読者のぴーろんさんからヤサカの卓球マシン「Y-M-40α」のレビューをご投稿いただいた。
ぴーろんさんは以前「アイポン・プロ」の詳細なレビューもご投稿いただいている。

このアイポン・プロは十分に役目を果たし、使用不能となったため、このたび、新たにY-M-40αを購入なさって、その2時間×3回の使用感を送っていただいたわけである。




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ヤサカのサイト
によると、以下のスペックである。ダブルローラーで収集ネット付きで実売5万前後である。私にとっては大きな買い物だが、このスペックを考えれば、リーズナブルである。家庭に卓球台がある方や、基本的な技術を習得中の方には特に有益だと思われる。

  • ●サイズ:31×31×39(cm)

●本体重量:3kg
●ダブルローラー搭載
●固定モード(1コースに固定)
●切替モード(フォア・バック切替)
●3 コースへのランダム送球機能
●5 段階ずつ上下回転量
●8 段階のピッチ調整
●ボール収集ネット

卓球王国の動画でも紹介されていた。


しかし、この動画で使われているのは前モデルのY-M-40では?

『卓球王国』で渡辺貴史氏の「マシン練習法のトリセツ」という連載が現在、連載中であり、卓球マシンを使った練習に注目が集まっている。また、値段もこなれてきており、今まで公共物というイメージの強かった卓球マシンが個人の手の届くものになりつつある。

以下、ぴーろんさんのレビューである。

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アイポン・プロの顛末は「【寄稿】アイポン・プロ レビュー」に掲載していただいておりますので割愛させていただきます。

 

卓球マシンの価格、性能、予算などを比較検討した結果、ヤサカの「Y-M-40α」をジャスポにて約5万円で購入しました。購入の目的は自分一人での練習がメインです。3回使用した感想や気が付いた点を紹介します。

アイポンとの比較が多くなりますが、私はアイポンしか使ったことがありませんし、ターゲットとされる購入者の重なりも大きいかと思い、適宜比較してみました。



◎購入に至った動機

他の同価格帯のマシンと比べると横回転が出せない、価格が高い、ふり幅が一定などのマイナス面がありましたが、設置が簡単という集球ネットが付属していることや本機を使用した練習動画があったことで、より理解が深まったこともあり、本機Y-M-40αの購入を決定しました。アイポンと同じくツーローラーだからできるはず、との思い込みがあったため、ナックルが出せないのは使用してみてわかりました。


 

◎できること、できないこと

1)上回転、下回転それぞれ1から5段階の強弱が\選択可能(作動中でも変更可能)。横回転はできません。
 

2)ナックルはできないようです(アイポンは上、下回転は独立して無段階で設定可能でしたが、本機は上下回転同時設定はできないようです)。
 

3)フォア(F)、ミドル(M)、バック(B)のどこか1コース固定で送球可能(作動中でも変更可能)。
 

4FBに一本ずつ送球可能(FBへ二本ずつや、FMBMFはできない。FBの一種類だけ)。送球ピッチに連動して首振りも行います。
 

5FMB3コースにランダム送球可能(アイポンは首ふりの速さと送球ピッチによりランダム送球となりますが、本機は3コースに固定してランダムとなります)。送球ピッチに連動して首振りも行います。
 

6)サービス(相手コートに第一バウンドさせ、自分コートに第二バウンドさせる)はできません。アイポンは本体を傾けることでできましたが、本機でも試したところ、ランダム送球(首ふり)はできましたが、第一バウンド後のボールがネットを越えませんでした。今後、試行を継続してみます。
 

7)一分間に3570球送球選択可能(取説より引用)
 

8)電池では動作しません。
 

9)本体はリモコン(赤外線通信?)で操作します。リモコンは電池式(単3 2本 付属)です。
 

10)ボールは約90球貯留(計数していません。この情報はネットの広告から引用)

  

◎気が付いたことなど

11)簡単に組立、設置できる集球ネットが付属しています。落ち口をあけておいてもスムーズにボールは落ちません。アイポン用に購入したものがありましたが、粗悪品で部品点数も多く、重たいものでした。集球ネットの更新も本機購入の動機の一つでした。
 

12)アイポンには無かった、本体内部にボールが詰まったときなどの取出し口が設けられています。
 

133回使用しましたが球詰まりや重送はありませんでした。空送球もほとんど無く、貯留しているボールも最後の1個まで送球してくれます。発射までの球送り機構などはアイポンと同じですが、アイポンにはない、使いやすさへの追求心が見て取れました。
 

14)アイポンと同じように、ボール貯留用と本体下部用に漏斗状の部品があり、本体に取り付けて使用します。見た目ではあまり違いがなく、どちらでも取付けできますが、下部用には滑り止めがついているのでわかります。4つの爪で取り付けますが、アイポンでは1つの爪が取れてしまったので同じようにならないか心配です。
 

15)交換用のヒューズや工具、板厚の薄い台に集球ネットを取付けるためのアタッチメント(ゴム板)も付属しています。このあたり、日本メーカーの気遣いを感じますがヒューズの位置や交換方法については説明書に記載がありません。残念!ちなみに本体ラベルにはmade in Chinaとあります。
 

16)リモコン操作は簡単です。本体には操作盤やスイッチなどはありません。よってリモコンは必須なので、替えの電池もあった方がよいでしょう。だが、リモコン自体の電源入切のスイッチ等はないようです。入切の方法や電池での使用可能時間をメールでメーカー(ヤサカ)に問い合わせしましたが回答をいただいていませんので、電池の抜差しで対応しています。面倒です。裏にリセットボタンがついています。このことも説明書には説明がありません。残念!
 

17Y-M-40時代の名残りなのか、本体には棒状の足を差すところが残っています。ジオ○グを思い出しました。残念!というかよくそのまま商品として出荷を決断したなという感じです。使用にあたっては問題ないですが。
 

18)購入から1年間のメーカー無料修理保証がついています。
 

19)電池を入れた時のリモコン初期値はM固定モードです。貯留部、下部を本体に取り付け台の中央に置き、本体スタートをするとまず、なにやら動作状況を自己判定し、その後、送球が始まります。送球が自コート中央(M)となるように本体の角度を調整します。その後、固定のコース指定、ランダム、プログラム(FB切替)などを選択すると、ちょうどよい振り幅となります。相手(ヤサカを置く)側のフォア寄り、バック寄りに置く場合もほぼ同様の調整で簡単に行えます。

 

 

◎使用した感想

モーター性能やローラーの材質の違いなのか、アイポンに比べボールの回転量は上限が低く感じますし、上下回転の同時設定ができないからなのかは判りませんが、ボールの質というか打感も軽い感じがしました。

基本中の基本であるFBへの切り替え練習ができるのがうれしいです。また、ランダム機能はアイポンにはなかった機能です。より実戦に近く、試合でも使える技術や意識の習得に有用となるものと感じました。

アイポンとは見た目が同じことやツーローラーであること以外は別物だと感じました。

 

◎まとめ

アイポンが劣っているのではなく、それぞれに長所、短所があります。使用する人の意識や練習方法次第では有用にも無用にもなるのはアイポンも本機も他のどのマシンでも同じでしょう。世間には20万円もする高級マシンもありますが、個人で20万円のマシンを買うのであれば時給1000円で大学生にコーチを依頼した方がいいかもしれません。教室に入るのも手でしょう。5万円が高いか安いか、これからの練習時の意識次第という気持ちを持って頑張ろうと思います。

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以上が、ぴーろんさんのレビューである。
本体での操作ができないというのがちょっと不安である。リモコンの電池が切れたら、せっかく練習場にマシンを持っていっても動かないということになるのだろうか?
個人的に最も気になるのは耐久性である。10年も20年も持つとは思えないが、5年は故障なしでもってほしい。小さな故障でメーカーに送ったり、修理代が万単位になったりするのでは、この機種のコストパフォーマンスの高さが解消されてしまう。ぴーろんさんの追跡レビューを期待している。

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技術論というと、身構えてしまう人もいるかもしれないが、拙ブログの想定読者は全国レベルのプレーヤーではなく、市井の万年中級者である。 「私は高校生の時に関東大会に出て一回戦負けのレベルだから…」などと遠慮なさる方もいるかもしれないが、地方大会に出場経験があるというのは、私から見れば立派な上級者である。このブログをご覧になる方の大半は、おそらく学生時代に県大会に出られなかったというレベルだと思われる。そういう読者にとって有益な技術論・戦術論も、用具レビューと合わせてご投稿いただけたらさいわいである。

【追記】 161105
Y-M-40αの集球ネットの使い具合についてぴーろんさんに問い合わせたところ、アイポンのものよりもずっとよく、使いやすいが、アイポンのネット同様、ボールの流れが悪く、穴に落ちにくいとの回答を得た。