まなきゃんさんのブログ「卓球けもの道」で小学生向けの2冊の卓球書が紹介されていた。
そのうちの1冊『やろうよ卓球』(ベースボールマガジン社)を読んでみて、その感想などを書いてみたいと思う。
著者が元女子代表監督の近藤欽司氏とサービスやレシーブのDVDで有名な村瀬勇吉氏。ということで、サービス・レシーブの解説はかなり信頼できるものとなっているはずである。
この本の特長はシステマティックな構成と、必要にして十分な「卓球の基本」技術の解説である。以下、各章について簡単にコメントする。
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第1章はイントロダクションで、用具、戦型、グリップの握り方などについて書かれている。
第2章「技の感覚と各ショット」ではショットの感覚を7つに分け、ショットを使う場面を「守る技」「仕掛ける技」「決める技」「つなぐ技」の4つに分け、各ショットを分類している。この分類は他の章でも通用されており、解説の理解を容易にしてくれる。このような分類は言われてみれば当たり前なのだが、今まであいまいにされてきたように思う。その結果、間違った場面で間違った感覚のショットを使おうとしてミスを多発してしまう人が多いのではないか。このような「基本」をしっかり身につけることが初中級者の上達の近道ではなかろうか。
第3章はサービスとレシーブの基本である。簡潔に書かれており、ぼんやりと知っていることも多かったが、改めて読んでみて、勉強になった。
第4章はフットワークを意識した基本的なシステム練習の解説と、各戦型の典型的なラリー展開について書かれている。ここは私のレベルでは、まだまだしっかり身についていないことが多いので、小学生向けとはいえ、いろいろ教えられることも多かった。
第5章は指導者の心構えについて
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ひととおり通読してみて、分かっているようで分かっていないことが多かったと感じさせられた。
「技は部品。いろいろな組み合わせで使う」
といった命題は、よく耳にする言葉だが、小学生にも分かるように懇ろに説明されると、意外に深い意味があったり、分かっているつもりでも、自分のプレーに生かされていなかったりと、改めて教えられることが多かった。
「卓球の基本」というのはおそらくここに書かれていることなのではないだろうか。
「卓球の基本」とは何か。それは普遍的なものではなく、時代とともに移り変わっていく「常識」のようなものだろう。多くの人が「基本」だと認めているものが「基本」であり、それに異を唱える人が多くなれば、それに応じて「基本」も内容を換えていく。そういうものだと定義した上で、この本には現時点での「卓球の基本」が詰まっていると思われる。
たとえば本書で勉強になったと感じたのは以下の命題である。この命題だけでは言葉足らずなので、詳細は本書に当たってほしい。
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1.技は部品。いろいろな組み合わせで使う
2.インパクトの時、手首を使うと「こする」。固定すると「弾く」
3.打球後のバランスが崩れているときは軽くジャンプ
4.フォアロングはひねった上半身を正面に戻しながらインパクト
5.つなぎのドライブは6割の力で打つ
6.スマッシュは打ち急がず、下半身で溜めを作ってからスイング
7.スマッシュのバックスイングは高く
8.ショートは常に足を使って体の正面付近で
9.ショートは手首を使わない
10.バックドライブは肘を支点に手首を使う
11.プッシュは仕掛ける時に使う技
12.ブロックは膝を柔らかく使って
13.ツッツキは手首を使って押す感覚
14.攻撃的なツッツキは手首を使わず肘から先で突く
15.強ドライブはバックスイングを高く
16.フリックは上半身をかぶせるように
17.チキータは肘と肩が同じ高さ
18.ブロックは早い打点で
19.サービスはスマッシュと同じぐらいのスイングスピードで
20.サービスで1点とるか2点とるかということはその後の展開にも大きく影響する
21.サービスは3球目にチャンスを作るためのもの
22.トスを上げるときは下半身も使う
23.サービスはフラ~っとしてキュッ
24.フォアサービスはバックスイングの瞬間に右肩を上げて
25.回転を変えるためには2つの方法がある。ラケットの方向を変える方法と、ボールに触る場所を変える方法
26.下回転サービスは相手に強く打たせないためのサービス
27.フォアサービスはできるだけ身体の近くでインパクト
28.バックサービスは肩と腰の反動をしっかり使って
29.ロングでしか返せない横バックサービスと、持ち上げなければ返せない横下バックサービスを混ぜる
30.同じ回転のサービスをいろいろな構えから出す
31.3球目から逆算してサービスを出す
32.レシーブでオーバーミスを防ぐには「近」
33.レシーブで相手の回転の影響を少なくするには「短」
34.レシーブで相手の回転に負けないようにするには「速」
35.システム練習の中にときどき「約束違反」を入れてみよう
36.フットワークは大きく早く動くために支えにする1歩目は床を蹴るように
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「知っていることばかりだ」と思う人もいるかもしれないが、これらの警句を本書の説明とともに改めて読んでみると、見過ごしていたことや、新しい発見もあるかもしれない。小学生向けなので、非常に明解で読みやすい。
まなきゃん氏によると、もう1冊の小学生向け卓球書、原田隆雅氏の『試合で勝てる! 小学生の卓球 上達のコツ50』(メイツ出版)も裏技満載で内容の濃い本であるとのこと。次はこちらの本も読んでみたい。
そのうちの1冊『やろうよ卓球』(ベースボールマガジン社)を読んでみて、その感想などを書いてみたいと思う。
著者が元女子代表監督の近藤欽司氏とサービスやレシーブのDVDで有名な村瀬勇吉氏。ということで、サービス・レシーブの解説はかなり信頼できるものとなっているはずである。
この本の特長はシステマティックな構成と、必要にして十分な「卓球の基本」技術の解説である。以下、各章について簡単にコメントする。
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第1章はイントロダクションで、用具、戦型、グリップの握り方などについて書かれている。
第2章「技の感覚と各ショット」ではショットの感覚を7つに分け、ショットを使う場面を「守る技」「仕掛ける技」「決める技」「つなぐ技」の4つに分け、各ショットを分類している。この分類は他の章でも通用されており、解説の理解を容易にしてくれる。このような分類は言われてみれば当たり前なのだが、今まであいまいにされてきたように思う。その結果、間違った場面で間違った感覚のショットを使おうとしてミスを多発してしまう人が多いのではないか。このような「基本」をしっかり身につけることが初中級者の上達の近道ではなかろうか。
第3章はサービスとレシーブの基本である。簡潔に書かれており、ぼんやりと知っていることも多かったが、改めて読んでみて、勉強になった。
第4章はフットワークを意識した基本的なシステム練習の解説と、各戦型の典型的なラリー展開について書かれている。ここは私のレベルでは、まだまだしっかり身についていないことが多いので、小学生向けとはいえ、いろいろ教えられることも多かった。
第5章は指導者の心構えについて
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ひととおり通読してみて、分かっているようで分かっていないことが多かったと感じさせられた。
「技は部品。いろいろな組み合わせで使う」
といった命題は、よく耳にする言葉だが、小学生にも分かるように懇ろに説明されると、意外に深い意味があったり、分かっているつもりでも、自分のプレーに生かされていなかったりと、改めて教えられることが多かった。
「卓球の基本」というのはおそらくここに書かれていることなのではないだろうか。
「卓球の基本」とは何か。それは普遍的なものではなく、時代とともに移り変わっていく「常識」のようなものだろう。多くの人が「基本」だと認めているものが「基本」であり、それに異を唱える人が多くなれば、それに応じて「基本」も内容を換えていく。そういうものだと定義した上で、この本には現時点での「卓球の基本」が詰まっていると思われる。
たとえば本書で勉強になったと感じたのは以下の命題である。この命題だけでは言葉足らずなので、詳細は本書に当たってほしい。
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1.技は部品。いろいろな組み合わせで使う
2.インパクトの時、手首を使うと「こする」。固定すると「弾く」
3.打球後のバランスが崩れているときは軽くジャンプ
4.フォアロングはひねった上半身を正面に戻しながらインパクト
5.つなぎのドライブは6割の力で打つ
6.スマッシュは打ち急がず、下半身で溜めを作ってからスイング
7.スマッシュのバックスイングは高く
8.ショートは常に足を使って体の正面付近で
9.ショートは手首を使わない
10.バックドライブは肘を支点に手首を使う
11.プッシュは仕掛ける時に使う技
12.ブロックは膝を柔らかく使って
13.ツッツキは手首を使って押す感覚
14.攻撃的なツッツキは手首を使わず肘から先で突く
15.強ドライブはバックスイングを高く
16.フリックは上半身をかぶせるように
17.チキータは肘と肩が同じ高さ
18.ブロックは早い打点で
19.サービスはスマッシュと同じぐらいのスイングスピードで
20.サービスで1点とるか2点とるかということはその後の展開にも大きく影響する
21.サービスは3球目にチャンスを作るためのもの
22.トスを上げるときは下半身も使う
23.サービスはフラ~っとしてキュッ
24.フォアサービスはバックスイングの瞬間に右肩を上げて
25.回転を変えるためには2つの方法がある。ラケットの方向を変える方法と、ボールに触る場所を変える方法
26.下回転サービスは相手に強く打たせないためのサービス
27.フォアサービスはできるだけ身体の近くでインパクト
28.バックサービスは肩と腰の反動をしっかり使って
29.ロングでしか返せない横バックサービスと、持ち上げなければ返せない横下バックサービスを混ぜる
30.同じ回転のサービスをいろいろな構えから出す
31.3球目から逆算してサービスを出す
32.レシーブでオーバーミスを防ぐには「近」
33.レシーブで相手の回転の影響を少なくするには「短」
34.レシーブで相手の回転に負けないようにするには「速」
35.システム練習の中にときどき「約束違反」を入れてみよう
36.フットワークは大きく早く動くために支えにする1歩目は床を蹴るように
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「知っていることばかりだ」と思う人もいるかもしれないが、これらの警句を本書の説明とともに改めて読んでみると、見過ごしていたことや、新しい発見もあるかもしれない。小学生向けなので、非常に明解で読みやすい。
まなきゃん氏によると、もう1冊の小学生向け卓球書、原田隆雅氏の『試合で勝てる! 小学生の卓球 上達のコツ50』(メイツ出版)も裏技満載で内容の濃い本であるとのこと。次はこちらの本も読んでみたい。
コメント
コメント一覧 (8)
参考になったのは
35.システム練習の中にときどき「約束違反」を入れてみよう
という項ですね。以前から自分も練習の中でやっていたことなんですが、「約束違反」という言葉として概念化されたことでイメージが湧きやすくなりました。
試合では相手が「嫌なところをついてくる」わけですので、
要はその「嫌がらせ」や「悪意」といった負(?)の感情を持った
ボールを普段から受けておくのが重要なんだなぁ、と思いました。
『卓球練習革命』(卓球王国)で「練習方法が悪いから、試合で勝てないんだ!」と言う記述があったんですが、あの本が言いたいことの本質はこのことと同じだと私は思います。
コメントありがとうございます。
35「約束違反」に目をつけるとは、さすがですね。きっと上級者には考えさせられる項目なんでしょうね。
私は個人的に「13.ツッツキは手首を使って押す感覚」というのを読んで
「ツッツキというのは『切る』技術ではないのか?」
と衝撃を受けました。村瀬氏のようなレシーブの専門家が言うのだから、ツッツキは「押す」技術なのだろうと思って、昨日の練習でずっと押してツッツいていたら、安定しました。
レベルの低い「気づき」でお恥ずかしいですが。
返信ありがとうございます。
私はその項はあまり覚えていませんね(^_^;)。適当に読み流してしまったと思います。
でもよく考えてみると、確かにツッツキは切る感覚というよりは、押す感覚という感じがします。
「押す」、と表現するとペンのショートのようにラケットの面とボールの進行方向が垂直になったインパクトのイメージを想像されるかもしれません。
しかしここでは、あくまでツッツキをする時の角度ですね。
私の感覚ではその角度のまま「当てて前に出す」というイメージでやっております。この時グリップにはそこまで力は入ってませんし、ドライブでよくやる「りんごの皮を向くようにボールの周りを舐める」という動きもしてません。
できるだけボールをラバーに食い込ませることでひきつれが起こり、勝手に切れてとんでいく・・・という感じです。
まとめると、「切る」というよりは「押して(当てて)勝手に切れていく」という感じだと思います。
コメントありがとうございます。
おっしゃっている「勝手に切れていく」ツッツキはバウンド直後というか、バウンドとほぼ同時に当てて、押す感じのツッツキですよね?このツッツキはタイミングが難しいので、私はポテンポテンというゆっくりしたサービスに対してしかできません。
その他のツッツキ――バウンドの頂点か、頂点を過ぎたあたりで打つツッツキを、今まで私はしっかり切っていたのですが、今回は軽く押すだけにしてみました。あまり切れなかったんですが、安定して入ったので、この打ち方、気に入っています。
はい、勝手に切れていくツッツキはバウンド直後のライジングをとらえます。
この押す感じのツッツキであったりストップ、流しはレシーブ時などでも
中々に安定するので非常に有効です。
あけましておめでとうございます。
ご回答ありがとうございます。了解しました。
本年もどうぞよろしくおねがいします。
プロ!
コトヨロ
m(_ _)m
コメントありがとうございます。
本年もどうぞよろしくおねがいします。