強打をブロックした時に弾き飛ばされるような、いやな感覚を伴うことがある。これはボールがラケットのスイートエリアの外側にあたってしまい、ブレードを強く響かせるためと思われる。
ラケットのスイートエリアはラケットの中心、あるいは中心よりやや先端寄りにあることが多いように思う。
しかし、経験的に、どうも中ペンで打球する時は中心よりもグリップ寄りで打つと安定する――強打を受けても打ち負けない気がする。

スイートエリア

上の図はバタフライのカタログにあったZLカーボンとスーパーZLカーボンのスイートエリアを示したものであるが、ZLカーボンはわずかに先端寄りににスイートエリアが位置しているが、スーパーZLカーボンはややグリップ寄りにスイートエリアが広がっているようだ。

トップ選手たちはもちろんこのスイートエリアで的確にミートしていると思われるが、実際のところはどうなのだろうか。ペンホルダーの選手を中心に見ていこう。以下、画像が多いので、閲覧にはご注意願いたい。

_DSC8295
中ペンの宋恵佳選手。ミドル処理ということもあり、ややグリップ寄りでミートしている。

20130118-16
小野志保選手。グリップ寄りである。

report090702
王皓選手。グリップ寄りでミートか。


wang
グリップ寄りでミート。

Xu-Xin-CHN-Table-Tennis
許昕選手もグリップ寄り。

images

シェークでもグリップ寄りで打つことは少なくない。
view0016490794

では、ペンホルダーはみんなグリップ寄りでミートしているかというと、そんなことはない。ここまでは、あえてグリップ寄りと思われる写真だけを選んで載せてみたに過ぎない。

3892d8615554367f7092aa76a58b2fddd2376a0b

上の写真のように許昕選手は指を思い切り伸ばしていることが多いので、バックハンドは自然に先端寄りになってしまう。他の選手はどうか。

fc2blog_2014041113552805a
馬琳選手。やや先端でミート。

ms2
こちらの王皓選手はやや先端寄りでミート。

tournamentDetail008789

xuxinchinasuperleaguer10
hqdefault

これらの写真を見ると、台上でのフリックや、ブロックといった前陣でのプレーはグリップ寄りで打っていることが多いように思う。逆に大きなラリーになったときは先端寄りで打球することが多いのかもしれない。

しかし、本当にそうか。
打球陣地というより、打法によるのかもしれない。経験的には、薄く当てるドライブの場合は先端寄りで、ガツンと厚く当てるドライブやブロックの場合はグリップ寄りで打球するような気がするが、この感想めいた結論をこれ以上補強するだけの材料がないので、今回はここでおしまいである。

【付記】
現在、男子ワールドカップをittvで観戦中である。試合から目が離せないため、中途半端な結論で申し訳ない。
ところで水谷選手の進化っぷりがすごい。ラリー前の台上での進歩もいろいろあるのだろうが、ラリーで馬龍選手と打ち合っても負けていない。今後の水谷選手に期待させられる。

【追記】141026
ワールドカップの準決勝が熱くて、記事執筆に身が入らなかった。
この記事で言いたかったことは、どんなボールもスイートエリアで的確に打球すれば安定するのかという問題提起から、実は打球の性質によって先端寄りで打つこともあれば、グリップ寄りで打つこともあるのではないかということであった。ブレードのどこで打てばどんなボールが打ちやすいかということは聞いたことがない(私が知らないだけかもしれないが)ので、意味のある議論ではないかと思う。根拠が薄弱で説得力がないのだが、私の経験上、ブロックやスマッシュはグリップ寄りで打つとけっこう安定するような気がする。

ワールドカップもいよいよ3位決定戦と決勝である。果たして誰が優勝するのか。3位はどちらか。楽しみである。


【おまけ】
コマさん&こまじろう(トリム)