昨日もがんばって3時に起きて、男子団体準決勝をライブで観ていた。

吉村真晴、涙のインタビュー
吉村選手の涙のインタビュー

朝、7時から録画が放送されるので、早朝に生中継で観ることもないと思ったが、やはり観てよかった。

朝からテレビのニュースやウェブでネタバレの嵐だったからだ(この記事もネタバレだが)。

もし結果を知りながら試合を観たら、おもしろさ半減である。ちょっと寝過ごして1番の吉村選手対オフチャロフ選手の試合は見逃したが、2番の水谷選手、かっこよかった。やってくれるのではないかと期待していたが、まさかあの難敵ボル選手相手にストレート勝ちとは。あの調子なら、決勝の中国相手にも、もしかしたらいい勝負をしてくれるかもしれない。

第2戦のボル選手との試合が終わってからのオーダー決定もドラマティックだった。ダブルスは丹羽・吉村組で決まりだが、問題はシングルの水谷選手がどちらの選手と当たるかである。

A案
4番:水谷 対 オフチャロフ
5番:丹羽 対 シュテーガー

という形が有利なのではないかと私は思っていた。今の水谷選手なら、オフチャロフ選手を倒せる。仮に負けたとしても、丹羽選手がシュテーガ―選手にとどめを刺してくれる。このオーダーならドイツに対して十分戦える。しかし、逆に

B案
4番:水谷 対 シュテーガー
5番:丹羽 対 オフチャロフ

となると、苦しくなってくる。水谷選手はシュテーガー選手を一蹴するだろうが、丹羽選手がオフチャロフ選手に勝つのは厳しい。お互いに緊張しているからオフチャロフ選手も実力を十分に発揮できるとは限らないが、それでも3:7ぐらいでオフチャロフ選手が有利に見える。なんとしても水谷選手をオフチャロフ選手にぶつけたい。

が、発表されたオーダーを見ると、恐れていたB案だった。

やられた…。これはまずい。ダブルスを落としたら終わりだ。ダブルスの相手はボル選手とシュテーガー選手。ボル選手の入ったペアに丹羽・吉村組が果たして勝てるのだろうか…。私はダブルスを落とす前提でオーダーを考えていたのだが、日本のダブルスは強かった。B案でよかった。丹羽選手のミスが少なく、吉村選手のサービスもシュテーガー選手に効いていた。

ダブルスをとったら、もう決勝進出は決定的だった。みごと女子の敵を男子で討った!ドイツ相手には、女子よりも男子のほうがはるかに勝つのが難しいと思っていただけに感動もひとしおだった。

きちんと結果を出してくれる水谷選手。そして吉村・丹羽選手はどちらかが調子が悪い時には補い合って、うまくチームを勝利に導いてくれる。いいチームになった。

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今朝はいい試合を観られて本当によかった。決勝は明後日の木曜の朝、NHKで放送予定だという。これも見逃せない。

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それはそうと、今回の記事のトピックだが、基本練習の意義についてである。

以前、上手な人に

「ちょっとドライブ打ってくれへんか」

と言われてワンコースでドライブ。その方はナックル性のショートの練習をしたかったらしい。私がその方のナックルショートを中陣から全力でドライブを数本打つと、

「おぉ、なかなかええドライブ持っとるやないか」

とほめてくれた(お世辞だと思うが)。しかし

「それが30本ぐらいノーミスで続かんかったら、試合では使えへんで」

とも言われた。私は何度やっても5~6本しか続かなかったからだ。

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知人のDさんは学生時代に全国大会にも出場経験のある上手な人だ。先日いっしょに練習させてもらったとき、私は格下なので、Dさんの練習を優先させようと思い、

「どんな練習がしたいですか?私は合わせますので、すきな練習をしてください」

と提案したところ、

「バック側にワンコースで返してもらえますか。バックからフォアの回り込みを練習したいです」

と言われた。ウォームアップだろうと思って10分ぐらいその練習を続けて、次に私も同じ練習をさせてもらい、

「次はどんな練習にしますか?」

と聞いてみると、

「切り替えの練習がしたいので、フォアとバックにランダムにブロックしてもらえますか?」

ということだった。

「社会人になると、なかなかできないんですよ、基本練習が。やっぱり基本練習は大切ですよ」

私は上手な人は基本練習よりも実戦練習のほうを好むのかと思い込んでいたが、上級者でもこういう人がいるのだと新鮮な感じがした。

Dさんは基本がしっかりしているので、ミスがほとんどない。そして非常に打ちやすい素直なボールを打ってくれる。そうすると、私がミスしない限り、何十本も延々とラリーが続く。多球練習よりもずっと効率よくたくさんのボールを打つことができる。

数年前は私も基本練習を重視していたが、基本練習がいくら続いても、試合には勝てないと感じるようになり、基本練習はウォームアップだと割り切り、実戦的なオール練習とか、3球目までのコースを指定したシステム練習とか、そういう練習ばかりするようになった。しかし、ここにきて基本練習も必要なのではないかと感じるようになった。仕事の後の2時間弱の練習時間の8割を基本練習に当て、基本練習を極めたら、私の卓球はどうなるのだろうか。

私が試合に出て感じるのは、調子が出てくるのが遅いということである。試合では朝、試合開始前の練習で軽くフォア打ちやバック打ちなどを10分ほどし、すぐに試合が始まるわけだが、試合が始まってもなかなかふだんの練習の感覚で打てないことが多い。

「今日はバックドライブが全然入らないから、封印しよう」

ということもよくある。もし、試合前に2時間ほど練習をして、打球感覚を取り戻してから、対戦したら、私のパフォーマンスは9割ほどになるのに、試合では10分ほどの練習のあとにすぐ対戦が始まるので、私のパフォーマンスは5割ほどのことも多い。周りの人(特に年配の人)は対戦前に軽く3本ほど打ち合っただけで、平気で強打を打ちあっているが、私には怖くてできない。初めのほうの対戦では慣らし運転で、慎重に入れに行くので、相手に先制を許してしまう。自分の打球感覚を取り戻すまではガマンガマンでミスの少ない卓球でしのぐしかない。やがてやっと打球感覚を取り戻したと思ったら、最後の対戦の最終ゲームということもあった。

もし、私がふだんの練習で基本練習ばかりやっていたら、試合でも数本のフォア打ちだけで、すぐに打球感覚が戻り、対戦の序盤から強打を連発できる状態になるのではないだろうか。中高生のとき、基本練習をしっかりやって、打球感覚がしっかり身についている人にとっては基本練習は最小限でもいいのかもしれないが、私のような中途半端にしか卓球をしてこなかった者にとっては実戦的な練習よりも、基本練習を通じて打球感覚を運動記憶にしっかりと刻みこむことが先決なのではなかろうか。

全力
これが私の全力だ!

そういえば、すっかり忘れていたが、今年のはじめに立てた目標は基本練習を完璧にすることだった(前記事「基本練習のすすめ」)。私のような下手くそはもっと基本練習に時間を割き、基本練習を極めなければならないと思い直した。