ヘタクソな人間が人様に技術を教えるような記事を書くのは片腹痛いが、 世の中にはいろいろなレベルの人がいる。私が実際に取り組んできて、安定性が大きく向上した打法を私のレベル以下の人に伝えるのは意味があるのではないかと思い、安定性の向上に役立つ打法を3つ紹介する次第である。上級者はおそらくみんな実践していると思われる。

1.シンクロ打法(仮)

ネーミングがイマイチだが、いい名前が思い浮かばなかったので、ひとまずこう呼んでおく。
これはボールのスピードに合わせてバックスイングを取るというものである。

なお、以下の図はPC以外で見ると、ずれてしまうかもしれない。

  ◯ →         *\→      

        |     |     |     |
  Z     A      B     C      D  図1
 
たとえば上のようにボールが迫ってきた場合、Bの地点でインパクトをするなら、ボールがAの地点に達した時、 ラケットがCに来るようにバックスイングを始める。

       ◯ →   *    →\      

       |     |     |     |
 Z     A      B     C      D  図2
 
上の図2のようにインパクト予定位置を挟んで、ボールとバックスイングの終点Cとが等間隔になるようにしてスイングを開始する。


            →◯\←      

       |     |     |     |
 Z     A      B     C      D  図3

そしてインパクト位置Bでちょうどボールとラケットが出会うように打つ。こうすると力がうまく伝わって打球が安定する。

「なんだ、そんなこと知ってるよ」という声が聞こえてきそうだが、私もどこかでこういうことを教わった記憶がある。しかし、すっかり頭の片隅に埋もれていた。最近、この打法の効果を身にしみて実感している。この等間隔にバックスイングを取るという方法を意識的に行うか、無意識にしか行わないかで安定性が格段に違ってくる。無意識に行っていると、いつのまにか打球タイミングがずれ、不調に陥ってもなかなか自分で修正できなくなってしまう。

◯ →          *    →\      

       |     |     |     |
 Z     A      B     C      D  図4
 
 多くの初中級者は図4のようにZ以前の位置で早めにバックスイングを引いてしまい、Cでラケットを止めて待っている。その結果、打球が不安定になる。

       ◯ →   *          →\      

       |     |     |     |
 Z     A      B     C      D  図5

あるいは上の図5のようにインパクト予定地点Bを中心にして等間隔のAB間とBC間という距離感が理想的なのにDまで引いてしまう人がいる。若くて体力に自信がある男性に多い気がする(いや、若くなくてもメチャクチャな卓球をする人はこういう豪快なバックスイングをとっている)。こうすると、振り遅れてしまう。

私も以前は振り遅れることが多かった。どうして振り遅れるのか…その原因を「戻りの遅さ」に帰していた。そのころは、ボールに間に合うようにできるだけ早くバックスイングをとって、しかもバックスイングを大きくDの地点までとることもあった。それでタイミングが合わず、ミスを連発していたのだ。いくら早くバックスイングをとって待っていても、タイミングが合わないと、打ち急いでミスしてしまう。素早くラケットを引いておいて「まだか、まだか」と待ち構えていても、待ちすぎて反対にタイミングを逸して振り遅れてしまうことも多い。ウサギとカメみたいなものである。

振り遅れというのは相手の打つボールが速すぎて引き起こされるものよりも、自分のバックスイングとボールとの距離のアンバランスから引き起こされる場合が多いと思う。これは私にとっては目からウロコだった。戻りをいくら早くしても振り遅れは解消されない。適切なバックスイングの距離感こそが大切なのである。

そのためには遅いボールに対しては遅くバックスイングを取り、速いボールに対しては速くバックスイングを取るといった「同期性」を意識しなければならない。

みみみみみ
画像がないと、さびしいので、意味もなく写真を挿入。

世間でよく「反動を使って」などと言われるが、私はこの「反動」の意味が長い間分からなかった。

「ラケットを右から左に振る」(右→左)

よりも

「ラケットを左から右へ持って行き、その『反動』を利用して、右から左に振る」(左→右→左)

のほうが威力が増すという理屈がイマイチ、ピンとこなかった。

しかし、今はそれがよく分かる。ボールと同じスピードでバックスイングを引き、インパクト予定地点と等間隔になった時にスイングを始めると、タイミングが合い、力がうまく伝わるのだ。

ピッチの早いラリーで振り遅れてしまうという人は、ボールのスピードに合わせてバックスイングをほんのちょっと気持ち程度引くようにすればいい。フォアハンドだけでなく、バックハンドのブロックなどにも効果がある。
バックスイングは本当に大事だった(前記事「運命のバックスイング」)。

【その2へ続く】