最近、礼武卓球道場のビデオを観て思うところがあったので述べてみたい。



原田隆雅氏がフリックについて解説しているビデオだが、原田氏はフリックを成功させる上でラケットを「動かさないこと」が重要だと語っている。

【相手の順回転ショートサーブをラケットを止めて返球しながら】
「今、何やってますか?」

(当ててます)

「そう!当てるだけっていうのがみんなできないんですよ」
「動いちゃうんですよ、反射的に」
「これが大事ですよ!まず動かさない」

たしかにフリックやチキータを成功させようと気負っているときは、ラケットを止めてじっとしているのは難しいかもしれない。ついバックスイングをとってみたりして、何か準備をしていないと落ち着かない。こうやっていろいろラケットを動かしてしまうためにかえって失敗してしまうのだという。下手な考え休むに似たりということか。しかし、原田氏はラケットを静止しておくということに無駄な動きを省くという以上の積極的な意味を見出している。

「動かさないっていうことができるから、動かすことができる」
「動かさないっていう技術」


おぉ!なんだか深いことを言っている気がする。動かさないからこそ動かせる。したがって動かしているときは…動かせない?

【ラケットを止めて、ボールを十分ひきつけて、軽く振る】
「当たるときに動かす」
「当たる前に動くと…(ミス)」

「まず、当てるときに動かさない」
「当たるときに動かす」
「当たる前に動かさない」


フリックというと、成功率が低そうなので、私はあまり使わない。やるとしたら、渾身の力でフンっと上に擦り上げたりする。にもかかわらず、ボールは無情にもネットを越えなかったりする。
一方、原田氏のフリックは本当にやる気なさそうに力を抜いて軽く振っているだけなのだが、安定してネットを越えている。

ラケットを動かさないで待ち、当たる時にだけ動かす。

これなら私にもできそうだ。

ニューマン

写真がないとさびしいので意味なく芸能人の写真を挿入



そして私はこうも思った。

世のヘタッピはむやみやたらにラケットを動かし、渾身の力で大きくスイングしたりする。
私の場合がまさにそうだ。
しかし、上手な人は、たとえばツッツキでもほんのちょっとしかラケットを動かさないし、バックハンドで小さく鋭くパシっと払ったそのボールが私の大振りのバックハンドのスピードを凌駕する。

もしかしたら、小さく動かす技術というのが重要なのかもしれない。小さく軽くラケットを動かしただけで、ボールが入るなら、それは角度やらタイミングやらが適正だから、大きく動かしても、もちろん入る。小さく動かすことの延長が大きく動かすことなのだから、力に比例して強いボールが打てる。

小さく軽く打って入らないなら、大きな力を加えても、やはり入らないのではないだろうか。それを「スイングスピードが足りない」だの、「腰が入っていない」だの言って、間違った方向にどんどんエスカレートさせてはミスを連発する。ある程度の力で打って入らないのは、何かが根本的に間違っているわけで、別に力が足りないからではない。そこに力やスピードをいくら加えても、ミスは減らないのではないだろうか。

【まとめ】
まず、小さく軽く打って入るように自分の卓球を調整しなければならない。それで安定して入るようになって初めて力を加えて打つようにすれば、正しい打ち方のまま、威力を増すことができるのではないか。

【付記】
どうでもいいことだが、卓球のかっこいいイラストというのがあまりにも少なすぎると感じている。
ブログの飾りとして卓球の写真やイラストを挿入したいのだが、画像検索で検索しても「これだ!」というのがない。電柱棒さんという人が良質の卓球のイラストを描いてくれている唯一のイラストレーターのようだ。もっと卓球の絵を描いてくれる人が増えてほしいものである。