中ペンのグリップとして「わしづかみグリップ」というのがある。
人差し指と親指の間隔を広げて握るグリップだという。


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おそらく上の写真の右のようなグリップだと思われる。左の日ペンのグリップと比べて二本の指の間隔が大きい。
しかし、こういうグリップは最近はあまり流行らないのかもしれない。
現在のペンホルダーの代表、許昕選手のグリップをみると、指の間隔が狭く、ピッチリとくっつけている。

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私もグリップをいろいろと模索していて、わしづかみに挑戦したことがあるのだが、非常に握りづらい。ブレードを垂直に立てる(たとえばフラットにボールの後ろを叩くとき)のはやりすいのだが、ドライブのときに水平気味に寝かすことが難しい。表ソフトでスマッシュを多用する人に適したグリップなのかと、早々にあきらめ、許昕選手のような、人差し指を垂直に折り曲げるようなグリップに戻した。

それからしばらくして「鬼のペンドラ」(『卓球王国』2015-5)で吉田海偉選手が「裏の三本の指は折り曲げずに伸ばしたほうが威力が出る」といったことを書いていたのを読んで、またグリップを変えようかどうか迷い始めた。
私は指を伸ばすと、ボールを指にしょっちゅう当ててしまうので、できるだけ曲げていたい。吉田選手は片面ペンだから、好きなだけ伸ばせるが、私は躊躇してしまう。そこで他のペンホルダーの選手がどのようなグリップなのか気になって調べてみた。

日体大の温馨選手。
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昨年の全日本学生選抜で優勝した、日本の大学生屈指の実力者である。

「あれ?裏面の指3本が上の方を向いている。」

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ふつうはこんなふうに指3本が下を向いているのに温馨選手はむしろ上を向いている。

なんだか話がややこしくなってきた。

 「わしづかみ」は持ちにくい。
→「最近はわしづかみは流行らない」
→「裏3本は伸ばす?伸ばさない?」
→「裏3本は上向き?下向き?」

という流れなのだが、う~ん、今から文章の構成を変えるのはめんどくさい…。

結論から言うと、
私は「わしづかみ」+「下向き」が合うのである。ただし、「下向き」といっても、「上置き」である。
「上置き」ってなんだ?と思われた方が多いだろうから補足すると、つまり以下の写真のようなグリップである。

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「卓球王国のサイトより」

裏3本の向きは下向きだが、置いてある場所はブレードの半分より上である。

この選手は卓球王国で取り上げられた明誠という高校の岩田選手という人らしいが、

「あれ?裏2本?小指は?」

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おそらく小指を表面に出している?

こんなグリップがあろうとは。ペンホルダーのグリップというのは奥が深い。

また、脱線したが、初めの問いに戻ると、「わしづかみ」というのは、つまりこういうことではないだろうか。

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この写真を探すために見たくもない写真をたくさん目にしてしまった

人差し指と中指でブレードを挟むのである。そのため、裏3本は上置きになる。こうすると、ブレードが安定し、かつ水平の角度も出しやすいと思われる。

今回は、時間の余裕がなかったので支離滅裂なことを書いてしまったが、ペンホルダーのグリップには

表2本の指の開き具合
裏3本の指の曲げ具合
裏3本の指の置き場所
人差し指と中指でブレードを挟むかどうか

さらに

親指をどのぐらい深く入れるか

というチェックポイントがあるかと思われる。手の大きさや、フォア/バック主体かどうかでもグリップが変わってくるので、上のチェックポイントをいろいろ組み合わせて、自分に合ったグリップを探すときの参考にしてはどうだろうか。

【付記】
xia氏のブログでもちょうど裏3本のことが取り上げられていた。
http://blog.livedoor.jp/worldrubber-pendora/archives/44227823.html

【追記】150413
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 卓球王国のゆう氏のブログから
 
このグリップも独創的。おそらく表面はそうとうなわしづかみのはずである。