卓球のプロリーグの話が進展しているらしい。
「誰が「新リーグ構想」にけちをつけ、誰が遅らせたのか」

『卓球王国』のウェブサイトによると、要点は以下のようになるらしい。

・新リーグは18年秋開幕を目標
・来年春に統括する法人を設立
・地域密着型のクラブチームで構成する
・男女とも1部リーグは6から8チームで構成
・将来的には下部リーグも順次整備し、ピラミッド型の組織を作る

日本にプロリーグが生まれるというのは喜ばしい話だが、現実的にどうなのだろうか。

今野氏は「このプロジェクトは「今しかできない」ことだし、「何年、検討したら気が済むんだ。もう十分でしょ」と関係者には言いたい。」と述べているが、たしかにスタートするなら、今が最適かもしれない。

が、ほとんど客が集まらないまま、自然消滅――なかったことにしましょうということにはならないだろうか。心配である。

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先日、日本リーグの大阪大会があった。

卓球のプロリーグができるとしたら、このようなレベルの試合が行われるのだろうか。会場の大阪市中央体育館は京都からなら1時間程度で行ける場所である。行こうと思えば行けたのだが、仕事の疲れなどが溜まっていて、気が進まず、結局行かなかった。

日本のトップ選手を中心とした世界トップレベルの卓球リーグは相当な技術レベルになるに違いない。しかし、それだけでは客へのアピールとしては弱いかもしれない。少なくとも私は各県のトップレベルの技術を目の前で観られればそれだけで大満足である。京都府のトップレベルの試合でも、十分すごすぎて、どこがすごいかよく分からないぐらいである。世界レベルのプレーにも興味はあるが、疲れを押して大阪までいくほどの興味はない。

インターネットで時間を問わず、居ながらにしてプレーを観られるにもかかわらず、わざわざ会場まで足を運んで時間とお金をつかってプレーを観ようという人はどのような心理なのだろうか。

今日のニュースでJリーグのセレッソ大阪が2部から1部に昇格を決めた試合というのをテレビでやっていた。

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雨にもかかわらず、あれだけの人を集めるというのはすごいと思う。

観客を見ると、おそらくサッカーの経験などほとんどないだろう若い女性も珍しくない。
どうやら観客の多くはレベルの高い技術を観に来ているわけではないらしい。もし高い技術を観るだけが目的なら、J2の試合ではなく、J1の試合を観に行くはずである。

写真の横断幕
「もがきながらもつかんだ昇格 今日が最後のJ2や 苦しんだ経験を…」
から推測するに、この会場に足を運んだ人の多くはセレッソ大阪の昇格に自分の人生の一部を重ねているような人かと思われる。

上の卓球王国の要点に「地域密着型のクラブチームで構成する」とあったのは、おそらくこのセレッソ大阪のような流れを卓球プロリーグでも作りたいということだろう。しかし、これだけの人を惹きつけるというのはどうすればいいのだろうか。

「地域密着型」と、言うのは簡単だが、具体的にどうすれば地域の人の心をとらえることができるのだろうか。

京都に京都フローラという女子プロ野球チームがある(らしい)。バス停や地下鉄のつり革広告に「京都フローラを応援に行こう」とか書いてあるのをときどき目にするが、私は彼女たちがどこで練習をしているか、どんな活躍をしているか、申し訳ないが興味がない。単に地域に練習拠点をつくったぐらいでは地域の人の心はつかめないだろう(野球に興味のある人の心はつかめているのかもしれないが)。一方、メジャー化したJリーグのサッカーや男子のプロ野球というのは、自分はプレー経験がなくても、「今日は阪神、勝ったかな?」などとニュースなどで確認してしまうものである。

女子プロ野球
この試合は公称観客動員数1600人ということだが、空席が目立つ。

上述の卓球王国のニュースには次のように書かれている。

スウェーデンの名門「ファルケンベリ」や、ドイツの強豪「オクセンハオゼン」のように、人口数千人規模の町でも立派なクラブを作ることができる。まさに「おらがチーム」を作ることができる。

人口数千人規模の村でクラブを作るというのはどうやったら可能なのだろうか。

私なりに湯船に浸かりながら、卓球プロリーグがどうすればうまくいくかじっくり考えてみた。もちろん、この程度のことは、設立委員会の方々もすでに考えてらっしゃることと思うが。
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・地域の中学・高校、社会人クラブや卓球教室を回り、講習会を開く。
つまり、ぐっちぃ氏のやっていることである。ジャパンオープンなどの客層をみると、中高生や高齢者がメインのターゲットなので、そこにアピールする。

・というか、プロリーグ試合会場で選手と1ゲームマッチができる特典を与える
卓球は観るスポーツというより、やるスポーツである。もし、世界レベルの選手に相手をしてもらえるなら1ゲームだけでもいい思い出になるに違いない。といっても、まず、トップ選手のサービスとなると、ほとんどとれないだろうから、サーブ権はずっと挑戦者側という変則ルールである。午前中はプロの試合、午後は参加者のトーナメントでベスト16ぐらいまでは挑戦権があるとしたら、かなり盛り上がるのではないだろうか。別にプロに挑戦できなかったとしても、いろいろな人と対戦できるだけで満足という人も多いだろう。

・練習場を参観可能とする
手続きをすれば、誰でも練習を見学できるようにする。

・前座としてアマチュアの試合を行う
地域の中高生の大会等の後にプロの試合があれば、ついでに人が呼べるのではないだろうか。京都市の高校生の地区予選は1日で終わらず、2日に分けて行っているようである。私が初日に訪れた時は、午前中ですべての試合が終わっていた。その、午後の空いた時間にプロチームの試合があったら、より多く人が呼べるかもしれない。

・中国・韓国のリーグとの交流試合をする
サッカーにふだん関心のない人も、国外のチームと対戦するとなると、興味を持つものである。中国のリーグとの交流試合があれば、興味を持つ人も多いだろう。

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地域密着とは関係ないが、魅せ方の工夫も必要だと思われる。

先日、なんとはなしに大学の学園祭で行われたプロレスをみたのだが、80年代のプロレスとはずいぶん様変わりしていたように思った。今のプロレスは技術やテクニックというより、実況のおもしろさを楽しむもののように感じた。



卓球のプロリーグも、黙々とレベルの高い対戦が続くよりも、近藤氏や宮崎氏のような名解説者と、弁の立つ実況者との掛け合いが楽しめるようなそんな試合にしてほしいと思う。卓球人だけを惹きつけるイベントではJリーグのような盛り上がりは望めない。どうしても非卓球人にも会場に足を運んでもらわなければならない。そのためには質の高い解説と実況が必要である(前記事「あの人は卓球を知らない」「本人による解説」)。

だらだらとまとまりのないことを書き連ねてしまったが、疲れたので、この辺で終わりとしたい。