最近、私のまわりでもようやくプラボールで打つようになってきて、その違いが気になるようになってきた。
初めてプラボールを打った時(ニッタクとTSPのスリースター)は、セルボールとの違いがほとんど気にならなかったのだが、ボディーブローのように、ジワジワと効いてきた。
前陣でのラリーではあまり違いが感じられない(鈍感すぎるか?)のだが、台から少し離れてドライブを打つと、ネットを越えないケースが増えてきた。私の場合、基礎ができていないというのか、ちょっとした変化にも敏感に反応して一気に調子が悪くなってしまう。このままではいけないと危機感を持って、いろいろ模索した顛末をお話ししたい。

中陣からのフォアドライブを打つと、なんだか力が伝わっておらず、スカっとラケットだけが上滑りして、ボールが飛ばない印象である。バックハンドドライブは前陣でもボールがよく落ちる。原因を考えてみた結果、薄くこすりすぎているのではないかと疑っている。

私は厚く当てるのが好きではない。インパクトの衝撃を木まで伝えてしまうと、ホームランだったり、ボトっと落としたりしてコントロールできない。そこでできるだけ薄く当て、こすりの割合を高めることでボールに安定感を出していたわけだが、プラボールではもう少し当てを強くしなければ、ボールが飛んでいかないような気がするのだ(私の見立てなので、間違っているかもしれないが)。しかし、ボールをラケットに正面衝突させない程度に、ほどほどに当ての割合を増やすことが私には難しい。

世の上級者はどのようにして正面衝突を回避しつつ、当ての割合を高めているのだろう?



冒頭の「今井くん基本打法『ドライブ』」を見ると、今井選手は体全体を使って打球しているが、とりわけ脇を締めて、肘支点で前腕をグルグル回しているのが印象的だ。このように下から上にグルグルと前腕を回して包み込むように打球すると、安定するのかもしれない。以上がフォアハンドドライブについてである。

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海水と奮闘するアクマくん。しっぽをモーターのように回して推進力を得ている。

一方、今井選手のバックハンドは非常に直線的で、あまりグルグル回していない。バック表ソフトだからだろうか。

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松下大星選手のバックハンドはかなり腕をグルグル回して打っている。

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50秒あたりからの「前陣ドライブ」では「スイングは上に振り上げるのではなく、後ろから前へ振る」とある。下から上へのこすり主体のドライブではなく、後ろから前へもっと当てを強くするということと理解した。

松下大星選手はあまりヒジを前に出さないで打っているが、私はかなりヒジを前に突き出して前腕をグルグル回すようにバックハンドを振っている。松下選手のやり方のほうがコンパクトで戻りが早いのかもしれないが、私は安定性重視なので、もっと大きなスイングで打つことにしている。

私のやり方は、こちらのバック側への横下ロングサービスを迎撃する場合の打ち方が基本なのだが、ヒジを前に突き出すと、自然に肩も横から前に向くようになる。

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そうすると、バックスイングで上半身を一度閉じてから、打球時に開くことになり、腕だけでなく、体を大きく使いやすい。以上がバックハンドドライブについてである。

ところで世間でのフォアハンドドライブの基本というのはどのようなものなのだろうか。

それではフォアハンドドライブを打つときの体の使い方をおさらいしましょう。
まず、左足前のスタンスで構え、上体を右にひねってバックスイングを取ります。
このとき、左足を内側にねじりながら、軸足となる右足のつま先に力を込めるイメージで構えます。
両腕の無駄な力を抜いて肩を右側に回しながら、下半身の動きに合わせてバックスイングを取りましょう。
ボールをしっかりとミートポイントまで引きつけて、つま先→ひざ→腰→肩→前腕という順序で体の動きを連係させてスイングします。

このようなポイントは多くの選手が理解していると思いますが、実際にどこに意識を置いてスイングするかをつかめていないのでしょう。
エキスパートに聞こう」(バタフライのサイト)より


「多くの選手が理解している」とあるが、私は「左足を内側にねじりながら」という部分がおろそかになっていたと気づかされた。腕の回し方の問題だけでなく、下半身との連動にも気をつけなければならない。

シェークハンズのサイトにあった記事「腰を入れて打つとは?」にも近い説明があった。この動画は以前、見たことがある。左利きをモデルにして説明しているので、右利きのプレーヤーの場合は「右足」「右膝」などを「左足」「左膝」と読み替えて理解していただきたい。



打球前に、この左利きの選手はおそらく右足の親指の内側に力を入れ、右膝を左側に向けて左股関節を入れています。
簡単に言いますと、右足だけを内股にすることにより、左足が壁になり、左股関節が圧迫された状態になります。
ここで「ため」ができ、ここから打球時にこの股関節の圧迫を緩めようと、右ひざを正面に向け通常の状態に戻そうとする過程で体が回転し、肩から肘・手首と伝わり力強い打球となっていきます。
これで腰が入った打法の完成です。


なるほど。股関節を圧迫させておいて、そのタメの力を開放すればいいわけか。

と、だんだん「当ての割合を高めつつ、正面衝突を回避するには」という本来のテーマから話がずれてきたが、まとめると、私はヒジ支点で前腕を下から上にグルグル回す打ち方がいいと思っている。
その際、フォアハンドなら下半身とも連動させて、タメを作って打つのがよい。バックハンドは私の場合、ヒジを突き出して上半身を閉じ・開く動作とともに前腕をグルグル回すという打ち方に落ち着いている。

また正面衝突を回避するためにはボールの打面をいろいろ工夫するのも忘れていはいけない(前記事「井の中の蛙…」)。

参考までに小島渡選手のフォア打ちを紹介したい。



冒頭のわずか3~4秒ほどのフォア打ちのシーンだが、ラケットを前方ではなく、斜めに押すように振ってボールとの正面衝突を避けている。私もこの打ち方をフォア打ちで試してみたが、このようにボールの外側を捉えて、斜め前方に押すと、相手の強いボールとこちらのラケットが正面衝突せず、安定して返球できる。この打法もどこかで使えそうだ。