今回の世界卓球女子選考会でひときわ目を引いたのが平野美宇選手のプレーだった。

fullswing
 

平野美宇選手 対 伊藤美誠選手の試合は4:43:00あたりから

なぜか分からないが、気づいたら美宇選手がフルスイングでバシバシ打ちまくっているのだ。
魔法にかかったみたいだ。

相手に容易に打たせないためにどの選手も打ちにくいボールやコースを突いているはずなのに、いつのまにか美宇選手はやりたい放題打っている。

一体何が起こっているのだろうか。美宇選手はどうしてあんなにいつも一方的に両ハンドで打ちまくれるのだろうか。この「魔法」を解けば、私も攻撃的で爽快な卓球ができるかもしれない。

美宇選手がどうやってラリーに持ち込んでいるかよーく観察してみた。

longpush
まず、相手のサービスを長くて鋭いツッツキでバック側に返球。

backDR
相手がバックハンドドライブで持ち上げてきたら、

counter
それをカウンターでバックハンドドライブ。

そこからはめった打ち、やりたい放題劇場である。

美宇選手のバックハンドドライブを厳しいコースにブロックすれば美宇選手の攻撃も沈黙するはずだが、そうはならない。
美宇選手は打点が早いので、相手に反撃を許さない、とんでもなく速いボールを放つ。相手は美宇選手のカウンターを返すのがやっとである。結果として攻撃的なボールはほとんど返ってこない。そしてそこそこのスピードで返ってきたボールを美宇選手はさらに厳しいカウンターで返し、終始主導権を握っている(ように見えた)

アジア選手権での朱雨玲選手との対戦も同じような展開だった(前記事「福原選手が丁寧選手をやぶった」)。




fullswing02
観ていて気持ちいいほどのフルスイング

同様に世界ジュニア女王の王曼昱選手との対戦でもすさまじいスピードのラリーで中国に一矢報いた。



hesodashi
見事なへそ出しフルスイング

fullswing06

hesodashi02
これほどのフルスイング連打を可能にしているのは、真上に上げたフリーハンドも関係するのだろうか?

中国選手との対戦では「チマチマ」ではうまくいなされてしまったのか、結局負けてしまったが、ラリーでは美宇選手が圧倒していた。王選手は美宇選手のボールについていくのがやっとといった感じだった。美宇選手のボールのあまりの速さについクロスに返球してしまい、そこをさらにカウンターで打ち抜かれてしまうという場面が多かった。

こんな卓球がしてみたい。
そのためには相手の持ち上げてくるドライブを安定してバックハンドのカウンターで返す技術がなければならない。なにかコツのようなものがないだろうか。

backhand

美宇選手のバックハンドドライブはラケットをほとんど上に振っている。早い打点で上に擦り上げればカウンターが安定するのかもしれない。

そう簡単に美宇選手のような卓球ができるとは思えないが、早い打点でのカウンターという技術は私の卓球を大きく変えるかもしれない。相手に迷惑をかけるので、これまでカウンターの練習には興味がなかったが、美宇選手のプレーを観て、ちょっと取り組んでみたくなった。

べびっしー
今年はふなっしーが大活躍の一年だった。