早い攻めを実現するためには打点を早くしなければならないと思う。打点を早くするためには早い段階でスイングをスタートさせなければならない。早い段階でスイングをスタートさせるためには、早い段階でバックスイングをスタート(あるいはバックスイングを小さく)しなければならないだろう。私は相手のボールがネットを越えるかどうかぐらいでバックスイングを始めることが多いが、これでは間に合わず、つまってしまうことが多い。もっと早い段階でバックスイングを始めなければならないと感じている。相手のスイングとシンクロさせてバックスイングをとるぐらいがちょうどいいと思う(前記事「踵を接して」)。

先日のジャパン・オープンの松平健太選手のプレーを観て、健太選手のうまさはどこから来るか考えてみた。


健太選手は中国選手を相手に一方的に負けることは少なく、1~2ゲームは確実にとっている気がする。上の張継科選手との試合を見ると、張選手が強く打ってくるボールを臆せず強打する展開が目立つ。相手に強く打たれても、こちらはブロックで止めるといった消極的なプレーに出ない。このへんに健太選手の強さの秘密があるのかもしれない(私の見立てなので、非常に自信がないが)

先日、試合に出て感じたことは、練習のボールと実戦のボールは違うということである。
試合で返ってくるボールは練習の時とスピードが違い、練習のような感覚で打とうとすると、振り遅れてしまう。
練習では――切り替えや、台のフォア側半面(から2/3)ぐらいをオールフォアでフットワーク練習をするとき相手はブロックするのがふつうだ。そこで受けるほうがブロックを延ばしたり、プッシュしたりすると、打つほうが続かなくなるので、単に当てるだけというボールを返球してもらい、それをこちらはドライブで返す練習をするのだが、この練習のボールはいわゆる生きていないボールなのではないだろうか。

生きているボールや死んでいるボールというのはどのようなボールなのか。

野球ではスピンがかかっていてバッターの手元でグンと伸びるボールが「生きているボール」らしい。

卓球でも同様のとらえ方をする人がいる。
http://takkyuu.info/middle/takyuu02.html

テニスではスピンがかかっているボールや勢いのあるボールが生きたボールといわれるようだ。
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「生きているボール」についてxia氏が言及している
http://xia.diary.to/archives/48852858.html
 
氏は人によって考え方が違うので厳密な定義はできないと前置きした上で、試合で打たれるようなボール、相手の意思(得点してやろうという)を感じられるボールを生きたボールと考えているようだ。つまり受け取る側次第で「試合で打たれそうなボール」と受け手が考えれば「生きた球」になるし、受け手が「こんなボール、実戦ではありえない」と考えれば「死んだ球」となるわけである。

他のスポーツも含めて、物理的に「生きているボール」(スピンや勢いがある)と、心理的に「生きているボール」(意思が感じられるボール)というのがあるようだ。

私がここで考えたいのは物理的なほうの「生きたボール」である。

練習ではきれいに続けてボールが打てる人でも、試合になると、1球も続かなくなるというのは、基本練習で返球してもらうボールが生きておらず、単に当てるだけのボールで練習しているから、実戦ではほとんど入らず、入ったとしても1球だけで、あとが続かないという結果になるのではないだろうか。

だからといって試合とまったく同じようなスピードと回転で返球されたら、とても続かない。だから2~3球続いたら、相手に強くて打ちにくいボールを返球してもらうとか、あるいは試合の半分ほどの強さのボールを返球してもらうとかすれば、基本練習の成果が実戦で生きるのではないかと思う。

実戦のボールスピードに慣れるために生きたボールを打たないとなぁと試合に出て考えさせられた。