水泳には全く興味がないのだが、つきあいでプールに行くことになってしまった。

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卓球に何か応用できることもあろうかと泳いでみたのだが、25Mも泳げない。泳ぐというのはこんなに難しいことだったのか。口や鼻に水が入るし、がんばって手足をバタバタさせてみても、ちっとも前に進まない。進まないどころかだんだん沈んでくる。傍から見たら、さぞ無様だったことだろう。

心に余裕のある人なら、どうやったら泳げるようになるかと興味をもってあれこれ試して楽しんだりするのだろうが、私はいつも心の余裕がないので、ちっとも楽しめない。すぐに飽きてウォーキングのコースで歩いてみることにした。隣のコースで楽しそうに泳いでいる人を横目に黙々と歩き続ける。しゃくだから、隣で泳いでいる子供よりも速く歩いてやろうと、全力で歩いてみることにした。

しかし、そうすると、ツルッと足が滑って転びそうになる。車で急ブレーキをかけて、タイヤがロックしてしまうというのに似ているかもしれない。急激に摩擦力を上げると、かえってプールの底をしっかりグリップできず滑ってしまう。そこで今度は慎重にじわ~っと力を入れてみると、しっかりプールの底をグリップして進むことができた。

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最近のオートバイはABS装着が義務化されているらしい。

これは卓球にも通じるものがあるのではなかろうか。

私のドライブは回転があまりかかっていないらしい。それはスイングスピードが遅いからに違いないと思い、渾身の力でラケットを振ってみるのだが、そうすると、スピードばかりが上がって、弾道は直線的になり、回転量の方はさほど増えていないということになる。何が間違っているのだろうか?

プールでの出来事から想像するに、単にスイングスピードを速くするだけだと、ボールが滑ってしまうのではないだろうか。サービスを出す時のことを考えてみると、全力でボールをこするよりも、ボールが当たるまでは比較的ゆっくりラケットを動かし、当たった瞬間にグイッとスイングスピードを上げたほうが、しっかりと切っている手応えを感じることができる。同様にドライブで回転量を増やすには、初めから全力で振るのではなく、インパクト時まではあまりスイングスピードを上げず、インパクトでボールをシートに十分に食い込ませてからスイングスピードを上げなければならないのではないだろうか。あるいはインパクト前にスピードをかなり出している場合は、普段よりも当て(弾く割合)を強くしなければならないのでは?プールで歩いたときに感じたあの「踏みしめる感覚」がドライブを打つときにも応用できるのではないだろうか。

というようなことをプールで考えた。
あまり興味のないスポーツでも、実際にやってみると、いろいろ考えさせられることが多い。
利用料金1100円の元はとれたかなと思う。