新年早々台湾で卓球の大会があった。
台湾卓球名人賽である。
たしか、蒋智淵選手の故郷、高雄市で卓球を振興するために去年から始まったイベントだったと思う。



以前、水谷選手のブログで ”世界ランキングに関係ないので、リラックスしてプレーできる” といったことが書いてあったように記憶している。新年の和やかな「お祭り」のような大会で、今後も末永く続いていってほしいものだ。

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試合中にこんな笑みをこぼす水谷選手は珍しい

本大会には日本からは水谷選手が招待されており、調子も上々らしく、順調に決勝までコマを進めた。去年から水谷選手の強さは際立っており(前記事「やられっぱなしじゃないぜ」)、ワールドツアーグランドファイナル優勝をはじめ、多くの大会で好成績を残している。今年の水谷選手にも期待大である。

去年の本大会では相性のいい蒋智淵選手選手を決勝で破り、水谷選手が優勝したが、今年は残念ながら、決勝でオフチャロフ選手に敗れてしまった。

この試合を水谷選手がどのように失点しているかよく観察してみると、だいたい以下の4つのタイプに分かれそうである(絶好球をスマッシュされて、なすすべがないような場合は除く)

A:感覚的なミス
サービスミスや、絶好球なのにネットミスといった凡ミス。

B:回転の読み違い
相手のサービスの回転を読み違えてネットミス、あるいはブロックで準備していたのに、予想を上回る回転のドライブを打たれて、ブロックが飛ばされてしまった場合等。

C:タイミングのずれ
ラリーの途中でふわっとしたドライブが来て、タイミングが合わずにミスしたり、きちんと相手の打球が来る位置で待っているのにボールが予想以上に速くてオーバーミス等。

D:体勢の崩れ
まだ構えができていない状態で速いツッツキを打たれたり、ミドルに速いボールを打たれて詰まったり等。

平板に4つの項目を並べてみたが、実は構えができているかどうかでDとそれ以外に大きく分類し、構えができているのにミスをした場合をさらにABCに分類してみた。

ミスの原因
構えができているかどうか
→できていない(D)

→できている
  →タッチ(A) スピン(B) タイミング(C)


水谷選手ほどのレベルになると、「世界のトップ選手がラリーの中で、体勢が整っている状態でミスをすることはほとんどない」(前記事「日本代表レベルの視点」)。そこでDとそれ以外に分けたわけである。

おそらくプラスチックボールで行われているためか、水谷選手らしからぬサービスミスが何本かあった。Aである。そして強打者のオフチャロフ選手の回転のかかったドライブでブロックが弾き飛ばされてしまったり、オフチャロフ選手のサービスが読めず、浮かせてしまったりしたボールもある程度あった(B)。オフチャロフ選手のすさまじいスピードのドライブに打ち抜かれてしまうことも、もちろんある(C)。しかし、注目すべきはDの、構えが不十分なところへ打たれて間に合わず、苦しい姿勢で打った結果、ミスという類である。

前記事「「正しい」とか「間違っている」とか」で卓球は腕で打つスポーツではないと書いたが、この試合を観て、その思いをますます強くした。水谷選手ほどの選手でもミスするのは、Dの姿勢の崩れに起因するものが多いと感じたからだ。相手の打球に即座に反応できず、あるいは予測の裏をかかれて判断が一瞬遅れ、構えが間に合わなかったことが結局ミスにつながっているのではないか。
腕の振りがどうの、ラケットの角度がどうの、というのは卓球では本質的ではない。ボール打つのに最適の場所に移動できさえすれば、A~Cのミスの多くは防ぐことができる。卓球では十分な構え・姿勢から打てるかどうかが勝敗を分けるのだ。もちろん私のような低いレベルのプレーヤーは構えが十分にできていても、A~Cのミスが多いのだが、しかし、Dがしっかりしていれば、A~Cのミスは激減すると思われる。本記事の分類ではDとA~Cのミスを同レベルに並べてみたが、実はDが前提となってA~Cのミスが引き起こされると考えたほうがあたっているかもしれない。

今年は姿勢や構えを安定させるような下半身を中心にした練習を心がけたい。