今日は何も予定がなく、うちでゴロゴロして過ごしていた。

卓球の雑誌に目を通したり、自分の卓球をどうやって改善したらいいかとあれこれ考えたり。

でもなんとなく楽しめない。そこで卓球の話でもしようといつもお世話になっているNさんのお宅に遊びに行った。

Nさんはかつては全国レベルの実力を誇った人である。その人にいろいろな質問をぶつけてみた。

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「サービスとレシーブでその後のラリーの展開が大きく決まってしまいます。いくら威力のあるドライブを持っていても、いったん台上で後れを取ったら、相手に先手を取られてしまい、自分が攻撃するチャンスがめぐってこないこともままあります。だからレシーブには気を付けているんですが、レシーブでうまく先手をとれないんです。相手のロングサービスがくると思ってバックドライブで待ち構えていると、ショートサービスが来て、つんのめってしまったり、逆にショートサービスが来ると思って意識が前のほうに行っていると、ロングサービスが来て詰まったり。いったいどうすればいいんでしょうか?」

「そりゃあ、あなた、基本ができていないんですよ。チキータやら強烈なドライブやら、そんなことを覚える前にもっとやることがあるでしょ。どこにボールが来てもミスしない、崩れない、そういうことをまず覚えなあきませんな。どこにボールが来てもきちっと動いて打つ。レシーブでそれをやるためには正しい立ち位置で待ってないと。」

「それはこんな感じですか?」
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LRはそれぞれ左足と右足(前記事「レシーブの構え、あるいは…」

「そんなに台に近くにいてみぃ、深いロングサービスが来たら終わりやないか。」

「そのときは後ろに下がりながらバックドライブを打てばいいのでは?」

「速いロングサービスが来たら、間に合うか?人間はとっさに前には行けるけど、後ろには下がりにくいでぇ。構えるときは一番深いサービスが来ても詰まらずに打てる位置に立つんや。それで、もし短いのが来たら、右足をサッと前に出してストップするんや。」

「なるほど。サービスの長短にとっさに対応する方法は分かりました。では、左右のコースはどうですか?相手のサービスがバックに来るかフォアに来るか分からないときに、いつも対応が遅れるんです。バックで待っていると、フォア前にサービスが来たりして、アッと思った時には、もうこちらのコートにバウンドしていて、ラケットを伸ばしても頂点を過ぎたところでしか打球できないんです。」

「ラケットの面を開いて待っとくのがええと思うで。ペンホルダーはできるだけフォアハンドでレシーブするのが安定するんや。もしラケットのヘッドを相手に向けとったら、フォア前のボールを打つのに遅れるやろ。」

「でも、裏面で打つなら、面を開いておかないほうがいいんじゃないでしょうか?」

「わしはできるだけフォアで打ったほうがいい思うで。それでフォア前にサービスが来たら、ネットと面を平行にしてフリックするんや。やりやすいでぇ。もちろんバック側に流したり、ストップしたりしてもええけどな。」

「それから、素振りをしようと思うんですが、あれって効果があると思いますか?」

「あると思うよ。しかし、ただ振ってるだけではあかん。試合中の場面をイメージして、ボールがこちらに飛んでくるのを思い浮かべて打たな意味がない。実際にフットワークを使ってシャドープレーをするのもいいかもな。さっきのレシーブにしたって、理屈で分かったからいうて、すぐに実戦で使えるかいな。相手がサービスを出すのを何度も思い浮かべて、サッとフォア前をフリック、ロングサーブをサッと回り込んでフォアドライブいうのを何度も何度もイメージして、動いて素振りしていうのを体に覚えこまさな、急に試合で使えるわけあらへんやろ。」

ありがたい教えを頭で理解するだけではいけない。体で覚えて身につけて初めて「理解」となるのである。

指月

他にも卓球の技術的なこと、昔の有名選手のこと、最近の卓球界のこと等をいろいろ伺った。
実際に台で練習できる時間は少ないが、うちでも素振りやシャドープレーぐらいならできる。これから素振りを毎日やってみようかと思っている。「常住卓球」である。