら話題を呼ぶかもしれない。

専用ラケットケースとのセット販売でというのもいいかもしれない。

mizutani special

車だったら、セドリックとグロリア、マーク2とチェイサーとクレスタ、レビンとトレノのように基本は同じで外見が違う兄弟車のようなものがあったが、ラケットでもSK7と吉田海偉のような兄弟ラケットがあったらどうだろうか。付加価値は生み出せないかもしれないが、1本買って気に入ったら、もう1本兄弟ラケットのほうも欲しくなるのではないだろうか。同じフレアグリップでも、5種類ぐらい異なるグリップデザイン(色や模様の違い)を用意したら、コンプリートしようとする人も少なくないだろうから、メーカーにとってはおいしいと思われる。

以上、ラケットの付加価値を生み出す方法について考えてみた。